JPS5917651Y2 - インクリボン送り機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプリンタ等に於けるインクリボン送り機構、更
に詳しくはインクリボン送り機構であって特にインクリ
ボンをその終端で確実にしかも簡単な方法で反転させる
機構に関する。

一般にプリンタ等に於いては、インクリボンの耐久性あ
るいは印字の鮮明性を常に維持する必要により、インク
リボンを印字毎に一定量ずつ送り、更に一方向に巻取り
が完了すると、インクリボンの送り方向を反転させて常
に新しいインクリボン面が打撃面に到来するようにする
方法が行われている。

ところで従来のインクリボン送り機構に於いては、左右
に配置されたインクリボンスプール軸ギヤの間に送り爪
を配した送り爪式のもの、または歯車を配した歯車式の
ものが採用されていた。

送り爪式のものは、送り爪が往復動作をすることにより
一方のスプール軸ギヤを回転させてインクリボンを一定
量ずつ送り、送り爪が揺動して切り換わることにより係
合するスプール軸ギヤが変更されてインクリボンの送り
方向を反転させる。

一方歯車式のものは、左右のスプール軸ギヤの中間に配
される歯車（中間歯車）に噛み合う一方のスプール軸ギ
ヤを回転させてインクリボンを一定量ずつ送り、インク
リボンの送り方向の切り換えは、前記左右のスプール軸
ギヤの中間に配される歯車（中間歯車）が揺動して噛み
合うスプール軸ギヤを変更することにより行われる。

この場合、アイドルギヤの介入により回転方向を反転さ
せるものと、前記左右のスプール軸ギヤの中間に配され
る歯車（中間歯車）自身の回転を反転させるものとがあ
る。

しかしながら、上述の如き従来例の構成であると、いず
れの構成に於いてもスプール軸ギヤの相互間隔はある程
度制約されてしまうということ、あるいは歯車式では駆
動源の回転方向が連続回転であるか反転回転であるかに
より構成が制約されること、また爪式のものでは逆転防
止爪が必要となるなど構造が複雑になること、等の欠点
があり好ましくなかった。

本考案は上述の如き欠点に鑑みてなされたものであり、
差動機構を用いて駆動部に対して被駆動部（インクリボ
ン巻上げ部材）の動作範囲をインクリボン巻上げ方向に
対してずらすことによって反転を行うインクリボン送り
機構を提供せんことを目的とする。

以下本考案の一実施例について図面を参照しつつ説明す
ることとする。

図中、１および２はリボンスプール軸巻上げ゛用ラチェ
ットであり、基板に植立された軸１ａ、２ａにそれぞれ
回動自在に軸支されている。

３および４はリボンガイドを兼ねた紙端検出レバーで、
それぞれ曲げ部３ａ、４ａ、面３ｂ、４ｂが形成され、
バネ５，６によりそれぞれ右旋力が左旋力が付勢されて
いる。

また、該曲げ部３ａ、４ａには後述するインクリボン１
６の鳩目１６ ａより巾の狭い溝３ｃ、４ｃが形成され
ている。

７および８は、ラック９上にバネ７ａおよび８ａによっ
てそれぞれ左旋および右旋可能に取付けられたラチェッ
ト送り用爪１０および１１は中間レバー１２の左右の動
作範囲を規制するストッパー１３は中間レバー１２上に
取付けられたギヤ１４は図示しない駆動源に連結されて
いる偏心カム１５により左右に揺動される駆動用ラック
１６はインクリボンであり両側終端付近に鳩目１６ ａ
を有し、一方のリボンスプール軸から他方のりボンスプ
ール軸へと巻き取られてゆく。

