JPS5934971Y2 - 有極ソレノイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は永久磁石を有する有極ソレノイドに関するも
のである。

従来、この種のソレノイドとして第１図に示すように励
磁コイル１を巻装した筒状ボビン２の中空部に非磁性体
バイブ３を一方端を充分突出して挿通し、このパイプ３
中に可動鉄心４および固定鉄心５を接離自在に設けると
ともにパイプ３の突出部にコ字形状の補助継鉄６を取付
け、ｌた上記励磁コイル１を囲むようにコ字形状継鉄７
を設け、との継鉄７の底部に上記固定鉄心５をかしめな
どの手段で固定するとともに上記補助継鉄６との間にフ
ェライトなどの永久磁石８を取付け、更にとの継鉄７の
両脚部先端の間に上記可動鉄心４の挿通孔を有する蓋体
９をかしめなどの手段で取付曳でなり、励磁コイル１の
付勢により可動鉄心４を固定鉄心５に吸着し、この状態
で付勢を解いても永久磁石８によりこの状態を自己保持
するようにしたものがある。

ところが、このものは励磁コイル１、ボビン２、可動お
よび固定鉄心４，５継鉄７および永久磁石８などの主要
部品の他に非磁性体バイブ３、補助継鉄６および蓋体９
などの多くの付属部品を必要とするため組立に多大の手
間がかかり面倒であるばかりか価格的にも高価なものに
なる欠点があった。

また、固定鉄心５を継鉄７にかしめる工程に加えて蓋体
９を継鉄７の両脚部先端の間にかしめる工程を必要とす
るため更に組立工数が増え生産性の著しい低下を招く欠
点があった。

更に可動鉄心４と固定鉄心５との衝突音がその１渣継鉄
７側に伝えられるため騒音の発生源になることもあった
。

更にまた、かかる構成のものは図示からも明らかなよう
に永久磁石８を収容するスペースを比較的太きくとって
いるのでソレノイド全体としても大形化する欠点があっ
た。

この考案は上記欠点を除去するためなされたもので、組
立が簡単で生産性にすぐれ、しかも小形で大きな動作力
が得られるとともに消音効果も期待できる有極ソレノイ
ドを提供することを目的とする。

以下、この考案の一実施例を図面に従い説明する 第２図において、１１は合成樹脂などによリ一体成形さ
れる筒状ボビンで、このボビン１１は第４図に示すよう
に両端に鍔部１１１，１１２を形成するとともに鍔部１
１１に１対の相対向する側壁１１３，１１３を介して端
壁部１１４を上記鍔部１１１に対し平行に形成している
。

この端壁部１１４は中央部を肉厚部１１４ａに形成する
とともにこの肉厚部１１４ａ脇の側面に夫々後述する継
鉄１７を固定するための係止部例えば突起１１４ｂを４
個所形成している。

尚鍔１１２の四隅部には夫々ガタ付防止用の突起部１１
５を形成している。

このようなボビン１１に励磁コイル１２を巻装する。

また、ボビン１１の鍔部１１１端壁部１１４側壁１１３
にて形成されるスペースに磁極板１３を収容している。

この磁極板１３は第３図に示すように略式角形をなすと
ともに中央に透孔１３１を有している。

この場合磁極板１３は第１の相対向する側面の巾寸法ｔ
１とこれら側面に直交する第２の相対向する側面の巾寸
法ｔ２を例えばｔｌ〉ｔ２ に形成している。

上記スペース内にて磁極板１３の側面（図示例では巾寸
法ｔ１の第１の相対向する側面）に夫々永久磁石１４．
１４を図示極性で設けている。

この場合永久磁石１４として小形で、・しかも強力な起
磁力る有する希土類磁石例えば商品としてラレネット（
信越化学製）のようなものが用いられている。

昔たこのとき永久磁石１４は両磁極間の高さ寸法の充分
小さいもので、上記磁極板１３の一側面の寸法ｔ１
と等しい長さ寸法のものを用いている。

上記ボビン１１の中空部に可動鉄心１５および固定鉄心
１６を接離自在に設けている。

この場合固定鉄心１６は一方端部１６１に形成し、この
小径部１６１を上記磁極板１３の透孔１３１を通して上
記ボビン１１の端壁部１１４の肉厚部１１４ａにかしめ
などの手段に１定している。

