JP3148623B2 - 化粧用塗布具 - Google Patents
化粧用塗布具Info
- Publication number
- JP3148623B2 JP3148623B2 JP4419096A JP4419096A JP3148623B2 JP 3148623 B2 JP3148623 B2 JP 3148623B2 JP 4419096 A JP4419096 A JP 4419096A JP 4419096 A JP4419096 A JP 4419096A JP 3148623 B2 JP3148623 B2 JP 3148623B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- rubber sheet
- thickness
- cosmetic
- heating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧用塗布具に関
し、更に詳しくは、少量の化粧料で飽和し化粧料の無駄
を少なくし、ムラなくスムーズに塗布することができ、
且つ感触に優れる化粧用塗布具に関する。
し、更に詳しくは、少量の化粧料で飽和し化粧料の無駄
を少なくし、ムラなくスムーズに塗布することができ、
且つ感触に優れる化粧用塗布具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の第1の化粧用塗布具としては、N
BR等のゴムからなり、単独気泡部と半連続気泡部が一
体に構成され、この半連続気泡部は単独気泡部に近接し
た一側から他側かけて連続気泡率が増大したものが知ら
れている(特開昭62−179404号公報)。また、
第2の化粧用塗布具としては、塗布部がポリウレタンか
らなり、これを加熱圧縮して形成させたもの(特公昭6
0−33863号公報)、第3の化粧用塗布具として
は、ゴムラテックス等からなるコア材とこの表面に貼着
されたミクロポーラスな湿式ポリウレタンの外皮材とか
らなるもの(特開昭62−148608号公報)も知ら
れている。
BR等のゴムからなり、単独気泡部と半連続気泡部が一
体に構成され、この半連続気泡部は単独気泡部に近接し
た一側から他側かけて連続気泡率が増大したものが知ら
れている(特開昭62−179404号公報)。また、
第2の化粧用塗布具としては、塗布部がポリウレタンか
らなり、これを加熱圧縮して形成させたもの(特公昭6
0−33863号公報)、第3の化粧用塗布具として
は、ゴムラテックス等からなるコア材とこの表面に貼着
されたミクロポーラスな湿式ポリウレタンの外皮材とか
らなるもの(特開昭62−148608号公報)も知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の化粧用塗布
具は、加熱圧縮して製造するものの、加熱圧縮により連
続気泡部を独立気泡部に変換するものであり、この独立
気泡部では化粧料の塗布面として使用できないし、塗布
面となる他の連続気泡部表面では、依然としてその気泡
径が大きすぎるままである。また、上記第2、第3の化
粧用塗布具は、その塗布面がポリウレタン材質からな
り、連続気泡であるものの、三次元網状構造を有し、た
とえその気泡径が小さいものであっても、化粧料の保持
量が多すぎ、且つ化粧料の吸収速度が大きすぎ、またポ
リウレタン材質ではNBR等のような優れた感触を得る
ことはできないという欠点がある。そして、第2の化粧
用塗布具のように、これを加熱圧縮して形成したとして
も、その壁厚さが薄いままのため、化粧料の保持量の多
さは依然として変わらない。
具は、加熱圧縮して製造するものの、加熱圧縮により連
続気泡部を独立気泡部に変換するものであり、この独立
気泡部では化粧料の塗布面として使用できないし、塗布
面となる他の連続気泡部表面では、依然としてその気泡
径が大きすぎるままである。また、上記第2、第3の化
粧用塗布具は、その塗布面がポリウレタン材質からな
り、連続気泡であるものの、三次元網状構造を有し、た
とえその気泡径が小さいものであっても、化粧料の保持
量が多すぎ、且つ化粧料の吸収速度が大きすぎ、またポ
リウレタン材質ではNBR等のような優れた感触を得る
ことはできないという欠点がある。そして、第2の化粧
