JPS5936802B2 - 熱感応性素子 - Google Patents

熱感応性素子

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JPS5936802B2
JPS5936802B2 JP14717677A JP14717677A JPS5936802B2 JP S5936802 B2 JPS5936802 B2 JP S5936802B2 JP 14717677 A JP14717677 A JP 14717677A JP 14717677 A JP14717677 A JP 14717677A JP S5936802 B2 JPS5936802 B2 JP S5936802B2
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signal extraction
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武夫 近藤
弘 岡田
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱感応性素子、いわゆるプラスチックサーミ
スターに関する。
従来、熱感応性ポリマとして、ポリ塩化ビニル、セルロ
ーズエステル、ポリアミド等(例えば特公昭26−16
27号、特公昭35−14179号等)が知られており
、又本発明者等は新たにブチレンテレフタレート構造を
有するポリエステルも有効であることを見出しているが
、かかる熱感応性ポリマを面状体として実際に使用する
場合には、少なくとも二つの信号取出電極を熱感応性ポ
リマのフィルム状物に設け、温度変化に伴なう熱感応性
ポリマの電気特性変化を電気的に検出せねばならず、そ
の方法としては、二つの信号取出電極間に熱感応性ポリ
マをエクストルージョンラミネート法で一気に設けるか
、あるいは熱感応性ポリマを熔融製膜法等により一旦フ
ィルムとして成型し、これに二つの信号取出電極を適宜
の手段で設ける方法が知られている。
しかし前者の方法では、エクストルージョンラミネート
時に、熱感応性ポリマの厚み斑や、部分的な穴や、導電
性異物の混入等の欠陥が発生しても、瞬間的に装置を停
止して欠陥部分のラミネートを中止することは技術的に
極めて難しく、高価な信号取出電極ごと不良品となって
しまったり、又強固に接着せしめるので、高価な熱感応
性ポリマフィルムのエッチ部分の分離、回収、再利用が
難しい等の欠点があった。
一方、後者の方法では、熱感応性ポリマのフィルムを成
型すること自体、又たとえフィルムが得られても、それ
に二つの信号取出電極を設けることに種々の問題点があ
った。
即ち熱感応性ポリマの中でも、特に共重合ポリアミドや
共重合ポリエステル等は粘着性が強くて、熔融製膜時に
金属製キャスティングドラムに粘着して単体フィルムと
して剥離することが困難であったり、ブロッキング性が
強くて良好な巻姿で皺もなくロール状に巻取ること、あ
るいは巻戻すことが難しかったり、信号取出電極を熱圧
着法で設ける場合に、信号取出電極で覆われない露出部
分が熱圧着ロールに粘着したり、又これ等以外のポリマ
の場合でもキャスティングドラムにモノマー、オリゴマ
ー、その他の揮発分や空気中の水分が凝縮、付着してし
まい、フィルム面に凹凸や冷却斑の発生、水滴、電解性
不純物の付着等の問題があった。
その対策として、熱感応性ポリマを離型紙上に熔融押出
ししてフィルム状となし、適宜離型紙を剥離して単体フ
ィルムを得る方法も考えられるが、離型紙は堅くて伸び
ないので、良好な巻姿でロール状に巻取れなかったり、
その結果フィルムに皺が発生して厚み斑、例えばフィル
ムが折れ重なると最低でも3倍の厚さとなり、熱感応性
フィルムの厚さ方向の電気抵抗値を利用する場合には、
その部分の電気抵抗値が3倍以上と大巾に増大してしま
い、熱感応性フィルムとしての基本的な機能を失なって
しまうという重大な問題が生ずる欠点があった。
又高価な離型紙を経済的に使用するために再利用すべく
、長尺の熱感応性ポリマがフィルム状に固化した時点で
離型紙を剥離してしまえば、前述の如きフィルムのブロ
ッキング性や後加工工程での熱圧着ロールへの粘着問題
が生ずるし、一方、後の工程で熱圧着後に剥離すれば離
型紙に皺が生じて再利用できなかったり、あるいは離型
紙ごと切断、打抜き等した後で、目的の信号取出電極と
熱圧着、剥離すれば、もはや剥離した小片の離型紙は長
尺品として再利用することができない等の問題があった
そこで本発明者等は、かかる欠点や問題のない生産性、
−・ンドリンク性、電気特性等に優れた熱感応性素子を
得るべく、鋭意研究の結果、本発明に到ったものであり
、本発明の骨子は、熱感応性フィルムの少なくとも片面
に、該熱感応性フィルムよりも体積抵抗率あるいは/お
よび融点が高いフィルムが、該熱感応性フィルムの弾性
限界応力以下の接着力で複合されてなる熱感応性素子に
関するものであり、前述の種々の欠点を全て解消するの
みならず、後述の如き新たな効果をも奏するものである
本発明を図面に用いてより詳しく説明すると、第1図〜
第3図は本発明の熱感応性素子の断面図であり、第1図
は熱感応性フィルム1の片面に、1よりも体積抵抗率あ
