JPS5937121Y2 - 化粧用塗布具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、多孔質素材を用いた化粧用塗布具、特にウレ
タンフオーム類を素材としたパフ類、筆類、チーフ類の
改質、改良に関する。

〔従来の技術〕

従来より、化粧用塗布具として、ウレタン発泡体が多く
用いられてきている。

その用途は塗布具のほぼ全体に互っている。

ウレタン発泡体を塗布部に用いた化粧用塗布具は、通常
、シート状のウレタン発泡体を打抜き、絞り、研磨、接
合等の加工により、パフ状、筆状、チーフ状の形状にし
て、用いている。

このように塗布部が発泡体の化粧用塗布具が種々の形態
および用途で利用されるのは、ウレタン発泡体独特の弾
性と多孔性が化粧用塗布具に適しているからである。

すなわち、発泡体の弾性は使用感を向上させ、また多孔
であるため、化粧料の含みが良いからである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、近年の化粧技術の進歩につれて、これら
多孔質素材を単に打抜き、絞り、研磨、接合等の加工に
より、所望の形状に加工するのみでは、対応できない問
題が生じている。

すなわち、最近では化粧料が非常に多種類となり、そし
て化粧料の種類（例えば、粉末化粧料、固型化粧料等で
あるとかファンデーション、アイシャドウ等であるとか
）に応じて、発泡体の密度（化粧料の含み状態への影響
）、剛性（使用時の塗布具の腰）、表面状態（肌へのタ
ッチ、感触）を変えることが、塗布具に用いられる発泡
体に要求されているというのが実状である。

−例を上げれば、塗布表面を化粧料に合致した状態とす
ることが求められる（すなわち、例えばクリーム状化粧
料と粉末状化粧料とでは、異なった発泡密度や塗布表面
状態が求められる）。

また、用途によっても種々の要求が出されている。

例えば、ファンデーションとアイシャドウとでは、異な
った表面状態、剛性等が求められる。

更に、塗布具内部は弾性に富み、外部のみに腰を求める
こともあるし、また、植毛加工する場合等は多孔質素材
の表面の平滑性が求めるられる（表面が粗面であると、
植毛加工する場合に、均一に植毛できない等の問題が生
じるからである）。

本考案者はこれらの状況を踏まえ、発泡倍率の異なる各
種発泡ウレタンフオームシートを組合せそれらを接着剤
で貼り合せ加工して上述の要求に対応することを試みた
。

しかしながら、発泡シートを接着剤で貼合することは、
その貼合工程に極めて手間どり、また得られた貼合シー
トの品質も均一性に欠けるものであった。

すなわち、発泡シートを接着剤で貼合すると、発泡体の
気孔内に接着剤が定着し、化粧料の含みが良いという発
泡体の初期の効果が得難いことや、実際の使用時に貼合
シートが層間剥離を呈することや、発泡シートの密度は
ある程度までしか高くすることができず（すなわち、気
孔の大きさを小さくするのに限界があり）、所望の密度
に合致しがたいこと等の品質上の問題、更にその製作上
極めて困難を伴う等の製作上の問題があり、実用に供す
るものが完成し難く、従って、意に反するものであった
。

〔考案の目的〕

本考案はこれらの段階を経て開発されたものであり、そ
の目的は、前述のような問題を解決でき、製作が容易で
且つ種々の化粧料の塗布にも対応できる機能の優れた化
粧用塗布具を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案者は前記目的を、塗布部が発泡体からなる化粧用
塗布具において、前記塗布部が、発泡体の細胞性網状体
の重合糸が圧縮状態で結合固定された圧縮体部と、該圧
縮体部に連続一体の原フオーム体部とからなり、前記圧
縮体部が塗布部の化粧料塗布表面の全体にほぼ均一の厚
みで広がっている化粧用塗布具により達成するものであ
る。

〔実施例〕 以下実施例を図面に基づいて説明すると、イソシアネー
ト誘導重合体から誘導された重合性ポリエステルポリウ
レタン、重合性ポリエーテルポリウレタン等のシート状
フオーム体１を圧縮しながらシートの片面または両面を
加熱処理することにより、定厚で所望の見掛密咲の圧縮
体部２，２′をシートの片面または両面に形成する。

