JPS5935570B2 - 脱穀機の選別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複胴型の脱穀機において扱き室および処理室か
ら排出される排塵物を選別する選別装置に関するもので
ある。

自動脱穀機および自説型コンバイン用脱穀機の一種とし
て扱き室と処理室とを並設した複胴型の脱穀機が広く知
られている。

この種脱穀機の扱き室には、周面に多数の扱き歯を配設
した扱き胴が軸架されており、また扱き室との間に仕切
板を設けて並設された処理室には、周面に多数の処理歯
を配設した処理胴が軸架されていて、通常処理室および
処理胴は扱き室よりも後方へ長く延在するごとく形成さ
れている。

そして、扱き胴によって脱穀された穀粒は、扱き胴下方
の扱き室受網の網目を通って下方の揺動棚に張架された
選別網上に落下し、その揺動と唐箕の起風する選別風に
よって選別されて回収される。

一方、脱穀時には多くのわら屑、穂切れ、かぎ又等の処
理物（以下単に処理物という）が発生し、この処理物は
、扱き胴の扱き歯によって扱き室内を扱き胴の軸方向に
移送されるが、その移送途中において扱き室と処理室と
の間の仕切板に設けられた連通口から処理室に入り、処
理胴によって切断されたり、あるいは処理物中の穀粒が
分離されたりしたのち、排塵物となって処理室終端の前
記延在部に設けられた排塵口から選別装置のストロラッ
ク上に落下して選別される。

さらに、ストロラック上における選別によって穀粒や軽
いわら屑等を除かれて残った処理物はいわゆる２番物と
なって扱き室へ還元され、処理物と合流して前記選別が
繰返される。

概略以上のごとき脱穀選別作業においては、ストロラッ
クによる排塵物の選別性能が悪いと穀粒が分離されずに
そのまへ機外へ排出されてロスとなり、また２番物の扱
き室への還元量が増大して何度も同じ選別を繰返すこと
になって選別効率が低下する。

ところが、従来の選別装置においては、ストロラックの
選別径路が短かく、かつ唐箕による選別風がストロラッ
クによる選別のために充分有効に用いられないので、良
好な選別性能を期待することができなかった。

本発明は以上のような点に鑑みなされたもので、処理室
の排塵口からの排塵物を受ける上部ストロラックを扱き
室の排塵口よりも高い位置に設けると共に、この上部ス
トラックの下方に選別風が通る空間を介して下部ストロ
ラックを配置することにより、選別効率ならびに選別精
度の向上と穀粒ロスの低減を実現した脱穀機の選別装置
を提供するものである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細に説明す
る。

本実施例は本発明を複胴型の脱穀機に実施した例を示し
、第１図はこれを実施した脱穀機の縦断面図、第２図は
おなじく背面図である。

これらの図において、脱穀機１のフレーム２＆ｉ、扱き
室３と、その後方および下方の選別室４と、扱き室３に
並設された処理室５とにより一体的に形成されている。

このうちの扱を室３に＆ζ周面に多数の扱き歯６を螺旋
状に配設した扱き胴７が軸架されており、この扱き胴７
（九殻稈８を扱き胴７の上方に位置させて脱穀を行なう
上扱き式の脱穀機においては、図に矢印Ａで示す方向に
回転する。

また、この扱き胴７の周囲には、扱き室３全周の１／２
ないし３／４程度の円弧状に形成された扱き室受網９が
扱き室３の全長にわたって張設されている。

そして扱き室３は、第１図の向って右が入口側であって
、殻稈８は入口側の殻稈供給口９から供給されて脱穀さ
れ、脱穀された殻稈は、排わらとなって出口側の殻稈排
出口１０から排出される。

また扱き室３の出口側下部には、扱き室３内で発生して
移送された処理物の一部を排塵物として排出する排塵口
１１が後方へ向って開口されている。

そして、扱き室３との間を仕切板１２によって仕切られ
て並設された前記処理室５に’！、扱き室３よりも後方
へ向って長く延在するごとく形成されており、その内部
には、周面に多数の処理歯１３を備えて図に矢印Ｂで示
すごとく扱き胴７と同方向に回転する処理胴１４が軸架
されている。

また前記仕切板１２には、扱き室３と処理室５とを連通
して扱き室３内の処理物を処理室５へ送入する送塵口１
５，１６と排塵口１７とが設けられており、これらの連
通口１５，１６，１７から処理室５へ入った処理物は処
理胴１４によって処理されながら図に矢印Ｃで示す方向
に移送される。

