JPS5929002B2 - 水晶振動子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水晶振動子に関するものである。

従来水晶振動子の保持は、線保持型の場合、第１図示の
ように水晶ブランク１の面に垂直にヘラテッドワイヤな
どの保持線２・・・・・・の一端を固着し、この保持線
の他端を支持柱３に連結することにより保持されていた
。

すなわち水晶ブランク１の保持位置に鉄黒を焼成により
固着し、これにハンダ錐を設け、保持線２を上記鉄黒に
垂直に固着している。

保持線２の先端にはっは部などを設けてその固着を強固
にしている。

この保持線２は振動子のハンダ錐の頂点がその振動周波
数において保持線の振動の腹となるように調整する必要
がある。

したがって保持線２の他端を支持柱３に固着した後、ハ
ンダボール４の位置を調整して保持線の有効長さ１１を
適宜調整することにより、ハンダ錐の頂点が保持線の振
動の腹となるようにしていた。

ハンダボール４の位置調整は４本の保持線２・・・・・
・のすべてについて行わねばならず、非常に微妙で困難
な作業である。

さらにもしも保持線２・・・・・・の有効長さ１１を小
さくすると、ハンダボール４の調整の際にハンダ錐をも
とかしてしまう危険があるために、厚み方向の寸法を小
さくするには限界があった。

さらにＧＴカット水晶振動子の場合には、固有振動数の
調整と温度特性の調整を独立して行うことが可能である
が、この調整は通常最終的に組み立てられた状態で行う
必要があるために、第１図示のように電気的に接続され
た状態で 短辺方向の側面１ａと長辺方向の側面１ｂを
研磨しつつ測定して行わねばならなかった。

このため保持線２・・・・・・を曲げることなくこれら
の側面１ａ、１ｂを研磨するには、熟練と細心の注意を
要するので、−々保持線２・・・・・・を支持柱３から
とり外して行うのが常であり、作業性が悪いなど多くの
不都合があった。

本発明は上記従来の欠点を排除し、厚み方向の寸法を小
さくして小型化を達成し、ＧＴカットの水晶振動子の主
振動である短辺振動を低下させることなく、保持の機械
的強度を持たせると同時に、副振動である長辺振動を低
下させ、かつ不要振動である厚み屈曲振動を抑制して常
に安定した振動を行い、固有振動数および温度特性の調
整が容易であり、製造が容易な水晶振動子を提供するも
のである。

以下本発明の一実施例を説明する。

第４〜６図において、５は水晶ブランクであり、その両
面に電極膜６が蒸着により形成しである。

水晶ブランク５上の保持位置には鎖点が焼成しである。

保持線８ａ、８ｂは水晶ブランク５の面に平行状態で近
接し、上記鎖点上に形成されたハンダ錐７ａ、７ｂによ
り包み込まれるようにして、導通状態で直結している。

この鎖点の形成位置を第３図に示す。

ＧＴカット水晶振動子の場合には、短辺振動を低下させ
ないこと、保持の機械的強度を確保すること、長辺振動
を抑制すること、不要振動モードである厚み屈曲振動を
抑制することなどの目的を果す上で第３図Ａ−Ｄの例が
有効である。

すなわち水晶ブランク５の短辺振動の節線９上に複数の
鎖点の点１０・・・・・・または点１０と線１１が設け
られている。

線１１は厚み屈曲振動を抑制するためのもので、第３図
Ａ−Ｃの例などに配設することも可能である。

これらの鎖点の点１０・・・・・・のうちの保持に必要
なものの上にハンダ錐が形成されるのである。

また保持線８ａ 、ａｂは直線状のワイヤをＬ字状など
ほぼ直角に層成して使用するので、通常へツブラドワイ
ヤに用いられるリン青銅の他に、恒弾性材質で低熱膨張
係数を有するたとえばエリンバ系合金、コニリンパ系合
金などのワイヤを用いることもできる。

また金メッキなどを施こすことによってハンダののりを
良くしておけば都合がよい。

１２ａ、１２ｂは振動子保持基板で、セラミック、ガラ
ス−エポキシなどの板の両面にＬ字状の導体１３ａ 、
１３ｂが設けである。

基板１２ａ。１２ｂの板厚を適当に設定することにより
、水晶ブランク５の面と保持線８ａ 、８ｂとの間隔を
適当に保つことが容易である。

上記保持線８ａ 、８ｂの下端を延伸した下端は、この
保持基板１２ａ、１２ｂの導体１３ａ、１３ｂの保持位
置に支持用ハンダ１４ａで固着しである。

保持線の長さ調整はハンダ錐７ｂと支持用ハンダ１４ａ
との間隔１１を調整することにより行われ、保持線８ａ
、ｓｂの保持間隔は水晶ブランク５の厚み方向寸法を
薄くしたままで十分大きく取れるのでハンダ錐１ｂをと
かす心配はなく、支持用ハンダ１４ａをとかし１１ を
調整することが容易である。