用塗布具のように、これを加熱圧縮して形成したとして
も、その壁厚さが薄いままのため、化粧料の保持量の多
さは依然として変わらない。
【0004】更に、従来のNBR等の連続気泡型ゴムス
ポンジシートでは、気泡径が大きく、そのため化粧料を
吸収しすぎる欠点がある。従って、このスポンジシート
を薄くスキ加工をして、例えば他素材に貼合して化粧用
塗布具を製作することも考えられる。しかし、この場
合、以下のような問題がある。(1)薄くスキ加工をす
るのは、ネバリがあるので非常に困難であり、薄くスキ
加工する為には硬度を上げる必要があるが、この場合は
風合を損ねる。(2)スキ厚にバラツキを生じ、また2
mm以下(特に1.5mm以下)の厚さにスキ加工をす
ることが困難である。(3)化粧料により粘度が異なる
ため、上記の様な条件においては化粧料の適度の含み量
の調整が難しい。
ポンジシートでは、気泡径が大きく、そのため化粧料を
吸収しすぎる欠点がある。従って、このスポンジシート
を薄くスキ加工をして、例えば他素材に貼合して化粧用
塗布具を製作することも考えられる。しかし、この場
合、以下のような問題がある。(1)薄くスキ加工をす
るのは、ネバリがあるので非常に困難であり、薄くスキ
加工する為には硬度を上げる必要があるが、この場合は
風合を損ねる。(2)スキ厚にバラツキを生じ、また2
mm以下(特に1.5mm以下)の厚さにスキ加工をす
ることが困難である。(3)化粧料により粘度が異なる
ため、上記の様な条件においては化粧料の適度の含み量
の調整が難しい。
【0005】本発明は、上記欠点を克服するものであ
り、少量の化粧料で飽和し化粧料の無駄を少なくし、ム
ラなくスムーズに塗布することができ、シート厚が均一
で、且つ感触に優れる化粧用塗布具を提供することを目
的とする。
り、少量の化粧料で飽和し化粧料の無駄を少なくし、ム
ラなくスムーズに塗布することができ、シート厚が均一
で、且つ感触に優れる化粧用塗布具を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第1発明の化粧用塗布
具は、上下一対の加熱板又は加熱ローラを用いて連続発
泡型ゴムシート素材を、加熱下押圧し又は加熱した後押
圧して、連続発泡セルの大きさを低減させ且つ調整させ
て得るとともに厚さが2mm以下である連続発泡型薄ゴ
ムシート層と、該薄ゴムシート層の裏面側に形成される
柔軟性発泡基材層と、からなることを特徴とする。シー
ト厚が2mmを越えると、化粧料の保持量が多くなり、
化粧料が無駄となるとともに、2mm以下(特に1.5
mm以下)の厚さのものは通常のスキ加工により製作す
ることは困難だからである。
具は、上下一対の加熱板又は加熱ローラを用いて連続発
泡型ゴムシート素材を、加熱下押圧し又は加熱した後押
圧して、連続発泡セルの大きさを低減させ且つ調整させ
て得るとともに厚さが2mm以下である連続発泡型薄ゴ
ムシート層と、該薄ゴムシート層の裏面側に形成される
柔軟性発泡基材層と、からなることを特徴とする。シー
ト厚が2mmを越えると、化粧料の保持量が多くなり、
化粧料が無駄となるとともに、2mm以下(特に1.5
mm以下)の厚さのものは通常のスキ加工により製作す
ることは困難だからである。
【0007】上記において、上記シートと上記発泡基材
層が、接着剤により接着されているものとすることがで
きるし、また、上記発泡基材層が上記シート上に一体発
泡成形により形成されているものとすることもできる。
この前者では、接着剤層が非通液膜となり化粧料が基材
層に染み込むことがなく、化粧料の使用量を更に低減さ
せることができる。後者のものは、接着剤を使用せず
に、ゴムシートの上に直接、柔軟性発泡体基材となる原
料を配置、塗布し所定の型内にて発泡させて一体的に柔
軟性発泡基材層を形成(加硫接着)して製造できる。こ
れは、表面層と基材層との一体性に優れ、そのため接合
性及び一体感に優れるし、また両層界面において表面層
の気泡の一部が基材層セルによって封鎖されるので、化
粧量の基材層へのしみだしも低減される。。尚、上記に
おける「ゴム」とは、NBR、SBR又はNR等の所謂
ゴムからなるものであり、ポリウレタン材料からなるも
のは除かれる。
層が、接着剤により接着されているものとすることがで