また、可動鉄心１５には図示しない負荷により固定鉄心
１４より開離する方向に偏倚力が作用されている。

一方、１７は継鉄で、との継鉄１７は第５図に示すよう
に相対向する１対の脚部１７１，１７１を有しコ字形伏
をなすものである。

昔たこの継鉄１７は両脚部１７１，１７１間の底部に上
記可動鉄心１５の挿通孔１７２を有するとともに両脚部
１７１．１７１の先端両側部に夫々上記突起１１４ｂに
対応する係止部例えばＬ形状突出部１７３を形成してい
る。

そしてこのような継鉄１７は励磁コイル１２および永久
磁石１４を挾持するとともに第２図すに示すように両脚
部１７１，１７１先端のＬ形状突出部１７３をボビン１
１の端壁部１１４の突起１１４ｂに係止された状態に組
立てられる。

このようにしたソレノイドは励磁コイル１２を付勢する
と可動鉄心１５が固定鉄心１６側に吸引され、この固定
鉄心１６に吸着する１で可動される。

そして、可動鉄心１５が固定鉄心１６に吸着した状態で
励磁コイル１２の付勢を解くと今度は永久磁石１４より
継鉄１７→町動鉄心１５→固定鉄心１６→磁極板１３を
介して透過する磁束によりこの状態が自己保持され、る
。

（第２図はこの状態を示している。

）その後励磁コイル１２を上述と逆方向に付勢すると永
久磁石１４による可動鉄心１５と固定鉄心１６の間の吸
着状態が解かれ図示しない負荷の偏倚力により可動鉄心
１５は最初の状態に復帰される。

これにより従前からの有極ソレノイドと同様の動作が得
られることになる。

従って、この上うな構成によればボビン１１の鍔部１１
１側の側壁１１３および端壁部１１４により形成される
スペース内に磁極板１３とともに永久磁石１４を収容し
ているが、この永久磁石１４として小形で、しかも強力
な起磁力を有する希土類磁石が用いられるので上記永久
磁石１４の収容スペースを大巾に小さくでき、ソレノイ
ド全体の小形化を図ることができる。

このことはソレノイド全体の大きさが決１つている場合
励磁コイル１２の占有率をそれだけ高めることができる
ことになり大きな動作力が得られるなど吸引力特性の向
上を期待することもできる。

また永久磁石１４は両磁極間の高さ寸法が充分小さいの
で固定鉄心１６と可動鉄心１５が開離した状態で永久磁
石１４のＮ極からＳ極に直接伝わる磁束つ１り漏洩磁束
を期待できる。

これにより永久磁石１４により開離状態の可動鉄心１５
と固定鉄心１６の間に作用する吸引力を極力小さくでき
るので外部振動などにより誤って可動鉄心１５が固定鉄
心１６に吸着されてし１うような誤動作も確実に防止で
きる。

さらに磁極板１３は略式角形をなし第１の相対向する側
面と、これら側面に直交する第２の相対向する側面の夫
々の巾寸法を異ならしているので、この磁極板１３の取
付角度を９０°回動することで側面の寸法に対応させて
永久磁石１４の大きさを選択的に代えることができ、こ
れにより吸着保持力の異なるものを容易に得られること
になる。

更にまた磁極板１３は継鉄１７にて挾持された永久磁石
１４により吸着されているので組立後のがた付を確実に
防止することもできる。

また、固定鉄心１６は小径部１６１を磁極板１３の透孔
１３１を通って合成樹脂製のボビン１１の端壁部１１４
の肉厚部１１４ａに固定しているので可動鉄心１５の衝
突の際の音を上記端壁部１１４の肉厚部１１４ａにて良
好に吸収することができ良好な消音効果が得られ、る。

