JPH1067082A - 多層延伸フィルム - Google Patents

多層延伸フィルム

Info

Publication number
JPH1067082A
JPH1067082A JP22651596A JP22651596A JPH1067082A JP H1067082 A JPH1067082 A JP H1067082A JP 22651596 A JP22651596 A JP 22651596A JP 22651596 A JP22651596 A JP 22651596A JP H1067082 A JPH1067082 A JP H1067082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
polymer layer
multilayer
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22651596A
Other languages
English (en)
Inventor
Kohei Endo
浩平 遠藤
Hiroshi Tokuda
寛志 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP22651596A priority Critical patent/JPH1067082A/ja
Publication of JPH1067082A publication Critical patent/JPH1067082A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 互いに非相溶の熱可塑性樹脂層で構成される
多層フィルムを分離する際の破断を防止ないし軽減し、
生産性や製品歩留まりに優れた多層延伸フィルムを提供
する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる第1ポリマー層の
少なくとも1層と該熱可塑性樹脂より抵融点でかつ非相
溶な熱可塑性樹脂からなる第2ポリマー層の少なくとも
1層とが隣接し、さらに最外層の少なくとも1層が第1
ポリマー層からなるように積層した多層延伸フィルムで
あって、第1ポリマー層と第2ポリマー層の層間接着力
が0.1〜20g/cmであり、かつ第2ポリマー層の
長手方向の破断強度が未延伸時の破断強度の2倍以上で
あることを特徴とする多層延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多層延伸フィルムに
関し、さらに詳しくは互いに融点の違うかつ非相溶な熱
可塑性樹脂の層からなる多層延伸フィルムであって、各
層の剥離性に優れ、かつ各層に剥離、分離して引き取る
際に第2ポリマーのフィルムが破断するのを低減ないし
防止した多層延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】感熱孔版印刷用やコンデンサー用等の薄
物フィルムは、それらの加工工程において破断が起こり
易いため、製品フィルムと非相溶な素材のキャリヤーフ
ィルムを積層補強して加工を行い、加工完了後加工され
た製品フィルムをキャリヤーフィルムから剥離して巻き
取り、破断を軽減させる方法(特開昭64−14092
号、特開平04−7198号等)が提案されている。
【0003】また、一般用フィルムや磁気記録用フィル
ム等を生産性よく製膜するため、互いに相溶しないポリ
マーを共押出して積層未延伸フィルムとなし、さらに少
なくとも一軸延伸した後剥離して製品フイルムを一挙に
2つ以上製造する方法(特開昭51−30862号、特
開昭56−113427号、特開昭58−5226号な
ど)が提案されている。
【0004】しかし、本発明者の知見では、この方法で
は最終的に多層フィルムを剥離することによって製品フ
ィルムを得ることから、この剥離分離工程での破断が問
題となる。特に、製品フィルムの物性を安定させるため
や、熱収縮を小さくするために、通常、延伸処理後に熱
処理(以下、熱固定と言うことがある)を行うが、この
熱固定が時として融点の低いポリマーで構成されるフィ
ルムの物性を低下させ、例えばせっかく延伸して強化し
た物性が熱処理によって緩和し、未延伸状態の物性に戻
ってしまい、分離する際の引取り張力に耐えられなくな
り、破断の原因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】多層フイルムを剥離分
離する時の破断を防止する方法としては、分離した中層
フィルムを引き取る時の張力コントロールを精密に行う
ことや、中層フィルムに局所的に強い張力がかからない
ように均一張力をかけるように工夫して引き取る方法が
考えられるが、装置が大掛かりになることや、エッジ部
のスリット欠点(ノッチ)等で容易に破断し、その頻度
が大きくなる等の不十分な点が多々ある。
【0006】本発明の目的は、上述の問題を解消し、互
いに非相溶の熱可塑性樹脂層で構成される多層フィルム
を分離する際の破断を防止ないし軽減し、生産性や製品
歩留まりに優れた多層延伸フィルムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の問題
を解消すべく鋭意研究した結果、中層フィルムの破断強
度を高くすることが大変有効であることを見出し、本発
明に至った。
【0008】本発明のかかる目的は、本発明によれば、
第1に、熱可塑性樹脂からなる第1ポリマー層の少なく
とも1層と該熱可塑性樹脂より抵融点でかつ非相溶な熱
可塑性樹脂からなる第2ポリマー層の少なくとも1層と
が隣接し、さらに最外層の少なくとも1層が第1ポリマ
ー層からなるように積層した多層延伸フィルムであっ
て、第1ポリマー層と第2ポリマー層の層間接着力が
