JPH0217762Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はドリル、エンドミル等の回転切削工
具のシヤンクを直接又はコレツトを介して保持す
るチヤツクの改良に関するものである。

（従来の技術） 所定の傾斜角をもつてリテーナに組込んだ多数
のニードルローラをチヤツク筒の外周に嵌着し、
さらに該ニードルローラを介してチヤツク筒に回
動筒を回転自在に取りつけると共に、つば部と回
動筒の間に弾性部材を介装したものが知られてい
る（実開昭57−38708号）。

また、当該チヤツクはチヤツク筒に挿入された
工具を適切な力で締めつけているか否かを知る手
段として、つば部と回動筒の間に弾性部材を介装
し、回動筒を回転させてチヤツク筒を締めつけて
回動筒の端面が弾性部材をつば部に圧着した時適
切な力でチヤツク筒内の工具を保持したものとし
ている。

このような構造のチヤツクは回動筒の回わしす
ぎによる無理な力が回動筒、ニードルローラ、チ
ヤツク筒にかかるのを防止し、回動筒の作動不良
やチヤツクの寿命の低下は防止されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、つば部と同動筒の端面に圧着される弾
性部材は硬質性の弾性部材であるが、硬質性であ
つても弾力をもつているので、回動筒の最終締め
つけ点が明確でない。このため回動筒の締めつけ
力が適切であるか否かは作業者の感覚に頼るしか
なく不安定である。又回動筒を弾性部材を介して
ではあるがつば部に圧接するので圧接面が高精度
に平行に仕上げられていない場合には回動筒を中
心に対して倒そうとする力が作用して、結果的に
チヤツク筒を倒し工具が精度よく保存されない。
さらにニードルローラが当るチヤツク筒外周面及
び回動筒内周面が摩耗した場合や、製作誤差によ
り、回動筒の移動量が、前述のものは多くなり、
後述のものは多くなつたり、少なかつたりで回動
筒による締めつけが適切でなくなる。

（問題点を解決する手段） この考案はチヤツク筒の外周に所望の傾斜をな
して配設させた多数のニードルローラを介してチ
ヤツク筒に回動自在に嵌装した回動筒の他端に環
状のストツパー部材を装着し、回動筒を回転させ
適切な締めつけ力となつた時、環状のストツパー
部材の端面をチヤツク筒の端面に当接させ、回動
等の回転を止めることによつて上述の問題点を除
去したものである。

（作用） 工具挿入孔１０に図示しない工具シヤンクを挿
入し、回動筒９を回転させてシヤンク２の方向に
移動させチヤツク筒６をたわませ工具シヤンクを
掴む。チヤツク筒６のたわみ量はチヤツク筒の工
具挿入孔１０の外径と工具シヤンク外径の径差で
あり、それ以上のたわみは回動筒９が内圧を受け
外側にふくらむが、一方では元にもどろうとする
力が働く。その力がニードルローラ７を介してチ
ヤツク筒６に伝わり、工具挿入孔１０に挿入され
ている工具シヤンクを強力に掴む力として働く。
チヤツク筒６が縮小方向にたわみ、工具シヤンク
を掴み、その上回動筒が弾性限界以内で外径拡大
方向にたわんで工具シヤンクを強力切削に耐える
十分な力で掴んだ状態のとき、回動筒９の外端に
装着した環状のストツパー部材１３の端面１４が
チヤツク筒の端面１５に当接して密着した時、回
動筒９は回らなくなる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面について説明する
と、チヤツク本体１は図示しない工作機の主軸に
取つけられるシヤンク２とこれに続いて長手方向
に形成されたキー溝３をもつたつば部４と複数の
深孔５を下端からシヤンク２側に向けて穿設した
チヤツク筒６とで構成されている。チヤツク筒６
の外周に適宜の傾斜角をもつてニードルローラ７
を配列したリテーナ８を挿入し、その上に回動筒
９を装着して、リテーナ８の上下にシール１１を
入れ、止め輪１２でリテーナ８をチヤツク筒６か
ら抜けないように、止め輪１２ａは回動筒が抜け
ないようにそれぞれ入れてある。回動筒９の外端
には金属性の環状のストツパー部材１３が回動筒
の最良の締付による位置にねじこまれ固定されて
いる。またストツパ部はねじ込まれているから締
付状態やチヤツク筒の摩耗に応じて調整可能とし
てある。

なお、１６は調整のための空間である。

（効果） この考案は上述のように回動筒９を回転させチ
ヤツク筒６内の工具シヤンクを適切な力で掴んだ
時、回動筒９に装着した環状のストツパー１３の
端面がチヤツク筒６の端面１５に密着して回らな
くなり、回動筒の回しすぎを防ぐことができたの
で、回動筒内周面、ニードルローラ、及びチヤツ
ク筒外周面の異状摩耗がなくなりチヤツクの寿命
を延ばすことができ、チヤツク筒に異常な力もか
かることがなく、高精度な工具保持ができる。そ
の上回動筒が常時一定の所で回転が止り工具を適
切な力で掴んでいるから初心者においても安心し
て作業ができる。さらに、製作誤差によるチヤツ
ク筒のたわみ誤差や正常な摩耗によりたわみ力が
不足してきても、環状のリング部材をわずかに軸
方向に移動させて簡単に調整することができるな
どの多くの優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例の半部を切断した側面
図である。 ２……シヤンク部、４……つば部、６……チヤ
ツク筒、７……ニードルローラ、９……回動筒、
１３……ストツパ部材、１４……ストツパ部材の
端面、１５……チヤツク筒の端面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作機械の主軸に取付け可能なシヤンク部２と
   該シヤンク部に続き前記主軸のキーに嵌合するつ
   ば部４と、該つば部と、該つば部に続き切削工具
   を保持するチヤツク筒６とを設けたチヤツク本
   体、及び前記チヤツク筒の外周に所望の傾斜をな
   して配設させた多数のニードルローラ７、及び前
   記ニードルローラを介して前記チヤツク筒に回動
   自在に嵌装された回動筒９から構成されるチヤツ
   クにおいて、前記回動筒の外端に環状のストツパ
   ー部材１３を装着し、該ストツパー部材の端面１
   ４とチヤツク筒の端面１５とを当接可能としたチ
   ヤツク。