きるし、また、上記発泡基材層が上記シート上に一体発
泡成形により形成されているものとすることもできる。
この前者では、接着剤層が非通液膜となり化粧料が基材
層に染み込むことがなく、化粧料の使用量を更に低減さ
せることができる。後者のものは、接着剤を使用せず
に、ゴムシートの上に直接、柔軟性発泡体基材となる原
料を配置、塗布し所定の型内にて発泡させて一体的に柔
軟性発泡基材層を形成(加硫接着)して製造できる。こ
れは、表面層と基材層との一体性に優れ、そのため接合
性及び一体感に優れるし、また両層界面において表面層
の気泡の一部が基材層セルによって封鎖されるので、化
粧量の基材層へのしみだしも低減される。。尚、上記に
おける「ゴム」とは、NBR、SBR又はNR等の所謂
ゴムからなるものであり、ポリウレタン材料からなるも
のは除かれる。
【0008】上記連続発泡型薄ゴムシート層を構成する
薄ゴムシートは、以下の方法により製造される。即ち、
上下一対の加熱板又は加熱ローラを用いて連続発泡型ゴ
ムシート素材を、加熱下押圧し又は加熱した後押圧す
る。また、この連続発泡型未加硫ゴムシート素材を、加
熱下押圧し又は押圧した後加熱して、加硫させることも
できる。これにより、連続発泡セルの大きさを低減させ
且つ調整することができる。
薄ゴムシートは、以下の方法により製造される。即ち、
上下一対の加熱板又は加熱ローラを用いて連続発泡型ゴ
ムシート素材を、加熱下押圧し又は加熱した後押圧す
る。また、この連続発泡型未加硫ゴムシート素材を、加
熱下押圧し又は押圧した後加熱して、加硫させることも
できる。これにより、連続発泡セルの大きさを低減させ
且つ調整することができる。
【0009】この製造方法においては、連続発泡型ゴム
シート素材を加熱下押圧する等により所望のシート厚
さ、気孔径、気孔率等をもつゴムシートを製造できる。
従って、容易に連続発泡セルの大きさを低減させること
ができるとともに、圧縮条件を変えることにより、その
大きさを調整することもでき、更に所定厚さの平滑表面
を有するシート(特に2mm以下の薄いシート)を容易
にかつ確実に製造できる。
シート素材を加熱下押圧する等により所望のシート厚
さ、気孔径、気孔率等をもつゴムシートを製造できる。
従って、容易に連続発泡セルの大きさを低減させること
ができるとともに、圧縮条件を変えることにより、その
大きさを調整することもでき、更に所定厚さの平滑表面
を有するシート(特に2mm以下の薄いシート)を容易
にかつ確実に製造できる。
【0010】本発明の化粧用塗布具は、材料がゴムから
なり、厚さが2mm以下である。また、図2〜5に示す
ように、圧縮前と比べて圧縮後においても壁厚(A)は
あまり変わらず、気泡は圧縮後は潰れて偏平な形状とな
る。従って、化粧料が保持され易く且つ出易く、化粧料
の保持量が適当に少なくそのため化粧料が無駄となるこ
とが少ない。また、化粧料の調整を適度に行うことがで
き、化粧料をムラなくスムーズに塗ることができ、更に
使用時の感触もポリウレタン材質と比べて優れる。尚、
発泡ポリウレタンの場合は、図8〜9に示すように、壁
厚が小さく、圧縮後おいても気泡率(気泡容積)は依然
として大きなものとなっている。
なり、厚さが2mm以下である。また、図2〜5に示す
ように、圧縮前と比べて圧縮後においても壁厚(A)は
あまり変わらず、気泡は圧縮後は潰れて偏平な形状とな
る。従って、化粧料が保持され易く且つ出易く、化粧料
の保持量が適当に少なくそのため化粧料が無駄となるこ
とが少ない。また、化粧料の調整を適度に行うことがで
き、化粧料をムラなくスムーズに塗ることができ、更に
使用時の感触もポリウレタン材質と比べて優れる。尚、
発泡ポリウレタンの場合は、図8〜9に示すように、壁
厚が小さく、圧縮後おいても気泡率(気泡容積)は依然
として大きなものとなっている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明する。 実施例1 (1)圧縮シートの製作 実施例1 先ず、NBR製連続発泡型シート素材〔250mm×1
50mm×2.2mm又は2.6mm(厚さ)〕1を準
備する。尚、このシート素材(厚さが2.2mmのも
の)1の表面の顕微鏡写真を図2に、その断面の顕微鏡