るいは/および融点が高いプラスチックフィルム2が1
の弾性限界応力以下の接着力で複合されてなる熱感応性
素子であり、第2図は熱感応性フィルム1の両面にプラ
スチックフィルム2,3が同様に複合されてなる熱感応
性素子であり、第3図は本発明を更に発展させたもので
第1図の他の面に、導電層4が複合されてなる熱感応性
素子である。
又第4図〜第9図は、本発明の第1図(3図に示す熱感
応性素子の応用例を示す断面図であり、第4図は第1図
の2あるいは第2図の2,3を剥離した裸の1の両面あ
るいは第3図の2を剥離した面に、信号取出電極(導電
層)4,5を設けた熱感応性部材であり、第5図は、第
1図の片面あるいは第2図の2又は3を剥離した片面に
2種類のパターン状の信号取出電極6,7を設けた熱感
応性部材である。
又第6図は、第3図の2を剥離して、2種類のパターン
状の信号取出電極6,7を片面に設けた熱感応性部材で
ある。
又第7図は第6図において、パターン状の信号取出電極
7の代りに、パターン状の発熱体8を同一面上に設け4
と6とを信号取出電極としたもので、所謂熱感応性面状
発熱体である。
又第8図は、第6図において、パターン状の信号取出電
極6,70代りに、パターン状あるいは平面状の信号取
出電極兼発熱体9を設け、第7図と同様に4と9とを信
号取出電極としたもので、熱感応性面状発熱体である。
第9図は、第4図の熱感応性部材に電気絶縁体11を介
してパターン状あるいは平面状の発熱体10を設けた熱
感応性面状発熱体を示す。
又第10図は、第8図の熱感応性面状発熱体の温度検出
制御回路を示すブロック図である− ここで、本発明における熱感応性フィルムとは、実用的
な暖房ヒータ一温度である室温〜120°Cの間で、温
度変化に伴なって、誘電率、リアクタンス、体積抵抗率
やインピーダンス等の電気特性が通常のプラスチック以
上に大きく変化するプラスチックフィルムを意味し、そ
の代表的なポリマ組成例としては、ポリ塩化ビニール、
セルローズエステル、ポリアミド例えばナイロン12、
ナイロン6と12との共重合ナイロンや、ブチレンテレ
フタレート構造を有するポリエステル例えばポリブチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート/セバケート
、ポリブチレンテレフタレート/イノフタレート・ポリ
テトラメチレングリコールブロックコポリマ等があるが
、本発明の如くフィルム状で使用する場合には、面状電
極との接着力が優れている点で特に共重合ナイロンやブ
チレンテレフタレート構造を有するポリニスデルが好ま
し戦なお、夫々電気特性、耐熱性、柔軟性等の維持、改
良等の目的で必要に応じて適宜界面活性剤、老化防止剤
、柔軟性付与剤、その他一般的プラスチックポリマ用添
加剤を添加することは任amである。
又、該熱感応性フィルムとしては、温度変化に伴なう電
気特性変化が大きいことが、電気特性の検知(信号取出
)上有利であり、所謂ザー蔵z−B定数(R=R・ex
pB(斤−浮の式中のBの値で、Rは温度T0にの時の
電気抵抗、Roは温度TSKの時の電気抵抗を表わす〕
としては5000°に以上が好ましい。
又、該熱感応性フィルムよりも体積抵抗率あるいは/お
よび融点が高いプラスチックフィルムとしては、要する
に該熱感応性フィルムに対する電気的絶縁機能および加
熱加工する場合の機械的保持機能を有すればよく、特に
制約はないが、その代表的例を挙げると、ポリエステル
フィルム、ナイロン6フィルム、ナイロン66フィルム
、ポリプロピレンフィルム、ポリ4−メチルペンテン−
1フイルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等があり、又これ等の混合体フィルム、複合フィル
ムでもよい。
なおここに挙げた例は前述の熱感応性フィルムとの全て
の組合せにおいて前述の機能を全て満足するとは限らず
、組合す熱感応性フィルムの物性に応じて適宜選択使用
すればよいが、特に好ましい組合せ例を挙げれば、熱感
応性フィルムとしてのナイロン6と12との共重合ナイ
ロンには、ポリプロピレンフィルム、ポリ4−メチルペ
ンテン−1フイルム、ポリエステルフィルム等があり、
ブチレンテレフタレート構造を有するポリエステルには
、ポリ4−メチルペンテン−1フイルム等が、融点差、
接着力等の点で好ましいが、これ等に限定されるもので
はない。
また、熱感応性フィルムおよびかかるプラスチックフィ
ルムの分子配向は任意であり、無配向(無延伸)、一軸
配向(一軸延伸)、二軸配向(二軸延伸)を適宜選択使
用すればよいが、特に本発明を直接複合製膜法(口金で
の吐出以前の過程で複数種類のポリマが層状に複合され
る製膜方法)により製造する場合には一般に無配向とな
るが、この場合でも、その複合フィルムごと一軸延伸、
二軸延伸を行なえば、一軸配向、二軸配向フィルムとな
り、熱感応性フィルムやプラスチックフィルムの物性や
、後加工適性等の点で適宜選定すればよい。
又本発明でいう、該熱感応性フィルムとプラスチックフ
ィルムとが、前者の弾性限界応力以下の接着力で複合さ
れてなることの意義は、後の工程でプラスチックフィル
ムを必要に応じて剥離する場合に、熱感応性フィルムが
伸長して塑性変形してしまわないようにするためであり
