JPS5914085Y2 - チヤツク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ドリルなどの回転切削工具を掴持するチャ
ックの改良に関するもので゛ある。

上記のようなチャックとして、割溝などを有しないチャ
ック筒にニードルローラーを介して回動筒を嵌合させ、
この回動筒を回動させることにより、上記チャック筒を
強制的に収縮させて目的工具を緊密に掴持てきるように
したものが知られている（実公昭４１−２３９８７号公
報参照）。

この考案は、上述したチャック筒の基端部外周に突出さ
せた鍔部と回転筒の基端面との間に弾性部材を介在させ
、この弾性部材を圧縮した状態で工具がチャック筒で締
付は固定されるようにすることにより、上述したチャッ
クを改良して、良好な切削加工が行なえるようにするこ
とを目的とするものである。

以下、この考案の一実施例につき図を参照して説明する
。

図において、１は工作機械の主軸２に取付けるためのボ
ルト （図示せず）に螺合するねじ１ａを基端部に設け
たホルダ一体で、このホルダ一体１の先端側に外周面を
先端に向って少し細くしたチャック筒３が一体に形成し
である。

このチャック筒３に形成した空洞３ａの基端部が透孔３
ｂによって外部と通し、チャック筒３の基端部外周面に
は鍔部４が突出され、この鍔部４には対向する２個所に
切欠４ａが形成されている。

６はチャック筒３の外周面と同様に先端に向って少し細
くしたローラー保持筒で、この保持筒６はチャック筒３
とこれに嵌合した回動筒７との間に介在されている。

上記保持筒６には軸線と交叉しないがこの軸線に対し所
定方向に適宜の傾斜角で傾斜させた軸線配置で多数のニ
ードルローラ８が転勤自在に嵌合、保持され、これらの
ニードルローラー８はローラー保持筒６の全面にわたり
上下数段に配置されている。

上記ニードルローラー８は内側ではチャック筒３の外周
面に接し、外側では回動筒７の内周面と接している。

上記チャック筒３の鍔部４下面と回動筒７の基端面との
間にはウレタンゴムなどからなる硬質の環状弾性部材５
が介在されている。

なお、９，１０はチャック筒３と回動筒７との間に介在
されかつこれらにそれぞれ固定されて、チャック保持筒
７の上下方向の変位を規制する下、上支持手段、１１は
工具である。

また、チャックを構成しているホルダ一体１、チャック
筒３などは高硬度の鋼鉄またはこれと同効の金属材料か
ら構成されている。

以上のように構成されたチャックは、ローラー保持筒６
に嵌合、支持されているニードルローラー８が、ローラ
ー保持筒６の外方がらみてその基端側が先端側より軸線
に対し左寄りとなるように傾斜して配設されているとき
、回動筒７を右回りに回動させると、各ニードルローラ
ー８は自己の軸線に直角な方向に向って自転しながらチ
ャック筒３の外周面を螺旋状に公転する。

このため、ローラー保持筒６はチャック筒３の先端側が
ら基端側にニードルローラー８の公転に伴って回転しつ
つ摺動し、チャック筒３を強圧してこれを強制的に収縮
させ、空洞４内に挿入されている工具１１を締付は固定
する。

この場合に、チャック筒３はローラー保持筒６に嵌合さ
れているニードルローラー８により、広範囲の部分を強
圧されて収縮するために工具の掴持が緊密かつ強固でみ
だりに弛緩することがない。

また、ローラー保持筒３の移動に伴って回動筒７もチャ
ック筒３の先端側がら基端側に回動しつつ移動し、上述
のようにチャック筒３で工具１１が締付は固定された状
態ではチャック筒３の鍔部４と回動筒７とにより上記弾
性部材５が圧縮され、弾性変形した状態となる。

そして、この状態で工具１１により切削加工を行なうも
のである。

さらに、回動筒７を上述したとは逆に左方向に回動させ
ると、ローラー保持筒６がチャック筒３の先端側に摺動
し、収縮していたチャック筒３が原径に復元し、掴持さ
れていた工具１１を抜出することかできると共に、ロー
ラー保持筒６の摺動に伴って回動筒７がチャック筒３の
先端側に移動し、その鍔部４と回動筒７による弾性部材
５の圧縮が解除され、弾性部材５も復元しがつこれと回
動筒７との間に隙間が形成される。

なお、この考案において、圧縮により径が縮小し、圧縮
解除により復元するアダプタを介して工具をチャック筒
に挿着してもよく、このようにすると収縮率の小さいチ
ャック筒を、径の異なる種々の目的工具に使用できる。

以上説明したように、この考案によれば、チャック筒の
収縮によって工具を強固に締付は固定できるだけでなく
、回動筒とチャック筒の鍔部とによってこれらの間に介
在させた弾性部材を圧縮した状態で切削加工を行なうも
のであるため、弾性部材のないチャックに比べて、加工
時に工具の切削力が増大し、工具先端部の切削抵抗によ
る変位量が少なく、工具の振動が少なく、加工表面の粗
さがないなど、良好な切削加工が行なえる効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す一部を縦断した正面
図、第２図は同平面図である。 ３・・・・・・チャック筒、４・・・・・・鍔部、５・
・・・・・弾性部材、７・・・・・・回動筒、８・・・
・・・ニードルローラー１１・・・・・・工具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 目的工具またはこれを保持するアダプターを挿着するチ
   ャック筒の外周面を先細に形成し、これに嵌合する回動
   筒と上記チャック筒との間にその軸線と交叉しないがこ
   の軸線に対し適宜の傾斜角をなす軸線にした多数のニー
   ドルローラーを広範囲にわたり配列し、上記回動筒を回
   動させたとき上記ニードルローラか１転しつつ螺旋公転
   してチャック筒の収縮あるいはその復元が行なわれるよ
   うにしたチャックにおいて、チャック筒の基端部外周に
   鍔部を突出させ、この鍔部と回動筒の基端面との間に弾
   性部材を介在させ、この弾性部材がチャック筒の鍔部と
   回動筒とにより圧縮した状態で工具がチャック筒で締付
   は固定されるようにしたことを特徴とするチャック。