写真を図3に示す。そして、図1に示す装置の一対の加
熱板3間に、シート素材1を配置する。尚、この加熱板
3には加熱媒体(例えばヒータ)31を有し、これによ
り150℃に加熱板3を加熱する。そして、一方の加熱
板3にはシリンダ4が設けられて、上下動できるように
なっている。
的に説明する。 実施例1 (1)圧縮シートの製作 実施例1 先ず、NBR製連続発泡型シート素材〔250mm×1
50mm×2.2mm又は2.6mm(厚さ)〕1を準
備する。尚、このシート素材(厚さが2.2mmのも
の)1の表面の顕微鏡写真を図2に、その断面の顕微鏡
写真を図3に示す。そして、図1に示す装置の一対の加
熱板3間に、シート素材1を配置する。尚、この加熱板
3には加熱媒体(例えばヒータ)31を有し、これによ
り150℃に加熱板3を加熱する。そして、一方の加熱
板3にはシリンダ4が設けられて、上下動できるように
なっている。
【0012】シリンダ4を作動させて、各加熱板3、3
をシート素材1側に移動させ、このシート素材1を両面
側から押圧した。そして、以下に述べる所定厚さになる
ようにこのシート素材1を圧縮させて、150℃で所定
時間加熱した。尚、上記素材シート厚さ2.2mmのも
のの成形条件は、仕上げ厚さが0.7mm(圧縮率;3
2%)、加熱時間が1分であり、上記素材シート厚さ
2.6mmのものは、仕上げ厚さが0.8mm(圧縮
率;31%)、加熱時間が0.5分である。
をシート素材1側に移動させ、このシート素材1を両面
側から押圧した。そして、以下に述べる所定厚さになる
ようにこのシート素材1を圧縮させて、150℃で所定
時間加熱した。尚、上記素材シート厚さ2.2mmのも
のの成形条件は、仕上げ厚さが0.7mm(圧縮率;3
2%)、加熱時間が1分であり、上記素材シート厚さ
2.6mmのものは、仕上げ厚さが0.8mm(圧縮
率;31%)、加熱時間が0.5分である。
【0013】その後、一対の加熱板の圧縮状態を解除し
て、加熱後のゴムシート2を取り出し、室温下冷却し
て、2種類の圧縮シートを作製した。前者を実施例品N
o.1、後者を実施例品No.2とする。このNo.1
のものの表面の顕微鏡写真を図4に、その断面の顕微鏡
写真を図5に示す。この写真の結果によれば、気泡径は
圧縮前の80〜200μmが、圧縮により潰れ、セル厚
が厚くなりつつ、横に広がり、連泡状態を示す。
て、加熱後のゴムシート2を取り出し、室温下冷却し
て、2種類の圧縮シートを作製した。前者を実施例品N
o.1、後者を実施例品No.2とする。このNo.1
のものの表面の顕微鏡写真を図4に、その断面の顕微鏡
写真を図5に示す。この写真の結果によれば、気泡径は
圧縮前の80〜200μmが、圧縮により潰れ、セル厚
が厚くなりつつ、横に広がり、連泡状態を示す。
【0014】比較例1 発泡ポリウレタンシート〔ポリエステル系ポリオールと
トリレンジイソシアネートを用いて発泡させたもの、発
泡倍率;33倍、大きさ;250mm×150mm×
2.2mm(厚さ)〕を準備する。尚、このシートの表
面の顕微鏡写真を図6に、その断面の顕微鏡写真を図7
に示す。そして、このシートを実施例品No.1と同様
(同装置、同圧縮率)にして、圧縮して、圧縮シートを
製作した。この圧縮シートの表面の顕微鏡写真を図8
に、その断面の顕微鏡写真を図9に示す。この写真の結
果によれば、気泡は圧縮により潰れ、横に広がるもの
の、セル厚が小さいので、依然として、気孔径及び気孔
率が大きい。
トリレンジイソシアネートを用いて発泡させたもの、発
泡倍率;33倍、大きさ;250mm×150mm×
2.2mm(厚さ)〕を準備する。尚、このシートの表
面の顕微鏡写真を図6に、その断面の顕微鏡写真を図7
に示す。そして、このシートを実施例品No.1と同様
(同装置、同圧縮率)にして、圧縮して、圧縮シートを
製作した。この圧縮シートの表面の顕微鏡写真を図8
に、その断面の顕微鏡写真を図9に示す。この写真の結
果によれば、気泡は圧縮により潰れ、横に広がるもの
の、セル厚が小さいので、依然として、気孔径及び気孔
率が大きい。
【0015】(2)性能評価 触感評価 実施例品No.1及び2の表面は、実際に手で触ってみ
ると、加工前の素材の感触を失わず、しっとりとした触
感を有した。
