JPS5915743Y2 - クロ−ラ用接地転輪 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として、コンバインのような移動農機にお
ける走行装置として用いられることの多いクローラ装置
用の転輪で、詳しくは、クローラアッシュ内面でその巾
方向に間隔を隔ててかつ長手方向に断続的に突出させた
芯金突起間に、その外周リム部を嵌合させる状態で回転
自在に軸支されるクローラ用接地転輪の改良に関する。

このような接地転輪において、その外周リム部を、クロ
ーラアッシュの対向芯金突起間に嵌合させるのは、比較
的長尺なりローラアッシュをして所定の経路を回動させ
るべく、クローラアッシュの長手方向中間部において、
その巾方向位置を規制するためであるが、凹凸変化の激
しい地面を走行するときには、機体が進行方向に対する
横方向に傾倒して、クローラアッシュにおける芯金突起
の、接地転輪におけるリム部に対する相対姿勢が大きく
乱れて、クローラアッシュが転輪から不測に脱輪するお
それがある。

この脱輪を確実に防止するには、クローラアッシュと接
地転輪との相対姿勢の乱れを可及的に少なくすれば良く
、そのためには、リム部と対向面芯金突起との半径方向
での接当面積を増せば良いのであるが、このようにすれ
ば、接地転輪の重量が増加する問題がある。

本考案は、かかる問題を考察して、重量増加を極力抑制
しながら、クローラアッシュの脱輪を確実に防止できる
クローラ用接地転輪を提供せんとするものである。

本考案によるクローラ用接地転輪は、前記リム部の半径
方向厚さを、リム部の内方部分の側部と芯金突起の先端
部とが接当てきるように、前記芯金突起の高さと同−又
はほぼ同一に構成するとともに、前記リム部には、その
周方内申が、前記芯金突起のクローラアッシュ長手方向
中と等しい又はこれよりもやや小なる凹部又は貫通孔を
形成しであることを特徴とする。

即ち、芯金突起の高さを、従来のものに比し増加し、か
つ、これに随伴してリム部の厚さを、リム部の内方部分
の側部と芯金突起の先端部とが接当する程度に、芯金突
起の高さと同−又はほぼ同一となるように増加し、もっ
て、リム部と芯金突起との半径方向での接当面積モーメ
ントを、従来のものに比して増し、もって、地面の凹凸
変化によって機体が傾倒したときでも、クローラアッシ
ュが転輪に対して相対的に姿勢変化せんとする傾向を、
前記大なる接当面積モーメントでのリム部に対する芯金
突起の接当により、抑制することができて、クローラア
ッシュの転輪からの不測の脱輪を確実に防止できるので
あるが、本考案によれば、この確実な脱輪防止のために
、前述の通りリム部の厚さを増したにも拘らず、前記リ
ム部に、凹部又は貫通孔を形式することにより、リム部
厚さ増大に伴う転輪の重量増加を抑制することができる
。

しかも、単にこれだけに止まらず、この凹部や貫通孔を
形成するに当り、凹部又は貫通孔の周方内申を、芯金突
起のクローラアッシュ長手方向中と等しい又はこれによ
りやや小さい程度の巾にして、この凹部又は貫通孔内に
、機体傾倒時、クローラアッシュの芯金突起が不測に浸
入して所期の相対姿勢乱れ防止作用に支障を来たさせる
といったことのない範囲で、出来るだけ大きなものに形
式しであるから、前述リム部厚さ増大に伴う転輪の重量
増加を、可及的に小さいものに抑制できるのである。

つまり、本考案によれば、激しい凹凸変化のある地面で
の走行であっても、そのときのクローラアッシュの脱輪
を、重量増加を極力抑制しかつ、クローラアッシュの回
動を円滑保持した状態で、確実に防止し得るに至った。

尚、リム部を、半径方向に沿った断面視で梯形（台形）
に構成しておけば、矩形に構成する場合に比し、一層の
重量増加抑制効果を発現できる利点がある。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はコンバインなどの移動農機に装備されるクロー
ラ式走行装置を示し、・その長手方向前端に配置され国
外エンジンに連動連結された駆動輪５と、トラックフレ
ーム７の後輪に回転自在に軸支された遊転輪６とに亘っ
て、ゴム製無端帯式のクローラアッシュ４が掛張されて
おり、かつ、トラックフレーム７の前後複数箇所に、ク
ローラアッシュ４の下行行程部内面に接当する、本案に
係る接地転輪Ａ・・・・・・が回転自在に軸支されてい
る。