0.1〜20g/cmであり、かつ第2ポリマー層の長
手方向の破断強度が未延伸時の破断強度の2倍以上であ
ることを特徴とする多層延伸フィルムにより達成され
る。
【0009】本発明における多層延伸フィルムは、隣接
する第1ポリマー層と第2層ポリマー層が互いに融点の
違うかつ非相溶な熱可塑性樹脂層からなる多層延伸フィ
ルムである。ここで、非相溶とは溶解度パラメーター
(SP値)の差が1以上であることをいう。この溶解度
パラメーター(SP値)の差は2以上であることが好ま
しい。また、融点の違いは20℃以上、更には30℃以
上であることが好ましい。
【0010】本発明における熱可塑性樹脂としては、例
えばポリエステル、ポリオレフィン、ポリスルフォン、
ポリアミド、ポリカーボネート等を挙げることができ
る。かかる熱可塑性樹脂の中、前記溶解度パラメーター
の差が1以上でかつ融点の違う樹脂を組合せて多層延伸
フィルムを構成する。
【0011】本発明における多層延伸フィルムは、第1
ポリマー層の少なくとも1層と第2ポリマー層の少なく
とも1層とが隣接し、かつ最外層の少なくとも1層が第
1ポリマー層からなる構成であれば、その層数は特に限
定されない。ただし、3層以上の多層フィルムであると
きには、第1ポリマー層と第2ポリマー層とは交互に存
在するようにする。この層構成の具体例を、第1ポリマ
ー層がポリエステル(E層)からなり、第2ポリマー層
がポリオレフィン(O層)からなる場合で説明すると、
E層/O層からなる2層フィルム、E層/O層/E層か
らなる3層フィルム、E層/O層/E層/O層/E層か
らなる5層フィルム等を好ましく挙げることができる。
この中、E層/O層/E層からなる3層フィルムが特に
好ましい。
【0012】本発明における多層延伸フィルムは、第1
ポリマー層と第2ポリマー層の層間接着力が0.1〜2
0g/cm以下であり、特に0.1〜10g/cm以下
であることが好ましい。この層間接着力が0.1g/c
mより小さいと、多層フィルムをロール状に巻いて保管
する際や搬送する際に層間剥離や層間ずれが起こり、
皺、破れなどのトラブルが生じ、また延伸処理に供する
前に多層フィルムが剥離するトラブルが発生することが
ある。また、この層間接着力が20g/cmを超える
と、層間接着力が強すぎて多層フィルムを剥離分離する
際にフィルムが破れたり、ピンホールが生じたりするた
め好ましくない。
【0013】本発明における多層延伸フィルムは、さら
に、第2ポリマー層の長手方向の破断強度が未延伸時の
破断強度の2倍以上であり、好ましくは熱処理前の破断
強度以下である。さらには第2ポリマー層の長手方向の
破断強度が5〜30kg/mm2の範囲内にあることが
好ましい。この長手方向の破断強度が未延伸時の破断強
度の2倍未満では、多層延伸フィルムの各層を剥離分離
する時第2ポリマー層の破断が頻発し、好ましくない。
一方第2ポリマー層の長手方向の破断強度が大きすぎる
場合、例えば30kg/mm2を超える場合は第1ポリ
マー層の物性にもよるが過剰品質であり、好ましくな
い。
【0014】本発明における多層延伸フィルムは、一軸
延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれでもよいが、
特に二軸延伸フィルムが二軸方向の機械特性に優れるた
め好ましい。多層延伸フィルムの厚みは、例えば二軸延
伸フィルムの場合には、多層延伸フィルムの総厚みが3
〜100μm、特に5〜50μmであり、第2ポリマー
層の1層当たりの厚みが0.2〜80μm、特に0.5
〜30μmであり、第1ポリマー層の1層当たりの厚み
が0.5〜50μm、特に1〜30μmであり、多層延
伸フィルムの総厚みに占める第2ポリマー層と第1ポリ
マー層の厚みの割合は、5〜80%、特に15〜70%
であることが好ましい。また一軸延伸フィルムの場合に
は、多層延伸フィルムの総厚みが15〜300μm、特
に15〜150μmであり、第2ポリマー層の1層当た
りの厚みが0.6〜250μm、特に1.5〜90μm
であり、第1ポリマー層の1層当たりの厚みが1.5〜
150μm、特に3〜90μmであり、多層延伸フィル
ムの総厚みに占める第2ポリマー層と第1ポリマー層の
厚みの割合は、5〜80%、特に15〜70%であるこ
とが好ましい。
【0015】本発明における多層延伸フィルムは、前記
したように、互いに非相溶性の熱可塑性樹脂からなる
が、その中でも第2ポリマー層がポリオレフィンからな
ることが好ましい。このポリオレフィンはオレフィンの
単一重合体か、共重合体のどちらでも構わない。かかる
ポリオレフィンとしては、例えば低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リメチルペンテン或いはこれらの共重合体等を挙げるこ
とができる。また、ポリマー分子の一部にカルボン酸が
グラフト重合されていても構わず、このグラフト重合成
分としてはマレイン酸等の不飽和カルボン酸成分が挙げ
られる。この中、融点の比較的高いポリプロピレン、ポ
リメチルペンテンおよびこれらの共重合体が好ましい。
この共重合体の融点は100℃以上であることが好まし
い。
【0016】本発明におけるポリオレフィンには、多層
フィルムをキャスティングするとき該フィルムのキャス
ティングドラムへの静電密着性を十分なものとするため
に、スルホン酸四級ホスホニウム塩を0.001〜1w
t%含有させることが好ましい。また、ポリオレフィン
は第1層を構成する熱可塑性樹脂の融点(Tm)より1
5℃高い温度での溶融状態における体積固有抵抗値が、
50Hzの交流電圧の測定条件において0.5×109
Ω・cm以下であることが好ましい。体積固有抵抗値が
この範囲にあると、キャスティングの際に多層フィルム
