JPS592737B2 - 耐硫酸腐蝕性合金 - Google Patents
耐硫酸腐蝕性合金Info
- Publication number
- JPS592737B2 JPS592737B2 JP17347179A JP17347179A JPS592737B2 JP S592737 B2 JPS592737 B2 JP S592737B2 JP 17347179 A JP17347179 A JP 17347179A JP 17347179 A JP17347179 A JP 17347179A JP S592737 B2 JPS592737 B2 JP S592737B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sulfuric acid
- corrosion
- corrosion resistance
- corrosion resistant
- resistant alloy
- Prior art date
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- Expired
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- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は耐硫酸腐蝕性合金に関するものである。
硫酸を取扱う装置材料には、炭素鋼、鋳鉄、高級ステン
レス鋼などの多くの金属が使用されているが、これらの
金属は通常、低温の98%硫酸中では良好な耐蝕性を示
すものの、高温度の・硫酸や液流速の速い箇所では腐蝕
量が大きくなり、使用不可能である。このため高温度、
高濃度硫酸に対しては、従来、二相合金(25Cr−5
Ni−2Mo)、ペルギー規格HV−9相当品(18c
r−25Ni一5Mo)あるいはカーペンター2O(2
0Cr−30Ni−2Mo)等が使用されていた。しか
しこれらの材料においても、100℃前後、95%以上
の高温度、高濃度硫酸に対してはいずれも使用に耐えな
い状態である。本発明は、高温度、高濃度硫酸に対して
も優れた耐蝕性を示す合金を提供するものであり、本発
明に%る合金組成は、Cに■ 18.0〜29.0%、
Ni■ 、20.0〜45%、Mo■ 4.0〜9.0
%、Si■ 3.5より多く且つ5%以下、Cu二09
5〜300%、Mn:2.0%以下、C:0.10%以
下、残余Fe及び不可避的不純物からなる。
レス鋼などの多くの金属が使用されているが、これらの
金属は通常、低温の98%硫酸中では良好な耐蝕性を示
すものの、高温度の・硫酸や液流速の速い箇所では腐蝕
量が大きくなり、使用不可能である。このため高温度、
高濃度硫酸に対しては、従来、二相合金(25Cr−5
Ni−2Mo)、ペルギー規格HV−9相当品(18c
r−25Ni一5Mo)あるいはカーペンター2O(2
0Cr−30Ni−2Mo)等が使用されていた。しか
しこれらの材料においても、100℃前後、95%以上
の高温度、高濃度硫酸に対してはいずれも使用に耐えな
い状態である。本発明は、高温度、高濃度硫酸に対して
も優れた耐蝕性を示す合金を提供するものであり、本発
明に%る合金組成は、Cに■ 18.0〜29.0%、
Ni■ 、20.0〜45%、Mo■ 4.0〜9.0
%、Si■ 3.5より多く且つ5%以下、Cu二09
5〜300%、Mn:2.0%以下、C:0.10%以
下、残余Fe及び不可避的不純物からなる。
表1に98%硫酸による100℃の条件下における腐蝕
試験結果の一例を示す。
試験結果の一例を示す。
これによれば、比較材料として選ばれたカーベンダー2
0、ベルギ一HV−9相当品、二相合金の腐蝕量はそれ
ぞれ0.719g/ m−H,O.477j!/Rrl
・H,O.27’01/Rrt・hである。
0、ベルギ一HV−9相当品、二相合金の腐蝕量はそれ
ぞれ0.719g/ m−H,O.477j!/Rrl
・H,O.27’01/Rrt・hである。
これらの数値は耐蝕性材浩としての限界腐蝕量0.05
g/Rrl・hをはるかに超えており、耐蝕性が不足し
ていることは明らかである。これに対し本発明合金1,
2.3は腐蝕量が0.006〜0.011j;l /
m・hと低く、十分な耐蝕性を有していることが認めら
れる。したがって本発明合金は非常に優れた耐硫酸腐蝕
性を有する材料であるといえる。次に、本発明合金の主
成分を上記した範囲に限定した理由を説明する。Crは
酸化作用によって最も容易に不動態化する役割を持つ金
属元素であり、低温度、高濃度硫酸中では不動態化が徐
々に進行し十分な耐蝕性被膜として存在するが、高温度
、高濃度硫酸中では酸化が急激に進行し、かえって溶解
速度を増すことになる。
g/Rrl・hをはるかに超えており、耐蝕性が不足し
ていることは明らかである。これに対し本発明合金1,
2.3は腐蝕量が0.006〜0.011j;l /
m・hと低く、十分な耐蝕性を有していることが認めら
れる。したがって本発明合金は非常に優れた耐硫酸腐蝕
性を有する材料であるといえる。次に、本発明合金の主
成分を上記した範囲に限定した理由を説明する。Crは
酸化作用によって最も容易に不動態化する役割を持つ金
属元素であり、低温度、高濃度硫酸中では不動態化が徐
々に進行し十分な耐蝕性被膜として存在するが、高温度
、高濃度硫酸中では酸化が急激に進行し、かえって溶解
速度を増すことになる。
この溶解を阻止し、耐蝕性を維持するためにNi,MO
及びSiなどの金属元素を添加せしめたものである。す
なわち、高温度、高濃度硫酸に対する耐蝕性合金におい
て機械的性質などの他の障害を伴うことなく高度の耐蝕
性を得るためには、Crの含有量は18〜29%が必要
であり同時に、MO,Ni及びSi含有量の相乗効果で
有効にする必要がある。このため、本発明合金のCr含
有量は上記の範囲でMOの含有量を4〜9係の範囲とし
、Ni含有量は上記のCr及びMO量に入っていて全体
の20〜45チである時、耐蝕性及び機械的性質の両者
共最も満足な結果が得られる。
及びSiなどの金属元素を添加せしめたものである。す
なわち、高温度、高濃度硫酸に対する耐蝕性合金におい
て機械的性質などの他の障害を伴うことなく高度の耐蝕
性を得るためには、Crの含有量は18〜29%が必要
であり同時に、MO,Ni及びSi含有量の相乗効果で
