JPS5924464Y2 - 回転軸に結合された回転体の取外し用工具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転軸例えばエンジンのクランクシャフトに
結合された回転体例えば磁石発電機の回転子を前記回転
軸から取外すための工具に関する。

エンジンのクランクシャフトへの磁石発電機の回転子の
固定は、クランクシャフトに設けたテーパ部に回転子の
ボス部に設けたテーパ穴を、締付ボルトの締付により密
着させて行なっているのが一般的である。

従って、回転子を取外す場合、前記締付ボルトを単に外
すだけでは、回転子はクランクシャフトのテーパ部に密
着して強力に固定されたままであり、容易には取外せな
いのが普通である。

このため従来では回転子のボス部のねじ穴に棒状工具を
ねじ込み、この工具上をスライドするウェイトを当該工
具のストッパにぶつけ、その衝撃力で回転子をクランク
シャフトのテーパ部より外す方式が取られていた。

しがしクランクシャフトと回転子のテーパとが完全に食
い付いている場合、この程度の衝撃力だけでは、ながな
が回転子を抜くことができなかった。

しがち回転子のボスに作用する衝撃力がクランクシャフ
トにも同一方向に加わり、最終的にはクランクシャフト
を支持しているベアリングに同し衝撃力が加わるので、
ベアリングを傷つけてしまうという問題があった。

また、回転子のボス部にボルトをねじ込み、その先端を
クランクシャフトの端面に当て、その上でボルトをさら
にねじ込む方法も知られているが、その場合には、クラ
ンクシャフトの端面がボルトによって傷つけられたり、
クランクシャフトのテーパをおしひろけ゛てしよう欠点
があった。

そこで本考案は上記従来の欠点を解消し得る工具を提供
することを目的としたものである。

本考案の一実施例を示す図において、１０は回転体とな
る磁石発電機の回転子、２０は回転軸となるエンジン（
図示せず）のクランクシャフトを示している。

回転子１０は磁石１１を保持した鉄柵１２およびこの鉄
柵にリベット１３にて結合されたボス部１４を有し、ボ
ス部１４にテーパ穴１５を持っている。

一方、クランクシャフト２０は先端に、テーパ穴１５と
対応するテーパ部２５を持っている。

そして、回転子１０はボス部１４のテーパ穴１５をクラ
ンクシャフト２０のテーパ部２５に密着させて、クラン
クシャフト２０に結合されている。

回転子１０のボス部１４でテーパ穴１５の一端側（反ク
ランクシャフト側）には雌ねじ１６が形成され、クラン
クシャフト２０の先端部にも雌ねじ２６が形成されてい
る。

この両雄ねじ１６．２６は互いに逆回転のもので、例え
ばボス部１４の雌ねじ１６が右ねじの場合、クランクシ
ャフト２０の雌ねじ２６は左ねじどなっている。

上記回転子１０をクランクシャツ） ２０から取外すた
めの本考案になる工具は、台ねじ３０および抜きねじ４
０からなる。

台ねじ３０はクランクシャフト２０の雌ねじ２６にねし
込まれるねじ部３６およびこのねじ部３６より小径で６
角形をなした操作部３７を有している。

操作部３７はねじ部３６を雌ねじ２６にねじ込んだ場合
、回転子ボス部１４の雌ねじ１６の内側を貫通して図で
右側に突出し、これにより台ねじ３０の回転操作が可能
となっている。

一方、抜きねじ４０はボス部１４の雌ねじ１６にねじ込
まれるねじ部４６および６角形の操作部４７を有してい
る。

そして抜きねじ４０は中空状をなし、その内側に台ねじ
３０の操作部３７が干渉することなく入り得るようにな
っている。

台ねじ３０のねじ部３６と抜きねじ４０のねじ部４６と
はねじ込み方向の回転が逆になっているのは勿論である
。

回転子１０をクランクシャフト２０から抜く場合、回転
子締付ねじを外し、そのかわりにクランクシャフト２０
の雌ねじ２６に台ねじ３０のねじ部３６を、操作部３７
での回転操作により、図示の如く締込んでおく。

次に回転子ボス部１４の雌ねじ１６に、抜きねじ４０の
ねじ部４６を締込んで行き、台ねじ３０のねじ部端面に
抜きねじ４０の先端を当てる。

更に抜きねじ４０を締付は方向に回す。

すると台ねじ３０により、抜きねじ４０はボスの中に入
ることができないので、ボス１４を図で右方向へ引く力
となる。

この時、クランクシャフト２０の雌ねじ２６とボス１４
の雌ねし１６とは互に逆回転のねじにしであるため、抜
きねじ４０と一緒に台ねじ３０がねじ込まれることはな
く、抜きねじ４０の締付けで回転子１０はクランクシャ
フト２０から外れる。

上記した本考案によれば次の効果が得られる。

（１）抜きねじの締付力により回転体を抜く為。

従来のウェイトの衝撃力によるものに比べ、はるかに大
きな力を与え、回転体の取り外しが容易になる。

（２）回転軸と回転体のボス部との間に互に引き離そう
とする力が働き、回転軸を保持するベアリングには、全
く力が作用しないため、ベアリングを傷つけることはな
い。

（３）回転軸に切っである雌ねじとボス部に切っである
雌ねじとは互に逆のねじにしであるため、抜きねじと一
緒に台ねじが回転することがなく、抜きねじの力を回転
体と回転軸との間に確実に作用させることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す断面正面図である。 １０・・・・・・回転体、１４・・・・・・ボス部、１
５・・・・・・テーパ穴、１６・・・・・・雌ねじ、２
０・・・・・・回転軸、２５・・・・・・テーパ部、２
６・・・・・・雌ねじ、３０・・・・・・台ねし、４０
・・・・・・抜きねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸のテーパ部にボス部のテーパ穴が密着して結合さ
   れた回転体を、前記回転軸から取外すための工具であっ
   て、前記回転軸に設けられた雌ねじにねじ込まれる台ね
   しと、前記回転体のボス部に設けられた、前記回転軸の
   雌ねじとは逆回転の、雌ねじにねじ込まれる抜きねじと
   を備え、前記抜きねじを前記台ねしに当接させて締付は
   方向に回転させることにより前記回転体を回転軸から取
   外すようになしたことを特徴とする回転軸に結合された
   回転体の取外し用工具。