、この接着力の調整方法は任意であるが、一般的には、
熱感応性フィルムとプラスチックフィルムとの化学的組
成に依存しており、大巾に異なっていれば一般に接着力
は小さく、近似化あるいはポリマブレンドで大きくもで
き、又直接複合製膜の場合には、キャスティング温度や
延伸の有無等によっても調整でき、又プラスチックフィ
ルム上に熱感応性ポリマを押出複合製膜する場合には、
プラスチックフィルム表面の微小凹凸や、物理、化学的
処理(例えばコロナ放電処理、火炎処理、ケミカルエツ
チング処理、アンカーコーティング処理等)によっても
接着力を調整できるので、適宜の方法を用いればよい。
又、本発明の熱感応性フィルムとプラスチックフィルム
との厚みは任意であり、夫々数μ〜数100μ〜数庇が
使用できるが、熱感応性フィルムについては高価なもの
で一般に数μ〜数10μと薄い方が経済的であり、又特
に電気特性、例えばインピーダンスのレベルにより信号
取出の難易があるので、夫々のポリマに応じた厚さを選
べばよく、例えば体積抵抗率の極めて大きい熱感応性フ
ィルムでは計測技術上高価な回路、部品を使用しないと
信号取出しができないので、数μ程度に薄くする必要が
ある。
かかる薄い厚さのものをエクストルージョンラミネート
したり、離型紙の上へ熔融押出しすることは極めて難し
いが、本発明の→りの如く、他の厚いプラスチックポリ
マと一緒に直接複合製膜すれば容易に得られるものであ
る。
又、本発明は熱感応性フィルムの少なくとも片面に、該
熱感応性フィルムよりも体積抵抗率あるいは/および融
点が高いプラスチックフィルムが複合されてなる熱感応
性素子であり、第1図の如く片面、第2図の如く両面で
もよく、又第3図の如(片面で、他の面には導電層が複
合されていてもよく、例えば導電性微粒子を練込んだり
、コーティングした導電性プラスチックフィルム層や金
属箔、メッキ、蒸着等の金属薄層でもよく、かかる場合
には、後述の如き利点、効果を奏する。
なお、本発明の熱感応性素子の製法、具体的には熱感応
性フィルムとプラスチックフィルムとの複合方法は任意
であり、複数の熔融押出機で夫々熔融したポリマを、一
本のポリマ管内で層状に直接複合したり、口金マニホー
ルドで直接複合してもよく、又別途用意したプラスチッ
クフィルム上に熔融押出ししてもよいが、特に後述の利
点で前二者の方法がより好ましい。
本発明は以上の説明の如く、[熱感応性フィルA (7
) 少なくとも片面に、該熱感応性フィルムよりも体積
抵抗率あるいは/および融点が高いプラスチックフィル
ムが、該熱感応性フィルムの弾性限界応力以下の接着力
で複合されてなる熱感応性素子]なので、従来のエクス
トルージョンラミネート法によるものや、単体の熱感応
性フィルムや、離型紙上に熔融押出ししたものに比べて
次の如き利点、効果を有する。
即ち、第1の利点は、熱感応性フィルム層の厚みが任意
に選べること、特に数μ程度の薄いものが厚みの均一性
よ(容易に得られることであり、その結果体積抵抗率や
インピーダンスレベルが高くて信号取出が難しいポリマ
でも、フィルム厚さを薄くすることによりレベルを低く
でき、信号取出が容易になることである。
より詳しく説明すると、従来のエクストルージョンラミ
ネート法や、単体での熔融押出法、離型紙上への熔融押
出法では、熔融押出量を小さくしたり引取速度を大きく
したりして熱感応性フィルム厚さを薄くしようとすると
熱感応性フィルムに穴が生じて破れたり、ネックインに
より両耳部が極めて厚くなったり、風や静電気や機械の
振動で口金を出た直後の熔融状態の熱感応性フィルムが
揺れて厚み斑を生じたりする問題があり、工業生産的に
は20μ程度より薄いものは得難かつ゛たが、本発明の
複合フィルムとすれば、特に口金以前の過程で複合する
直接複合フィルムとすれば、複合するプラスチックフィ
ルム側の厚さを十分厚くしておくことにより全体として
厚いフィルムとなり、かかる問題は全て解消され、必要
とする数μの薄い熱感応性フィルムが厚いプラスチック
フィルムと複合された形で均一な厚みで容易に得られる
のである。
第2の利点は、このようにして得られた複合フィルムか
ら、必要に応じて熱感応性フィルム層のみを容易に、か
つ変形することなく剥離できることである。
即ち、本発明の熱感応性フィルムは、プラスチックフィ
ルムが該熱感応性フィルムの弾性限界応力以下の接着力
で複合されているので、該熱感応性フィルムとプラスチ
ックフィルムとを剥離して単体の熱感応性フィルムにぜ
んとする場合に、該熱感応性フィルムが伸長して塑性変
形して重要な厚みや巾が変化することがないのである。
従って従来得られなかった数μの薄い熱感応性フィルム
単体をも本発明の熱感応性素子から容易に得ることがで
きるのである。
第3の利点は、曲面(3次元)に成型できることである
例えば曲面全体の温度検出が必要な場合、従来のエクス
トルージョンラミネート法では平面状物しか得られず、
又単体の熱感応性フィルムでは熱プレス成型時に金型に
粘着してしまう欠点があり、又離型紙上に熔融押出され
たものでは離型紙が曲面に成型できない等で極めて困難
なことであったが、本発明の熱感応性素子は、片面ある
いは両面にプラスチックフィルムが複合されているので
、通常の熱プレス法で容易に曲面成型ができ、これに金