への静電荷の印加が強くなり、冷却ドラムと多層フィル
ムとの密着が良好なものとなる。
【0017】また、第1ポリマー層との接着力を調整す
るために、ポリオレフィンに潤滑剤を例えば0.001
wt%、更には0.005〜0.5wt%配合すること
ができ、また配合することが好ましい。
【0018】この潤滑剤は、常温で液体であっても固体
であってもよいが、融点或いは軟化点が200℃以下で
あることが好ましい。この潤滑剤の具体例として、下記
のものを挙げることができ、これらは2種類以上を用い
てもよい。
【0019】A.脂肪族炭化水素:流動パラフィン、マ
イクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パ
ラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クス等 B.高級脂肪酸またはその金属塩:ステアリン酸、ステ
アリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸、硬化
油、モンタン酸ナトリウム、モンタンワックス等 C.脂肪族アミド:ステアリン酸アミド、オレイン酸ア
ミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ベヘン酸
アミド、メチレンビスステアラミド等 D.脂肪酸エステル:n−ブチルステアレート、メチル
ヒドロキシステアレート、ミリシルセロチネート、高ア
ルコール脂肪酸エステル、エステル系ワックス等 E.脂肪酸ケトン:ケトンワックス等 F.脂肪アルコール:ラウリルアルコール、ステアリル
アルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール
等 G.脂肪酸と多価アルコールの部分エステル:グリセリ
ン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセ
リド、ソルビタン酸エステル等 H.非イオン系界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレン
脂肪酸エステル等 I.シリコーン油:直鎖状メチルシリコーン油、メチル
フェニルシリコーン油、変成シリコーン油等 J.フッ素系界面活性剤:フルオロアルキルカルボン
酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、モノパーフルオ
ロアルキルエチルリン酸エステル、パーフルオロアルキ
ルスルホン酸塩等
【0020】また、ポリオレフィンには、多層延伸フィ
ルムから剥離分離したポリオレフィンフィルムの巻き取
り性を向上させるために、平均粒径が0.001〜5.
0μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば0.01〜
2.0wt%の配合割合で含有させることができる。か
かる微粒子としては、例えば乾式シリカ、湿式シリカ、
乾式シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、リン酸カル
シウム、カオリン、カオリナイト、クレイ、タルク、酸
化チタン、アルミナ、ジルコニア、水酸化アルミニウ
ム、酸化カルシウム、グラファイト、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、炭化珪素、酸化銀等の無機微粒子、架橋
アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミ
ン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等の有機微粒子を
挙げることができる。
【0021】さらに、ポリオレフィンには必要に応じて
潤滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、蛍光
増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、他の樹脂等を必要に応
じて添加することができる。
【0022】本発明においては、多層延伸フィルムを構
成する第1ポリマー層には第2ポリマー層、特にポリオ
レフィン層との溶解度パラメーター(SP値)の差が1
以上、特に2以上で、かつ融点が第2ポリマー層より高
いポリマーを用いる。これによって、多層延伸フィルム
からの各層の剥離分離が容易で、高速剥離が可能とな
り、更に剥離分離時の破断が少なくなり好ましい。この
中第1ポリマー層がポリエステルからなることが好まし
い。ポリエステルとポリオレフィンは、特に、共押出し
性、共延伸性に優れ、かつ相溶性が小さいため、多層フ
ィルムからポリエステル層とポリオレフィン層を比較的
軽微な力で剥離することができる、という利点を有す
る。
【0023】本発明において前記ポリエステルは、芳香
族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなる線状ポリ
エステルである。この芳香族ジカルボン酸成分として
は、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、イソフタル酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸
等を挙げることができ、特にテレフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸又はイソフタル酸が好ましい。ま
たグリコール成分としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール等を挙げることが
