JPS5943480B2 - 有機ゲルマニウム化合物 - Google Patents

有機ゲルマニウム化合物

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JPS5943480B2
JPS5943480B2 JP57203551A JP20355182A JPS5943480B2 JP S5943480 B2 JPS5943480 B2 JP S5943480B2 JP 57203551 A JP57203551 A JP 57203551A JP 20355182 A JP20355182 A JP 20355182A JP S5943480 B2 JPS5943480 B2 JP S5943480B2
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JP
Japan
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compound
present
germanium
uracil
organic germanium
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JP57203551A
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JPS5995293A (ja
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克己 高草木
紀博 柿本
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Asai Germanium Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Asai Germanium Research Institute Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な化学構造を有する有機ゲルマニウム化合
物に関するものである。
炭素の同族体であるゲルマニウム(Ge)は、同じく炭
素の同族体であるシリコン(Si)と同様に半導体効果
を有するという特殊性から、古くより物理学や無機化学
の分野で研究の対象となつているものであるが、近年に
なつてゲルマニウムの有機化合物に関する研究やその成
果の発表が活発に行なわれるようになつた結果、有機ゲ
ルマニウム化合物特に有機ゲルマニウムセスキオキサイ
ドの薬理特性、即ち優れた抗腫瘍作用、インターフエロ
ン誘起作用や免疫賦活作用等々を示す反面、副作用が全
くないという有用な性質が注目されるようになり、その
薬理特性発現のメカニズムは明確に解明されてはいない
が、現在のところゲルマニウム原子と酸素原子との結合
に由来するものと推定されている。
一方、アデニン、グアニン等の核塩基はDNA10やR
NAの重要な構成単位であつて生体内で重要な働きをし
ているものと考えられ、事実核塩基の一種であるウラシ
ルの誘導体には抗腫瘍剤として実用に供されているもの
もあるので、核塩基にこのゲルマニウム−酸素結合を有
する残基を導入で15きれば、毒性が少くしかも腫瘍細
胞の核酸合成を阻害する物質即ち代謝拮抗剤として有用
されることが期待できる。
本発明は上述した事情を背景とし、新規かつ有用な有機
ゲルマニウム化合物を提供することを目20的としてな
されたもので、本発明の有機ゲルマニウム化合物は、式
(式中、Xはハロゲン基を示す) 30で表わされることを特徴とするものである。
即ち、本発明の発明者らは、数々の核塩基とゲルマニウ
ム誘導体との反応を研究し、その生成物を精査した結果
、5−フルオロウラシル(以下、5FUという)等ウラ
シルのハロゲン誘導体とゲ35ルマニウム誘導体とから
所期の化合物を得ることができることを知得して本発明
を完成させたもので、このウラシルのハロゲン誘導体は
、例えば5FUについてよく知られているように、腫瘍
細胞がウラシルを取り込んでチミンへと代謝する際に誤
つて取り込まれ、この誤つて取り込まれた5FUは5位
にフツ素基が結合しているので、酸素反応(メチル化)
が阻害される結果、腫瘍細胞のDNA合成を阻害するも
のと考えられる代謝拮抗剤として用いられているもので
ある。次に本発明について詳細に説明する。
本発明化合物は核塩基の一種であるウラシルのハロゲン
誘導体、例えば5FUの6位にゲルマニウム原子が直接
結合したもので、該ゲルマニウム原子はトリクロル体と
して5FU等に導入されるものがあるが、加水分解によ
りまず塩素原子が水酸基により置換されたトリハイドロ
キシ体となり、次いで該ハイドロキシ体(ビ)分子間で
の脱水反応を経由して本発明化合物が得られるので、ゲ
ルマニウム原子同士は酸素原子により架橋されており、
従つて本発明化合物は5FU等の部分に基く薬理作用と
ゲルマニウム一酸素結合に基く薬理作用とを併有してい
ると考えられる。
又、本発明化合物中の置換基Xはフツ素、塩素、臭素及
びヨウ素のハロゲン基を示しており、Xがフツ素の場合
、即ち5FUを原料とする場合は本発明化合物は、のよ
うな化学構造を有することとなる。
又、本発明化合物は5FU等のゲルマニウム誘導体と酸
素原子とが2:3の割合で結合しているとすることもで
きるので、又は のように表わしても良い。
以上のような構造を有する本発明化合物は例えば次のよ
うな方法で合成することができる。
即ち、まずウラシルのハロゲン誘導体()をアセチルク
ロライド等でアセチル化してジアセチル体()を得、こ
のジアセチル体()にトリクロルゲルマンを付加させて
トリクロルゲルミル体()を得るのである。このアセチ
ル化は例えばジオキサン等の溶媒中でトリエチルアミン
を塩基として行うものとし、アセチル化剤はアセチルク
ロライドに限らず他のものでも良いが、ウラシルのハロ
ゲン誘導体)にトリクロルゲルマンを直接付加させずジ
アセチル体()を経由させたのは、ウラシルがケト形と
エノール形の平衡状態にあり、そのままではトリクロル
ゲルマンが付加しないので、ケト形に固定するためであ
る。又、このトリクロルゲルマンの付加反応はジアセチ
ル()体を単離した後、クロロホルム等の溶媒中で行な
うものとする。尚、上記付加反応に際し、アセチル基の
一方がはずれることが機器分析のデータ等により確認さ
れ、従つてトリクロルゲルミル体()に残るアセチル基
の位置が問題となるが、これも機器分析のデータ及び1
位のアセチル基の方がはずれやすいととう経験則から3
