JPS5821022B2 - 硝酸および弗酸よりなる混酸に対する耐食性並びに耐摩耗性のすぐれた高クロム合金 - Google Patents
硝酸および弗酸よりなる混酸に対する耐食性並びに耐摩耗性のすぐれた高クロム合金Info
- Publication number
- JPS5821022B2 JPS5821022B2 JP6225977A JP6225977A JPS5821022B2 JP S5821022 B2 JPS5821022 B2 JP S5821022B2 JP 6225977 A JP6225977 A JP 6225977A JP 6225977 A JP6225977 A JP 6225977A JP S5821022 B2 JPS5821022 B2 JP S5821022B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- corrosion resistance
- content
- alloy
- acid
- nitric
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- ing And Chemical Polishing (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
この発明は、硝酸および弗酸よりなる混酸(以下硝弗酸
という)使用の酸洗槽およびその付帯設備、硝弗酸回収
装置、および硝弗酸使用の溶解装置などにおける硝弗酸
にさらされる環境下で使用した場合にすぐれた耐食性を
示す古共に、耐摩耗性にもすぐれた高クロム合金に関す
るものである。
という)使用の酸洗槽およびその付帯設備、硝弗酸回収
装置、および硝弗酸使用の溶解装置などにおける硝弗酸
にさらされる環境下で使用した場合にすぐれた耐食性を
示す古共に、耐摩耗性にもすぐれた高クロム合金に関す
るものである。
従来、一般に硝弗酸にさらされる環境下においては、硝
弗酸による激しい腐食のために金属材料は使用されてお
らず、これら環境下ではゴム、テフロンおよびその他の
耐酸樹脂、並びに耐酸レンガなどの非金属材料が使用さ
れているのが現状である。
弗酸による激しい腐食のために金属材料は使用されてお
らず、これら環境下ではゴム、テフロンおよびその他の
耐酸樹脂、並びに耐酸レンガなどの非金属材料が使用さ
れているのが現状である。
しかしながら、前記の非金属材料は、耐摩耗性や機械的
強度が要求される場合には使用寿命が短かく、しかも前
記非金属材料で大型構造物を製作することは困難であっ
た。
強度が要求される場合には使用寿命が短かく、しかも前
記非金属材料で大型構造物を製作することは困難であっ
た。
このようなことから、最近硝弗酸にさらされる環境下で
金属材料を使用する試みがわずかではあるがなされ、例
えば硝弗酸使用のプル1ヘニウム溶解装置において数種
の金属材料を使用し、その腐食態様を比較検討したとの
報告があり、前記報告ではインコネル690が最も硝弗
酸に対する耐食性が良好であると述べている。
金属材料を使用する試みがわずかではあるがなされ、例
えば硝弗酸使用のプル1ヘニウム溶解装置において数種
の金属材料を使用し、その腐食態様を比較検討したとの
報告があり、前記報告ではインコネル690が最も硝弗
酸に対する耐食性が良好であると述べている。
この発明は、上述のような観点から、硝弗酸にさらされ
る環境下において、大型構造物の製作が可能であると共
に、耐摩耗性や機械的強度が要求される場合にも使用寿
命が長く、さらにインコネル690よりも一段とすぐれ
た耐食性をもった合金を提供するもので、 Cr:35〜85%。
る環境下において、大型構造物の製作が可能であると共
に、耐摩耗性や機械的強度が要求される場合にも使用寿
命が長く、さらにインコネル690よりも一段とすぐれ
た耐食性をもった合金を提供するもので、 Cr:35〜85%。
Fe:5〜25tfb。
C:1%以下、
Co : 0.1〜20 %、
を含有し、さらに必要に応じて、
(a)Ti 、Zr、Nb、Mo、およびWのうちの1
種または2種以上二0.1〜5%、 (b) 希土類元素:0.001〜2係、以上(a)
および(b)のうちのいずれか1種または2種を含有し
、 Niおよび不可避不純物:残り、 (以上重量%)からなることに特徴を有するものである
。
種または2種以上二0.1〜5%、 (b) 希土類元素:0.001〜2係、以上(a)
および(b)のうちのいずれか1種または2種を含有し
、 Niおよび不可避不純物:残り、 (以上重量%)からなることに特徴を有するものである
。
ついで、この発明の合金において、成分組成範囲を上述
のように限定した理由を説明する。
のように限定した理由を説明する。
(a)Cr
Cr成分には硝弗酸に対する耐食性を向上させる作用が
あるが、その含有量が35%未満では所望の耐食性を確