でき、特にエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ルが好ましい。
【0024】かかるポリエステルの中、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレートおよびポリブチレンテレフタレートが多
層延伸フィルムから剥離したポリエステル層(フィル
ム)の機械的特性や熱的特性等にすぐれるので好まし
い。
【0025】このポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートおよび
ポリブチレンテレフタレートは、それぞれ、ジカルボン
酸成分或いはグリコール成分等を例えば20モル%以下
の割合で共重合したポリエステルであってもよく、3官
能以上の多価化合物をポリエステルが実質的に線状とな
る範囲(例えば、3モル%以下)で共重合したポリエス
テルであってもよい。
【0026】前記の共重合成分は、ポリエチレンテレフ
タレートの場合には、酸成分としてイソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、4,4‘−ジフェニルカ
ルボン酸等を挙げることができ、グリコール成分として
プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル等を挙げることができる。またポリエチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレートの場合には、酸成分と
してテレフタル酸、イソフタル酸、4,4‘−ジフェニ
ルカルボン酸等を挙げることができ、グリコール成分と
してプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール等を挙げることができる。またポリブチレンテレ
フタレートの場合には、酸成分としてイソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、4、4‘−ジフェニ
ルジカルボン酸等を挙げることができ、グリコール成分
としてエチレングリコール、1、6−ヘキサンジオー
ル、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール等をあげることが
できる。
【0027】さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートあ
るいはポリブチレンテレフタレートの共重合成分として
は上記の成分のほかに、例えばヘキサヒドロテレフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等
のジカルボン酸成分、1,3−プロパンジオール、ポリ
エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ビ
スフェノールA等のグリコール成分を挙げることができ
る。
【0028】上記のポリエステルには、単独重合体或い
は共重合体を用いることができ、これらのポリエステル
をブレンドしたものを用いることもできる。
【0029】前記ポリエステルは融点(Tm)より15
℃高い温度での溶融状態における体積抵抗値が、50H
zの交流電圧の測定条件において0.5×109Ω・cm
以下であることが好ましい。この体積固有抵抗値がこの
範囲にあると、キャスティングの際に多層フィルムへの
静電荷の印加性が強くなり、冷却ドラムと多層フィルム
との密着が良好なものとなる。
【0030】かかる体積固有抵抗値を有するポリエステ
ルは、例えばアルカリ金属塩を有する化合物を配合する
か、またはスルホン酸四級ホスホニウム塩を配合ないし
共重合させることで得ることができ、これによって多層
フィルムと冷却ドラムとの良好な密着性を得ることがで
きる。
【0031】また、ポリエステルには、剥離分離したポ
リエステルフィルムの巻き取り性を向上させ、且つ各用
途の必要とする表面性をもたせるために、平均粒径が
0.001〜5.0μm程度の有機や無機の微粒子を、
例えば0.01〜2.0wt%の割合で含有させること
ができる。かかる微粒子としては、例えば乾式シリカ、
湿式シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、リン酸カル
シウム、カオリン、カオリナイト、クレイ、タルク、酸
化チタン、アルミナ、ジルコニア、水酸化アルミニウ
ム、酸化カルシウム、グラファイト、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、炭化珪素、酸化銀等の無機微粒子、架橋
アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミ
ン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等の有機微粒子を
挙げることができる。
【0032】さらに、ポリエステルには必要に応じて潤
滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、蛍光増
白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、他の樹脂等を添加するこ
とができる。
【0033】本発明における多層延伸フィルムの製造で
は、まず、第1ポリマー層を形成する熱可塑性樹脂、特
にポリエステルと、それに隣接する第2ポリマー層を形
成する熱可塑性樹脂、特にポリオレフィンとの多層溶融
フィルムを回転冷却ドラム上に共押出し、次いで該フィ
ルムを回転冷却ドラムに密着させて冷却することで未延
伸多層フィルムとする。その際、第1ポリマー層、第2
