JPS59423Y2 - 建築用パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属薄板にランダム模様の凹凸状模様を形成し
、その凹状面と凸状面の側壁にのみ砂を高密度に分布し
、砂の凝集によって凸状面の側壁と凸状面の頂部の平面
との境界部分（周縁）の塗膜を薄く形成して境界部分を
浮き出させ、立体感を倍加させた建築用パネルに関する
。

一般にカラー鋼板からなる建材、特にその表面は立体感
に欠け（平滑で）、かつ冷たく感しるのが普通であった
。

そしてこれを改善せんとして、例えば実公昭５２−４７
４９５号に示すような方法がある。

しかし、これらは平板状の全表面に砂を均一に分散させ
たものであり、従前に比較して外観を幾分向上したにす
ぎなかった。

本考案は第１次的には金属薄板自体に、第２次的には凸
状模様面の鏡面反射と凹状模様面の砂による乱反射とに
より、（表面構造の相違）、第３次的には金属薄板の地
色と化粧用塗膜の色差により、第４次的には砂の凝集に
より生起され凸状面の側壁と頂部の平面の境界部分の塗
膜厚さを薄く形成することにより頂部の輪郭、所謂周縁
を浮き出させるなどの相乗効果により大幅に立体感を向
上させて希有な外観を呈するように形成した建築用パネ
ルを提案する。

以下に図面を用いて本考案に係る建築用パネルの一実施
例について詳細に説明する。

第１図は上記パネルの一部分を示す斜視図であり、１は
金属薄板で、例えば表面処理鋼板、アルミニウム板、ア
テンレス板、鋼板等である。

さらに具体的には主にカラー鋼板を用いる。

２は凹凸状模様面で凹状面３と凸状面４とを例えば独立
させて、連続して、もしくは交互になど組み合わせて配
設したものである。

さらに、凸状面４は平面状の頂部４ａと頂部４ａと周縁
と前記凹状面３の周縁間に設けた側壁４ｂとからなり、
側壁４ｂは頂部４ａがら凹状面３に向かって延長した延
長線イに対して鋭角、例えばθ＝３０’、４５°、６０
°、７５°のように傾斜し、かつ、頂部４ａと側壁４ｂ
の境界部分４Ｃ１所謂接続部分を曲面に形成した構造で
ある。

これは後記するように化粧用塗膜がこの境界部分４Ｃで
薄くなり、かつ、その周縁が透き通って見えるような塗
膜厚さに形成することにより凸状面４の頂部４ａの輪郭
をさらに浮き出させてより立体感を助長するために役立
つものである。

なお、凹状面３の深さＨは約０．２〜５ｍｍ位で、好ま
しくは０．２〜１ｍｍ位である。

５は砂接着用塗膜で例えば、アクリル樹脂、ポリエスチ
ル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂、メラミン樹脂等を塗膜形成の主成分とするもので
ある。

この場合、約２〜１００μ（ウェットで）を塗布する。

６は砂で、例えば珪砂、岩石粉。ガラス粉９石粉、シラ
ス、パーライト粉、珪酸カルシウム粉、炭酸カルシウム
粉９石コウ粉、バーミキュライト、パーライト粒、大理
石粉、大径石粉、プラスチック粒、金属粉、およびこれ
らに着色した砂状の大きさの１種からなるものであり、
砂６の１種以上を凹状面３に高密度に充填するためのも
のである。

なお、砂６の大きさ、形状は任意であるが、主に前記し
た凹状面３の深さＨより小さい位が、同等直径を有する
ものである。

一例を挙げれば、珪砂の場合は２８〜３２メツシュ位を
用いる。

なお、砂６は塗料を凸状面４の頂部４ａと側壁４ｂの上
部における境界部分を凝集により薄い塗膜にし下地が透
き通って見えるような膜厚にすると共に凹状面３におけ
る乱反射構造の表面の形成と塗膜内に残る気泡を破壊す
るため３大目的に使用するものである。

さらに詳説すれば、第３図に示すように凸状面４の側壁
４ｂの境界部分４Ｃにおいて、塗膜５および下記する化
粧用塗膜が砂６の凝集、所謂、塗料を砂６に引き寄せる
ことによって凸状面４の頂部４ａの塗膜厚、または側壁
４ｂ上の通常の塗膜厚より薄く形成され、下地、すなわ
ち金属薄板の地色が幾分透き通って見え、境界部分浮き
出るように形成するためのものである。