ると、加工前の素材の感触を失わず、しっとりとした触
感を有した。
【0016】パフ性能 まず、上記実施例品No.1〔圧縮前(No.1A)と
後(No.1B)の2種類)及び上記比較品〔圧縮前
(No.3A)と後(No.3B)の2種類〕の計4種
類の発泡シートを準備する。この各シートの40×40
mmのもの(図10に図示)1aを、白紙の上に配置す
る。そして、この各シートの上にリキッド化粧料の2滴
(約0.04g)を垂らす。その1分後に、この化粧料
の滴下後の広がり、内部への浸透の程度、シートを通過
するか否か、塗布する場合の広がり(塗布性能)につい
て検討し、その結果を図10に示す。
後(No.1B)の2種類)及び上記比較品〔圧縮前
(No.3A)と後(No.3B)の2種類〕の計4種
類の発泡シートを準備する。この各シートの40×40
mmのもの(図10に図示)1aを、白紙の上に配置す
る。そして、この各シートの上にリキッド化粧料の2滴
(約0.04g)を垂らす。その1分後に、この化粧料
の滴下後の広がり、内部への浸透の程度、シートを通過
するか否か、塗布する場合の広がり(塗布性能)につい
て検討し、その結果を図10に示す。
【0017】この結果、実施例品No.1Aでは、化粧
料の滴下1分後の広がり(L)は、約13mmであり、
その表面にはほとんど残らず、即ちほとんどが内部に浸
透したが、シート下面からの液洩れはなかった(即ち下
敷きの紙に化粧料は付着しない。)。尚、これを押圧す
るとシート下面から液洩れが生じ、連続気泡状態である
ことを確認できた。一方、圧縮後のNo.1Bでは1分
後でもまだその表面上に化粧料が残り、横へ少し広がっ
たので,1分後の広がり径は、図9に示すように、15
mmとやや大きくなった。この数分後(1分後はもちろ
ん)においても、同様にシート下面からの液洩れはなか
った。尚、この場合も、同様に押圧することにより、連
続気泡状態であることを確認できた。
料の滴下1分後の広がり(L)は、約13mmであり、
その表面にはほとんど残らず、即ちほとんどが内部に浸
透したが、シート下面からの液洩れはなかった(即ち下
敷きの紙に化粧料は付着しない。)。尚、これを押圧す
るとシート下面から液洩れが生じ、連続気泡状態である
ことを確認できた。一方、圧縮後のNo.1Bでは1分
後でもまだその表面上に化粧料が残り、横へ少し広がっ
たので,1分後の広がり径は、図9に示すように、15
mmとやや大きくなった。この数分後(1分後はもちろ
ん)においても、同様にシート下面からの液洩れはなか
った。尚、この場合も、同様に押圧することにより、連
続気泡状態であることを確認できた。
【0018】一方、比較例品No.3Aでは、滴下する
とほとんど横へ広がらずに直ちに内部へ浸透し、1分後
では(1分も経たない内に)、下敷きの紙上に化粧料が
付着した。また、圧縮後の比較例品No.3Bにおいて
も、同様に直ちに下敷きの紙まで化粧料が達した。この
紙に付着した化粧料の量は、この圧縮後のNo.3Bの
方がやや多かった。尚、1分後の広がり径は、いずれ
も、図10に示すように10〜11mmであった。圧縮
してもほとんど浸透速度は変わらない。
とほとんど横へ広がらずに直ちに内部へ浸透し、1分後
では(1分も経たない内に)、下敷きの紙上に化粧料が
付着した。また、圧縮後の比較例品No.3Bにおいて
も、同様に直ちに下敷きの紙まで化粧料が達した。この
紙に付着した化粧料の量は、この圧縮後のNo.3Bの
方がやや多かった。尚、1分後の広がり径は、いずれ
も、図10に示すように10〜11mmであった。圧縮
してもほとんど浸透速度は変わらない。
【0019】更に、塗布する場合の広がり(塗布性能)
を各サンプルについて調べ、その結果を図10に示し
た。この試験方法は、具体的には、上記2滴の化粧料を
垂らした後のもの(図9の左列に示すもの)を紙上に、
手で顔に塗布するように回しながら塗って行き、もう化
粧料が切れて塗布できなくなった後の広がり(第9図の
右列)を求めて評価した。この結果によれば、圧縮後の
実施例品No.1Bがもっとも広範囲(直径55〜60
mm)に塗ることができ、次いで圧縮前の比較例品N
o.3A(40〜50mm)であった。一方、圧縮前の
実施例品No.1Aでは、塗布範囲が30〜40mm程