ポリマー層を形成する熱可塑性樹脂には、好ましくはス
ルホンサン酸4級ホスホニウム塩を0.001〜1wt
%含有させ、該多層溶融フィルムが回転冷却ドラム上に
到達する近傍において該フィルムの溶融面に非接触的に
静電荷を印加する。例えば、ポリオレフィンとポリエス
テルとを別々の押出し機に供給し、各々のポリマーの融
点以上350℃までの温度、好ましくは同じ温度で溶融
し、各溶融ポリマーを導管内あるいは成形用口金(ダイ
ス)内部で合流させて多層状態とし、これを口金から吐
出させ、さらに吐出フィルムに静電荷を印加させながら
冷却ドラムにて冷却固化させることにより未延伸多層フ
ィルムを製造することができる。この未延伸多層フィル
ムは第1ポリマー層と第2ポリマー層とが隣接する2層
以上の多層フィルムであればいかなる層数であってもよ
い。なお、熱可塑性樹脂原料は押出機に供給する前に乾
燥することが好ましい。もっとも、ポリオレフィン原料
は必ずしも乾燥する必要はないが、100℃以上Tm
(融点)未満の温度で乾燥したものも用いることもでき
る。前記未延伸多層フィルムは、更に1軸方向あるいは
2軸方向に延伸して1軸延伸多層フィルムあるいは2軸
延伸多層フィルムとすることが好ましい。かかる1軸延
伸多層フィルムあるいは2軸延伸多層フィルムを得るに
は上記の未延伸多層フィルムを延伸可能な温度(例えば
高い融点の熱可塑性樹脂のTg(ガラス転移温度)以
上、Tg+80℃以下の温度)に加熱し、少なくとも1
軸方向に延伸する。また、延伸倍率は1軸延伸多層フィ
ルムでは1軸方向、好ましくは長手方向(縦方向)に2
〜12倍とすることが好ましく、2軸延伸多層フィルム
では1軸方向に2.5倍以上、好ましくは3倍以上で、
かつ面積倍率7〜40倍、好ましくは8〜40倍とする
ことが好ましい。2軸延伸多層フィルムは、例えば未延
伸多層フィルムを縦方向に延伸し、次いで横方向に延伸
する、いわゆる縦−横逐次延伸法や、縦方向と横方向を
同時に延伸する同時2軸延伸法により製造することがで
きる。この2軸延伸多層フィルムは、更に縦方向または
横方向の1軸方向に、あるいは縦方向及び横方向の2軸
方向に再延伸して2軸再延伸多層フィルムとすることも
できる。上記1軸延伸多層フィルムあるいは2軸延伸多
層フィルムは、さらに第2ポリマー層の熱可塑性樹脂の
融点(Tm)より低い温度、好ましくはTm〜(Tm−
120)℃の温度で熱処理してから室温まで冷却する。
これにより、第2ポリマー層の延伸処理による分子配向
が完全に緩和することもなく、1軸延伸(熱処理)多層
フィルムあるいは2軸延伸(熱処理)多層フィルムとす
ることができる。かくして得られた1軸延伸多層フィル
ムあるいは2軸延伸多層フィルムはその表面に、例えば
特公昭56−183815公報や特公昭57−3085
4公報等で知られるような表面活性化処理(例えばプラ
ズマ処理、アミン処理、コロナ処理等)を施しても良
い。
【0034】本発明の多層延伸フィルムは、多層延伸フ
ィルムのまま使用しても良いし、第1ポリマー層あるい
は第2ポリマー層を剥離分離して得られる単層延伸フィ
ルムを種々の用途に用いることができる。例えば、厚み
が3μm以下のポリエステル単層延伸フィルム、特に1
μm以下の極薄単層延伸フィルムは延伸工程での破断や
巻き取り工程での巻き不良等が生じやすいため、単層延
伸フィルムでは生産歩留まりが低下する欠点があった
が、本発明の多層延伸フィルムとして製膜し、その後単
層延伸フィルムに分離するすれば、極薄フィルムを容易
に得ることができる。また、極薄フィルムはハンドリン
グ面でも取り扱いが容易ではないが、本発明の多層延伸
フィルムではハンドリングが必要な加工工程では多層延
伸フィルムとして取り扱い、加工を施した後分離するこ
とでハンドリング性を上げることができる。ポリエステ
ル単層フィルムとしては、コンデンサーフィルム(例え
ば肉厚3μm以下のフィルム)、プリンターリボン用フ
ィルム(例えば肉厚5μm程度のフィルム)、磁気記録
用、特にQIC用ベースフィルム等に有用である。本発
明の多層延伸フィルムを積層コンデンサー用途に用いる
場合は多層延伸フィルムの表面に金属膜を蒸着した後ス
リットし、金属膜を蒸着した表面層を分離することによ
り有効的に得ることができる。また、ポリオレフィン単
層フィルムはコンデンサー用フィルム(例えば肉厚3μ
m以下のフィルム)ノングレアーフィルム(例えば肉厚
50μm以下のフィルム)等に有用である。更に、感熱
孔版印刷用フィルムとして使用する場合は、多層延伸フ
ィルムの両面に和紙等の多孔質支持体を貼り付けた後に
剥離分離することで、ハンドリング性を改良でき、工程
破断をなくすことができる。この時、感熱孔版印刷用フ
ィルムの熱収縮は適当に大きいことが必要であるが、熱
固定温度が低い場合これを満たし有効である。多層延伸
フィルムの構成を前記したE層/O層/E層の如き3層
のサンドイッチ構造とし、使用する直前に中間層のO層
から両外層のE層を剥離分離することにより、表面の酸
化膜が極めて少なく、また、異物の表面付着等の少ない
超クリーンなポリオレフィン(O層)単層フィルムを得
ることができる。さらにまた、多層延伸フィルムの構成
を前記したE層/O層/E層/O層/E層の如き5層の
サンドイッチ構造とし、中間層のE層を剥離分離するこ
とにより、表面の酸化膜が極めて少なく、また、異物の
表面付着等の少ない超クリーンなポリエステル(E層)
単層フィルムを得ることができる。また、本発明の2軸
延伸した多層フィルムからは各層を各々剥離分離するこ
とにより、2軸延伸した単層フィルムを同時に2枚以上
の複数枚で得ることができ、高効率且つ低コストで得る
ことができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。尚、各特性値は下記の方法で測定した。
