JPS594119B2 - アミラ−ゼg4,5によるオリゴ糖の製造方法 - Google Patents

アミラ−ゼg4,5によるオリゴ糖の製造方法

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JPS594119B2
JPS594119B2 JP3753682A JP3753682A JPS594119B2 JP S594119 B2 JPS594119 B2 JP S594119B2 JP 3753682 A JP3753682 A JP 3753682A JP 3753682 A JP3753682 A JP 3753682A JP S594119 B2 JPS594119 B2 JP S594119B2
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amylase
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maltotetraose
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義幸 高崎
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はでん粉からマルトテトラオースとマルトペンタ
オースを主成分とする糖化物の製造方法に関するもので
ある。
従来、アミラーゼとしては、α−アミラーゼ、β−アミ
ラーゼ、グルコアミラーゼなどでん粉に対する分解様式
を異にする種々のアミラーゼが知られ、グルコースやマ
ルトースの製造に釦用されてきた。
そして、最近は、より分子量の太きい、例えば、マルト
トリオース(G3)、マルトテトラオース(G4)、マ
ルトペンタオース(G5)、マルトヘキサオース(G6
)などのオリゴ糖製造技術の開発が要望されている。
これらの糖は食品の甘味料、増量剤、賦形剤、包接剤と
して食品、薬品及び種々の工業製品に広く利用できると
考えられているが、未だ製法は確立されていない。
本発明者は、これらオリゴ糖生産能の強い微生物を求め
て、広く土壌中より微生物の検索を行ってきた結果、バ
シルス属の微生物が、でん粉をマルトテトラオース(G
4 )とマルトペンタオース(G5)を主成分とする糖
化物に分解するアミラーゼを菌体外に生産することを認
めた。
マルトテトラオースを生成する酵素としては、Pseu
domonas 5tuzeri の生産するアミ
ラーゼが、アミロースやアミロペクチンの非還元性末端
からマルトテトラオースを生成することが知られている
(Archive of Bioehemi−st
ry and Biophysics第145巻、10
5〜114頁(1971))が、この酵素はマルトペン
タオースを生成しナイ。
一方、マルトペンタオースを生成するアミラーゼとして
は、Bacillus licheniformis
の生産する耐熱性α−アミラーゼかでん粉からG5を主
成分とする糖化物を生産することが報告されているが、
この酵素のマルトテトラオースの生成能はマルトペンタ
オースの生成能に比べ著しく少なく%程度である。
また、この酵素はG1−G12の各成分も同時に生成す
る酵素である(Archive of Bioch
emistry andBiophysics第15
5巻、290〜298(1973))。
この他、Bacillus 5ubtilisのα−
アミラーゼもでん粉からマルトテトラオースやマルトペ
ンタオースを含んだ種々の糖の混合物を生成するがマル
トテトラオースやマルトペンタオースが主成分をなすも
のでないために、これら糖の製造には適していない。
しかるに、本発明のアミラーゼにより生産されるでん粉
分解物の糖組成は、使用するでん粉のDEや糖化時の反
応条件(でん粉濃度、pH1酵素濃度)によっても異な
るが、通常、マルトテトラオースは15〜35%、マル
トペンタオースは15〜30%を占めており、これら糖
の合計は加〜60%に達する。
第1表に典型的な糖化物の糖組成を示す。
このように、本発明の生産するアミラーゼはでん粉から
マルトテトラオースとマルトペンタオースを主成分とす
る糖化物を生成するアミラーゼであり、このような特徴
のある酵素はいま〜で知られておらず、全く新規な酵素