度であり、No.1Bよりも少なかった。
を各サンプルについて調べ、その結果を図10に示し
た。この試験方法は、具体的には、上記2滴の化粧料を
垂らした後のもの(図9の左列に示すもの)を紙上に、
手で顔に塗布するように回しながら塗って行き、もう化
粧料が切れて塗布できなくなった後の広がり(第9図の
右列)を求めて評価した。この結果によれば、圧縮後の
実施例品No.1Bがもっとも広範囲(直径55〜60
mm)に塗ることができ、次いで圧縮前の比較例品N
o.3A(40〜50mm)であった。一方、圧縮前の
実施例品No.1Aでは、塗布範囲が30〜40mm程
度であり、No.1Bよりも少なかった。
【0020】以上より、実施例品No.1Bの圧縮品で
は、十分に内部に浸透するとともに、浸透した化粧料が
1Aと比べると、表面から出やすいことを示している。
また、比較例品と比べると、0.7mmと薄いものであ
ってもシート内部を通過してしまう化粧料がないので、
少ない化粧料を有効に使用することができる。尚、圧縮
前の比較例品No.3Aも塗布面積は比較的大きい(4
0〜50mm)が、通過する化粧料が多いし、また浸透
している化粧料があまりにも容易に出易い。即ち圧搾す
るとこの化粧料が外へしみ出てくるので、ムラなくスム
ーズに旨く塗布するのが困難となる。一方、実施例品N
o.1Bは、浸透した化粧料を圧搾しても染みでること
がないので、ムラなくスムーズに旨く塗布することがで
きる。
は、十分に内部に浸透するとともに、浸透した化粧料が
1Aと比べると、表面から出やすいことを示している。
また、比較例品と比べると、0.7mmと薄いものであ
ってもシート内部を通過してしまう化粧料がないので、
少ない化粧料を有効に使用することができる。尚、圧縮
前の比較例品No.3Aも塗布面積は比較的大きい(4
0〜50mm)が、通過する化粧料が多いし、また浸透
している化粧料があまりにも容易に出易い。即ち圧搾す
るとこの化粧料が外へしみ出てくるので、ムラなくスム
ーズに旨く塗布するのが困難となる。一方、実施例品N
o.1Bは、浸透した化粧料を圧搾しても染みでること
がないので、ムラなくスムーズに旨く塗布することがで
きる。
【0021】(3)パフの製作(実施例2) 実施例1で製造した実施例品No.1を用いて、図11
に示す、基材層21と、この上に接着・形成される表面
層22とからなる化粧用塗布具(以下、パフという。)
2を製作した。即ち、上記ゴムシートを連続発泡NBR
基材シート(厚さ;8mm)とを接着剤(ウレタン系接
着剤又はゴム系接着剤)で接合し、トラック状(長径;
約50mm、短径;約40mm)に打ち抜き、その後、
端面を研磨してパフを得た。このパフの表面層21は実
施例1で述べるNBRゴム系であるので、触感に優れる
とともに、実施例1で述べるようなパフとしての特性に
優れる。
に示す、基材層21と、この上に接着・形成される表面
層22とからなる化粧用塗布具(以下、パフという。)
2を製作した。即ち、上記ゴムシートを連続発泡NBR
基材シート(厚さ;8mm)とを接着剤(ウレタン系接
着剤又はゴム系接着剤)で接合し、トラック状(長径;
約50mm、短径;約40mm)に打ち抜き、その後、
端面を研磨してパフを得た。このパフの表面層21は実
施例1で述べるNBRゴム系であるので、触感に優れる
とともに、実施例1で述べるようなパフとしての特性に
優れる。
【0022】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
圧縮用シート素材の厚さ、圧縮率、加熱温度、加熱時間
等を種々選択することにより、最終ゴムシートの厚さ又
は気泡径の大きさ等を、自由に設定できる。
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
圧縮用シート素材の厚さ、圧縮率、加熱温度、加熱時間
等を種々選択することにより、最終ゴムシートの厚さ又
は気泡径の大きさ等を、自由に設定できる。
【0023】更に、ゴムシート素材は加硫後のものでは
なく、未加硫のものを用いることもできる。この場合の
加工条件は、目的、用途により種々選択できる。例え
ば、(1)加熱しつつ(例えば80〜100℃)圧縮し
てもよいし、また(2)所定厚さ(例えば0.5〜1.