属を蒸着、メッキ法等で、あるいは導電性塗料を吹付け
、塗布等して信号取出電極を設ければ、曲面全体の温度
を検出できる熱感応性部材が容易に得られるのである。
第4の利点は、透明性がよいことであり、且つプラスチ
ックフィルムへの着色も容易であることである。
即ち、第1図の如く片面にのみプラスチックフィルムが
複合された本発明の熱感応性素子と、信号取出電極の一
つとしてアルミニウム箔とを熱ロール等で熱圧着した場
合、従来の離型紙上に熔融押出しした熱感応性フィルム
では離型紙が不透明なので、熱感応性フィルムが皺や気
泡の発生なく良好にアルミニウム箔と熱圧着されたかど
うかが離型紙を剥離しないと見えないが、本発明のもの
は透明なプラスチックフィルムを用いることにより、そ
のままでそれ等を容易に目で見ることができる利点があ
り、プラスチックフィルムをそのまま保護材料として後
の工程まで付けておける利点をも有するものである。
又プラスチックフィルムを着色、あるいは半透明化して
適宜光電管での自動識別を行なったり、光学的に検査を
行なったりできる利点もある。
第5の利点は、ロール状での巻取り、巻戻し等の−・ン
ドリンク性がよいことである。
即ち熱感応性フィルムが粘着性、ブロッキング性の強い
場合の対策として離型紙上に熔融押出ししたものは、離
型紙に伸長性がないために良好な巻姿での巻取りが難し
く、特に離型紙2板の間にサンドインチ状にしたものは
更に難しく、小径のロール状では周長差で皺が発生して
熱感応性フィルムの折り重ねが生じやすかったのに対し
、本発明のものは、伸長性、柔軟性に富んだプラスチッ
クフィルムと複合一体化されているので、巻取り、巻戻
し等のハンドリング性が極めてよく、皺の発生がないこ
とである。
第6の利点は、カールし難いことである。
即ち信号取出用電極との熱圧着を行なうべく熱感応性フ
ィルムを予備加熱、乾燥等をぜんとする場合、単体の熱
感応性フィルムでは熱風オーブン中の搬送ロールに粘着
するし、又離型紙上に熔融押出ししであるものは、両者
の伸長収縮率の差によってカールしたりする欠点がある
のに対し、本発明のものは、離型紙よりもはるかに熱感
応性フィルムの性質に近いプラスチックフィルムが複合
されているので、かかる欠点はなく、複合状態で容易に
予備加熱、乾燥等ができるのである。
第7の利点は、熱感応性フィルム単体よりは勿論のこと
、離型紙上に熔融押出ししたものに比べても、防湿性が
良いことである。
即ち熱感応性フィルムの中でも特にポリアミドは吸湿性
が大きく吸湿により電気特性が大巾に変化し、本来の温
度による電気特性変化との区別が難しくなるので、熱感
応性フィルムを製膜した後の吸湿防止が極めて重要であ
るが、離型紙を使用したものは、紙本来の高透湿性や、
巻取時の皺による空隙の発生等で防湿性が悪いのに対し
、本発明のものは、本来透湿性の小さいプラスチックフ
ィルム(特ニポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエス
テル等は小さい)が複合一体化され、しかも皺なく良好
な巻姿で得られるので、極めて防湿性がよく、ロール状
で長期間保管できる利点がある。
更に又、本発明の第3図の如く、熱感応性フィルム10
片面にプラスチックフィルム2、反対側の面に導電層4
として信号取出電極用にアルミニウム箔の如き金属箔を
複合しておけば、より優れた防湿性の熱感応性素子が得
られる利点もある。
第8の利点は、防塵性がよいことである。
即ち熱感応性フィルム単体は勿論、離型紙を用いたもの
でも、離型紙エッチ部からの毛羽や、再使用による付着
塵埃等の異物付着、混入により、熱感応性フィルムの厚
さ方向に電気的短絡が発生し易いが、本発明によるもの
は、プラスチックフィルムなので毛羽はなく、又口金以
前の工程で直接複合製膜すれば塵埃の吸着もなく、又プ
ラスチックフィルムの再使用も、一旦再熔融して濾過を
行えば付着塵埃の混入もない等の利点がある。
勿論第5図の如く片面にのみ二つの信号取出電極を設け
、片面はプラスチックフィルム層のままで使用すること
ができ、恒久的な機械的、電気的、化学的保護層として
も有効である。
又第6図の如く、片面に二つの信号取出電極を設け、他
の面に導電層を設けておけば、第5図と同様な効果があ
るのみならず、6〜4間や6〜4〜7間の電気特性をも
検出できる利点がある。
第9の利点は、プラスチックフィルムの回収、再利用が
容易なことである。
例えば高価な離型紙は、再利用せんとしても巻取時に一
旦皺が発生すると再利用時にも残り、薄い熱感応性フィ
ルムをその上に熔融押出しすると皺に応じた変形が生じ
厚み斑となってしまったり、又離型紙ごと打抜加工した
ものは再使用出来ない等の欠点があるが、本発明のもの
はプラスチックフィルムなので、例え皺があったり、打
抜加工された小片でも回収、再熔融が出来、常に新しい
状態での使用が可能であり、特に口金以前の過程で直接
複合製膜すればプラスチックフィルムを別途製膜する工
程が省略でき、経済的にも安価である利点もある。
第10の利点は、熱感応性フィルムの熔融押出し製膜時
にキャスティングドラムでの冷却効率が良いことである
即ち熱感応性ポリマのキャスティングドラムへの粘着防
