JPS5914186Y2 - 射出成形用金型のピラ−保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、射出成形用金型のピラー保持装置に関する
ものである。

一般に、射出成形用金型は、その内部に形成されたキャ
ビティ内に成形材料を注入して固化させることにより得
られた成形品を、固定型と可動型とを分離することによ
り離脱させるように構成されている。

この射出成形用金型により例えばビールビン用コンテナ
を製作する場合には、成形材料の削減および成形品の重
量を軽くするために、成形品のリブが交差する個所に穴
を形成する場合がある。

しかるに、従来の射出成形用金型は、前記穴を形成する
ためのピラーが固定型に固定されていたため、製作時に
おける固定型と可動型との寸法誤差や、使用時における
固定型と可動型との温度差による膨張量の相違あるいは
成形機のガタなどによって固定型と可動型とを閉じた際
に、前記固定型に固定されたピラーと可動型の凹部とが
開基でセットされない場合がある。

このような状態で成形を繰り返えすと、凹部の壁面がピ
ラーによって擦過されて傷つき、その部分から成形材料
が漏れ出るため、成形品にパリが生じて良好な成形品を
得ることができなくなるという問題があった。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、凹部の壁面がピラーによって擦過され
て傷がつくのを防止することができ、したがってパリの
ない良好な成形品が得られる射出成形用金型のピラー保
持装置を提供することである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

図において、符号１は固定型であって、この固定型１に
はその下面から上面に貫通する孔２が形成されている。

これら基孔２は、上面側が小径で下面側が大径になされ
ていて、当該小径部と大径部との境に段部３が形成され
ている。

この孔２内には、前記固定型１の上方に突出するボルト
４が挿通配置されている。

このボルト４の径は前記小径部の径よりも小さく形成さ
れていて、前記ボルト４が前記小径部内でその挿通方向
に対して直交する方向に移動し得るようになされている
。

また、前記ボルト４の下部には頭部５が形成されている
。

この頭部５と前記段部３との間には、ワラシャ６，６を
介してコイルばね７が配設されている。

更に、前記ボルト４の上部にはピラー８が螺着されてい
て、このピラー８の下面が前記固定型１の上面に当接さ
れている。

そして、前記コイルばね７は、前記ボルト４を下方に押
し下げるようになされている。

更に、可動型９が前記固定型１の上面に図示しない駆動
装置により接離するように配置されている。

この可動型９には例えばビールビン用コンテナのリブを
形成するためのキャビティＣが形成されており、キャビ
ティＣが互いに交叉する部分には凹部１０が形成されて
いる。

この凹部１０は、前記固定型１と可動型９とが閉じた際
に、前記ピラー８が密嵌合するようになされている。

なお図中１１は前記ボルト４の頭部５゛と前記ピラー８
の下面との間に配設されたスリーブである。

次に、上記のように構成された実施例の作用について説
明する。

まず、可動型９を図示しない駆動装置により下方に移動
させて、前記固定型１と前記可動型９とを閉じる。

このとき、例えば前記固定型１と前記可動型９とに寸法
誤差がある場合、または繰り返し使用して前記固定型１
と前記可動型９とに温度差が生じてその膨張量が相違し
ているような場合には、第２図に示すように前記可動型
９の凹部１０の壁面の一部に前記ピラー８が当接するよ
うになる。

しかしこの場合には、ピラー８がコイルばね７を介して
固定型１に連結されているから、ピラー８は凹部１０の
壁面に当接すると芯ずれを解消するように矢印Ｘ方向に
無理なく移動する。

したがって、ピラー８は凹部１０の壁面を傷つけること
なく凹部１０に密嵌合する。

この後、成形材料を前記キャビティＣ内に圧入する。

このとき、凹部１０の壁面に傷がなく、凹部１０とピラ
ー８とが密嵌合しているから、圧入された成形材料がピ
ラー８と凹部１０との間に漏れ出ることがない。

したがってパリのない良好な成形扉が得られる。

以上詳細に説明したように、この考案は前記ピラーをそ
の軸線と直交する方向に移動可能に前記固定型と前記可
動型との一方に弾性部材を介して連結した構成であるか
ら、例えば、前記固定型と前記可動型とに寸法誤差（ガ
タ）が生じた場合に、前記可動型の凹部の壁面に損傷を
与えることなく、前記ピラーが適宜移動して前記凹部に
密嵌合し、したがってパリが生じることなく良好な成形
扉を得ることができるという優れた効果を奏するもので
゛ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す要部の断面図、第２
図は第１図のＩＩ −ＩＩ線に沿う矢視断面図、第３図
は可動型が固定型に閉じられる状態の一例を示す断面図
、第４図は可動型が固定型に閉じられた状態の第３図同
様の図である。 １・・・・・・固定型、４・・・・・・可動型、７・・
・・・・コイルばね（弾性部材）、８・・・・・・ピラ
ー、１０・・・・・・凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 成形品に穴を形成するためのピラーを、固定型と可動型
   との一方に固定し、このピラーが挿入される凹部を前記
   固定型と前記可動型との他方に形成し、前記固定型と前
   記可動型とが閉じた際に前記ピラーと前記凹部とが密嵌
   合するようになされた射出成形用金型において、前記ピ
   ラーをその軸線と直交する方向に移動可能に前記固定型
   と前記可動型との一方に弾性部材を介して連結したこと
   を特徴とする射出成形用金型のピラー保持装置。