であり、本発明者はこの酵素をアミラーゼG4,5と命
名した。
以下に本酵素の性質を記載する。
(1)作用;でん粉、アミロース、アミロペクチン、デ
キストリンなどのグルカンをマルトテトラオースとマル
トペンタオースの単位で分解し、これら糖を主成分とす
る糖化物を生成する。
(2)作用温度範囲及び最適作用温度;約70℃まで作
用し、最適作用温度は50〜55℃(1%でん粉濃度、
最適作用pHで30分間反応、第1図a)。
(3)最適pH範囲及び最適作用pH: pH4,5〜
11の範囲に作用し、最適作用pHは6.5〜7.5(
第1図b)。
(4)熱安定性;0.05M)リス緩衝液(pH7,0
)の存在下で加熱した場合、50℃10分間の加熱で7
0〜90%失活する(第1図C)。
(5)pH安定性;0.05M緩衝液で、室温で3時間
放置後、残存活性を測定した。
その結果、pH約6〜約10の範囲で安定であった(第
1図d)(6)安定化:カルシウムイオンの存在により
熱安定性の増加が認められた。
(力 阻害剤;本酵素は5X10 MのHgC12
tZnS Oa s Cup C41FeS 04 s
CoC12lAgNO3などにより95%以上失活し
声。
(8)精製方法及び分子量;本酵素は液体培養物のr液
から、硫安分画、DEAE−セファロースカラムクロマ
トグラフィー(KCI 0.2〜0.6Mでグラジェ
ント溶出)、セファデックスG−200カラムクロマト
グラフイーとセファデックスG−100カラムクロマト
グラフイーなどにより、クロマト的に単一まで精製され
る。
セファデックスG−200カラムクロマトグラフイーに
より、分子量が約4万と約11万の2つのアイソマー分
離されるが、通常、分子量の小さい成分が主成分を占め
ている。
そして、両者の酵素的性質には大きな差は認められない
(9)力価測定法;0.IMIJン酸緩衝液に溶解させ
た1%可溶性でん粉液(pH7,0) 0.5mlに適
量の酵素を加え、水で全量17717!とじ、40℃で
反応させる。
この条件で1時間に1■のグルコースに相当する還元力
を生成する酸素量を・1単位とした。
本酵素を生産するバシルス属菌の例示菌として、バシル
ス サーキュランスを挙げる。
本菌株の菌学的性質は下記の通りであり、本菌株は微工
研菌寄第6237号として、工業技術院微生物工業技術
研究所に寄託されている。
(1)形態;桿菌、大きさ、巾0.7〜0.8μ×長さ
2.5〜5μ、2〜3個連なったものが多い。
非運動性、ダラム陰性。
(2)胞子;胞子嚢細胞はふくらみ、球形〜楕円形の胞
子を形成する。
(3)ゼラチン;液化する。
(4)肉汁寒天;生育良好、黄味がかった薄褐色。
(5)グルコース肉汁寒天;生育不良、淡黄色。
(6)グルコース硝酸塩寒天;わずかに生育、半透明。
(7)肉汁;わずかに混濁、白濁、沈降する。
(8)食塩肉汁:1〜10%食塩濃度食塩束育、1〜5
%で生育促進。
(9)ミルク:分解力強くないが、凝固、その後ペプト
ン化する、リドマス還元。
Cl0) ポテト:生育普通、色素の生成なし。
αυ チロシン寒天:生育かなり良好、淡黄色、チロシ
ナーゼ陰性。
C3グルコースアスパラギン寒天;殆ど生育しな(1゜ 0 インドール;生成しない。
■ アセチルメチルカルビノール;生成しない。
αQ 硫化水素:弱いが生成する。
(16) 硝酸塩の還元;陽性。
(17) ウレアーゼ;生成しない。
(18)カタラーゼ;陽性。
dl でん粉の加水分解;陽性。
(20)炭水化物の利用;グルコース、フラクトース、
マンノース、ガラクトース、D−キシロース、L−アラ
ビノース、シュークロース、マルトース、L−ンルボー
ス、マンニトール、テン粉ヲ利用、生成するが、ガスの
発生なし。
ラクトース、ラフィノース、ソルビット、イヌリンから
生成は弱いか殆どなし。
(2I)メチレンブルー;還元する。
(2つ クエン酸;利用しない。
(23)生育温度;最適生育温度は約30’C,最高生
育温度は50〜57℃。
(24)死滅温度、100℃で10分間加熱しても死滅
しない。
(2■ 最適生育pH; 7.5〜8.5゜以上の菌学
的性質について、Be r gey sMannual
of Determinative Bact
e−riologyの第7版及び第8版(TheWil