止のため離型紙をキャスティングドラム面に供給密着さ
せ、その上に熱感応性ポリマをフィルム状で熔融押出し
する方法では、離型紙の熱伝導率が小さく、又堅くて伸
長性が小さいためにキャスティングドラムに必ずしも密
着しない等のため、熱感応性フィルム層の冷却効率が悪
く、又不拘−になり易いが、本考案のものは、プラスチ
ックフィルムなので熱伝導率が太き(、又柔軟で伸長性
に富むのでキャスティングドラムへの密着性が良く、特
にプラスチックフィルム層を口金以前の過程で直接複合
したものは熔融状態でプラスチックフィルム層がキャス
ティングドラム面へ押出されるので極めて密着性がよく
優れた均一性と冷却効率が得られ、急冷徐冷の任意性に
よる接着力の調整、キャスティング速度の向上等ができ
る利点がある。
なお、以上の利点の他に、キャスティングドラム面にプ
ラスチックフィルム層を接しせしめることにより、前述
の粘着防止効果以外に、熱感応性ポリマから発生するモ
ノマ、オリゴマ、その他の分解物や揮発物がキャスティ
ングドラム面に付着凝縮して熱感応性フィルム面に転着
することがなく、又キャスティングドラムが梅雨時の如
き高温多湿環境で結露しても、それが直接熱感応性フィ
ルム面に転着せず、水滴およびそれに溶解した電解性不
純物の付着による熱感応性フィルムの吸水、汚染、電気
特性の変化等の不都合が生じない等の利点もある。
又、エクストルージョンラミネート法に比べれば、高価
な熱感応性フィルムのエッチ部分の回収、分離、再利用
が容易であり、更に一旦熱感応性フイルムとするので、
厚み斑や、穴、異物等の欠点部分を検査て餘外して、良
好な部分のみを選択使用でき、組合す高価な信号取出電
極、その他材料の損失を防止し得る利点もある。
以上の如く本発明の熱感応性素子は種々の優れた利点、
効果を有するので、面状や曲面状の温度検出体、あるい
は発熱体を組合せた熱感応性面状発熱体とし有効に使用
することができる。
なお、本発明でいう弾性限界応力とは、熱感応性フィル
ムが引張りにより塑性変形(永久歪み)を起こさないよ
うな弾性限度内の力を意味し、そのものの厚さでの単位
巾当りの力(g/l)を意 。
味するものである。
以下、実施例を示す。
実施例 1 熱感応性ポリマとして、20重量部のカプロラクタムと
80重量部のラウロラクタムとを水の存 。
左下で重合せしめ、硫酸相対粘度ηr27のナイロン6
/12共重合体となし、これにヨウ化銅系の老化防心剤
を添加して共重合ナイロンチップを得た。
該共重合ナイロンの30℃での体積抵抗率は2X101
4Ωαであり、融点は148℃であつ 。
た。
一方、プラスチックフィルム用ポリマとして、タルトイ
ンデックスMIが8の通常のポリプロピレンチップを用
意した。
該ポリプロピレンの3000での体積抵抗率は1×10
15Ω・ぼであり、融点は165℃であった。
次に前者は60mmφエクストルーダーで260℃で熔
融し、後者を40劃φエクストルーダーで240℃で熔
融し、両者を別々のパイプでダブルマニホールドからな
る2層複合用口金に導入し、口金リップ内で直接複合し
た状態で熔融押出しし、25℃に保ったクロームメッキ
仕上げの金属性キャストドラム上に、ポリプロピレン側
が接触し、共重合ナイロンが空気側になるように押出し
冷却し、続いてエッチ部分を共重合ナイロンフィルムと
ポリプロピレンフィルムが複合された状態でスリットし
、中央部をポリプロピレンフィルムを外側にしてロール
状に巻取ることにより、共重合ナイロン(ナイロン6/
12共重合体)が70μの熱感応性フィルムとポリプロ
ピレンが40μのプラスチックフィルムとが直接複合さ
れてなる第1図の如き本発明の熱感応性素子を得た。
次に、ロール状の該熱感応性素子を、金属製の加熱ロー
ルと耐熱ゴム製のニップロールからなる熱圧着機に装填
し、共重合ナイロンフィルム層からポリプロピレンフィ
ルムを剥離しながら、共重合ナイロンを、信号取出電極
としての20μ厚さのアルミニウム箔(反対面に二軸延
伸ポリエステルフィルム貼付け)と、信号取出電極兼面
状発熱体としての導電性カーボン塗料をコーティングし
た二軸延伸ポリエステルフィルム(表面電気抵抗300
Ω/口)との間に、180℃の温度と14kg/cmの
線圧力で5 m /分の速度で連続的にサンドインチ状
に熱圧着し、第8図に示す如き熱感応性面状発熱体を得
た。
次にこれに第10図の如き温度検出制御回路からなるコ
ントローラーを接続し、一定時間毎に発熱用電流を遮断
して、熱感応性ポリマである共重合ナイロン層に交流電
圧を印加して、温度に伴なうインピーダンス変化を検出
する時分割検知方式で温度検出を行ない、その値と設定
値との比較で一定時間発熱用電流をONあるいはOFF
することにより、電気カーペットや床暖房等に好適な全
面の温度検出ができる実用的な熱感応性面状発熱体装置
が得られた。
なお、本実施例においては、熔融押出、製膜時のキャス
ティングドラムへのフィルムの粘着による剥離困難な現
象は全くなく、適度に密着して効率よく冷却されており
、又共重合ナイロンから煙状のモノマ、オリゴマ類の発
生が激しいが、キャスティングドラムへのこれ等の凝縮
蓄積も全くなく、均一透明な複合フィルムが皺もなく良
好な巻姿で得られた。
又スリットした複合フィルムのエッヂ部分は共重合ナイ