そして処理室５における前記延設部の仕切板１２には、
選別室４へ向って処理物の移送方向と直交する方向に開
口して処理物を排塵物として図に矢印りで示す方向に排
出する排塵口１８が設げられている。

また、処理胴１４の下方には、円弧状に形成された処理
室受網１９が処理室５の全長にわたって張設されている
。

そして、前記選別室４は、扱き室３、および処理室５の
下方から後方へ延在するごとく形成されており、その上
部にはは父逆三角形箱状に形成さ； れた揺動棚２０が
、選別室４のは父全長、全幅にわたって装架されている
。

この揺動棚２０は、その基部を偏心カム２１によって支
持され、また２箇所を揺動アーム２２，２３によって支
持されていて、偏心カム２１０回転により一部の上下運
動を含み主として前後方向に揺動する。

そして、この揺動棚２０の上端開口部には、波板状に形
成されて多数の透孔な有するチャフシーブ２４が前記扱
き室３の排塵口１１下方に対応して水平状に支架されて
いる。

また、このチャフシーブ２４上に： は、前記処理室５
の排塵口１８に近接する箇所と側端部との２箇所に支持
板２５および２６が垂設されており、その上端部には、
多数の傾斜板２７ａとこれを幅方向に分割する仕切板２
７ｂとからなる上部ストロラック２７がその上端面を排
・座口１８の下端縁よりもや又低くかつ扱き室３の排塵
口１１より高く位置させて支架されている。

また、支持板２５，２６の下部からは、多数の透孔な有
する波板状の底板と鋸刃状の仕切板とからなる下部スト
ロラック２８が上部ストロラック１２７と排塵物移送方
向に位相をずらせてはｇ水平状に突設されている。

一方選別室４の前端部には、回転により選別風を起風す
る唐箕２９が設けられていて、その選別風が、第１図に
矢印Ｅで示すごとく送風路３０を経て揺動棚２０内に入
り、後述する選別網３１およびチャフシーブ２４の透孔
を通過して前記上下のストロラック２７および２８の間
の空間部へ送風されるようになされている。

そして、前記チャフシーブ２４の下方には、扱き室受網
９、処理室受網１９ならびにチャフシーブ２４から落下
する穀粒を選別する前記選別網３１が揺動棚２０の全幅
にわたって張設されている。

また、この選別網３１の下方には、揺動棚２０の開口部
に対応して１番螺旋コンベア３２が回転自在に軸架され
ていて、選別網３１から落下した穀粒を横方向に移送す
るようになされている。

さらに、下部ストロラック２８の下方には、揺動棚２０
の開口部に対応して２番螺旋コンベア３３が回転自在に
軸架されていて、下部ストロラック２８による選別の結
果残されて落下する２番物を横方向に移送するようにな
されている。

なお、この２番螺旋コンベア３３の移送終端部には２番
物を扱き室へ還元する２番揚穀機（図示せず）が設けら
れており、また下部ストロラック２８の上方には、唐箕
２９と協働し軽いわら屑等を吸引して機外へ排出する吸
引ファン３４が第１図において図示しない手前側のフレ
ーム側板に取付けて設けられている。

３５は矢印りで示す排塵物の排出方向に沿って多数突設
された線杆状の排塵ガイドである。

一方、処理室５の上方には、無端状に形成されてその走
行端に沿って支架された挾扼杆３６との間で殻稈８の根
元部を挾持して搬送するフィードチェーン３７が張設さ
れている。

以上のごとく構成された脱穀機１において、フィードチ
ェーン３７によって搬送される殻稈８は扱き胴７によっ
て脱穀され、脱穀された穀粒は、扱き室受網９から漏下
して揺動棚２０の斜面を経て選別網３１上に落下し、こ
の選別網３１が揺動棚２０とともに揺動することによっ
て選別されたのち下方の１番螺旋コンベア３２上に落下
し、移送されて回収される。

また、この選別網３１上の穀粒ならびに落下する穀粒に
対しては、唐箕２９の起風する選別風が吹き付けられこ
の風選によって穀粒はさらに精選される。

一方、脱穀時に扱き室３内で発生したわら屑、穂切れ等
の処理物は、扱き室３内を扱き歯６によって移送される
間に仕切板１２に設げられた送塵口１５，１６から処理
室５に入り、処理歯１３によって切断処理され、また処
理物中に含まれる穀粒が分離される。

