JPS5937063Y2 - スライドフアスナ−用スライダ−の引手装飾体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スライドファスナー用スライダーの引手、特
に前端部に整列用突起を有する引手に嵌着する装飾体に
関するものであり、嵌着作業が容易であり、また嵌着状
態を確実で安定したものとすることができるのみでなく
、異なる厚さの引手にも適用できる引手の装飾体を提供
することを目的としている。

既に、スライドファスナー用スライダーの引手の装飾体
としては、雌雄のホック構造により、引手を上下から挟
み込んで装着するものとか、Ｍ状の係止部を引手に係止
するもの、あるいは装飾体の取付穴内へ引手を嵌入する
もの等、種々の装飾体が提案されているが、前二者は意
匠的見地から余り好ましいものではないと共に、装着状
態が不安定である欠点があるため、最後の形式のものが
好まれている。

しかし、これは四囲を連続壁面で囲まれた変形余地の少
ない取付孔内へ引手を無理に嵌入させる構造であるため
、嵌着作業が煩わしく、非能率的であるのみか、引手の
厚さが異なると取付不能となる欠点があった。

一力、スライドファスナー用スライダーの引手には、ダ
イカスト成形されたものとプレス加工されたものとがあ
り、ダイカスト成形されたものは、高級な趣を有するも
ので、板厚がプレス加工したものに比し厚くなっている
反面、プレス加工したものよりコスト安に製造できる利
点がある。

これに対し、プレス加工したものは、強度的に優れてい
るためダイカスト成形されたものより板厚を薄くしうる
ものであって、これら２種の引手が、同一形状のスライ
ダ一本体に対し適宜選択して装着されている。

このため、前述のような従来の装飾体、特に取付穴内に
引手を嵌入する形式のものにおいては、単一の装飾体を
ダイカスト成形した引手とプレス加工した引手とに兼用
することは不可能であった。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載する構成とす
ることにより、上述のごとき従来の装飾体の欠点がなく
、嵌着作業が容易で、嵌着状態が確実で安定し、異なる
厚さの引手にも適用できる装飾体を得たものである。

以下図示例についてその構成を説明する。

図面に示されるように、本考案に係る装飾体１は、前端
部に整列用突起２を有する引手３に嵌着されるものであ
って、第２図に示されるように主体部の１端面４に引手
挿入用の有底溝穴５が穿設され、この有底溝穴５は、端
面４に開口する開口部６と、下面部７と、左右の側面部
８，９と、左右の上面板ｉｏ、ｉｉと、底面部１２とで
引手挿入用の空間部を形成しているものである。

前述の下面部７は、第２図、第４図および第６図人ない
しＣに示されるように、左右両側に突条体１３，１４を
有し、この突条体１３，１４は、開口部６から底面部１
２に近づくにつれ、互に徐徐に近接する形状とされ、そ
の上面は後述するように引手３を載置する載置面１５，
１６とされており、この載置面１５，１６と下面部７と
の連接部分は、テーパ面１７，１８とされている。

前述の側面部８，９は、第４図に明示されているように
、引手３の側面１９，２０に当接する形状に予め成形さ
れており、その上縁からは互に対向して有底溝穴５の内
側方向へ延びる左右の上面板ｉｏ、ｔｉが一連に形成さ
れている。

この上面板ｉｎ、ｔｉは底面部１２に隣接する部分が、
一部切欠されて窓孔２１を形成している３更に左右の上
面板ｉｏ、ｉｉの間には、開口部６から底面部１２に向
うスリット２２が形成されており、このスリット２２は
前記窓孔２１に連通している。

また上面板ｉｏ、ｉｉのスリット２２側の側縁２３．２
４の内面には隆起部２５，２６が形成されている。

この隆起部２５．２６は第２図および第５図人ないしＣ
に示されるように、空間部内へ向って膨隆させられ、開
口部６側から底面部１２側に向うに従って徐々にその膨
隆高さを犬とされており、図示例では、膨隆部２７と、
それより高い膨隆部２８とが形成されている。

これらの隆起部２５゜２６は、第６図に明示されるよう
に、引手３の整列用突起２に当接する部位に設けられて
いる。

図中符号２９は装飾体１の主体部裏面に形成された凹所
であって、装飾効果の向上と摘みやすさの向上とを図っ
たものである。

なお、本考案に係る装飾体１はナイロンの如き弾性に富
む合成樹脂により一体成形される。

本考案に係る装飾体は、上述の構成であって、プレス加
工によって得られた引手３に嵌着する状態を第５図人な
いしＣおよび第６図人ないしＣについて説明するに、開
口部６の高さを、整列用突起２を含む引手３の全高に略
等しくしておくと、第５図および第６図の各Ａ図に示さ
れるように、整列用突起２は上面板１０，１１の内面の
隆起部２５．２６の下面に円滑に挿入される。

次いで、第２図中矢印で示すように装飾体１を押進させ
ると、引手３の先端３′の両側が突条体１３，１４のテ
ーパ面１７，１８にそって載置面１５，１６に導かれ、
遂に引手３は載置面１５，１６上に乗り上げ、隆起部２
５，２６の膨隆部２７が整列用突起２に当接することに
より、第５図および第６図の各Ｂ図に示されるように、
上面板１０．１１はスリット２２の存在により各別に士
民し、整列用突起２の通過を許容する。

押進を更に進めると、第２の膨隆部２８が整列用突起２
を乗り起、した位置で、該突起２は窓孔２１内に納まり
、上面板ｉｏ、ｉｉは旧位置に復帰し、第５図および第
６図の各Ｃ図に示される状態となる。