0mm)に圧縮し、その後、加熱炉等に移動させてここ
で80℃にて2時間程度、又は100℃にて1時間程度
加熱して加硫し、セルを所定の大きさに固定することも
できる。前者では、表面側のセルが、セル内部と比べて
小さく不均一となるが、後者では、表面層も内部も略均
一なセルができる。また、上記パフにおける基材層は、
連続発泡型のみならず独立発泡型とすることもでき、そ
の場合の形状、大きさ、厚さ、気泡径等は特に限定され
ない。更に、その材質も発泡ポリウレタンに限らず、N
BR等のゴム等とすることができる。
なく、未加硫のものを用いることもできる。この場合の
加工条件は、目的、用途により種々選択できる。例え
ば、(1)加熱しつつ(例えば80〜100℃)圧縮し
てもよいし、また(2)所定厚さ(例えば0.5〜1.
0mm)に圧縮し、その後、加熱炉等に移動させてここ
で80℃にて2時間程度、又は100℃にて1時間程度
加熱して加硫し、セルを所定の大きさに固定することも
できる。前者では、表面側のセルが、セル内部と比べて
小さく不均一となるが、後者では、表面層も内部も略均
一なセルができる。また、上記パフにおける基材層は、
連続発泡型のみならず独立発泡型とすることもでき、そ
の場合の形状、大きさ、厚さ、気泡径等は特に限定され
ない。更に、その材質も発泡ポリウレタンに限らず、N
BR等のゴム等とすることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の化粧用塗布具は、少量の化粧料
で飽和し化粧料の無駄を少なくし、ムラなくスムーズに
塗布することができ、且つ感触に優れるものである。
で飽和し化粧料の無駄を少なくし、ムラなくスムーズに
塗布することができ、且つ感触に優れるものである。
【図1】実施例1において連続発泡型薄ゴムシートの製
造状態を示す説明図である。
造状態を示す説明図である。
【図2】実施例1において使用したゴムシート素材の表
面における結晶構造を示す顕微鏡写真図である。
面における結晶構造を示す顕微鏡写真図である。
【図3】図2に示すゴムシート素材の断面における結晶
構造を示す顕微鏡写真図である。
構造を示す顕微鏡写真図である。
【図4】図2に示すゴムシート素材を加熱下圧縮して製
造された圧縮シートの表面における結晶構造を示す顕微
鏡写真図である。
造された圧縮シートの表面における結晶構造を示す顕微
鏡写真図である。
【図5】図4に示す圧縮シートの断面における結晶構造
を示す顕微鏡写真図である。
を示す顕微鏡写真図である。
【図6】比較例において使用したポリウレタンシート素
材の表面における結晶構造を示す顕微鏡写真図である。
材の表面における結晶構造を示す顕微鏡写真図である。
【図7】図6に示すポリウレタンシート素材の断面にお
ける結晶構造を示す顕微鏡写真図である。
ける結晶構造を示す顕微鏡写真図である。
【図8】図6に示すポリウレタンシート素材を加熱下圧
縮して製造された圧縮シートの表面における結晶構造を
示す顕微鏡写真図である。
縮して製造された圧縮シートの表面における結晶構造を
示す顕微鏡写真図である。
【図9】図8に示す圧縮シートの断面における結晶構造
を示す顕微鏡写真図である。
を示す顕微鏡写真図である。
【図10】実施例1において化粧料の滴下後の広がり及
び塗布後の広がりを示す説明図である。
び塗布後の広がりを示す説明図である。
【図11】実施例2におけるパフの斜視図である。
1;連続発泡型ゴムシート素材、2;パフ、21;表面
層、22;基材層、3;加熱板、4;シリンダ。
層、22;基材層、3;加熱板、4;シリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A45D 34/00 - 34/06 B29C 67/20
Claims (2)
- 【請求項1】 上下一対の加熱板又は加熱ローラを用い
て連続発泡型ゴムシート素材を、加熱下押圧し又は加熱
した後押圧して、連続発泡セルの大きさを低減させ且つ
調整させて得るとともに厚さが2mm以下である連続発
泡型薄ゴムシート層と、該薄ゴムシート層の裏面側に形
成される柔軟性発泡基材層と、からなることを特徴とす
る化粧用塗布具。 - 【請求項2】 上下一対の加熱板又は加熱ローラを用い
て連続発泡型未加硫ゴムシート素材を、加熱下押圧し又
は押圧した後加熱して、加硫させるとともに連続発泡セ
ルの大きさを低減させ且つ調整させて得るとともに厚さ
が2mm以下である連続発泡型薄ゴムシート層と、該薄
ゴムシート層の裏面側に形成される柔軟性発泡基材層
