JPS59739Y2 - 有極電磁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一旦付勢され動作すると、この付勢を解いても
動作状態を自己保持する有極電磁装置に関する。

従来かような電磁装置には第１図に示すように構成した
ものがある。

即ち、励磁コイル１を巻装した筒状ボビン２の一方開口
端に固定鉄心３を嵌着し、他方開口端より可動鉄心４を
可動自在に挿装する。

またボビン２の他方開口端にはコ字形のマグネット支持
金具５を設け、この支持金具５にマグネット６を取付け
る。

そして、前記励磁コイル１、マグネット６を囲むように
継鉄７を設ける。

しかして、励磁コイル１が付勢され可動鉄心４が固定鉄
心３に吸着されると、その後この付勢が解かれてもマグ
ネジ１〜６−支持金具５−可動鉄心４−固定鉄心３−継
鉄７よりなる閉磁路により上記可動および固定鉄心の吸
着状態つまり動作状態が保持される。

ところが、かかる従来の構成によると、マグネット６を
コ字形の支持金具５で支持しているためこのマグネット
６を取付けた方向の寸法が大きくなりその分装置全体が
大形化する。

また、マグネット６と可動鉄心４との間は支持金具５を
介して磁路が形成されるため支持金具５での磁気抵抗の
分動作状態の保持力が小さくなる。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、動作状態で
の保持力を大きく得られしかも小形化できる有極電磁装
置を提供することを目的とする。

以下、本考案の一実施例を第２図ａ、ｌ）に従い説明す
る。

１１は励磁コイル１２を巻装した筒状ボビンで、このボ
ビン１１の中空部に排磁性材のパイプ１３を挿装する。

この場合パイプ１３は一方端をボビン１１の一方開口端
に一致し、他方端をボビン１１の他方開口端から所定寸
法だけ突出している。

またパイプ１３の一方端には固定鉄心１４を嵌着し、他
方端より可動鉄心１５を可動自在に挿通する。

そして、このように構成したボビン１１はその一方開口
端をコ字形状継鉄１６の両脚開底面に固定し両脚間で挟
持される。

一方継鉄１６の脚部先端部とパイプ１３の間にパイプ１
３の突出部を挾むように１対の矩形状フェライトマグネ
ット１７を介挿し、このマグネット１７．１７の間に鉄
片１８を挿入する。

尚、１９は非磁性材の蓋板である。

次にこのように構成された有極電磁装置の作用を簡単に
述べると、いま図示のように可動鉄心１５が固定鉄心１
４より開離しているものとし、かような状態から励磁コ
イル１２を付勢すると可動鉄心１５は図示左方向に駆動
されて固定鉄心１４に吸着される。

そしてこの状態で付勢が解かれると今度はマグネット１
７の発生磁束がマグネット１７−継鉄１６−固定鉄心１
４−可動鉄心１５−鉄片１８−マグネット１７よりなる
閉磁路を透過し可動鉄心１５と固定鉄心１４の吸着状態
つまり動作状態が保持される。

その後励磁コイル１２を上述と逆方向に付勢すると可動
鉄心１５と固定鉄心１６の間の吸着力が減少し可動鉄心
１５は元の状態に復帰可能になる。

しかして、上記構成によると、可動鉄心が挿通される非
磁性材パイプを直接挾持するようにｌ対のマグネットを
配設したので、従来のマグネットの支持金具を用いたも
のに比ベマグネット取付方向の寸法を小さくでき、装置
全体を小形化できる。

また、継鉄とパイプの間のスペースを全てマグネットの
収納部としているのでマグネットに極力大きなものを用
いることができ、しかもマグネットの発生磁束を直接可
動鉄心に作用させることもできるので、可動鉄心の動作
状態での保持力を大きくすることか゛できる。

更にマグネットの間に鉄片を挿入しているので、いよ２
個のマグネットの夫々継鉄に接する面側の着磁をＮ極、
パイプに接する面側つまり鉄片が介挿される側面の着磁
をＳ極とすると、仮に可動鉄心と固定鉄心が開離状態に
あると、この間の磁気抵抗が大きくなるためマグネット
のＮ極からの磁束は継鉄→固定鉄心→可動鉄心→鉄片→
Ｓ極を透過する他、Ｎ極から空間を通つてＳ極に透過す
るものが現われ、それだけ可動鉄心と固定鉄心との間を
透過する磁束量を減らすことができる。

このことは接離自在な１組の可動および固定鉄心を有す
る単安定形ソレノイドにおいて特に起生形のツレイドの
ように開離状態での可動鉄心と固定鉄心との間の距離が
極めて小さいもののような場合可動および固定鉄心間の
作用する不要な吸引力をほとんど除去することができる
ので外部振動などにより可動鉄心が固定鉄心に誤吸着さ
れるような不都合を除去でき、動作の安定化が得られる
。

しかも可動鉄心を常時開離方向に偏倚するための例えば
スプリングなどの偏倚力を小さくでき、それだけ負荷に
対して大きな駆動力を期待することもできる。

尚、本考案は上記し且つ図面に示す実施例にのみ限定さ
れず要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。

以上述べたように本考案によれば動作状態での保持力を
大きく得られしかも小形化できる有極電磁装置を提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の有極電磁装置の一例を示す縦断面図、第
２図ａ、ｌ）は本考案による有極電磁装置の一実施例を
示し、ａは縦断面図、ｂはａのＡ−Ａ線に沿った横断面
図である。 １．１２・・・・・・励磁コイル、２，１１・・・・・
・ボビン、３，１４・・・・・・固定鉄心、４，１５・
・・・・・可動鉄心、５・・・・・・支持金具、６゜１
７・・・・・・マグネット、７，１６・・・・・・継鉄
、１３・・・・・・パイプ、１８・・・・・・鉄片、１
９・・・・・・蓋板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 励磁コイルを巻装した筒状ボビンと、このボビン中に一
   方端部を突出して挿装される非磁性材パイプと、このパ
   イプ中に接離自在に設けられる１組の可動および固定鉄
   心と、前記励磁コイルを囲むように設けられる継鉄と、
   この継鉄と前記パイプの間に前記パイプの突出部を直接
   倦むように設けられた１対のマグネットと、このマグネ
   ットの間に挿入される鉄片とを具備したことを特徴とす
   る有極電磁装置。