JPS5943166Y2 - チルトステアリングのステアリングコラム取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車特に大型トラック等の大型車におけるチ
ルトステアリングのステアリングコラムの取付構造に関
する。

ステアリングコラムを回動できるようにしたチルトステ
アリングは、運転者の体格等に合せてステアリングホイ
ールの位置を調節できるから、運転者の疲労を軽減する
装置として有効である。

そこで、大型トラック等にもこのチルトステアリングを
採用する場合も多くなってきたが、従来はステアリング
コラムの回転中心を床の上側に設けたために、コラムが
手前側に張出し、そのために、足元の空間が狭まるとと
もに、ユニバーサルジヨイントのヨークの移動量も大き
くなり、この影響でチルトの調節範囲も小さく制限され
ていた。

第１図は従来のチルトステアリングの一例を示すもので
あって、ステアリングコラム１は、コラム上側に設けた
回動中心支点２によって車体側に支えられており、ステ
アリングコラム内のシャフトの上端はステアリングホイ
ール４に、下端はユニバーサルジヨイント３を介してス
テアリングシャフト５に連結されている。

そしてこのステアリングシャフトの他端部は別のユニバ
ーサルジヨイント６を介してステアリングギヤボックス
７側に連結されている。

ステアリングコラム１にはチルト位置を固定するノブ８
が配置しであるのでステアリングホイール４の位置を調
節固定することができる。

第１図に示す従来の装置は以上のように構成してあった
ので、回動中心２がコラ″ム上側にあって、ステアリン
グコラムが手前に張出すために、運転者の足元が狭くな
る不具合があった。

さらに、回動中心２とユニバーサルジヨイント３の間の
距離が長くなるために、ユニバーサルジヨイントの振量
が大きくなり、この影響でチルトの調節角度が大きくと
れない等の欠点があった。

一般にステアリングコラムを回動できるチルトステアリ
ングコラム装置はその他種々知られており、例えば実特
開昭５４−１１４４４号公報には農機のステアリングコ
ラムをメータパネル又はサイドフレームに枢着し、また
回動自在に支持する技術が開示されている。

このようにステアリングコラムを枢着し、また回動自在
に支持する部分が運転室の前方部分に設けた技術では前
述の如く運転者の足元やひざ付近が狭くなる。

したがって、本考案の目的は、運転室内を広くとること
ができ、またユニバーサルジヨイントのヨーク振量を小
さくして大きなステアリングホイール移動量を得ること
ができるチルトステアリングのステアリングコラム取付
装置を提供するにある。

本考案によるチルトステアリングのステアリングコラム
取付装置は、チルトキャブの車体の床面と実質的に同じ
レベルにステアリングシャフトのヨークを配置し、該ヨ
ークの上刃に位置するステアリングコラムの下端部にス
テアリングコラムより大径のリング部を設け、該リング
部にステアリングコラムの下側の回動中心を設け、該回
動中心を支えるサポートブラケットを車体の床面に取付
け、該リング部の外周にシール部材を設けである。

したがって、ステアリングコラムは床面において回動自
在に支持されているので、運転者のひざもと或いは足元
に支持用のブラケット等を設ける必要がなく、運転席を
広く利用することができ、また運転者も安定した操作を
行うことができる。

またステアリングコラムの回動中心が床面とほぼ一致さ
せであるので、この回動中心に枢着されてイルユニバー
サルジヨイントの振角が大きくても移動量は小さくてす
むので、床面のサポートの内径が比較的に小さくてもヨ
ークと干渉することがない。

またリング部の外周にシール装置を設けることによりご
み等が運転室内に流入するのを防ぐことができる。

本考案は特にチルト型のキャブ車に好適に実施できる。

大型トラックの車室は、前方に回動できるチルト型のキ
ャブが用いられる場合があるが、この型のキャブにおい
ては、ステアリング系統に一対のユニバーサルジヨイン
トが不可欠である。

