JPS5930328Y2 - 換気扇 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油塵等による換気羽根の汚れに対しこれを容易
に除去するための手段を講じた換気扇に関する。

換気扇、中でも台所等に設置して使用せられる換気扇に
於いては、従来より、モータによって回転駆動せられる
換気羽根が調理に伴って出る油汚れや空気中特に煙に含
まれた塵埃等いわゆる油塵によって汚される問題があり
、その掃除に太いに煩わされるところであった。

そこで近年、上記換気羽根を剥離可能な例えば合成樹脂
の塗装被膜によって覆うことが考えられており、このも
のによれば、その被膜が汚されるだけで換気羽根は汚さ
れず、その汚れも該羽根から被膜を剥離することによっ
て容易に除去し得ることから、掃除の手間を省き得、大
いに便利ならしめ得るのであるが、然し、その被膜の塗
装の折り、勢い該被膜が換気羽根の取付孔にまで至って
該孔を塞ぎ、又、塞がずとも該孔の内径を狭めることと
なって換気羽根自体の取付けに支障を来たす欠点を生じ
ていた。

尤も斯様な問題に対しては被膜の塗装を注意深く行なえ
ば良いのであるが、然し、それには相当の注意が必要で
作業性が実に悪く、簡易な塗装手段として好まれる吹き
付けの採用等も覚束無くなる問題を有していた。

本考案は上述の如き事情に鑑みてなされたものであり、
従ってその目的は、被膜を換気羽根の取付孔を除いた他
の部所に容易に塗装することができ、よって換気羽根の
取付けを支障なく行ない得るばかりか作業性をも太いに
向上させ得、しかもそれを既存の部品を巧みに利用して
達成できる極めて実用的な換気扇を提供するにある。

以下本考案の一実施例につき第１図乃至第３図を参照し
て説明するに、先ず第１図に於いて、１は外枠、２は外
枠１の内部に架設したモータ取付脚で、この取付脚２に
は回転軸３を有するモータ４を取付けている。

この他、前記外枠１には上記モーフ４後方の室外側開口
部にシャッタ５を配設する一方、前方の室内側開口部下
辺にスイッチ機構６を配設していて、これらをコネクチ
ングレバー７により連結し、更に上記室内側開口部には
化粧枠８を装着している。

さて、９は前記モータ４によって回転駆動せられる換気
羽根であり、詳細には第２図に示す様に取付孔１０を有
するファンボス１１の周囲に複数枚のファンブレード１
２を突設して成るものにて、その取付孔１０をモータ４
の前記回転軸３に嵌合せしめ、その上で上記取付孔１０
から突出した回転軸３先端部の図示しない雄螺子部にフ
ァンボス１１と略同径要するに取付孔１０を覆う大きさ
のスピンナ１３特にこれの裏面中央部にインサートモー
ルドしたナツト１４を螺合して締め付けるという構造（
周知であるから詳しく図示せず）により、前記モータ４
の回転軸３に締結している。

以上にあって、１５は前記スピンナ１３のナツト１４を
包持したインサートモールド部１６にこれと内径及び外
径を同一にして延設した環状のリブで、前記ファンボス
１１の表側に於ける取付孔１０端の環状のリブ１７と対
応しこれの外周に嵌合し得る様になっている。

方、１８はスピンナ１３の外周壁１９にこれと内径を同
一にし外径を小ならしめて延設したやはり環状のリブで
、これはファンボス１１の裏側に於ける周縁部２０と対
応しこれの内周に嵌合し得る様になっている。

そこで今、換気羽根９にこれを覆う例えば塩化ビニル系
の合成樹脂による剥離可能な被膜２１を塗装しようとす
るとき、それが換気羽根９の表側であれば第２図に示す
様にリブ１５をリブ１７に嵌合せしめることによってス
ピンナ１３をファンボス１１の表側に嵌合保持せしめ、
裏側であれば第３図に示す様に例えば裏返し状態にした
ファンボス１１の裏側周縁部２０にリブ１８を嵌合せし
めることによってスピンナ１３をファンボス１１の裏側
に嵌合保持せしめる。