ロンフィルムとポリプロピレンフィルムとを容易に剥離
することが出来、夫夫回収し、再熔融押出しして再利用
できた。
又ポリフロピレンフィルムを剥離しながら熱感応性フィ
ルムである共を合ナイロンフィルムを信号取出電極間に
熱圧着する場合も、ロール状の該熱感応性素子は実用上
問題となる吸湿はしておらず、ロールかもの巻戻しおよ
び2枚のフィルムの分離(剥離)も容易で何ら・・ンド
リンク性に問題はな(、又熱感応性フィルムである共重
合ナイロン(弾性限界能力18009 /cI/L)が
剥離力(5g/cm )で伸長して塑性変形することも
な力りた。
又該熱感応性フィルムである共重合ナイロンのインピー
ダンスは、30℃で5XIO9Ω・α。
120℃で5×107Ω・αであり、サーミスターB定
数5750°にであった。
実施例 2 実施例1と同じ共重合ナイロン(ナイロン6/12共重
合体)チップを実施例1と同様に60mmφエクストル
ーダーで熔融し通常のシングルマニホールド口金からフ
ィルム状に押出した。
一方、別途用意した厚さ25μの二軸延伸ポリエステル
フィルム(東しく株)製゛ルミラー″)を20°Cのキ
ャスティングドラム面に連続的に供給し、前述の口金か
ら押出された直後の熔融状態の共重合ナイロンをこの上
に複合し、その後エッチ部分をスリットし、中央部を二
軸延伸ポリエステルフィルム面を外側にしてロール状に
巻取り、80μの共重合ナイロンからなる熱感応性フィ
ルムと、25μの二軸延伸ポリエステルフィルムからな
るプラスチックフィルムとが複合されてなる第1図の如
き本発明の熱感応性素子を得た。
ここ℃咳二軸延伸ポリエステルフィルムの300Cでの
体積抵抗率は8×1017Ω・αであり、融点は263
°Cであった。
次に実施例1と同じ熱圧着機にロール状の該熱感応性素
子を装填し、信号取出電極として厚さ50μの二軸延伸
ポリエステルフィルム(東しく株)i”ルミラー″)の
片面に厚さ20μのアルミニウム箔を接着剤で貼付け、
エツチング処理によりアルミニウム箔をパターン状に溶
解し二種類の電極が交互に櫛状になるように設けた長尺
品のアルミニウム箔面と、該熱感応性素子の共重合ナイ
ロン面とが接するように熱圧着ロールに供給し、190
℃の温度と13kg/CIrLの線圧力で4m/分の速
度で連続的に熱圧着して、第5図に示す如き熱感応性部
材を得た。
該熱感応性部材は、その両面が電気絶縁性、機械的特性
、化学的特性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムで
覆われているので、他の面状発熱体の温度検出用部材と
して種々の環境下で信頼性良く使用でき、又共重合ナイ
ロンの側に初めから複合されている二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを剥離すれば、その面に面状発熱体その他を
適宜熱接着することもできた。
なお、本実施例においては、共重合ナイロンの熔融押出
製膜時のキャスティングドラムへの直接的接触が全くな
いので、粘着による剥離の困難化は全くなく、又二軸延
伸ポリエステルフィルムのキャスティングドラムへの密
着性もよく、効率的な冷却がなされ、又共重合ナイロン
からの煙状のモノマ、オリゴマ類の発生も激しいがキャ
スティングドラムへの凝縮、蓄積も全くな(、均一、透
明な複合フィルムが皺もなく良好な巻姿で得られた。
又、スリットした複合フィルムのエッチ部分は、共重合
ナイロンと二軸延伸ポリエステルフィルムとを容易に剥
離することができ、夫々回収し、再熔融使用することが
できた。
又共重合ナイロンフィルムと二軸延伸ポリエステルフィ
ルムとが複合された該熱感応性素子と信号取出電極とし
てのアルミニウム箔(二軸延伸ポリエステルフィルム付
き)との熱圧着は、外側に共重合ナイロンより融点の高
い二軸延伸ポリエステルフィルムがあるので、熱ロール
への粘着は全くなかった。
又この場合、共重合ナイロンフィルムは二軸延伸ポリエ
ステルフィルムと複合されているので、強い張力をかけ
てロール間を搬送しても、伸長塑性変形したり、千切れ
たすせず、又防塵性もよかった。
又共重合ナイロンと二軸延伸ポリエステルフィルムとの
剥離力は8g/crrLで、両者を無保持で剥離しても
共重合ナイロンが伸長塑性変形することはなかった。
実施例 3 熱感応性ポリマとして、ジカルボン酸成分としてテレフ
タル酸65モル係、イソフタル酸35モル係と、ジオー
ル成分として1,4−ブタジオールとを重合反応せしめ
、相対粘度1.5.30℃での体積抵抗率が2X101
6Ω・儒、融点160℃のポリブチレンテレフタレート
/イソフタレートポリマを得た。
該ポリマは負の抵抗温度係数を有しており、120℃で
の体積抵抗率は9X10”Ω儂であり、直流電圧印加に
よるサーミスターB定数は13700°にと大きく、熱
感応性ポリマとして優れていた。
次にプラスチックフィルム用ポリマとして、4−メチル
ペンテン−1を重合せしめて、30℃での体積抵抗率が
4X10”Ω・儂、融点が230℃のメチルペンテンポ
リマ(ポリ4−メチルペンテン−1)を得た。
次に前者を40mmφエクストルーダーで260℃で熔
融し、後者を60noφのエクストルーダーで280℃
で熔融し、夫々のポリマな独立のパイプでダブルマニホ