liams & Wiikins Company19
57年及び1974年)を参照し、本微生物は、パルシ
ス サーキュランス(Bac i l 1uscirc
ulans)に近縁の微生物であると同定した。
本菌株はアミラーゼG4,5と同時にプルラナーゼを生
産し、両酵素は共同して、でん粉、アミロペクチンなど
分岐結合(α−1,6−グルコシド結合)のある基質か
らマルトテトラオースとマルトペンタオースを収量よ(
生産するのに重要な役割をしている。
本菌の生産するプルラナーゼの酵素的性質は下記に示す
通りである。
(1)作用;プルランに存在するα−1,6−ゲルコン
ド結合を分解し、マルトトリオースを生成′する。
また、でん粉、アミロペクチン、グリコーゲン又はその
派生物のα−1,6−グルコシド結合を分解する。
(2)作用温度範囲及び最適作用温度;約70℃まで作
用し、最適作用温度は50〜55℃(1%プルラン、0
.05MトIJス緩衝液のもとで30分間反応)。
(3)作用pH範囲及び最適作用pH; pH約5〜約
9の範囲に作用し、最適作用pHは7付近にある(1%
プルラン、0.05Mトリス緩衝液の下で40℃で反応
)。
(4)熱安定性;0.05R1リス緩衝液(pH7,0
)のもとで、各温度で10分間加熱後、残存活性を測定
した。
その結果、50℃、10分間の加熱で約73%失活し、
55℃、10分間の加熱で約97%失活した。
(5)pH安定性;pH約6〜約9で安定(0,1M酢
酸緩衝液又はリン酸緩衝液の下で、室温(25℃)で放
置後、残存活性を測定)。
(6)阻害剤;本酵素はCu2+、Zn2+、Ag+。
Hg2+gFe2+などにより強(阻害される。
(7)安定化;カルシウムイオンは本酵素の熱安定性を
増加する。
(8)精製方法;本酵素は培養f液から、硫安分画、D
EAE−セファロースカラムクロマトグラフィー(KC
Io、2〜0.5Mでグラジェント溶出することにより
、アミラーゼG4,5と分離できその後、セファデック
スG−200カラムクロマトグラフイーによりクロマト
的に均一まで精製できる。
(9)分子量:セファデツクスG−200ゲルf過法に
よる分子量は約7万であった。
(10)力価測定法;0.IMIJン酸緩衝液に溶解さ
せた1%プルラン液(pH7,0) 0.51rLlに
適量の酵素を加え、水で全量11nlとし、40℃で反
応させる。
この条件で1時間に17qのマルトトリオースに相当す
る還元力を生成する酵素量を1単位とした。
本発明による酵素生産のための培養は、通常、用いられ
る固体培地又は液体培地が使用され、液体培養のための
培地の窒素源としては、ペプトン、肉エキス、酵母エキ
ス、カゼイン、コーン°ステイープ、リカーなどが使用
され、炭素源としてはでん粉、デキストリン、マルトー
ス、グルコース、シュークロースなどが使用される。
そしてこれに補足する栄養源として、無機窒素源、リン
酸塩、マグネシウム塩、金属塩を含む培地が使用される
培養はpH6〜9、温度25〜55°Cで2〜3日間好
気的に行なわれる。
アミラーゼG4,5及びプルラナーゼは、いずれも菌体
外に生産されるので培養後、濾過又は遠心分離した上澄
液について有機溶剤又は塩析による沈澱回収するか、前
記の精製方法に従い酵素を精製する。
次に酵素によるでん粉の糖化条件について記載する。
アミロース、アミロペクチンやでん粉は糖化に際して液
化される。
液化は酸又はα−アミラーゼを用いて、常法に従い行な
われるが、でん粉の液化度はマルトテトラオースとマル
トペンタオースの収量に著しく影響するので、これらオ
リゴ糖の生産のための望ましいでん粉の液化度DE(d
extrose equivalent の略で、固
形分中の還元糖量なグルコースとして表わした百分率)
は15以下であり、このような液化でん粉を使用した場
合、マルトテトラオースとマルトペンタオースの収量は
約40〜60%になる。
基質濃度は通常5〜40%で行なわれる。
糖化時のpHは、特にマルトペンタオースの収量に影響
する。
すなわち、糖化時のpHが約7以下では、一旦生成した
マルトペンタオースがマルトースとマルトトリオースに
分解されやすい。
そしてこの分解反応を抑制するためには、反応時のpH
は約7.5以上望ましくは約8以上に維持することが望
ましい。
反応温度は通常、40〜60℃で行なわれる。
本酵素はカルシウムイオンにより熱安定性が著しく増加
するので、糖化反応に際して、例えば塩化カルシウムを
5X10 M〜2X10 M程度添加する。
次に実施例により本発明の詳細な説明する。
実施例 1 21の三角フラスコに、ポリペプトンS(大豆製、和光
純薬工業株式会社販売)4%、K2HPO40,3%、
MgSO4・7H200,1%、可溶性でん粉1%と硫
酸アンモニウム0.1%からなる液体培地(pH7,0
)400rILlを入れ、常法ニヨル殺菌後、バシルス
サーキュランスG45(微工研菌寄第6237号)を
接種し、30℃で2日間振盪培養した。
培養後遠心分離機で除菌し、得られり上澄液について生
産されたアミラーゼG4,5を測定した結果、培地罰当
り6.1単位であった。
本培養液中には同時にプルラナーゼが生産されているた
め、培養濾過から、硫安90%で沈澱する区分を集め、
蒸溜水で透析後、0.2MKClを含む0.025M
トリス緩衝液で緩衝化したDEAE−セファロースカラ
ムに吸着させ、0.2M KCIから0.5M KC
Iまでグラジェントに溶出することによりプルラナーゼ
を含まないアミラーゼ区分を得た(67単位10D26
□mμ)。
DE8.05の液化でん粉1tに、該酵素液20単位と
塩化カルシウムを5X10−3M量添加し。
全量10rfLlにし、50℃で24時間反応させた。
そして、得られたでん粉糖化物中の糖組成を、高速液体
クロマトグラフ(カラム;昭和電工(株)NHpack
J −411、溶出液;アセトニトリル65%;水
35%)で分離定量を行った結果、グルコース4.5%
、マルトース10.7%、マルト! トリオース11,2%、マルトテトラオース23.6%
、マルトペンタオース28%、マルトヘキサオース6.
0からなる糖組成であった。
実施例 2 ポテトでん粉をバシルス属のα−アミラーゼ(大和化成
(株)製りライスターゼKM)で液化して得られたDE
2.38、4.25、5.81 。
8.05、12.6と27.2の各液化でん粉液(乾物
量として100■)に、塩化カルシウム5X10−M量
と酵素2単位を添加し全量ITILlとして、50℃で
24時間反応させた。
反応後、得られた糖化物について糖組成を定量した結果
、第2図に示す通りであった。
図から明らかなように、マルトテトラオースとマルトペ
ンタオースの生産のためには、DE約15以下が適当で
あることがわかった。
実施例 3 実施例1と同様にして調製したアミラーゼG4゜5とプ
ルラナーゼ、それぞれ20単位と30単位及び塩化カル
シウムをixio−2M量をDE43の液化でん粉液(
固形物として1グ)に添加し、pHを7.5に調整し、
全量10dとして50℃で24時間反応させた。
反応後、得られた糖化物の糖組成を分析した結果は第1
表に示す通りであった。
表から明らかなように、プルラナーゼの存在下で反応を
行うことにより、マルトテトラオースとマルトペンタオ
ースの含量の高い糖化物が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図a、b、eとdはそれぞれアミラーゼG4.5に
よるでん粉分解反応の最適温度、最適pH熱安定性とp
H安定性を示している。 第2図は各種のDEの液化ポテトでん粉をアミラーゼG
45で糖化した時の糖化物中のGl(グルコース)、G
2(マルトース)、G3(マルトトリオース)、G4(
マルトテトラオース)と05(マルトペンタオース)の
含量を示している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 でん粉又はその部分分解物からマルトテトラオース
    とマルトペンタオースを生成スるバシルス属のアミラー
    ゼG4,5を、でん粉、アミロース、アミロペクチン又
    はその部分分解物に作用させることを特徴とするバシル
    ス属アミラーゼG4,5によるマルトテトラオースとマ
    ルトペンタオース含有糖液の製造方法。
JP3753682A 1982-03-09 1982-03-09 アミラ−ゼg4,5によるオリゴ糖の製造方法 Expired JPS594119B2 (ja)

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