１７はインクリボンガイドローラーである。

該ラック９と該ギヤ１３と該駆動用ラック１４とはそれ
ぞれ互いに噛み合って差動機構を形成しているものであ
る。

以下本考案の作用について説明する。

図示する停止状態において、図示されない印字機構によ
り印字が終了して記録紙の巻取りが行われると、同時に
この巻取り動作に連動して偏心カム１５が一回転する。

該偏心カム１５の一回転の前半に於いて、駆動用ラック
１４は左方向に一定量スライドする。

するとその動きは該駆動用ラック１４と噛み合っている
中間レバー１２上に取付けられたギヤ１３に伝えられ、
中間レバー１２を同じく左方向へスライドさせようとす
るが、この時該中間レバー１２はストッパー１０に当た
って左方向にこれ以上の動きが不可能であるために、代
わりに該ギヤ１３に噛み合っているラック９が反対方向
すなわち右方向にその分だけスライドすることとなる。

この時ラック９とともにラチェット送り爪７が同じく右
方向にスライドすることとなり、次のラチェット巻上げ
動作に備えて準備する。

この場合ラチェット送り用爪７はバネ７ａによって、巻
上げ用ラチェット１の歯上を揺動しながらスライドする
こになる。

次に駆動用ラック１４が右方向にスライドする時、その
動きは中間レバー１２上に取付けられたギヤ１３に伝え
られ、中間レバー１２を同じく右方向にスライドさせよ
うとするが、この時中間レバー１２は終端検出レバー４
の面４ｂと係合しているために、中間レバーには右方向
にこれ以上スライドすることは不可能であり、代わりに
該ギヤ１３と噛み合っているラック９が前述の位置より
スタートして反対方向すなわち左方向に動き、ラック９
上に取付けられた該ラチェット送り爪７が左方のノボン
スプール軸巻上げ用ラチェット１と噛み合い、これを駆
動しインクリボン１６を確実に巻き上げ゛る。

上記動作の繰り返しにより、インクリボン１６は矢印Ａ
方向すなわち右のリボンスプール軸から左のリボンスプ
ール軸へと巻き取られてゆくものである。

そして、巻き取られた側のインクリボン１６の量が少な
くなり、さらにインクリボン１６が巻き取られると、イ
ンクリボン１６の終端付近に設けられた鳩目１６ａが終
端検出レバー４の曲げ部４ａに係合し、バネ６の作用に
抗して終端検出レバー４が右旋されることとなり、終端
検出レバー４の面４ｂと中間レバー１２との係合が外れ
ることとなる。

従って中間レバー１２は、今度は右方向に対してストッ
パー１１の位置までスライド可能となり、同時に中間レ
バー１２は終端検出レバー３の面３ｂと係合することと
なり、前述した動作と全く同様の動作を繰り返すことに
よって、今度はインクリボンスプール軸巻き上げ用ラチ
ェット２の方へすなわち図中Ｂ方向に巻き上げてゆくわ
けである。

以上説明したように、本考案に依れば差動機構を利用し
たことによってよりコンパクト化可能な且つ簡単な機構
をもってリボンを終端で確実に反転させ得ると共に、コ
スト的により安価なインクリボン送り機構を提供できる
という特徴があるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例の平面図である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）インクリボンの送りのために左右に揺動する駆動
   用ラックと、該駆動用ラックと噛み合うべく左右にスラ
   イド可能な中間レバー上に設置されたギヤと、該ギヤと
   噛み合うべく設置された２個のラチェット送り爪を有す
   るラックとにより差動機構を形成し、且つラックのスラ
   イド動作により該ラチェット送り爪と噛み合って回転す
   ることにより該インクリボンを巻取る２個のスプール軸
   巻上げ用ラチェットと、該スプール軸巻上げ用ラチェッ
   トの一方のみが該ラチェット送り爪と噛み合うべく中間
   レバーの左（右）方向の動作範囲を規制する２個のスト
   ッパーと、インクリボンの終端を検出して中間レバーの
   右（左）方向の動作範囲を規制する２個の検出レバーと
   により構成されることを特徴とするインクリボン送り機
   構。
2. （２）駆動源に連結されている偏心カムの回転によって
   駆動用ラックを左右に揺動させる様にしたことを特徴と
   する前記実用新案登録請求の範囲第１項記載のインクリ
   ボン送り機構。