ールドからなる2層複合用口金に導入し、口金リップ内
で両者を直接複合した状態で熔融押出しし、18℃に冷
却されたキャスティングドラム上に、ポリブチレンテレ
フタレート/イソフタレートポリマが空気側、メチルペ
ンテンポリマがキャスティングドラム側になるようにキ
ャストして冷却固化し、エッヂ部分をスリットして、メ
チルペンテンポリマが外側になるようにロール状に巻取
り、熱感応性フィルムとしてのポリブチレンテレフタレ
ート/イソフタレートポリマ層が8μの厚さで、プラス
チックフィルムとしてのメチルペンテンポリマ層が50
μの厚さで直接複合された第1図の如き本発明の熱感応
性素子を得た。
次に該熱感応性素子を実施例1と同じ熱圧着機に供給し
、信号取出電極としての30μ厚みのアルミニウム箔と
、該熱感応性素子のポリブチレンテレフタレート/イソ
フタレートポリマ層とが接するように重ねて(メチルペ
ンテンポリマ層が外側になるように重ねて)、195℃
の温度で15kg/CrfLの線圧力で3m−/分の速
度で連続的に熱圧着し、アルミニウム箔とポリブチレン
テレフタレート/イソフタレートポリマとが弾性限界応
力よりはるかに大きい接着力で強固に接着し、外側にメ
チルペンテンポリマフィルムが積層された中間製品を得
た。
ここで熱圧着の算、メチルペンテンポリマフィルムが介
在するので、熱ロールへの粘着は何等見られなかった。
次に該中間製品を再度核熱圧着機に装填し、メチルペン
テンポリマフィルムを剥離しながら、剥離面(ポリブチ
レンテレフタレート/イソフタレートポリマ露出面)に
、二つ目の信号取出電極として同様にアルミニウム箔を
熱圧着して、第4図に示す如き、二つの信号取出電極と
してのアルミニウム箔間に、熱感応性フィルムとしての
8μ厚さのポリブチレンテレフタレート/イソフタレー
トポリマフィルム層がサンドインチ状に熱接着された面
状の熱感応性部材を得た。
該熱感応性部材にDC12Vの直流電圧を印加し、温度
変化による体積抵抗率変化を検出する(具体的には標準
抵抗体を直列に結線して電位差変化を検出する)ことに
より、湿度の影響および経時変化の小さい実用的な面状
の熱感応性部材が得られた。
又、これに第9図の如く電気絶縁層11を介して面状発
熱体10を設けることにより、全面の温度検出ができる
熱感応性面状発熱体が得られた。
なお、本実施例なおいては、該熱感応性素子の熔融押出
しキャスティング時のキャスティングドラムへの粘着に
よる剥離困難化は全くなく、適度に密着して効果的な冷
却が行われ、均一な複合フィルムが、皺もなく良好な巻
姿で得られた。
又スリットした複合フィルムのエッチ部分は、二つに容
易に剥離することが出来、夫々回収して、再熔融利用で
きた。
又該熱感応性フィルムをロール状で後加工の熱圧着まで
の1周間室内に放置しておいたが、何ら問題となる吸湿
はなかった。
又該熱感応性素子ロールを熱圧着機で巻戻す場合の・・
ンドリンク性もよく、熱圧着機への粘着もなく、二つ目
の信号取出電極としてのアルミニウム箔との熱圧着直前
でのメチルペンテンポリマの剥離も剥離力6 & /c
mと小さく容易にできた。
又その時に第一の信号取出電極としてのアルミニウム箔
から既に熱圧着されたポリブチレンテレフタレート/イ
ソフタレートポリマフィルム層が剥離したり変形したり
することもなく、良好に作業できた。
又、本実施例の熱感応性素子を二つに剥離することによ
り、熱感応性フィルムであるポリブチレンテレフタレー
ト/イソフタレートポリマの弾性限界応力180g/c
rfL、厚さ8μという薄いフィルム単体を容易に得る
こともできた。
実施例 4 実施例1において、ポリプロピレンを2台のエクストル
ーダーで別々に熔融し、3層複合口金でポリプロピレン
l共重合ナイロン7ポリプロピレンと3層複合してから
キャスティングドラム上に熔融押出しして冷却し、その
直後に更にもう一つのキャスティングドラムで別の側か
ら冷却することにより、ポリプロピレン30μl共重合
ナイロン90μlポリプロピレン30μからなる直後3
層複合された第2図の如き構造の本発明の熱感応性素子
を得た。
該熱感応性素子は両面がポリプロピレンフィルムで被覆
されているので、防湿、防塵性が更に優れており、且つ
ポリプロピレンと共重合ナイロンとは実施例1と同様に
容易に剥離できるので、実施例1と同様に信号取出電極
と熱圧着して熱感応性部材、熱感応性面状発熱体として
使用することができた。
実施例 5 実施例3において、キャスティングドラム面に30μ厚
さのアルミニウム箔を密着供給し、この上に、2層複合
口金内で直接複合されたポリブチレンテレフタレート/
イソフタレートポリマと、メチルペンテンポリマからな
る熔融状態の複合フィルムを、ポリブチレンテレフタレ
ート/イソフタレートポリマ層がアルミニウム箔側に来
るように熔融押出しし、実施例1と同様にキャスティン
グして、導電層としてのアルミニウム箔3oμlポリブ
チレンテレフタレート/イソフタレートポリマ8μlメ
チルペンテンポリマ50μからなる第3図の如き構造の
本発明の熱感応性素子を得た。
該熱感応性素子は、片面がアルミニウム箔、他面がメチ
ルペンテンポリマで被覆されているので防湿、防塵性が
極めてよく、ロール状あるいはシート状で長期間の保管