保することができないので35係以上含有させる必要が
あり、このようにCr含有量を高くすることによって耐
食性が増大し、硝弗酸の濃度および温度条件によっても
たらされる激しい腐食性に対してもすぐれた耐食性を示
すようになる。
あるが、その含有量が35%未満では所望の耐食性を確
保することができないので35係以上含有させる必要が
あり、このようにCr含有量を高くすることによって耐
食性が増大し、硝弗酸の濃度および温度条件によっても
たらされる激しい腐食性に対してもすぐれた耐食性を示
すようになる。
しかし85係を越えて含有させると、合金の製造に際し
て、鋳造技術上および塑性加工技術上困難性を伴うよう
になることから、その上限値を85%と定めた。
て、鋳造技術上および塑性加工技術上困難性を伴うよう
になることから、その上限値を85%と定めた。
なお、例えはステンレス鋼の酸洗には温度約60°C程
度の17係HNO3−3チHFの硝弗酸溶液が使用され
ているが、このような激しい腐食環境下において合金の
完全耐食性をはかるためにはCr含有量を45%以上に
するのがよく、また一方65%を越えたCr含有量では
塑性加工に特別な配慮を加えなければならなくなるので
、その含有量を45〜65優にするのが望ましい。
度の17係HNO3−3チHFの硝弗酸溶液が使用され
ているが、このような激しい腐食環境下において合金の
完全耐食性をはかるためにはCr含有量を45%以上に
するのがよく、また一方65%を越えたCr含有量では
塑性加工に特別な配慮を加えなければならなくなるので
、その含有量を45〜65優にするのが望ましい。
(b) Fe
Fe成分の含有量が多くなるほどα相が多くなって合金
の耐食性が向上するようになるが、その含有量が5%未
満では所望の耐食性が得られないので5%以上の含有が
必要である。
の耐食性が向上するようになるが、その含有量が5%未
満では所望の耐食性が得られないので5%以上の含有が
必要である。
しかし25%を越えて含有させるとα相が析出して・合
金が脆化するようになるので25%を越えて含有させて
はならない。
金が脆化するようになるので25%を越えて含有させて
はならない。
(c) C
C成分の含有量が少なければ少ないほど合金の耐食性は
向上するのであって、1.0%を越えたC含有量では所
望の充分な耐食性を確保することが、できない。
向上するのであって、1.0%を越えたC含有量では所
望の充分な耐食性を確保することが、できない。
なお、Cr含有量が45〜65%の場合には、鋳造に困
難性が伴わないので、0.1%以下のC含有量にするの
が望ましい。
難性が伴わないので、0.1%以下のC含有量にするの
が望ましい。
しかしながらより高Cr含有量の場合には鋳造性が劣化
するから、これを補うために1%以下の範囲においてC
r含有量に応じてC含有量を高くしてやらなければなら
ない。
するから、これを補うために1%以下の範囲においてC
r含有量に応じてC含有量を高くしてやらなければなら
ない。
(d) C。
Co成分には合金の耐食性をそこなうことなく機械的性
質、特に硬さを増して耐摩耗性を向上させる作用がある
が、その含有量が0.1係未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方20%を越えて含有させるとα相の
析出により合金が脆化するようになることから、その含
有量を0.1〜20%と定めた。
質、特に硬さを増して耐摩耗性を向上させる作用がある
が、その含有量が0.1係未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方20%を越えて含有させるとα相の
析出により合金が脆化するようになることから、その含
有量を0.1〜20%と定めた。
(e)Ti、Zr、Nb、Mo、およびWこれら成分は
合金の耐食性および加工性を一段と改善するために含有
されるが、その含有量が0.1%未満では所望の改善効
果が得られず、一方5係を越えて含有させてもより一層
の効果向上はみられないので、その含有量を0.1〜5
係と定めた。
合金の耐食性および加工性を一段と改善するために含有
されるが、その含有量が0.1%未満では所望の改善効
果が得られず、一方5係を越えて含有させてもより一層
の効果向上はみられないので、その含有量を0.1〜5
係と定めた。
(f) 希土類元素
希土類元素も同様に合金の耐食性および加工性を一層向
上させるために含有されるが、その含有量が0.001
%未満では所望の向上効果が得られず、一方2%を越え
て含有させると逆にこれら特性がそこなわれるようにな
ることから、その含有量を0.001〜2%と定めた。
上させるために含有されるが、その含有量が0.001
%未満では所望の向上効果が得られず、一方2%を越え
て含有させると逆にこれら特性がそこなわれるようにな
ることから、その含有量を0.001〜2%と定めた。