第４図示の支持基板１２ａはＬ字状であるので、保持線
８ａ 、ａｂの上端は屈曲して延伸し、いずれもその端
部は保持基板１２ａに対向し、支持用ハンダ１４ｂで固
着しである。

ＧＴカット水晶振動子の場合固有振動数と温度特性の調
整は第４図示の例ではこの第５図示の状態で行われる。

そして第４図示のように水晶ブランク５の上辺（短辺）
および右側辺（長辺）の各端面は、基板１２ａの両側面
よりやや外方へ突出している。

したがってこのとき長短辺方向の側面の研磨に際し、保
持線８ａ 、８ｂを曲げるなどの異常な力がおよぶこと
なく、調整作業が容易に行える。

第４図においてベース１５には端子１６ａ。

１６ｂが貫通しており、この両端子と上記両導体１３ａ
、１３ｂの端部とがリン青銅、ピアノ線などのリード
用ワイヤ１７ａ、１７ｂで連結しである。

外部からの衝撃に対しては、保持線８ ａ ｔ８ｂおよ
びリード用ワイヤ１７ａ、１７ｂにより衝撃を吸収する
ので実用上問題はない。

しかし必要があればリード用ワイヤ１７ａ、１７ｂの形
状を工夫することによりさらに効果的に衝撃を吸収する
ことができる。

このように本発明によれば、保持の厚み方向寸法を非常
に小さくすることが可能で、小型化が達成でき、保持線
を振動子の面に平行に連結したためへツブラドワイヤの
代りに通常のワイヤを用いることができ加工歪の心配も
なく、材質も広範囲のものから使用でき安価であり、保
持線の長さ調整が容易である。

また保持線の両端が保持基板に連結されているので、水
晶ブランクの支持の機械的強度を高めることができる。

さらに保持線はハンダにより包み込むように連結される
ので細線を用いても十分な強度を得られる。

保持基板をベースの端子より取り外し、水晶ブランク、
保持線、保持基板が互いに連結した状態のまま固有周波
数、温度特性の調整ができるので、調整がきわめて容易
である。

またＧＴカット水晶振動子を短辺振動の節線に沿う複数
個の点で保持線に連結することにより、主動振である短
辺振動を低下させずに保持の機械的強度をもたせるのみ
ならず、不要振動モードである厚み屈曲振動を抑制でき
ると両時に長辺振動をも低下させることができ、さらに
水晶ブランクの長短辺の一方の端面がＬ字状の振動子保
持基板の両端面より外方へ突出した状態で位置している
ため、この水晶ブランクの長短辺の側面の研磨に際し、
保持線を曲げる異常な力がおよぶことなく、振動子の固
有振動数と温度特性の調整作業を容易に行うことができ
るなどの優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のＧＴカット水晶ブランクの保持状態を示
す斜視図、第２図は同上平面図、第３図は水晶ブランク
に施される鎖点の点または線を例示する正面図、第４図
は本発明の一実施例の正面図、第５図は要部の右側面図
である。 ５・・・・・・水晶ブランク、８ａ 、 ｓｂ・・・・
・・保持線、９・・・・・・短辺振動の節線、？ａ、７
ｂ、１４ａ。 １４ｂ・・・・・・ハンダ、１２ａ・・・・・・保持基
板、１７ａ。 １γｂ・・・・・・リード用ワイヤ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 Ｉ ＧＴカットの水晶ブランクの両面に平行状態で近
   接したほぼ直角に層成した保持線を有し、この保持線は
   上記ＧＴカットの水晶ブランクの短辺振動の節線上の複
   数位置でハンダ錐によって上記水晶ブランクの両面の電
   極膜と直接的に連結しており、 上記保持線の両端はＬ字状の振動子保持基板に固着し、 上記水晶ブランクの長短辺の一方の端面が、この基板の
   両端面より外方へ突出した状態で位置している。 ことを特徴とするＧＴカットの水晶振動子。