【0036】1、接着力 多層フィルムを幅10mm、長さ100mmの大きさに
切り出し、第1ポリマー層を第2ポリマー層から剥離角
度180度で2m/分の速度で剥離したときにかかる張
力(g)を連続的に測定する。この張力の平均値とサン
プル幅(10mm)から得られる幅1cm当たり張力を
接着力:T(g/cm)とする。
【0037】2、融点 DSC(デュポン社製・V4.OB2000型器)を用
い、20℃/分の昇温速度でサンプル(10mg)を昇
温させ、融解に伴う吸熱ピークの頂上部に相当する温度
を融点とする。
【0038】3、ガラス転移温度 DSC(デュポン社製・V4.OB2000型器)を用
い、20℃/分の昇温速度でサンプル(10mg)を昇
温させてガラス転移温度を測定する。
【0039】[実施例1]ポリエステル原料として酢酸
カリウムをジカルボン酸成分に対し12mmol%か
つ、平均粒子径1.5μmのシリカ粒子を0.4wt%
添加した固有粘度(オルソクロオフェノール、35℃)
が0.60のポリエチレンテレフタレートのペレットを
用い、これを170℃で3時間乾燥した後、押出機に供
給し、280℃で溶融押出した。一方、ポリオレフィン
原料として3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テ
トラ−n−ブチルホスホニウムを0.05wt%含有さ
せたポリプロピレン(Tm:152℃、メルトフローレ
イト:5g/10分、ホモポリプロピレン)のペレット
を用い、100℃で1時間乾燥した後、別の押出機に供
給し、280℃で溶融押出した。各々の溶融ポリマーを
ダイス内部で合流させ、ポリエチレンテレフタレート/
ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレートの3層多
層構造とした後、口金から吐出させ、次いで20℃に保
たれた回転冷却ドラムに静電荷を印加しながら巻き付け
ることにより冷却固化させて3層の未延伸多層フィルム
を得た。次いでこの未延伸多層フィルムを加熱ロールに
接触させて65℃に加熱した後、長手方向に3.6倍延
伸し、その後直ちに20℃まで冷却した。続いて横方向
にテンター式横延伸装置を用いて70℃で3.9倍延伸
した後、100℃で熱処理を施し、室温まで冷却した後
巻き取った。
【0040】かくして得られた二軸延伸多層フィルム
は、外層のポリエチレンテレフタレート層(第1ポリマ
ー層)の厚みが1.5μm、内層のポリプロピレン層
(第2ポリマー層)の厚みが4μmであり、ポリエチレ
ンテレフタレート層とポリプロピレン層の接着力は0.
8g/cm、ポリプロピレン層の破断強度は15kg/
mm2であった。尚、8時間の製膜中に破断はなく、製
膜性は良好であった。また、ポリエチレンテレフタレー
ト層をその上に感熱孔版印刷用原紙を貼り付けた後に分
離したところ、分離工程でのポリプロピレンフィルムの
破断は皆無であり、分離、引取り性は良好であった。
【0041】[実施例2]ポリエステル原料として実施
例1と同じポリエチレンテレフタレートのペレットを用
い、実施例1と同じの条件で溶融押出した。一方、ポリ
オレフィン原料として3,5−ジカルボキシベンゼンス
ルホン酸テトラ−n−ブチルホスホニウムを0.05w
t%含有させたポリメチルペンテン(Tm=230℃、
メルトフローレイト:20g/10分)のペレットを用
い、100℃で1時間乾燥した後、別の押出機に供給
し、280℃で溶融押出した。その後、実施例1と同じ
条件で冷却固化および静電密着させ、ポリエチレンテレ
フタレート/ポリメチルペンテン/ポリエチレンテレフ
タレートの3層多層構造の未延伸多層フィルムを得た。
【0042】次いで、得られた未延伸多層フィルムを赤
外線ヒーターによる加熱で130℃に加熱した後に長手
方向に3.6倍延伸し、その後直ちに20℃まで冷却し
た。続いて、横方向にテンター横方向延伸装置を用い
て、100℃で3.9倍延伸した後、200℃で熱固定
を施し、室温まで冷却した後巻き取った。得られた二軸
延伸多層フィルムは、外層のポリエチレンテレフタレー
ト層の厚みが5μm、内層のポリメチルペンテン層の厚
みが4μmであった。次いでニ軸延伸多層フィルムをフ
ィルム製造工程において剥離分離した。このポリエチレ
ンテレフタレート層とポリメチルペンテン層の接着力は
0.5g/cm、ポリメチルペンテン層の破断強度は6
kg/mm2であり、多層フィルム分離時の破断は皆無
であった。
【0043】[実施例3]ポリエステル原料としてイソ
フタル酸を12mol%共重合したポリエチレンテレフ
タレート・イソフタレート18%、イソフタル酸を10
mol%共重合したポリヘキサメチレンテレフタレート
・イソフタレート5%、ポリブチレンテレフタレート4
7.5%及びポリエチレンテレフタレート29.5%を
混合し溶融押出し時に共重合させ、更に平均粒径1.5
μmのシリカ粒子を0.4wt%添加したものを用い、
実施例1と同じポリプロピレンと共押出し、実施例1と
同じ条件で冷却固化および静電密着させ、共重合ポリマ
ー/ポリプロピレン/共重合ポリマーの3層構造の未延
伸多層フィルムを得た。
【0044】次いで、得られた未延伸多層フィルムをま
ず、65℃のフィルム温度で3.6倍ロール延伸し、更
に70℃の温度で3.7倍横延伸し、その後、95℃の
温度で熱固定した。
【0045】得られたニ軸延伸多層フィルムでの共重合
ポリマー層の厚みは1.5μm、ポリプロピレン層の厚
みは5μmであり、共重合ポリマー層とポリプロピレン
層の接着力は0.9g/cm、破断強度は15kg/m
2であった。尚、8時間の製膜中に破断はなく、製膜
は良好であった。また、共重合ポリマー層をその上に感
熱孔版印刷用和紙を貼り付けた後に分離したところ、分