位のアセチル基が残存するものとした。
次いで、得られたトリクロルゲルミル体(IV)を加水
分解すると、本発明化合物(1)が得られるのであり、
この加水分解反応はゲルマニウム一塩素結合とアセチル
基の加水分解を同時に行なうか、または中間体(V)を
単離してから更に加水分解に付してもよく、一工程によ
る場合はトリクロルゲルミル体の約10倍量の水を用い
、多少加熱した方が好ましい。
以上のようにして合成された本発明化合物(1)は、5
FUの構造とゲルマニウム一酸素結合構造とに基くと思
われる優れた薬理特性を示すものと考えられ、実際に本
発明化合物(1−a)を白血病(血液癌)の細胞である
L−1210に作用せしめたところ、該化合物(1−a
)の50%阻止率(IC5O)は80.0μg/mlと
好結果を示した。
而して、前記有機ゲルマニウムセスキオキサイドの同一
細胞に対するC5Oは4Wi/ml程度であるから、本
発明化合物はその1/50量で同一効果を発揮すること
になり、これは本発明化合物(1−a)が水溶性ではあ
るが体内で即座に脱ゲルマニウムとして5FUになるば
かりでなく、ゲルマニウム原子がそれに結合している酸
素原子により電気的に陽性となり、電気的に陰性の腫瘍
細胞に選択的に引張られた後、腫瘍細胞内で5FUにな
へ即ち、5FU構造とゲルマニウム一酸素構造が共働す
るという機構が考えられている。尚、5FU自体のL−
1210細胞に対するC5Oは本発明化合物のそれより
低いが、5FUには無視し得ない副作用(脱毛や嘔吐等
)があり、この副作用を解決した誘導体のC5Oはいず
れも5FU自体より高くなるので、ほとんど毒性のない
本願化合物とのC5Oのみ比較してもあまり意味はない
。次に本発明の実施例を本発明化合物(1−a)につい
て述べる。
1 ジアセチル体()の合成 5FU(…)10g(0.0769モノ(ハ)を100
m1のジオキサンに溶解し、トリエチルアミン23.3
g(0.231モル)を加える。
氷浴下アセチルクロライド18.1g(0,231モル
)を少量ずつ15分間で滴下する。2時間反応させた後
、溶媒を減圧留去する。
冷却後、水を20m1加え、100m1のベンゼンで3
回抽出し、抽出液を飽和食塩水で一回洗い、芒硝を加え
て乾燥後、溶媒を留去すると、ジアセチル体()の結晶
15gが得られた。収率は91%であつた。2 トリク
ロル体()の合成 ジアセチル体()8g(0.0374モル)を160m
1のエーテルに溶解し、トリクロルゲルマンHGeCl
322.4g(0.124モノ(ハ)を滴下ロードから
5分間かけて滴下すると、少し発熱するが3日間室温で
反応させる。
エーテル不溶の沈殿が生ずるのでこれを沢紙により沢過
して沢液の溶媒を留去し、得られた結晶を30m1のク
ロロホルムで洗い、グラスフイルタ一で沢取した後乾燥
すると、トリクロル体()の結晶10.2gが得られた
。収率は78%であつた。トリクロル体() 融 点 198℃〜200℃ 3 中間体(の合成 トリクロル体([V)1.00g(2.84ミリモル)
を水10aに加え更にn−ブチルアルコール100m1
を加えて攪拌し、一日間室温で放置する。
結晶をグラスフイルタ一でf過し、沢取した結晶をアセ
トンで洗浄後、減圧下で乾燥すると、中間体()の結晶
0.57gが得られた。収率は74%であつた.−L一
悶1冑LLI!八 4本発明化合物(1)の合成 トリクロル体(IV)0.50g(1.42ミリモル)
を18%塩酸5m1を加えて4日間室温で放置する。
4日目に水5m11を加え更にn−ブチルアルコール5
0dを加えて一日静置する。
沈殿をグラスフイルタ一でF過し、沢取した結晶をアセ
トンで洗浄後、減圧下で乾燥すると、本発明化合犠1)
が0.19g得られた。収率は59(f)であつた。5
本発明化合物(1−a)の薬理試験 白血病の細胞であるL−1210をRPMl6lOに1
0%FCSを加えた培地にとり、これに本発明化合物(
1−a)を様々な濃度で加えた後、5%のCO2で37
℃に保ち72時間培養したところ、本発明化合物(−a
)は80Pg/mlの5001)阻止率を示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 ▲数式、化学式、表等があります▼( I )(式中、X
    はハロゲン基を示す) で表わされることを特徴とする有機ゲルマニウム化合物
JP57203551A 1982-11-22 1982-11-22 有機ゲルマニウム化合物 Expired JPS5943480B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57203551A JPS5943480B2 (ja) 1982-11-22 1982-11-22 有機ゲルマニウム化合物

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JP57203551A JPS5943480B2 (ja) 1982-11-22 1982-11-22 有機ゲルマニウム化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5995293A JPS5995293A (ja) 1984-06-01
JPS5943480B2 true JPS5943480B2 (ja) 1984-10-22

Family

ID=16476005

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57203551A Expired JPS5943480B2 (ja) 1982-11-22 1982-11-22 有機ゲルマニウム化合物

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200026617A (ko) 2018-09-03 2020-03-11 창원대학교 산학협력단 로봇암 제어 시스템

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200026617A (ko) 2018-09-03 2020-03-11 창원대학교 산학협력단 로봇암 제어 시스템

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JPS5995293A (ja) 1984-06-01

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