JPS5919812Y2 - 樹脂製エアクリ−ナ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は汎用小型内燃機関等に適した樹脂製エアクリー
ナーに関するもので、エアクリーナ一本体と蓋の一体成
形化を可能にすると共に、空気通路を改善し、万−蓋が
はずれても外気が直接エンジンに入らないようにするこ
とを目的としている。

従来は第１図（水平断面図）のようにエアクリーナ一本
体１と蓋２を別個のものにしているため組付は用のボル
ト３あるいはフツヤ（パラチン錠）等が必要であり、部
品点数が増し、製造コストも高くなり、組立作業に手間
がかかる不具合があった。

又エレメント４から空気出口５に至る下流側空気通路６
はエアクリーナ一本体１と蓋２で形成されているため、
万−蓋２が外れると、エレメント４を通過しない空気が
出口５を通過することになり、エアクリーナーとしての
機能が失なわれる。

更にエレメント４の外周と本体１及び蓋２との密封性は
、ボルト３から締付は力を受ける部分４ａ。

４ｂ （第１図の紙面と直角な面）ではよいが、それ以
外の部分（第１図の紙面と平行な部分）では悪くなり、
ダストが洩れ込むおそれがある。

本考案はクリーナ一本体と蓋とを一体の薄いヒンジ部で
つなぐことにより樹脂による一体成形化を可能にすると
共に、蓋の難無に関係なくエレメントより下流側の空気
通路に変化が生じないようにして上記従来の問題を解決
しようとするもので、第２図以下に実施例を示す。

本考案による樹脂製エアクリーナーの水平断面を示す第
２図において、エアクリーナ一本体１０は左半部に空胴
１１を有する概ね皿状部材で、薄いヒンジ部１２と、皿
状の蓋１３を一体に備え、ヒンジ部１２に充分な耐久強
度を与え得る丈夫な樹脂（例えばポリプロピレン、ナイ
ロン等）により一体成形されている。

空胴１１を形成するために一部皿状の前板１４が空胴１
１を囲む周縁部分１５において本体１０に接着されてお
り、前板１４の一部に傾斜壁１６と多孔板１７ （７Ｌ
２５を有する）が一体に設けてあり、多孔板１７の周縁
部分は本体１０の内面に設けたリブ１８．１９ （第４
図）に支持され、多孔板１７と本体１０の間に前記空胴
１１に連続した空気通路２０（空胴入口）ができている
。

多孔板１７とリブ１８．１９は接着してもよい。

２１は清浄空気出口、２２は取付ボルト孔、２３はボル
ト孔２２を形成するために前板１４を設けたボス筒、２
４は反対側の取付ボルト孔である。

ヒンジ部１２はエアクリーナ一本体１０及び蓋１３と同
一素材からなる薄い帯状片ができており、自由状態は第
４図の如く平坦な帯状であるが、蓋１３を閉じる時には
第２図の如く円弧状断面に変形してヒンジの役割りを果
す。

図示の蓋１３はヒンジ部１２と反対の先端に指掛は凹部
２６と、２個の突起２７（第３図）を備え、蓋１３を閉
じて凹部２６の底壁が前板１４の段部２８に着座した時
突起２７が噛み合うように前板１４に２個の突起２９が
設けてあり、周突起２７．２９は蓋１３を全閉状態に保
つフック部３０を形成している。

３２は概ね板状のエレメントで、発泡樹脂又はスチール
ウール等でできており、後面は多孔板１７上に当接し、
外周面は傾斜壁１６と本体１０の内側面と本体１０と一
体の仕切板３３に当接し、前面は蓋１３内の空間３４に
面し、前面外周縁部の３辺は蓋１３に一体に設けた突起
３５を、仕切板先端の折曲げフランジ３６により押圧さ
れ、エレメント前面の中央部分は蓋１３の内面に一体に
設けた５個の円柱３７に押圧されている。

３８は本体１０に一体に設けた多数の外気入口で、空気
通路３４と外部を連通している。

３９はエンジンであり、このエンジンに対しエアクリー
ナーを装着するにはエンジンの吸気孔部分にガスケット
４０をはさんで空気出口２１を合せ、２個のボルトをボ
ルト孔２２に通してエンジン側のねし孔に螺着する。

又反対側のボルト孔２４に通したボルトをエンジン側の
ブラケット（図示せず）に締着する。

エンジン運転中外気は外気入口３８の部分がら蓋１３内
の空間３４（空気通路）内に矢印方向に流入し、エレメ
ント３２内に広い前面側から入り、濾過された後多孔板
１７の多数の孔２５をへて空気通路２０．１１に入り、
矢印で示す如く蛇行した後清浄空気出口２１からエンジ
ン３９内に吸入される。