またこのとき上記端壁部１１４の肉厚部１１４ａは吸振
の役目もはたすので、固定鉄心１６の固定部分の緩みを
確実に防止することもできる。

更に従来のソレノイドに用いられていた継鉄の両脚先端
の間に取付けられた蓋体およびボビンの中空部に一方端
を充分突出して挿通されるパイプを省くことができるの
でそれだけ組立工数が減り組立の簡単化を図ることがで
きるとともに価格的にも安価にできる。

また、ボビン１１の端壁部１１４に形成した突起１１４
ｂに脚部１１７のＬ形状突出部１７３を係止するだけで
継鉄１７を一体に取付けることもできるので従来の蓋体
のかしめ工程に相当する作業を省くことができ、この点
からも組立工数を減らすことができ、これにより生産性
の著しい向上を図ることができる。

尚、この考案は上記実施例にのみ限定されず要旨を変更
しない範囲で適宜変形して実施できる。

例えば第６図に示すように固定鉄心１６を直接ボビン１
１の鍔部１１４にかしめなどの手段により固定してもよ
い。

その他は第２図と同様なのでここでの説明は省略する。

捷た、上述では磁極板は入角形状としたが矩形状であっ
てもよいことは勿論である。

以上述べたようにこの考案によれば組立が簡単で生産性
にすぐれ、しかも小形で大きな動作力が得られるととも
に消音効果も期待できる有極ソレノイドを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のソレノイドの一例を示す縦断面図、第２
図ａ ｐ ｂはこの考案の一実施列を示す縦断面図、第
３図は第２図の■−■線に沿った横断面図、第４図は同
実施例に用いられるボビンを示す斜視図、第５図は同実
施例に用いられる継鉄の剰視図、第６図はこの考案の他
実施例を示す縦断面図である。 １．１２・・・励磁コイル、２．１１−・・ボビン、３
・・・パイプ、４，１５・・・可動鉄心、５，１６・・
・固定鉄心、６・・・補助継鉄、７，１７・・・継鉄、
８，１４・・・永久磁石、１１１，１１２・・・鍔部、
１１３・・・側壁、１１４−・・端壁部、１１４ａ・・
・肉厚部、１１４ｂ・・・突起、１３・・・磁極板、１
６１・・・小径部、１７１・・・脚部、１７２・・・挿
通子り、１７３・・・Ｌ形状突出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （１）両端に形成された第１釦よび第２の鍔部、上記第
   １の鍔部に１対の相対向する側壁を介するとともに第１
   の鍔部に対し平行に形成された端壁部およびとの端壁部
   の側縁に形成された係止部を有する合成樹脂よりなるボ
   ビンと、このボビンに巻装された励磁コイルと、上記ボ
   ビンの第１の鍔部、端壁部釦よび側壁にて形成されるス
   ペースに収容された磁極板と、上記ス６−ス内にて上記
   磁極板の一側面に一方磁極側が当接して設けられ且つ両
   磁極間の高さ寸法が充分小さい希土類永久磁石と、上記
   ボビンの中空部に設けられるとともに上記磁極板を介し
   て上記ボビンの端壁部に固定された固定鉄心と、上記ボ
   ビンの中空部に上記固定鉄心と接離自在に設けられた可
   動鉄心と、相対向する１対の脚部を有するとともにこれ
   ら脚部の先端部に上記端壁部の係止部に対応する係止部
   を有し上記励磁コイルおよび永久磁石を挾持するととも
   に上記係止部が上記端壁部の係止部に係止された状態に
   組立てられる継鉄とを具備したことを特徴とする有極ソ
   レノイド。 ｅ）上記磁極板は略式角形状をなすとともに第１の相対
   向する側面とこれら側面に直交する第２の相対向する側
   面の巾寸法を異ならしたことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の有極ソレノイ ド。 （３）上記ボビンの端壁部側係止部を突起に形成し、上
   記継鉄側係止部をＬ形状突出部に形成したことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の有極ソレノイ
   ド。 （４）上記固定鉄心は一方端部に小径部を形成し、この
   小径部を上記磁極板を介して上記ボビンの端壁部に固定
   したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の有極ソレノイド。