(g)Ni
N1成分は合金の耐食性および加工性に影響を及ぼす成
分であり、10〜60係の含有が望ましい。
分であり、10〜60係の含有が望ましい。
これは10%未満の含有では所望の靭性を確保すること
ができず、一方60%を越えた含有ではγ相が安定して
耐食性が不充分となる理由によるものである。
ができず、一方60%を越えた含有ではγ相が安定して
耐食性が不充分となる理由によるものである。
なお、この発明の高クロム合金は通常の溶解法によって
製造されるので、脱酸材としてSi。
製造されるので、脱酸材としてSi。
Mn、およびABJE使用されるが、これら脱酸成分の
1%以下の含有は合金特性、特に耐食性に何らの影響を
及ぼすものではない。
1%以下の含有は合金特性、特に耐食性に何らの影響を
及ぼすものではない。
つぎに、この発明の合金を実施例により比較例と対比し
ながら説明する。
ながら説明する。
実施例
通常の溶解法によって第1表に示される成分組成をもっ
た本発明合金1〜16および比較合金1゜2を製造した
。
た本発明合金1〜16および比較合金1゜2を製造した
。
なお、第1表において、比較合金1はインコネル690
、比較合金2はCr、Fe。
、比較合金2はCr、Fe。
およびCの含有量が本発明合金の成分組成範囲内にある
が、Co成分を含有しない合金(特願昭51−1551
09号として出願のもの)である。
が、Co成分を含有しない合金(特願昭51−1551
09号として出願のもの)である。
ついで、第1表に示されるそれぞれの合金に対して、温
度60°C217係HNO3−3係HFの組成をもった
硝弗酸溶液中に浸漬の腐食試験を施し、その腐食速度を
測定し、この結果を第1表に示した。
度60°C217係HNO3−3係HFの組成をもった
硝弗酸溶液中に浸漬の腐食試験を施し、その腐食速度を
測定し、この結果を第1表に示した。
また前記合金の硬さも合せて示した。第1表に示される
結果から明らかなように、本発明合金は、硝弗酸に対し
て耐食性を示すと云われているインコネル690に相当
する比較合金1に比してきわめてすぐれた耐食性を示し
ている。
結果から明らかなように、本発明合金は、硝弗酸に対し
て耐食性を示すと云われているインコネル690に相当
する比較合金1に比してきわめてすぐれた耐食性を示し
ている。
また、例えば本発明合金3と本発明合金6〜16との比
較から、T i 、 Zr 、Nb 、Mo 、W、お
よび希土類元素の含有によって耐食性がさらに一段と向
上することが明らかである。
較から、T i 、 Zr 、Nb 、Mo 、W、お
よび希土類元素の含有によって耐食性がさらに一段と向
上することが明らかである。
さらに、本発明合金2〜4とCoを含有しない比較合金
2とはほぼ同等の耐食性を示すが、coを含有する本発
明合金2〜4の方が高い硬さを示し、耐食性に加えてす
ぐれた耐摩耗性をもつことが明らかである。
2とはほぼ同等の耐食性を示すが、coを含有する本発
明合金2〜4の方が高い硬さを示し、耐食性に加えてす
ぐれた耐摩耗性をもつことが明らかである。
上述のように、この発明の高クロム合金は、硝弗酸に対
してすぐれた耐食性を示すと共に、耐摩耗性にもすぐれ
、さらに高い機械的強度と良好な加工性および溶接性を
もつので大型構造物の製作にも適用でき、しかもコスト
安く製造できるなどのすぐれた特性をもつものである。
してすぐれた耐食性を示すと共に、耐摩耗性にもすぐれ
、さらに高い機械的強度と良好な加工性および溶接性を
もつので大型構造物の製作にも適用でき、しかもコスト
安く製造できるなどのすぐれた特性をもつものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 l Cr : 35〜85%。 Fe:5〜25係。 C:1係以下、 Co : 0.1〜20 % Niおよび不可避不純物:残り、 (以上重量%)からなることを特徴とする硝酸および弗
酸よりなる混酸に対する耐食性並びに耐摩耗性のすぐれ
た高クロム合金。 2 Cr ”、 35〜85 % t Fe:5〜25係。 C:1係以下、 Co : 0.1〜20 %、 を含有し、さらに (a)Ti、Zr、Nb、Mo、およびWのうちの1種
または2種以上:0.1〜5%、 (b) 希土類元素:0.001〜2%、以上(a)
および(b)のうちのいずれか1種または2種を含有し
、 Niおよび不可避不純物:残り、 (以上重量%)からなることを特徴とする硝酸および弗
酸よりなる混酸に対する耐食性並びに耐摩耗性のすぐれ