７は化粧用塗膜で砂接着用塗膜と同質の塗料を用いる。

なお、必らずしも同一色、同質塗料に限定されるもので
なく、その製造工程によって種々選択できるものである
。

次に本考案に係る建築用パネルの製造方法について簡単
に説明する。

まず金属薄板としてはカラー鋼板（板厚０．２７ｍｍ、
地色はつやありブラウン）凹凸状模様面２は第１図に示
すような模様で深さＨを０．７ｍｍとしたもの、砂接着
用塗料（っやあリフリーム）５としてはアルキッド樹脂
にシンナーを入れ樹脂：希釈剤の比を１００ ： １０
０に設定し、粘度としては２５℃で約８００センチボイ
ズに調節したものを準備する。

そこで金属薄板１上に砂接着用塗膜５を形成するための
塗料をスプレーガン、もしくはフロコータで約１０μ（
ウェットで）塗布する。

次にこの塗料が未硬化のうちに凸状面４の頂部４ａに存
在する塗膜５′をロール等によって除去する。

その上に砂（珪砂２８〜３２メツシユ８０％）６を凹凸
状模様面２の全面に高密度に散布する。

次に塗膜５に相互に密着、あるいは重なって接着せしめ
られた砂６以外を吹付け、振動等により凹凸状模様面２
から除去する。

その後でこの凹凸状模様面２に対し、化粧用塗膜７を形
成する塗料（前記と同−ｅＩ）をフロコータ、スプレー
等で約１０〜３０μ塗布する。

この塗膜を焼付は乾燥すれば建築用パネルの表面は形成
される。

その結果、境界部分４Ｃにおいてはブラウン色が隠蔽力
の小さいクリーム色の下に変色域のように透き通って見
える。

これは砂６の凝集によってこの部分の塗膜が薄くなり、
かつクリーム色自体ブラウンより隠蔽力がなく、ブラウ
ン色がクリーム色を暗くするために起るものである。

そして本考案はこの効果を凸状面４の浮出しに利用する
ことも大きな目的の１つであり、その効果が十分に認め
られた。

以上、説明したのは本考案の一実施例にすぎず、下地の
色、塗料の色については明暗の関係を保つことが好まし
いが、これに限定されなくても塗膜厚の差によってもこ
れを達成することができる。

上述したように本考案に係る建築用パネルは、■凸状面
の鏡面反射８９グロス（入射角６０°）と凹状面の乱反
射約２グロス（入射角６０°）の差からも明らかなよう
に立体感が大幅に改善される。

Ｏ凸状面の頂部の境界部分は砂の凝集により塗膜を薄く
、所謂境界部分の下地が透き通って見えるように形成し
、凹凸状の高低差に、さらに頂部周縁の透き通って見え
る下地の色差（トーン差）によって頂部を浮き出させた
相乗効果によって立体感をより助長した特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る建築用パネルの一実施例を示す斜
視図、第２図は凸状面の一部分を拡大して示す説明図、
第３図は凸状面の一部分を拡大して示す平面図である。 １・・・・・・金属薄板、２・・・・・・凹凸状模様面
、６・・・・・・砂。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属薄板の表面を凹状面と頂部を平面に形成し、かつ周
   縁と上記凹状面の周縁間の側壁を上記頂部から凹状面に
   引いた延長線に対して鋭角に傾斜せしめると共に側壁と
   前記頂部周縁の境界部分を曲面状に形成した凸状面とか
   らなる凹凸状模様面に形成し、該凹凸状模様の凹状面、
   および凸状面の側壁にのみ砂接着用塗膜を設け、該砂接
   着用塗膜に前記頂面より突出しない大きさの砂を高密度
   に、かつ、前記頂面から突出しないように鉄砂を固着し
   た凹状面、側壁、および頂部を化粧用塗膜で被覆すると
   共に前記側壁と頂部の境界部分の塗膜を該境界部分が透
   き通って見える膜厚に形成したことを特徴とする建築用
   パネル。