JPS593689Y2 - 移動作業機における昇降駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、作業装置昇降用アームと流体圧利用の昇降駆
動装置側の操作部材とのあいだに、前記作業装置の上昇
限および下降限位置を調整可能な昇降規制機構を設けで
ある移動作業機に関する。

この種の移動作業機における昇降駆動装置では、前記昇
降規制機構の存在により、製作誤差や組付は誤差などに
起因する作業装置の上昇限および下降限位置の狂いを容
易に調整することができるものの、実際問題として、前
記昇降規制機構を製作誤差や組付は誤差などに応じて正
確に調整することは難しく、特に、作業装置の下降限位
置に調整ミスがあると、昇降駆動装置の流体圧シリンダ
底部にピストンが衝突して流体圧シリンダの底部に亀裂
などの破損を惹き起こす虞がある。

本考案は、上述のような昇降規制機構の調整ミス等に起
因する流体圧シリンダ底部の破損を確実に防止すること
ができ、しかも、その破損防止のための手段として、特
別に圧油供給機造を改良する等の手段を要さず、移動作
業機として一般的に用いられている関連機器との配置構
造の関係を有効に利用で゛きるようにすることにその目
的がある。

上記目的を達成するための本考案の特徴とする構成は、
作業装置昇降用アームと流体圧利用の昇降駆動装置側の
操作部材とのあいだに、前記作業装置の上昇限および下
降限位置を調整可能な昇降規制機構を設けである移動作
業機において、前記昇降駆動装置の下降作動側における
許容ストロークエンド位置によって定められる最下降限
位置での昇降用アームに接当してその下降を阻止する下
降制限具を、機体の固定機枠部分と、機体上に立設され
た安全フレームの支柱中間部とを連結固定する補強連結
部材によって構成した点にあり、かかる構成から次の作
用効果を奏する。

即ち、昇降規制機構による作業装置の下降限位置に相当
する固定機枠部分に下降制限具を取付けるだけの簡単な
構造改良であり乍ら、作業装置の下降限位置での調整ミ
スがあった場合でも、昇降駆動装置の流体圧シリンダ底
部にピストンが衝突する以前において作業装置の下降を
停止させることができるので、このような調整ミス等に
起因する流体圧シリンダ底部の破損、それに伴なう危険
事態の発生を確実に回避することができるに至ったので
ある。

そして、上記のようなシリンダ底部の破損等を回避する
ために、圧油供給構造そのものに特別な加工を施す等の
圧油供給系の構造の複雑化を招くことなく、この種の移
動作業機が一般的に備えているところの安全フレームと
、その安全フレームに対する補強構造、ならびに、その
補強構造と昇降用アームとの配置関係とを有効に利用し
て下降制限具を構成できたものであるから、上述のシリ
ンダ底部の破損等を回避するための手段として特別な構
成部材を要することなく、既存の部材を兼用して、きわ
めて構造簡単に構成することができたものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図面は乗用型耕耘機を示し、トラクタ本体１のミッショ
ンケース１Ａの後部に、一本のトップリンク２と平面視
においてほぼハの字形状に対設した二本のロアリンク３
，３を介してロータリ耕耘装置（作業装置）４を昇降自
在に連結するとともに、トラクタ本体１側に設けた油圧
利用の昇降駆動装置５によって上下方向に揺動駆動され
る左右一対の昇降用アーム６．６と前記ロアリンク３，
３とを昇降用ロッド７．７を介して連結し、以って、前
記昇降駆動装置５側の操作レバー（操作部材）８を中立
位置Ｎから上昇操作位置ＵＰ又は下降操作位置ＤＯに揺
動操作することにより、前記昇降用アーム６．６、昇降
用ロッド７．７、ロアリンク３，３を介してロータリ耕
耘装置４を上昇又は下降させるべく構成している。

そして、前記操作レバー８と一方の昇降用アーム６との
あいだに、前記ロータリ耕耘装置４の上昇限および下降
限位置を調整可能な昇降規制機構９を設けるとともに、
前記ミッションケース１Ａの後部に連設した固定機枠部
分の一例であるところのＰ、Ｔ、０軸１０の周部を覆う
後部カバー１Ｂの、前記昇降規制機構９によるロータリ
耕耘装置４の下降限位置に相当する個所には、つまり、
前記昇降駆動装置５が下降側に作動されて、昇降駆動装
置５の流体圧シリンダ底部にピストンが衝突する前の許
容されるストロークエンドにまで達した時点において、
昇降用アーム６．６の下縁側に相当するレベルには、前
記昇降用アーム６．６に接当する下降制限具１１．１１
を取付けている。

また、前記ミッションケース１Ａの後端下側部と後部車
輪１２．１２のギアケース１３．１３とに亙って、運転
車落下防止用安全フレーム１４の支柱１４Ａ、１４Ａを
取付けるとともに、この支柱１４Ａ、１４Ａの取付は基
端部近くに連設した補強連結材１５゜１５をミッション
ケース１Ａ側に取付けるための取付は部を、前記下降制
限具１１．１１にて兼用構成している。

前記昇降規制機構９は、次の如く構成されている。

即ち、前記操作レバー８の途中に枢着した規制ロッド９
Ａの遊端部を、一方の昇降用アーム６に連設した作動片
９Ｂに挿通支持させるとともに、前記作動片９Ｂの両側
部に位置する規制ロッド９Ａ部分には、前記ロータリ耕
耘装置４が所定の上昇限位置にまで上昇したときに、上
昇操作位置ＵＰにある操作レバー８を中立位置Ｎに復帰
させる上昇規制部材９Ｃと、前記ロータリ耕耘装置４が
所定の下降限位置にまで下降したときに、下降操作位置
ＤＯにある操作レバー８を中立位置Ｎに復帰させる下降
規制部材９Ｄとを、前記規制ロッド９Ａの軸芯方向に位
置変更固定自在に取付け、以って、前記両規制部材９Ｃ
，９Ｄの位置変更により、ロータリ耕耘装置４の上昇限
および下降限位置を調節すべく構成している。

尚、前記下降制限具１１を、昇降規制機構９によるロー
タリ耕耘装置４の下降限位置よりも上昇領域内において
位置変更固定自在に構成しても良きものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動作業機における昇降駆動装置の
実施例を示し、第１図は乗用型耕耘機の要部の側面図、
第２図は一部切欠背面図、第３図は要部の拡大一部切欠
側面図である。 １Ｂ・・・・・・固定機枠部分、４・・・・・・作業装
置、５・・・・・・昇降駆動装置、６・・・・・・昇降
用アーム、８・・・・・・操作部材、９・・・・・・昇
降規制機構、１１・・・・・・下降制限具、１４・・・
・・・安全フレーム、１５・・・・・・補強連結部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業装置４昇降用アーム６と流体圧利用の昇降駆動装置
   ５側の操作部材８とのあいだに、前記作業装置４の上昇
   限および下降限位置を調整可能な昇降規制機構９を設け
   である移動作業機において、前記昇降駆動装置５の下降
   作動側における許容ストロークエンド位置によって定め
   られる最下降限位置での昇降用アーム６に接当してその
   下降を阻止する下降制限具１１．１１を、機体の固定機
   枠部分１Ｂと、機体上に立設された安全フレーム１４の
   支柱中間部とを連結固定する補強連結部材１５゜１５に
   よって構成しであることを特徴とする移動作業機におけ
   る昇降駆動装置。