と、からなることを特徴とする化粧用塗布具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4419096A JP3148623B2 (ja) | 1996-02-05 | 1996-02-05 | 化粧用塗布具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4419096A JP3148623B2 (ja) | 1996-02-05 | 1996-02-05 | 化粧用塗布具 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4247416A Division JP2541893B2 (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 連続発泡型ゴムシ―トの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08266329A JPH08266329A (ja) | 1996-10-15 |
JP3148623B2 true JP3148623B2 (ja) | 2001-03-19 |
Family
ID=12684660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4419096A Expired - Fee Related JP3148623B2 (ja) | 1996-02-05 | 1996-02-05 | 化粧用塗布具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3148623B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3945583B2 (ja) | 2004-01-15 | 2007-07-18 | 憲司 中村 | 化粧用塗布具の製造方法 |
KR200460284Y1 (ko) * | 2010-02-05 | 2012-05-15 | (주)아모레퍼시픽 | 두드림 도포구 |
KR101257628B1 (ko) | 2011-03-24 | 2013-04-29 | (주)아모레퍼시픽 | 화장료 조성물이 함침된 발포 우레탄 폼을 포함하는 화장품 |
TWI658837B (zh) | 2012-04-12 | 2019-05-11 | 愛茉莉太平洋股份有限公司 | 具有改進的使用感覺之發泡體 |
KR101562221B1 (ko) * | 2014-04-10 | 2015-10-23 | (주)아모레퍼시픽 | 발포폼을 담체로 포함하는 화장품 |
-
1996
- 1996-02-05 JP JP4419096A patent/JP3148623B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08266329A (ja) | 1996-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4776356A (en) | Cosmetic applicator | |
JP4505652B1 (ja) | 化粧用塗布具 | |
KR101825681B1 (ko) | 화장용 퍼프 | |
JP2003027381A (ja) | シート構造体とその製造方法 | |
CN113908080A (zh) | 化妆品以及多孔性发泡泡沫浸渍材料 | |
JP3148623B2 (ja) | 化粧用塗布具 | |
CN100551693C (zh) | 一种止滑发泡垫制成立体凸纹的方法 | |
JP2005118433A (ja) | 化粧用パフ | |
JP2541893B2 (ja) | 連続発泡型ゴムシ―トの製造方法 | |
KR102240539B1 (ko) | 우레탄 코팅층을 갖는 화장용퍼프 쿠션체 제조방법 및 그 제조방법에 의해 제조된 우레탄 코팅층을 갖는 쿠션체가 구비된 화장용퍼프 | |
KR102531173B1 (ko) | 화장용 퍼프 및 이의 제조방법 | |
KR20180107798A (ko) | 액상 및 파우더 화장품 겸용 퍼프 및 이의 제조방법 | |
KR102192132B1 (ko) | 일부 표면에 필름이 부착된 입체퍼프 및 그의 제조방법 | |
JP3566892B2 (ja) | 化粧用塗布具 | |
JPS6049483B2 (ja) | 化粧用パフ並びにその製造法 | |
KR20190048084A (ko) | 퍼프용 기재 | |
US2955971A (en) | Method of making padded articles | |
JPH0516976Y2 (ja) | ||
KR102181936B1 (ko) | 편심된 날개부를 갖는 화장퍼프의 성형방법 및 화장퍼프의 성형장치 | |
JPS6322807B2 (ja) | ||
JPS5937121Y2 (ja) | 化粧用塗布具 | |
JP3267723B2 (ja) | 化粧用道具の製造方法 | |
JPH05329978A (ja) | ラテックスフォ−ム皮膜を有する立体形状の複合表皮を成形する方法 | |
CN111713841A (zh) | 化妆料涂覆件及该涂覆件的制造方法 | |
JPS6033863Y2 (ja) | 化粧用塗布具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |