JPS5939228B2 - 裏当材付突合わせ片面溶接における割れ防止法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、被溶接材同志の突合わせ継手部に裏当材をあ
てて、片面溶接を行なう際、裏当材同志の継目部より発
生する溶接割れの防止法に関するものである。

従来、タンク底板等を形成するような場合、その底板を
構成する底板部材同志の継手部に裏当材をあてて、突合
わせ片面溶接を行なつているが、この際、裏当材の継目
部より第２図のような溶接割れ５の発生が見られる。

ところで、この割れの発生原因は裏当材２、２の継手部
３が一種のノッチを形成し、そこに溶着金属が凝固収縮
する際の収縮応力が集中するためではないかとされてい
る。

すなわち、継目部３の溶着金属が凝固収縮する際、その
周囲が裏当材２によつて拘束されているため収縮が充分
なされず、よつて、継目部に収縮応力が集中し、割れ５
の発生を見る結果となるものと思われる。

このように、裏当材の継目に隙間があると、継目部３よ
り割れの発生が見られる不都合がある。

そこで、本発明は上記裏当材の継目部の割れを防止する
ことを目的とした溶接方法を提供するものである。その
発明の特徴とするところは、裏当材の継目部を重ね合わ
せ継手構造とすることによつて、裏当材の継目部に隙間
をなくし、溶着金属の収縮応力の集中を回避して、割れ
の発生をなくすようにしたものである。

以下、第３図、第４図および第５図はその実施例を示す
ものである。

第３図は、裏当材２の端縁部の板厚を薄くし、その上に
他の裏当材２を載せて、重ね合わせ継手としたものであ
る。

第４図は、裏当材２の端縁部にテーパを付けて先端部に
向かつて板厚を薄くし、その上に他の裏当材２を載せて
重ね合わせ継手としたものである。

以上の実施例はいずれも裏当材２、２を重ね合わせ継手
構造とすることによつて、継目部３の間隙がノッチ部を
形成しないようにし、かつ可及的に間隙を無くするよう
にしたため、溶着金属が凝固収縮する際、継目部３に、
冒頭説明したような収縮応力の集中による割れ５を招来
することがない。また第５図は、前記第３図および第４
図で示す実施例と異なり裏当材２、２の端縁を特に加工
することなく単なる重ね合わせ継手とし、被溶接材１を
その上に配置する前に裏当材２、２と被溶接材１との間
隙にあたる部分に、予め、肉盛溶接４し、継目部３の間
隙を埋め合わせておくことによつて、該部での割れ５の
発生を防ぐように構成したものである。

いずれにしても、本発明は裏当材２、２の継目部３を重
ね合わせ継手構造とすることによつて、継目部３に割れ
５の発生原因となるノッチ形状の隙間をなくしたもので
あるため、欠陥のない片面溶接を確保できるものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図は裏当材付突合わせ片面溶接を示す一部破断斜示
図。 第２図はそのＡ−Ａ断面図。第３図、第４図、第５図は
それぞれ本発明における裏当材を示す断面図。・・・被
溶接材、２・・・・・・裏当材、３・・・・・・裏当材
、４・・・・・・肉盛溶接、５・・・・・・割れ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 裏当材を用いて突合わせ片面溶接を行なうにあたり
   、裏当材同志の継目部を重ね合わせ継手としたことを特
   徴とする裏当材突合わせ片面溶接における割れ防止法。