離工程でのポリプロピレンフィルムの破断は皆無であ
り、分離、引取り性は良好であった。
【0046】[実施例4]ポリエステル原料として3,
5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラ−n−ブチ
ルホスホニウムをジカルボン酸成分に対し3mmol
%、平均粒径0.12μmのシリカ粒子をポリエステル
に対し0.3wt%、かつ平均粒径0.54μmの炭酸
カルシウムをポリエステルに対し0.03wt%配合し
た固有粘度0.60のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレート(Tm=263℃、Tg=113
℃)のペレットを用い、これを170℃で6時間乾燥し
た後、押し出し機に供給し、300℃で溶融押出した。
一方、実施例2と同じポリメチルペンテンのペレットを
用い、300℃溶融押出した。続いて両者を実施例1と
同じ方法(ただし、冷却ドラム温度を60℃とする)で
共押出し、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート/ポリメチルペンテン/ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレートの3層構造の未延伸
多層フィルムを得た。
【0047】次いで、得られた未延伸多層フィルムを赤
外線ヒーターによる加熱で130℃に加熱した後に長手
方向に4.8倍延伸し、その後直ちに20℃まで冷却し
た。続いて、横方向にテンター横方向延伸装置を用い
て、150℃で5倍延伸した後、210℃で熱固定を施
し、室温まで冷却した後巻き取った。
【0048】得られたニ軸延伸多層フィルムのポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート層の厚み
が5μm、ポリメチルペンテン層の厚みが4μmであ
り、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ート層とポリメチルペンテン層の接着力は0.5g/c
m、ポリメチルペンテンの破断強度は6kg/cm2
あった。得られた二軸延伸多層フィルムをフィルム製造
工程で各層に剥離分離したところ、分離時の破断は皆無
であった。
【0049】[比較例1]ポリエステル原料、ポリオレ
フィン原料は実施例1と同じものを用い、熱固定温度を
152℃に変更する以外は実施例1と同じ条件で製膜と
したところ、得られた多層フィルムのポリエステル層と
ポリプロピレン層の接着強度は0.5g/cmであり、
ポリプロピレン層の破断強度は2kg/mm2であり、
強度的には非常に弱いものであった。多層フィルムのポ
リエステル層をフィルム製造工程で剥離分離したとこ
ろ、3回/8時間の頻度でポリプロピレン層の破断が発
生し、製品の歩留まりを下げ、不十分な結果となった。
【0050】[比較例2]ポリエステル原料、ポリオレ
フィン原料は実施例2と同じものを用い、熱固定温度を
230℃に変更する以外は実施例2と同じ条件で製膜し
たところ、得られた多層フィルムのポリエステル層とポ
リメチルペンテン層の接着強度は0.5g/cmであ
り、ポリメチルペンテン層の破断強度は2kg/mm2
であり、強度的には非常に弱いものであった。多層フィ
ルムのポリエステル層をフィルム製造工程で剥離分離し
たところ、2回/8時間の頻度でポリメチルペンテン層
の破断が発生し、製品の歩留まりを下げ、不十分な結果
となった。
【0051】[比較例3]ポリエステル原料、ポリオレ
フィン原料は実施例3と同じものを用い、熱固定温度を
152℃に変更する以外は実施例3と同じ条件で製膜と
したところ、得られた多層フィルムのポリエステル層と
ポリプロピレン層の接着強度は0.8g/cmであり、
ポリプロピレン層の破断強度は2kg/mm2であり、
強度的には非常に弱いものであった。多層フィルムのポ
リエステル層をその上に感熱孔版印刷用和紙を貼り付け
後、剥離分離したところ、2回/8時間の頻度でポリプ
ロピレン層の破断が発生し、製品の歩留まりを下げ、不
十分な結果となった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、多層フィルムから各層
を剥離分離する際に破断が少なく、熱可塑性樹脂フィル
ムを効率良く得ることができ、生産性を向上させること
ができる多層延伸フィルムを提供することができる。ま
た、第1ポリマー層のポリエステルフィルムを感熱孔版
印刷用フィルムとして使用する場合、加工工程でのハン
ドリングが行いやすく、また加工後剥離分離する際は破
断が殆ど皆無になり、歩留まり良く製品を得ることがで
きるという、利点が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる第1ポリマー層の
    少なくとも1層と該熱可塑性樹脂より抵融点でかつ非相
    溶な熱可塑性樹脂からなる第2ポリマー層の少なくとも
    1層とが隣接し、さらに最外層の少なくとも1層が第1
    ポリマー層からなるように積層した多層延伸フィルムで
    あって、第1ポリマー層と第2ポリマー層の層間接着力
    が0.1〜20g/cmであり、かつ第2ポリマー層の
    長手方向の破断強度が未延伸時の破断強度の2倍以上で
    あることを特徴とする多層延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 第2ポリマー層の長手方向の破断強度が
    5〜30kg/mm2である請求項1記載の多層延伸フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 多層延伸フィルムが最終的な延伸処理後
