JPS5925652Y2 - シリアルプリンタにおける活字輪位置決め機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシリアルプリンタの活字輪位置決め機構に関し
、簡易且つ安価な構造で、正確な活字輪の停止位置決め
を行なわせることを目的とする。

昨今、プリンタ付電卓が世の中に広まっているが、要求
としては低価格化と高印字品質が求められている。

この為、本考案は並列印字式プリンタに比べ安価に構成
可能なシリアルプリンタにおいて、軸方向に移送される
活字輪の回転停止位置の位置決めを正確に行なうことに
より、高印字品質で且つ安価な電卓用プリンタを提供せ
んとしたものである。

次に本考案との対比のため従来のこの種のシリアルプリ
ンタの構成を第１図によって説明する。

図において、側枠６，１１間に掛渡された案内軸１には
、キャリッジ７が摺動自在であるように挿通されている
。

２は、キャリッジ１にその一端を固着したワイヤロープ
で、他端をプーリ１５を介してロープ巻取手段（図示せ
ず）に連結しており、このロープ巻取手段でワイヤロー
プ２を巻上げることによって、キャリッジ７を図示左方
に移送する。

又、図示していないがキャリッジ７にはキャリッジ７を
常時ホームポジション（図示右端）側に引張るバネ手段
が連結されており、１行分の印字終了時に前記ロープ巻
取手段の係留を解除することにより、キャリッジ７はバ
ネ手段によってホームポジションに急速復帰する。

８は断面略小判形の活字軸で、前記両側枠６゜１１に軸
受け５−ａ、５−ｂを介して回転自在に保持されている
。

１３は活字軸８の端部に圧入・固定した駆動ギヤで、例
えばパルスモータのような駆動源で一方向に回軸駆動さ
れる。

又、印字指令に基づきこの駆動源を停止させることによ
り、活字軸８は所定位置で回軸停止する。

１２は、活字軸８にスプライン結合（活字軸８と一体回
転し、且つ活字軸８上を摺動自在とした結合）をされた
活字輪で、その円筒部１２−ａの環状溝（図示せず）に
前記キャリッジ７の腕部７− ａを嵌合しており、キャ
リッジ７の移送に伴って活字輪１２も一体となって移送
される。

９は、活字軸８に固着されたラチェット歯車で、前記活
字輪１２外周に等間隔に形成した活字間ピッチに対応し
た歯部を等間隔に形威しである。

１０はラチェット歯車９と係合する係止爪で、自身弾性
を有し、その基部をプリンタの枠体（図示せず）に固着
されている。

１４は１行分の印字幅に亘る印打面を有するハンマで、
用紙４を介して活字輪１２と対向しており、ホームポジ
ションからワイヤロープ２によって１ピツチ毎（１桁相
当分毎）順次移送されるキャリッジ７の活字輪１２が、
印字指令に基づき各桁毎に所望活字を対向させて回転停
止した後、用紙４を活字輪１２に押付け、各桁毎の印字
を行なう。

なお図示していないが活字輪１２外周にはインクローラ
によってインクが塗付されるようになっている。

上記構成においては、回転選択機溝により選択・停止さ
れた活字輪１２に、用紙４を介してハンマー１４を押付
けて印字を行なうが、この時、回転・停止された活字軸
８は、これと一体のラチェット歯車９が係゛止爪１０と
係合する事に依り逆転防止され、ハンマー１４と活字輪
１２の印字位置の活字部とが所期の対向関係をもつ適正
位置で停止されるようになっている。

しかし、活字輪１２と活字軸８との間には、活字輪１２
が桁方向に移送可能な程度の間隙があるため、活字輪１
２が急速に停止した時、慣性力及び衝撃力等に依り、活
字輪１２と活字軸８との間に多少の逆転及び振動が生じ
勝ちで、この為印字データに若干の上下印字段差が生じ
るという欠点があった。

本考案は前述の従来欠点を取り除いたものであり、以下
本考案を第２図の実施例によって説明する。

なお、同図において第１図と同一構成の部分は図示して
おらず、ここではその説明を省略する。

第２図において、側枠６，１１間に軸支された断面略小
判形の活字軸８には、側枠１１から外方に突出した端部
に駆動歯車１３のみが圧入・固定されている。

活字軸８にスプライン結合された活字輪１２には、円筒
部１２−ａ並びにラチェット歯車１２−ｂが一体に形成
されており、円筒部１２−ａの環状溝にはキャリッジ７
の腕部７−ａが嵌合され、キャリッジ７と活字輪１２と
は一体となって移送されるようになっている。

上記ラチェット歯車１２−ｂは従来と同様に、活字輪１
２の活字間ピッチに対応した歯部ピッチをもっている。

上記ラチェット歯車１２−ｂと対向する位置には、その
基部をキャリッジ７に固着した係止爪２２が設置されて
おり、係止爪２２の先端はラチェット歯車１２−ｂと係
合し、ラチェット歯車１２−ｂ、即ち活字輪１２の逆転
を阻止するようになっている。

上記係止爪２２はバネ性ある金属薄板等より構成され、
その基部をネジ等、強嵌合、絞め等の適宜の手段で固着
されている。

上記構成においては、活字輪１２と活字軸８との間に前
述した微少間隙があっても、係止爪２２が直接活字輪１
２を位置決め・係止するので、活字輪１２の選択された
活字部とハンマー１４とは常に適正な対向位置関係を維
持する。

斜上のように本考案によれば、活字輪１２と一体にラチ
ェット歯車１２−ｂを形成し、該ラチェット歯車１２−
ｂと係合して活字輪１２を位置決めする係止爪２２をキ
ャリッジ７に設置した構成なので、活字輪１２と活字軸
８との間に、活字輪１２を軸方向に円滑に移送可能とす
ることによって生じた微少間隙があっても活字輪１２と
一体のラチェット歯車１２−ｂは係止爪２２で常に適正
位置に位置決めされ、慣性力、衝撃力等による活字輪１
２の逆転及び振動を確実に防止すると共に、従来のよう
に印字データの字並び性を劣下させることなく、字並び
の良い高品質の印字テ゛−夕を提供でき、且つそのため
の構成も簡易、安価であり、この種のシリアルプリンタ
に用いてその実用的信置は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシリアルプリンタの概略の斜視図であり
、第２図は本考案の実施例に係るシリアルプリンタの要
部分解斜視図である。 １・・・・・・案内軸、２・・・・・・ワイヤロープ、
４・・・・・・用紙、７・・・・・・キャリッジ、８・
・・・・・活字軸、１２・・・・・・活字輪、１２−ｂ
・・・・・・ラチェット歯車、２２・・・・・・係止爪
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙面を横切って移送されるキャリッジに活字輪を搭載し
   、この活字輪と一体にラチェット歯車を形成すると共に
   活字輪を活字軸にスプライン結合し、前記キャリッジに
   はラチェット歯車と係合して活字輪の逆転を防止する係
   止爪を設けたことを特徴とするシリアルプリンタにおけ
   る活字輪位置決め機構。