以上説明したように本考案においては、エアクリーナ一
本体１０に予め前板１４を接着しであるために、両者材
に空気通路２０、空胴１１等ができ、仮に蓋１３が外ず
れてエレメント３２が傾斜壁１６がら浮き上がっても、
吸入空気は少なくとも空気通路２０、空胴１１をへて出
口２１からエンジン３９へ供給されることになり、外気
が直接エンジン３９に入ることがなくなる。

これによりダストの洩込みを或程度防止することができ
、エンジンがダストにより急速に摩耗する不具合を避は
得るのである。

本考案においては、皿状のエアクリーナ一本体１０と、
皿状の蓋１３と、両者をつなぐ薄いヒンジ部１２とを樹
脂で一体成形すると共に、一部に多孔板１７を有する前
板１４をエアクリーナ一本体１０に接着して両者間に空
気通路となる空胴１１を形成しているので、前板１４を
一体に有するエアクリーナ一本体１０の他のエレメント
３２だけあればエアクリーナーを組立てることができ、
部品点数が最少となるため組付作業も簡素化し、取扱い
が容易になる。

しかも前述の如く、エアクリーナ一本体１０と前板１４
の間には常時空気通路２０、空胴１１が形成されている
ため、これらの空気通路２０、空胴１１はダストの分離
機能の他に、吸気消音室の機能を発揮し、吸気騒音が減
少する。

又本考案においては蓋１３と前板１４間に互に噛合自在
のフック部３０を設け、蓋１３の内面に複数の柱状突起
を設け、フック部３０により蓋１３を閉じた時多孔板１
７と蓋１３の間にエレメント３２を挾むようにしたので
、蓋１３を閉じるだけでエレメント３２の位置、姿勢が
定まる。

エレメント３２は蓋１３に押されて多孔板１７に圧接す
るため、エレメント３２を通過せずに孔２５に達する空
気はなくなり、ろ過動率が向上する。

エレメント３２の上流側には空気通路３４ができる。

しかもエレメント３２の着脱は極めて簡単になる。

更にエレメント下流側の空胴１１に面した清浄空気出口
２１と、エレメント上流側の空気通路３４に面した外気
人口３８を互に離して設けたので、全体としてコンバク
１トな形状にも拘らず、内部に長い空気通路を形成する
ことができ、この面からもダスト分離効果と消音効果が
高まる。

又図示の実施例においては仕切板３３の先端を曲げて折
曲げフランジ３６の部分でエレメント３２の前面の１辺
を保持し、残る１辺を蓋１３と一体の突起３５で保持す
るようにしたので、エレメント外周のシール性が改善さ
れ、ダストの通過を確実に防止することができる。

なお本考案を具体化する時、傾斜壁１６とエアクリーナ
一本体１０にフランジ３６と連結するフランジを設けて
エレメント３２の前面周縁部を押えるようにしてもよく
、その場合は蓋１３の突起３５（及び必要に応じ円柱３
７）を省略することができる。

又外気人口３８は蓋１３に設けてもよいが、エアクリー
ナーの前方にオペレーターが位置する場合は、第２図の
如くエンジン３９側に外気人口３８を開口する方が、吸
気騒音を軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエアクリーナーの１例を示す水平断面略
図、第２図は本考案によるエアクリーナーの水平断面図
、第３図は正面図、第４図は展開正面路である。 １０・・・エアクリーナ一本体、１１・・・空胴、１２
・・・ヒンジ部、１３・・・蓋、１７・・・多孔板（空
胴入口）、２１・・・清浄空気出口、３０・・・フック
部、３２・・・ニレメンｌ〜、３４・・・内部空間（空
気通路）、３８・・・外気入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 皿状のエアクリーナ一本体１０と、皿状の蓋１３と、両
   者をつなぐ薄いヒンジ部１２とを樹脂で一体成形すると
   共に、一部に多孔板１７を有する前板１４をエアクリー
   ナ一本体１０に接着して両者間に空気通路となる空胴１
   １を形威し、蓋１３と前板１４間に互に噛合自在のフッ
   ク部３０を設け、蓋１３の内面に複数の柱状突起を設け
   、フック部３０により蓋１３を閉じた時多孔板１７と蓋
   １３の間にエレメント３２を挾むようにすると共に、エ
   レメント下流側の空胴１１に面した清浄空気出口２１と
   、エレメント上流側の空間に面した外気入口３８を互に
   離して設けたことを特徴とする樹脂製エアクリーナー。