前記接地転輪Ａは、外周リム部１と軸承部であるボス２
および両者１，２を連結する放射状に配置された複数の
スポーク部３・・・・・・を一体連結して構成されてい
る。

前記リム部１は、クローラアッシュ４の内面で、その巾
方向に間隔を隔てて、かつ夫々長手方向に断続的に一体
突出させである対向芯金突起４ａ、４ａ・・・・・・間
に嵌合され、もって、クローラアッシュ４の不測の脱輪
を防止するためのものである。

前記突起４ａ、４ａの高さｈは、従来のものより大に構
成され、がっ、リム部１は半径方向での断面視において
梯形に構成され、その半径方向厚さＨを、リム部１の内
方部分１Ｂの側部と芯金突起４ａ、４ａの先端部とが接
当てきるように、突起高さｈと同−又はほぼ同一に構成
し、更に、半径方向断面視で、このリム部１の厚み方向
両端近傍を除く中間部において、左右両側から内方に向
けて夫々相当大きな凹部１ａ、１ａを形成しである。

従って、リム部１の凹部１ａ。１ａ相当位置での断面形
状は、小中外方部分１Ａと大巾内方部分１Ｂとをその山
中間で゛縦リブ１Ｃを介して連結した■の字状となって
いる。

これら両凹部１ａ、１ａは、周方向において断続的に複
数個形式され、かつ、一つの凹部１ａの周方内申Ｗは、
この凹部１ａ内に、突起４ａが不測に侵入しないように
、一つの突起４ａのクローラアッシュ４長手方向での巾
Ｗよりもやや小さく （Ｗ＜ｗ）構成されである。

尚、雨中Ｗ、Ｗの関係は、クローラアッシュ４と転輪Ａ
との相対慣性的な運動形態に鑑みて、互いに等しく構成
する（Ｗ＝ｗ又はＷｆ＝ｗ）ことも許容される。

又、リム部１に設ける凹部１ａは、第４図のように、左
右方向の片側だけから形成しても良いが、左右バランス
上、上側の如く左右対称に形成するのが好ま・しい。

第５図は、凹部１ａの代わりに、貫通孔１ａ’を形式し
たもので、上二例に比し縦リブＩＣがない分だけリム部
１厚み増加に伴う転輪Ａの重量増加をより一層抑制し得
ている。

この貫通孔１ａ’が周方向に複数個断続的に形成され、
がっ、その周方内申Ｗと突起中Ｗとの関係は、上二例と
同様である。

尚、リム部１の凹部１ａ又は貫通孔１ａ’形戒部分の縦
断面形状は、どのようなものであっても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るクローラ用接地転輪の実施例を示し
、第１図はクローラ式走行装置の側面図、第２図は要部
縦断背面図、第３図は要部側面図、第４図、第５図は夫
々別実施例に係る部分拡大縦断背面図である。 １・・・・・・外周リム部、１Ｂ・・・・・・内方部分
、１ａ・・・・・・凹部、１ａ′・・・・・・貫通孔、
４・・・・・・クローラアッシュ、４ａ・・・・・・芯
金突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ クローラアッシュ４内面でその巾方向に間隔を隔て
   てかつ、長手方向に断続的に突出させた芯金突起４ａ、
   ４ａ・・・・・・間に、その外周リム部１を嵌合させる
   状態で回転自在に軸支されるクローラ用接地転輪であっ
   て、前記リム部１の半径方向厚さＨを、リム部１の内方
   部分１Ｂの側部と芯金突起４ａ、４ａの先端部とが接当
   てきるように、前記芯金突起４ａ、４ａの高さｈと同−
   又はほぼ同一に構成するとともに、前記リム部１には、
   その周方内申Ｗが、前記芯金突起４ａ、４ａ・・・・・
   ・のクローラアッシュ４の長手方向中Ｗと等しい又はこ
   れよりもやや小なる凹部１ａ・・・・・・又は貫通孔１
   ａ′・・・・・・を形威しであることを特徴とするクロ
   ーラ用接地転輪。 ■ 前記リム部１は、半径方向断面視において梯形であ
   る実用新案登録請求の範囲第■項に記載のクローラ用接
   地転輪。