斯様にすることによって、換気羽根９にはその取付孔１
０が表側からも又裏側からも夫々スピンナ１３によりマ
スキングされた状態で被膜２１の塗装がなされるので、
もはや取付孔１０には被膜２１の塗料が入り込む様なこ
とはなく、よって換気羽根９をモータ４の回転軸３に従
来の様な支障を生じることなく常に円滑に取付は得るも
のであり、又、上述の様に取付孔１０がマスキングされ
た換気羽根９には従来の様な注意を払う必要もなく気軽
に被膜２１の塗装ができることから、吹き付は塗装等も
所望にできて勿論他の方法でも容易に塗装できるもので
あり、斯くして作業性をも大幅に向上させ得るのである
。

その上水実施例によれば、上述のマスキングにスピンナ
１３という本来換気羽根９をモータ４の回転軸３に締結
するためにある既存の部分を有効に利用できるものであ
って、殊更特別な部品は必要とせず、よって製品価格等
も安く抑えることができる。

尚、殊に本実施例に於いては被膜２１の塗装を吹き付け
による場合、その被膜２１を換気羽根９にだけでなくス
ピンナ１３にまで併せて塗装できるから、該スピンナ１
３の汚れ除去にも効果を奏する利点を有する。

ここで第４図及び第５図は本考案の異なる実施例を示し
たものにて、このものはスピンナ１３に代えそれより径
太に且つ軸方向にも長く形成したスピンナ２２を使用す
る様にして、該スピンナ２２の外周壁縁部２３をファン
ボス１１の表側周縁部２４の外周と先の裏側周縁部２０
の外周とに嵌合せしめる様にした点が前述と異なるが、
前述同様の作用をなすものであり、従って前述同様の効
果を得ることができる。

この他、本考案は上記し且つ図面に示した各実施例にの
み限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で
適宜変更して実施し得るものである。

本考案は以上説明した様に、取付孔を有するファンボス
を具えた換気羽根及びこの換気羽根を前記取付孔部分を
覆って該取付孔が嵌合したモータの回転軸に締結するス
ピンナを有するものであって且つ前記換気羽根を剥離可
能な塗装被膜により覆う様にした換気扇に於いて、前記
スピンナを前記ファンボスの表裏何れの側にも嵌合保持
し得る様にして成ることを特徴とするものであり、これ
にて被膜を換気羽根の取付孔を除いた他の部所に容易に
塗装することができ、よって換気羽根の取付けを支障な
く行ない得るばかりか作業性をも太いに向上させ得、し
かもそれを既存の部品を巧みに利用して達成できるとい
う実用的価値の極めて犬なる効果を奏する換気扇を提供
し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示したものにて
、第１図は換気扇全体の縦断側面図、第２図は換気羽根
及びこれのファンボス表側に嵌合保持したスピンナの縦
断面図、第３図は換気羽根及びこれのファンボス裏側に
嵌合保持したスピンナの縦断面図であり、そして第４図
及び第５図は本考案の異なる実施例を示した夫々第２図
及び第３図相当図である。 図中、３はモータの回転軸、４はモータ、９は換気羽根
、１０は取付孔、１１はファンボス、１３はスピンナ、
１５，１７及び１８は夫々リブ、２０はファンボスの裏
側周縁部、２１は被膜、２２はスピンナ、２３はスピン
ナの外周壁縁部、２４はファンボスの表側周縁部である
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付孔を有するファンボスを具えた換気羽根及びこの換
   気羽根を前記取付孔部分を覆って該取付孔が嵌合したモ
   ータの回転軸に締結するスピンナを有するものであって
   且つ前記換気羽根を剥離可能な塗装被膜により覆う様に
   したものに於いて、前記スピンナを前記ファンボスの表
   裏倒れの側にも嵌合保持し得る様にして成ることを特徴
   とする換気扇。