また、仕切板１２に設けられた排塵口１７からは、扱き
室１２の終端部で発生した処理物に加えて選別装置から
扱き室３へ還元された２番物が合流されて処理室５へ排
塵される。

そして処理室５内で分離された穀粒の一部は処理室受網
１９から漏下し、前記穀粒と合流して選別回収されるか
、その他の穀粒と処理物は処理室５終端部の排塵口１８
から排塵物となって排出される。

一方、扱き室３終端部の排塵口１１からは穀粒を含んだ
処理物の一部が排塵物となって排出される。

これら排塵物のうち、処理室５の排塵口１８から排出さ
れた排塵物は、排塵ガイド３５に沿って上部ストロラッ
ク２７上に落下するが、このとき排塵ガイド３５は、そ
の線間から穀粒のみを通過させて上部ストロラック２７
の一側端へ分離して故郷するようになされている。

そして上部ストロラック２７上に落下した排塵物は、揺
動棚２０と一体となって揺動する上部ストロラック２Ｔ
の篩作用を受けて第１図に矢印Ｆで示す方向に移送され
、その先端から第１図に矢印Ｇで示すごと（下部ストロ
ラック２８上に落下する。

そして上部ストロシック２７上を移送される排塵物なら
びにその先端から落下する排塵物に対しては前述したご
とく矢印Ｅで示す唐箕２９の選別風が吹き付けられるの
で、この風選により排塵物中に含まれる軽いわら屑等が
選別され、吸引ファン３４に吸引されて機外へ排出され
る。

さらに下部ストロラック２２８上に落下した排塵物も同
様にその揺動と唐箕２９の送風によって選別され軽いわ
ら屑等は機外へ排出される。

一方、扱き室３終端部の排塵口１１から排出された排塵
物、ならびに上下のストロラック２７゜２８による選別
の結果分離された穀粒等は、いずれもチャフシーブ２４
上に落下し、その揺動と唐箕２９による送風によって選
別され、さらに選別網３１上で前記穀粒と合流して同様
の選別を受ける。

またチャフシーブ２４上に排出された排塵物−のうち軽
いものは、下部ストロラック２８上に移送され、上部ス
トロラック２７からの未処理物と合流して再度選別され
る。

このように、上下のストロラック２７，２８ならびにチ
ャフシーブ２４の選別によって穀粒が回収され、軽いわ
ら屑等が・機外へ排出された結果残った排塵物は、いわ
ゆる２番物となってそれぞれ下部ス）ｐランク２８とチ
ャフシーブ２４の先端から２番螺旋コンベア３３上に落
下して移送され、移送終端部の２番揚穀機によって扱き
室３へ還元される。

還元された２番；物は前述したごとく扱き室３内の処理
物と合流して同じ選別が繰返される。

以上の説明により明らかなように、本発明によれば、処
理室からの排塵物を受けるストロラックを扱き室の排塵
口より上方に位置させ、画室から排出される処理物が当
初において上下でそれぞれ分けて選別されるから、上部
のストロラックによって予備選別された処理物を下部の
ストロラックによって再度選別することができて選別径
路が従来と比べて倍加され、かつ上下のストロラック間
を落下する処理物が唐箕の選別風によって風選されるの
で、選別効率が著しく向上するとともに、きわめて高精
度の選別を行なうことができる。

また上部ストロラックを高位置に設けることにより扱き
室の排塵口から排出される穀粒が処理物に混入すること
がないので、穀粒の回収率が向上する。

またチャフシーブ上の未処理物のうち軽いものは、下部
ストロラックで再度選別されるため、ロスの少ない選別
が行なえるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明に係る脱穀機の選別装置を
示し、第１図はこれを実施した脱穀機の縦断面図、第２
図はおなじく背面図である。 １・・・・・・脱穀機、１８・・・・・・排塵口、２７
・・・・・・上部ストロラック、２８・・・・・・下部
ストロラック、２９； ・・・・・・唐箕。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 扱き室３の排塵口１１の下方に配設したチャフシー
   ブ２４と、前記扱き室３の排塵口１１より上方でかつ処
   理室５の排塵口１８の前方に位置して処理室５から排出
   される排塵物を支承し移送する上部ストロラック２７と
   、この上部ストロラック２７の下方に唐箕２９が起風す
   る選別風が通る空間を介して位置しかつ排塵物移送方向
   に位相をずらして配設されかつその始端部が前記チャフ
   シーブ２４の終端部付近に臨む下部ストロラック２８と
   を備えたことを特徴とする脱穀機の選別装置。