かかる場合にユニバーサルジヨイントは床下に設けるこ
とが好ましいが、ステアリングコラムの回動中心が床面
から遠ざかると、必然的に小さい振角で大きい移動量が
生じてしまう。

しかしながら本考案ではステアリングコラムの回動中心
を床付近に位置させることができるので、他の部品との
干渉を生ぜずにユニバーサルジヨイントを好適に配置す
ることができる。

以下第２図イ、口および第３図イ、口を参照して本考案
の実施例を説明する。

第２図イ、口は本考案のステアリング系統を示したもの
で、ステアリングホイール１０はステアリングコラム１
２．内に回転自在に支持されたステアリングシャフト１
１にとりつけである。

このステアリングコラム１２の下端部は、チルトキャブ
の車体の床１３に固定したサポートブラケット１４に、
ボルト１５によって回動自在に支えられており、このボ
ルト１５はコラム１２の回転中心を構成している。

ステアリングコラム１２の上部はステアリングコラム固
定用ブラケット１６により車体側に保持され、調節ボル
ト１７等によってコラムのチルト位置が調整固定される
。

ステアリングシャフト１１の下端部にはヨーク１８が取
付けてあり、ユニバーサルジヨイント１９を介してシャ
フト２０に連結されている。

このシャフト２０の他端は別のユニバーサルジヨイント
２１を介してステアリングギヤボックス２２に連結され
ている。

またチルトキャブ車の場合にも実施できるようにこのシ
ャフト２０は車体をチルトしたときに適合できるために
伸縮自在とするのが好ましい。

このステアリングコラムの取付部の詳細構造は第３図イ
、口に示されており、ステアリングコラム１２の下端部
には、リング部２４がビス２５により固定されている。

そしてこのリング部２４をサポートブラケット１４に挿
入し、ボルト１５とブツシュ２６とによってステアリン
グコラム１２をサポートブラケット１４に回動自在にと
りつけている。

このリング部２４の外周にはシール装置２７が設けられ
、もって防塵を図っている。

本考案は以上のように構成しであるので、コラムの回動
中心とヨークの回動中心までの距離が短くなり、さらに
コラムの軸線に直交して回動中心を設けたから、コラム
が運転者側に張出すこともなく、またコラムの振角も大
きくとることができ、したがって、サポートブラケット
や床下の部品とヨークやユニバーサルジヨイントがぶつ
かることがない。

また運転室にステアリングコラムの支持ブラケット等が
突出せず運転室が広くなる。

特に従来技術のようにステアリングコラムの支持ブラケ
ットをなくし、ステアリングコラムの支持をステアリン
グシャフトが貫通する部分に設けたサポートブラケット
で支持したので、部品点数もすくなくてすむとともに、
コラムの取付けも標準のステアリングコラムと同一にで
き、部品の共通化によるコストダウンを図ることができ
る。

さらにシール装置を単にリング部の外側に設けるだけで
充分にシール作用を行うことができ、運転室にごみ等が
はいることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のチルトステアリングの取付構造を示す側
面図、第２図イは本考案の取付構造を示す側面図、第２
図口は第２図イの要部の正面図、第３図イは要部の詳細
を示す分解斜視図、第３図口は組立てた状態を示す斜視
図である。 １０・・・・・・ステアリングホイール、１１・・曲ス
テアリングシャフト、１２・・・・・・ステアリングコ
ラム１４・・・・・・サポートブラケット、１５・・曲
ボルト１８・・・・・・ヨーク、２４・・・・・・リン
グ部、２７・・・・・・シール装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チルトキャブの車体の床面と実質的に同じレベルにステ
   アリングシャフトのヨークを配置し、該ヨークの上方に
   位置するステアリングコラムの下端部にステアリングコ
   ラムより大径のリング部を設け、該リング部にステアリ
   ングコラムの下側の回動中心を設け、該回動中心を支え
   るサポートブラケットを車体の床面に取付け、該リング
   部の外周を封止するシール部材を設けたことを特徴とす
   るチルトステアリングのステアリングコラム取付装置。