    に第2ポリマー層の融点(Tm)〜(Tm−120)℃
    の温度で熱固定したものである請求項1記載の多層延伸
    フィルム。
  4. 【請求項4】 第1ポリマー層がポリエステルからなる
    請求項1記載の多層延伸フィルム。
  5. 【請求項5】 第2ポリマー層がポリオレフィンからな
    る請求項1又は3記載の多層延伸フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1又は4記載の多層延伸フィルム
    を剥離して得られた第1ポリマー層の単層からなる熱可
    塑性樹脂フィルム。
JP22651596A 1996-08-28 1996-08-28 多層延伸フィルム Pending JPH1067082A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22651596A JPH1067082A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 多層延伸フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22651596A JPH1067082A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 多層延伸フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1067082A true JPH1067082A (ja) 1998-03-10

Family

ID=16846344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22651596A Pending JPH1067082A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 多層延伸フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1067082A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004203050A (ja) * 2002-12-23 2004-07-22 Eastman Kodak Co 共押出フィルム
JP4595213B2 (ja) * 2001-03-01 2010-12-08 三菱化学株式会社 積層体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4595213B2 (ja) * 2001-03-01 2010-12-08 三菱化学株式会社 積層体
JP2004203050A (ja) * 2002-12-23 2004-07-22 Eastman Kodak Co 共押出フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2264554A1 (en) Method of producing thermoplastic resin film and apparatus for producing the same
JP5127296B2 (ja) 深絞り成型同時転写箔用ポリエステルフィルム
JPH08207119A (ja) 熱可塑性樹脂シート又はフイルムの製造方法
KR102265664B1 (ko) 공동 함유 폴리에스테르계 필름 및 그의 제조방법
EP0733473B1 (en) Multi-layered film
KR100308328B1 (ko) 이축 방향으로 연신처리된 다층 필름
JP3912556B2 (ja) 微細空洞含有ポリエステル系フィルム
JPH1110723A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
JPH1067082A (ja) 多層延伸フィルム
JP5127295B2 (ja) 成型同時転写箔用ポリエステルフィルム
JPH10244642A (ja) 多層延伸フィルム
JP2003001777A (ja) 離型用積層フィルム
JP2000085046A (ja) 多層延伸フィルム
JP2000263716A (ja) 易剥離性多層延伸フィルム
JPH10329283A (ja) 多層延伸フィルム
JP4163010B2 (ja) 手切れ性に優れた積層二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2000318079A (ja) 多層延伸フィルム及び延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
JPH10329285A (ja) 多層延伸フィルム
JPH11348190A (ja) 多層フィルム
JP3797185B2 (ja) 剥離性積層フィルムおよびそれを用いたセラミックグリーンシート用工程フィルム
JP2000037807A (ja) 多層フィルム
JP2004358798A (ja) 易切断性に優れた積層二軸延伸ポリエステルフィルム
JPH10128915A (ja) 多層延伸フィルム
JPH09314771A (ja) 多層フィルム
JPH09314766A (ja) 多層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050117

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050125

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050524