に耐え、且つアルミニウム箔とポリブチレンテレフタレ
ート/イソフタレートポリマとは強固に接着しており、
しかもメチルヘンテン、l−” IJマは後から容易に
剥離できるので、アルミニウム箔をそのまま第一の信号
取出電極として使用し、剥離面に第二の信号取出電極、
あるいはパターン状の信号取出電極と発熱体あるいは信
号取出電極兼面状発熱体を熱圧着、メッキ、真空蒸着、
コーティング(塗布)等適宜の方法で設けることにより
、第4図あるいは第6図の如き熱感応性部材や、第7図
や第8図の如き熱感応性面状発熱体が容易に得られた。
又メチルペンテンポリマフィルムを剥離せずにアルミニ
ウム箔をパターン状に除去することにより、8μという
薄い熱感応性フィルム上にパターン状電極がフィルム内
にめり込むことなく設けられた短絡の懸念の少ない第5
図の如き熱感応性部材が得られた。
比較実施例 1 実施例1において、ポリプロピレンフィルムを複合しな
いで、熱感応性ポリマである共重合ナイロンのまを実施
例1と同様に70μの厚さでキャスティングドラム上に
熔融押出ししたところ、共重合ナイロンフィルムがキャ
スティングドラム面に強固に粘着してしまい、引剥しが
極めて困難であり、無理に引剥すと共重合ナイロンが不
規則に引剥されて不規則に伸長変形してしまい、厚さや
巾の極めて不均一なフィルムとなってしまった。
又該フィルムは柔軟でブロッキングし易く、ロール状に
巻取る時に皺が多発し、巻姿の悪いものとなってしまっ
た。
又該ロール状フィルムを巻戻して信号取出電極と熱圧着
する場合、皺の部分が折りたたまれた状態でブロッキン
グ固定されており、熱圧着してもその部分が少なくとも
3@の厚さとなってしまい、不均一な厚さの熱感応性部
材となってしまった。
又熔融押出しキャスティング時に、共重合ナイロンから
煙状に発生するモノマ、オリゴマ類の揮発性物がキャス
ティングドラム面に凝縮、蓄積して経時的に冷却効率が
低下し、時々該蓄積物が剥脱して共重合ナイロンフィル
ムに転着する等の不都合も生じた。
又高温多湿時にキャスティングドラム温度を10℃程度
に低くすると、キャスティングドラム面に結露した水滴
が共重合ナイロンフィルムに付着して湿潤してしまう不
都合も生じた。
又信号取出電極との熱圧着も、信号取出電極と共重合ナ
イロンフィルムとの重ね合せでは共重合ナイロンフィル
ムが熱ロールに粘着してしまい、必らず二つの信号取出
電極間にサンドインチ状に挾んで熱圧着しなければなら
ず、熱圧着時に皺その他の欠点が生ずると、高価な信号
取出電極が二つ共使えなくなる等の不都合も生じた。
又共重合ナイロンフィルムを熱圧着機にスタート時に手
で通す場合も、熱ロールに触れるとすぐ粘着、切断して
しまい、作業性が悪かった。
又共重合ナイロンフィルムを製膜後放置しておくと吸湿
して電気特性、例えばインピーダンスの大巾な低下を生
じ、乾燥室内で保管するか再乾燥して使用しなければな
らない等の不都合も生じた。
比較実施例 2 実施例3において、メチルペンテンポリマを複合しない
で、熱感応性ポリマであるポリブチレンテレフタレート
/イソフタレートポリマのみを実施例3と同様に8μの
厚さでキャスティングドラム上に熔融押出しキャストし
たところ、フィルムに穴(破れ)が多発したり、熔融状
態のフィルムが揺れて厚み斑となったり、更にはキャス
ティングドラムに粘着してしまい、引剥すとフィルムが
破断して製膜できない等の問題が生じ単体の薄い均一な
ポリブチレンテレフタレート/イソブタレートポリマフ
ィルムは満足に得られなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の熱感応性素子の断面図の例で
ある。 第4電〜第6図は本発明の熱感応性素子を用いた熱感応
性部材の断面図の例である。 第7図〜第9図は、本発明の熱感応性素子を用いた熱感
応性面状発熱体の断面図の例である。 第10図は、第8図の熱感応性面状発熱体の温度検出制
御回路を示すブロック図である。 1:熱感応性フィルム、2,3ニブラスチツクフイルム
、4,5:導電層(即ち信号取出電極)、6.7:パタ
ーン状の信号取出電極、8:パターン状の発熱体、9:
信号取出電極兼発熱体、10:パターン状あるいは平面
状の発熱体、11:電気絶縁体。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 熱感応性フィルムの少なくとも片面に、該熱感応性
    フィルムよりも体積抵抗率あるいは/および融点が高い
    プラスチックフィルムが、該熱感応性フィルムの弾性限
    界応力以下の接着力で複合されてなる熱感応性素子。
JP14717677A 1977-12-09 1977-12-09 熱感応性素子 Expired JPS5936802B2 (ja)

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JPS6092435A (ja) * 1983-09-28 1985-05-24 ユナイテッド キングドム アトミック エナ↓−ヂイ オ↓−ソリテイ コールドトラツプ装置

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