有効にする必要がある。このため、本発明合金のCr含
有量は上記の範囲でMOの含有量を4〜9係の範囲とし
、Ni含有量は上記のCr及びMO量に入っていて全体
の20〜45チである時、耐蝕性及び機械的性質の両者
共最も満足な結果が得られる。
さらに、Siの含有量は耐蝕性を著しく向上させ得るが
、表1における比較例A,B及びCにあるように3.5
係以下の場合は、たとえ他の成分範囲が十分満足された
合金であっても、その腐蝕量は現用材料に比較しては良
好な値となるが、本発明合金に比較すれば、腐蝕量が大
きい。
、表1における比較例A,B及びCにあるように3.5
係以下の場合は、たとえ他の成分範囲が十分満足された
合金であっても、その腐蝕量は現用材料に比較しては良
好な値となるが、本発明合金に比較すれば、腐蝕量が大
きい。
したがって耐蝕性を十分に改善するためには、Siの含
有量は3.5%より多くにする必要がある。しかしなが
ら、Siの添加は多くなればなる程機械的性質を低下さ
せる性質があることから、添加量は5.0係を限度とす
る。Cuの添加は、耐蝕性及び機械的性質を向上させる
が、添加量が3係を越すと耐蝕性及び機械的性質を劣化
させるため、Cuの添加は30係を限度とする。
有量は3.5%より多くにする必要がある。しかしなが
ら、Siの添加は多くなればなる程機械的性質を低下さ
せる性質があることから、添加量は5.0係を限度とす
る。Cuの添加は、耐蝕性及び機械的性質を向上させる
が、添加量が3係を越すと耐蝕性及び機械的性質を劣化
させるため、Cuの添加は30係を限度とする。
なお、Mnは溶製に際して脱酸の目的で使用され、通常
の工業用ステンレス鋼の場合と同じくMn量を2.0係
以下とし、Cは耐蝕性を阻害する成分として知られてい
るが、一般的に0.1%以下であれば固溶化熱処理によ
って耐蝕性に悪影響を及ぼさない。
の工業用ステンレス鋼の場合と同じくMn量を2.0係
以下とし、Cは耐蝕性を阻害する成分として知られてい
るが、一般的に0.1%以下であれば固溶化熱処理によ
って耐蝕性に悪影響を及ぼさない。
Claims (1)
- 1 Cr:18.0〜29.0%、Ni:20.0〜4
5%、Mo:4.0〜9.0%、Si:3.5%より多
く且つ5.0%以下、Cu:0.5〜3.0%、Mn:
2.0%以下、C:0.10%以下、残余Fe及び不可
避的不純物からなることを特徴とする耐硫酸腐蝕性合金
。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17347179A JPS592737B2 (ja) | 1979-12-26 | 1979-12-26 | 耐硫酸腐蝕性合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17347179A JPS592737B2 (ja) | 1979-12-26 | 1979-12-26 | 耐硫酸腐蝕性合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5693860A JPS5693860A (en) | 1981-07-29 |
JPS592737B2 true JPS592737B2 (ja) | 1984-01-20 |
Family
ID=15961090
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17347179A Expired JPS592737B2 (ja) | 1979-12-26 | 1979-12-26 | 耐硫酸腐蝕性合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS592737B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109778048A (zh) * | 2019-01-30 | 2019-05-21 | 江苏飞跃机泵集团有限公司 | 一种高硬度、耐蚀的Ni-Cr-Fe合金及其制备方法 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5063023A (en) * | 1989-11-17 | 1991-11-05 | Haynes International, Inc. | Corrosion resistant Ni- Cr- Si- Cu alloys |
FR2654747B1 (fr) * | 1989-11-17 | 1992-12-31 | Haynes Int Inc | Alliages de ni-cr-si-cu resistants a la corrosion. |
JP2634299B2 (ja) * | 1990-05-23 | 1997-07-23 | 三菱重工業株式会社 | 高温、高濃度硫酸用Pd添加ステンレス鋼 |
JP2002241900A (ja) | 1997-08-13 | 2002-08-28 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 |
CN103620077B (zh) * | 2011-06-24 | 2016-02-03 | 新日铁住金株式会社 | 耐渗碳性金属材料 |
CN102528016B (zh) * | 2012-01-17 | 2013-09-11 | 建德市易通金属粉材有限公司 | 金属注射成形用合金钢粉及其制备方法 |
CN104001924B (zh) * | 2014-03-20 | 2016-02-24 | 建德市易通金属粉材有限公司 | 一种金属注射成形用铁基合金预混料 |
-
1979
- 1979-12-26 JP JP17347179A patent/JPS592737B2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109778048A (zh) * | 2019-01-30 | 2019-05-21 | 江苏飞跃机泵集团有限公司 | 一种高硬度、耐蚀的Ni-Cr-Fe合金及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5693860A (en) | 1981-07-29 |
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