JPS582259B2 - 硝酸および弗酸よりなる混酸に対してすぐれた耐食性を示す高クロム合金 - Google Patents

硝酸および弗酸よりなる混酸に対してすぐれた耐食性を示す高クロム合金

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JPS582259B2
JPS582259B2 JP51155109A JP15510976A JPS582259B2 JP S582259 B2 JPS582259 B2 JP S582259B2 JP 51155109 A JP51155109 A JP 51155109A JP 15510976 A JP15510976 A JP 15510976A JP S582259 B2 JPS582259 B2 JP S582259B2
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JP
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corrosion resistance
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acid
nitric
high chromium
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JP51155109A
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吉田武司
戸田一夫
滝沢与司夫
迫ノ岡晃彦
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Mitsubishi Metal Corp
Original Assignee
Mitsubishi Metal Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、硝酸および弗酸よりなる混酸(以下硝弗酸
という)使用の酸洗槽およびその付帯設備、硝弗酸回収
装置、およi硝弗酸使用の溶解装置などにおける硝弗酸
にさらされる環境下で使用した場合にすぐれた耐食性を
示す高クロム合金に関するものである。
従来、一般に硝弗酸にさらされる環境下においては、硝
弗酸による激しい腐食のために金属材料は使用されてお
らず、これら環境下ではゴム、テフロンおよびその他の
耐酸樹脂、並びに耐酸レンカなどの非金属材料を使用さ
れているのが現状である。
しかしながら、前記の非金属材料は、耐摩耗性や機械的
強度が暮求される場合には使用寿命が短かく、シかも前
記非金属材料で大型構造物を製作することは困難であっ
た。
このようなことから、最近硝弗酸にさらされる環境下で
金属材料を使用する試みがわずかではあるがなされ、例
えば硝弗酸使用のプルトニウム溶解装置において数種の
金属材料を使用し、その腐食態様を比較検討したとの報
告があり、前記報告ではインコネル690が最も硝弗酸
に対する耐食性が良好であると述べている。
本発明者等は、上述のような観点から、硝弗酸にさらさ
れる環境下において、大型構造物の製作が可能であると
共に、耐摩耗性や機械的強度が要求される場合にも使用
寿命が長く、さらにインコネル690よりも一段とすぐ
れた耐食性をもつ金属材料を得べく研究した結果、重量
%で、Cr:35〜85%,Fe:5〜25%を含有し
、さらに必要に応じてTi ,Zr ,Nb ,Mo1
およびWのうちの1種または2種以上=0.1〜5%と
、希土類元素:0.001〜2%のいずれか、または両
方を含有し、残りがNiと不可避不純物(ただしNi:
10〜60%を含有し、かつ不可避不純物としてのC含
有量を1%以下とする)からなる組成をもつな高クロム
合金は上述の特性をすべて兼ね備えるという知見を得た
のである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであり
、以下に組成成分範囲を上述のように限定した理由を説
明する。
(a) Cr Cr成分には硝弗酸に対する耐食性を向上させる作用が
あるが、その含有量が35%未満では所望の耐食性を確
保することができないので35%以上含有させる必要が
あり、このようにCr含有量を高くすることによって耐
食性が増、太し、硝弗酸の濃度および温度条件によって
もたらされる激しい腐食性に対してもすぐれた耐食性を
示すようになる。
しかし85%を越えて含有させると、合金の製造に際し
て、鋳造技術上および塑性加工技術上困難性を伴うよう
になることから、その上限値を85%と定めた。
なお、例えばステンレス鋼の酸洗には温度約60℃程度
の17%HNO3−3%HFの硝弗酸溶液が使用されて
いるが、このような激しい腐食環境下において合金の完
全耐食性をはかるためにはCr含有量を45%以上にす
るのがよく、また一方65%を越えたCr含有量では塑
性加工に特別な配慮を加えなければならなくなるので、
その含有量を45〜65%にするのが望ましい。
(b) Fe Fe成分の含有量が多くなるほどα相が多くなって合金
の硝弗酸に対する耐食性が向上するようになるが、その
含有量が5%未満では所望の硝弗酸に対する耐食性が得
られないので5%以上の含有が必要である。
しかし25%を越えて含有させるとσ相が析出して合金
が脆化するようになるので25%を越えて含有させては
ならない。
(c) C 不可避不純物としてのC成分の含有量が少なければ少な
いほど合金の硝弗酸に対する耐食性は向上するのであっ
て、1.0%を越えたC含有量では所望の充分な耐食性