この場合に、圧縮率は、望ましくはフォーラ原厚の５多
〜９０％圧縮とする。

また、加熱温度は１４５°Ｃ〜２２０’Ｃが良好である
。

加熱圧縮処理することにより、圧縮状態でインシアネー
ト誘導体の細胞性網状体の重合糸が軟化点近傍で結合さ
れ、圧縮体部２，２′が形成されるものと考えられる。

この加熱圧縮処理の場合に、当然のことながら、圧縮率
が低い方が原フオームの見掛密度に近く、圧縮率が高く
なるほど、見掛密度が高くなる。

このように、加熱圧縮処理により定厚で所望見掛密度の
圧縮体部２，２′を形成した後、打抜き、研磨、接合、
絞り、加圧等を行い任意形状に吸湿する。

第１図イは圧縮前の原フオームを示し、第１図口および
ハはチーフ状に仕上げたものの一例である。

第１図口に示したものは、原フオームを圧縮した状態で
片面からのみ加熱して製造したもので、片面が圧縮体部
２として仕上げられ、他の面は原フオーム体部１となっ
ている。

第１図／＼に示したものば、チー７の両面を圧縮体部２
，２として仕上げ、中心部は原フオーム体部１となって
いる。

第１図口に示したもののように片面仕上したもの１ｄマ
ツサージ用に、また、ハのように両面仕−ヒしたもの（
ｄクレンジング用に極めて適している。

第２図１は本考案の素材を絞り加工して塗布部とし、そ
の上に天蓋４を接着剤３により接合してパフ体を形成し
たものである。

このようにして得られたパフ体７ｄ１塗布部の外部に圧
縮体部２を、そして塗布部の内部に原フオーム体部１を
配すると、特に液状化粧料やクリーム状化粧料に適する
。

第３図に示すものは、化粧料塗布部に柄部５を配設して
筆状塗布具に仕上げたものである。

塗布部における圧縮体部２，２′を適当なものとするこ
とにより、塗布部の摩の感じを自在にコントロールでき
、従来この種の塗布部の内部に使用していた合成樹脂性
芯体を省略できるという利点がある。

また、第４図および第５図に示すものは、打抜き、研磨
により仕上たパフ状塗布具であり、第４図の塗布具では
両面が圧縮体部２，２′であり、第５図の塗布具では片
面のみが圧縮体部２で他面は原フオーム体部１となって
おり、２種類の化粧料を使用するのに適している。

なお、上述の各実施例において、原フオーム体１部と圧
縮体部２，２′を適宜変化させることにより、所望の見
掛密度や腰を有する塗布具を得ることができる。

従って、液状、粉状、クリーム状等の種々の化粧料の塗
布にそれぞれ適合した塗布具として、その塗布機能を高
めることができる。

〔効果〕

本考案によれば、任意に選んだ既製の発泡体から、所望
の見掛密変を有する圧縮体部を任意に形成できるととも
に、圧縮体部と原フオーム体部を組合すことにより所望
の腰や弾性を持たせることができる。

従って、本考案では、目的化粧料に応じた適切な密変や
弾性を持った塗布具とでき、本考案の化粧用塗布具は非
常に使い易い。

この圧縮体部２，２′の他のメリットとしては、原フオ
ーム体部１に比へ、その表面状態が極めて平滑に仕上る
ので、表面状態を良好とでき、しかも塗布部の化粧料塗
布表面の全体に互って均一な状態であるので、化粧用塗
布具の使用機能を高めることができる（例えば、塗りむ
ら等を生ぜずに化粧料を塗布できる）。

また、上述の如く、圧縮体部２，２′１／ｉ、その表面
状態が極めて平滑に仕上るので、表面に植毛加工を施す
場合にも、今までに得られなかった平坦均一な毛面を得
ることが可能になったことも化粧用塗布具として特筆で
きることである。

塗布具の発泡密度を変える場合にｊは、従来は原料シー
トの発泡密兜から変化させねばならず、所望の発泡密度
とし得ないことも多々あった。

これに対し、本考案の塗布具は既製の発泡体から所望の
見掛密度を有する圧縮部を形成するので、簡単且つ安価
に製造でき、所望の特性の化粧用塗布具を経済的に市場
に提供できる。

しかも、所望の見掛密度の発泡体を得る場合でも、素材
の劣化が起こらず実用性の高い塗布具が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図イは原フオーム体の側面図、第１図口およびハは
原フオーム体の加工状態を示す側面図、第２図は天蓋付
き塗布具の一部を断面した斜視図、第３図は柄付き塗布
具の斜視図、第４図および第５図は円形塗布具の斜面図
である。 １・・・原フオーム体部、２，２′・・・圧縮体部、３
・・・接着剤部、４・・・天蓋、５・・・柄。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塗布部が発泡体からなる化粧用塗布具において、前記塗
   布部が、発泡体の細胞性網状体の重合糸が圧縮状態で結
   合固定された圧縮体部と、該圧縮体部に連続一体の原フ
   オーム体部とからなり、前記圧縮体部が塗布部の化粧料
   塗布表面の全体にほぼ均一の厚みで広がっていることを
   特徴とする化粧用塗布具。