この状態では、引手３は、上面板ｉｏ、ｉｉの隆起部２
５．２６で、下面部７の突条体１３，１４の載置面１５
，１６上に押圧され、また引手３の側面１９，２０が側
面部８，９に当接し、整列用突起２が窓孔２１内に納ま
って上面板１０，１１の端面に係止されることにより、
装飾体１と引手３とは安定した確実な嵌着状態に固定さ
れる。

上述の操作において、上面板１ｏ、ｉｉは、スリット２
２によって左右に分別されているため、弾性変形による
そり返りが極めて容易に行なわれるので、嵌着操作はき
わめて容易となる。

第７図および第８図は、ダイカスト成形により、板厚が
厚く形成された引手３０に、第１図ないし第６図に示さ
れるものと全く同一構造の装飾体３１を嵌着する状態を
示しており、整列用突起３２により上面板３３．３４が
士民される度合が強くなるほかは、第５図および第６図
に示きれるところと全く同一の作用により両者が嵌着、
固定されるものである。

なお、上面板１０，１１あるいは３３．３４は、第６図
人に明示されるように、予め下向きに屈曲させておくこ
とにより、嵌着、固定時における引手３，３０に対する
押圧力を強くすることができるのみでなく、引手の厚さ
の差異に対する適応範囲を広く採ることができるもので
ある。

なお、上面板ｉｏ、ｉｉあるいは３３．３４の内面に形
成される隆起部２５．２６は、図示の如き段差を設けた
ものに限らず一連の傾斜面としたものでもよい。

また図示例では略長方形の装飾体が示されているが、そ
の外形は略長力形状に限定されるものではない。

本考案は以上説明した構成２作用のものであり、上面板
のスリット側の側縁内面に設けた隆起部が開口部から底
面部に向うに従って従々に空間部内への膨隆高さを大と
し、この隆起部と引手の整列用突起とを当接させ、上面
板を弾性変形させつつ引手に嵌着させるものであるから
、開口部の開口面積を十分大きくとっても引手との係合
は確実に実現できるので、嵌着操作をきわめて容易なら
しめうるし、上面板はスリットによって別けられ、片持
ち梁状に配設されているので、その弾性変形が容易であ
り、前述の隆起部は上面板のスリット側の側縁にのみ設
けられているので上面板の弾性変形自体は僅かなもので
足り、これらが相乗して嵌着作業を軽快に行なわしめう
る効果を奏する。

また引手は、上面板の隆起部により下面部の載置部上に
押し付けられ、また左右の側面を側面部によって当接さ
せられると共に、整列用突起が窓孔に臨む上面板の端面
で係止されることにより、脱出したり、ガタついたりす
ることなく、確実に安定して装飾体に固定される効果も
有している。

更に、引手の板厚に差が存しても、上面板の弾性変形に
よって、その嵌挿が許容され、上述の固定効果が奏せら
れるので、単一の装飾体で板厚に差の存する複数種の引
手に嵌着できる効果も奏し、その嵌着作業も板厚が薄い
場合と全く同様に軽快に行ないうる効果がある。

なお、下面部の載置部において載置面と下面部との間を
テーパ面で連続させる場合には、引手の端部がこの子−
パ面の作用で円滑に載置面上に導かれるので、嵌着作業
の軽快さをそこなわずに、開口部の開口面積を更に広く
とることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例の装飾体を嵌着したスライダーの斜
面図、第２図は引手と装飾体の分解斜面図、第３図は引
手に装飾体を嵌着した状態を示す一部切欠斜面図、第４
図は第３図に示すものの一部切欠平面図、第５図人ない
しＣは引手に対する装飾体の嵌着工程順を示す縦断面図
、第６図人ないしＣは、第５図人ないしＣの各工程順に
対応する装飾体の変形状態を示す正面図、第７図は別の
引手に装飾体を嵌着する際の縦断面図、第８図は第７図
に示される状態における装飾体の変形状態を示す正面図
である。 １・・・・・・装飾体、３・・・・・・引手、４・・・
・・・端面、５・・・・・・有底溝穴、６・・・・・・
開口部、７・・・・・・下面部、８゜９・・・・・・側
面部１１Ｌ １０，１１・・・・・・上面板、１２・
・・・・・底面部、１３，１４・・・・・・突条体、１
５，１６・・・・・・載置面、１７，１８・・・・・・
テーパ面、１９ 、２０・・・・・・引手の側面、２１
・・・・・・窓孔、２２・・・・・・スリット、２５．
２６・・・・・・隆起部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 装飾体主体部の１端面に、引手挿入用の有底溝穴が
   穿設されており、該有底溝穴は、前記端面に開口する開
   口部と、引手を載置する載置部を有する下面部と、引手
   側面に当接する左右の側面部と、側面部の上縁から、互
   に対向して有底溝穴内側方向へ延びる左右の上面板と、
   前記開口部に対峙する底面部とで、引手挿入用の空間部
   を構成しており、底面部に隣接する左右の上面板の一部
   は切欠されて窓孔を形威し、また左右の上面板間は、開
   口部から底面部に向うスリットとさへこのスリットが前
   記窓孔に連通されていると共に、左右の上面板のスリッ
   ト側の側縁の内面には、開口部から底面部に向うに従っ
   て空間部内への膨隆高さを徐々に犬とした隆起部が形成
   されていることを特徴とするスライドファスナー用スラ
   イダーの引手装飾体。 ２ 有底溝穴の下面部の載置部が、平面部両側に位置す
   る左右一対の突条体であり、該突条体は、開口部から底
   面部こ近づくにつれ、徐徐に互に近接させられていると
   共に、各突条体は、引手載置面と、前記下面部との間が
   テーパ面とされていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載のスライドファスナー用スライダーの引手装
   飾体。