を確保することができない。
なお、Cr含有量が45〜65%の場合には、鋳造に困
難性が伴わないので、0.1%以下のC含有量にするの
が望ましい。
しかしながらより高Cr含有量の場合には鋳造性が劣化
するから、これを補うために1%以下の範囲においてC
r含有量に応じてC含有量を高くしてやらなければなら
ない。
(d) Ni Ni成分は合金の硝弗酸に対する耐食性および加工性に
影響を及ぼす成分であり、10〜60%の含有が望まし
い。
これは10%未満の含有では所望の靭性を確保すること
ができず、一方60%を越えた含有ではγ相が安定して
耐食性が不充分となる理由によるものである。
(e)Ti ,Zr ,Nb ,Mo,およびWこれら
成分は合金の硝弗酸に対する耐食性および加工性を一段
と改善するために含有されるが、その含有量が0.1%
未満では所望の改善効果が得られず、一方5%を越えて
含有させてもより一層の効果向上はみられないので、そ
の含有量を0.1〜5%と限定した。
(f) 希土類元素 希土類元素も同様に合金の硝弗酸に対する耐食性および
加工性を一層向上させるために含有させるが、その含有
量が0.001%未満では所望の向上効果が得られず、
一方2%を越えて含有させると逆にこれら特性がそこな
われるようになることから、その含有量を0.001〜
2%と定めた。
なお、この発明の高クロム合金は通常の溶解法によって
製造されるので、脱酸材としてSi,Mn,およびAl
が使用されるが、これら脱酸成分の1%以下の含有は合
金特性、特に硝弗酸に対する耐食性に何らの影響を及ぼ
すものではない。
つぎに、この発明の合金を実施例により比較例と対比し
ながら説明する。
実施例 通常の溶解法によって第1表に示される成分組成をもっ
た本発明合金1〜21および比較合金1〜3を製造した
なお、第1表において、本発明合金5〜8は鋳造材とし
たが、他の全ての合金は加工板材とした。
また比較合金1はインコネル690、比較合金2はCo
基合金のウムコ50、そして比較合金3はJIS−SU
S304にそれぞれ相当する合金である。
第1表に示すそれぞれの合金に対して、温度60℃、組
成17%HNO3−3%HFをもった硝弗酸溶液中に浸
漬の腐食試験を施し、その腐食量を測定したが、この結
果を第1表に合せて示した。
第1表に示される結果から明らかなように、本発明合金
は、JIS−SUS304に相当する比較合金3に対し
ては云うに及ばず、従来硝弗酸に対して耐食性を示すと
云われているインコネル690に相当する比較合金1、
さらにはウムコ50に相当する比較合金2に比してきわ
めてすぐれた耐食性を示すことが明らかである。
また、例えば本発明合金3と本発明合金9〜21との比
較から、Ti ,Zr ,Nb ,Mo ,W,および
希土類元素の含有によって硝弗酸に対する耐食性がさら
に一段と向上することが明らかである。
上述のように、この発明の高クロム合金は、硝弗酸に対
してすぐれた耐食性を示すと共に、高い機械的強度と良
好な加工性および溶接性をもち、しかもコストも安く製
造できるなどのすぐれた特性をもつのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Cr:35〜85%,Fe:5〜25%を含有し、
    残りがNiと不可避不純物(ただしNi :10〜60
    %を含有し、不可避不純物としてのC含有量は1%以下
    )からなる組成(以上重量%)を有することを特徴とす
    る硝酸および弗酸よりなる混酸に対してすぐれた耐食性
    を示す高クロム合金。 2 Cr:35〜85%,Fe:5〜25%を含有し、
    さらにTi ,Zr ,Nb ,Mo1およびWのうち
    の1種または2種以上:0.1〜5%を含有し、残りが
    Niと不可避不純物(ただしNi:10〜60%を含有
    し、不可避不純物としてのC含有量は1%以下)からな
    る組成(以上重量%)を有するごとを特徴とする硝酸お
    よび弗酸よりなる混酸に対してすぐれた耐食性を示す高
    クロム合金。 3 Cr:35〜85%,pe : 5〜25%を含有
    し、さらに希土類元素:0.001〜2%を含有し、残
    りがNiと不可避不純物(ただしNi:10〜60%を
    含有し、不可避不純物としてのC含有量は1%以下)か
    らなる組成(以上重量%)を有することを特徴とする硝
    酸および弗酸よりなる混酸に対してすぐれた耐食性を示
    す高クロム合金。 4 Cr:35〜85%,Fe:5〜25%を含有し、
    さらにTi ,Zr ,Nb ,Mo,およびWのうち
    の1種または2種以上:0.1〜5%と、希土類元素:
    0.001〜2%とを含有し、残りがNiと不可避不純
    物(ただしNi:10〜60%を含有し、不可避不純物
    としてのC含有量は1%以下)からなる組成(以上重量
    %)を有することを特徴とする硝酸および弗酸よりなる
    混酸に対してすぐれた耐食性を示す高クロム合金。
JP51155109A 1976-12-24 1976-12-24 硝酸および弗酸よりなる混酸に対してすぐれた耐食性を示す高クロム合金 Expired JPS582259B2 (ja)

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JPS5379711A JPS5379711A (en) 1978-07-14
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