た高クロム合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6225977A JPS5821022B2 (ja) | 1977-05-30 | 1977-05-30 | 硝酸および弗酸よりなる混酸に対する耐食性並びに耐摩耗性のすぐれた高クロム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6225977A JPS5821022B2 (ja) | 1977-05-30 | 1977-05-30 | 硝酸および弗酸よりなる混酸に対する耐食性並びに耐摩耗性のすぐれた高クロム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS53147615A JPS53147615A (en) | 1978-12-22 |
JPS5821022B2 true JPS5821022B2 (ja) | 1983-04-26 |
Family
ID=13194960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6225977A Expired JPS5821022B2 (ja) | 1977-05-30 | 1977-05-30 | 硝酸および弗酸よりなる混酸に対する耐食性並びに耐摩耗性のすぐれた高クロム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5821022B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5288228A (en) * | 1989-11-17 | 1994-02-22 | Kubota Corporation | Heat-resistant materials |
-
1977
- 1977-05-30 JP JP6225977A patent/JPS5821022B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS53147615A (en) | 1978-12-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2042363C (en) | Iron aluminide alloys with improved properties for high temperature applications | |
EP0545753A1 (en) | Duplex stainless steel having improved strength and corrosion resistance | |
JP3355510B2 (ja) | オーステナイト合金およびそれらの使用 | |
JP3004654B2 (ja) | ニッケル・クロム・モリブデン合金及びその使用方法 | |
PL171499B1 (pl) | Stop austenityczny niklowo-molibdenowy PL PL | |
US4533414A (en) | Corrosion-resistance nickel alloy | |
JPS6134498B2 (ja) | ||
JP2005505696A (ja) | 二相ステンレス鋼 | |
JP2000512345A (ja) | ニッケル−クロム−モリブデン−合金 | |
JP4312408B2 (ja) | 耐蝕性オーステナイト合金 | |
US3759704A (en) | Corrosion resistant alloys | |
US5026521A (en) | Zirconium-titanium and/or tantalum oxygen alloy | |
US5011659A (en) | Castable corrosion resistant alloy | |
JPS582259B2 (ja) | 硝酸および弗酸よりなる混酸に対してすぐれた耐食性を示す高クロム合金 | |
JPS5821022B2 (ja) | 硝酸および弗酸よりなる混酸に対する耐食性並びに耐摩耗性のすぐれた高クロム合金 | |
JPH059503B2 (ja) | ||
JPS592737B2 (ja) | 耐硫酸腐蝕性合金 | |
US3597193A (en) | Vanadium base alloy | |
JPS5817247B2 (ja) | 硝酸および弗酸よりなる混酸に対する耐食性並びに溶接性の良好な高クロム合金 | |
JPS6037182B2 (ja) | 耐食性にすぐれた高強度オ−ステナイトステンレス鋼 | |
JPH05255784A (ja) | 耐食性に優れた油井用Ni基合金 | |
US3311470A (en) | Ductile corrosion-resistant alloy | |
US4088478A (en) | Corrosion-resistant alloys | |
JPS6037183B2 (ja) | 耐食性にすぐれた高力オ−ステナイトステンレス鋼 | |
US3307939A (en) | Corrosion-resisting cobalt-chromium-tungsten alloys |