JPS5912502B2 - 真空倍力装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車輌等のブレーキ装置に用いられる真空倍力装
置の改良に関するものである。

真空倍力装置のうち、バルブボディ内のシリンダ部の一
端と、このシリンダ部に摺動自在に挿嵌されたプランジ
ャの一端とにそれぞれ弁座が形成され、これらの弁座に
平面シートを持つポペットバルブがそれぞれ当接離間し
て、シェル本体内の二室間及び少なくとも一室と大気と
の連通遮断を行なうようにした、ポペット型バルブを使
用した真空倍力装置がある。

ところで真空倍力装置におけるバルブボディ内のシリン
ダ部とプランジャとの間隙は、バルブボディが一舟（に
フェノール樹脂で製作されるので、その熱収縮分の逃げ
を設ける必要から、ある程度大きなものとなっている。

バルブボディのシリンダ部とプランジャとの間にこのよ
うな隙間が設けられることから、ブラシジャはバルブボ
ディの内部でその隙間によって傾くことがあり、したが
って従来用いられている平面シートを持つポペットバル
ブでは、均＊ｗｏｃバルブボディの弁座とプランジャの
弁座とが同時にポペットバルブに着座する際、この傾き
によりプランジャの弁座が着座不良となり、真空洩れを
きたすことがある問題があった。

これを第１図および第２図について説明すると、第１図
において１は真空倍力装置のシェル本体であって、フロ
ントシェル２、リャシャル３が結合されて容器状に形成
さ力ている。

この本体１の内部にはダイヤフラム４が張設されており
、このダイヤフラム４と後述するバルブ機構とによって
、本体１内にフロント室５とリヤ室６とが区画されてい
る。

そしてシェル本体１には、フロント室５に連通するパイ
プ７が取り付けられて、このパイプ７はエンジンの吸気
系に接続される。

９はインプットロッドであって、基端部（図における右
端）は図示しないブレーキペダルに結合されている。

このインプットロッド９の佐端部は後述するバルブボデ
ィ１４のシリンダ部１４ａに嵌入さワタプランジャ１０
に嵌合して、ブレーキ作用時にプランジャ１０を図にお
ける左方に抑圧するようになっている。

１１ばその一端’１１ａがプランジャ１０の肩部１０
ａＫ係合し、他端１１ｂが後述のピストンプレート１５
に当接するプレート８に係合するレバー、１２は先端部
１２ａの部分でレバー１１に当接している断面コ字状の
ファルクラムプレート、１３はファルクラムプレート１
２の中央部に嵌合しているアウトプットロッドである。

１４は筒状のバルブボディであって、一般にはフェノー
ル樹脂等で製作される。

そしてこのバルブボディ１４の先端部は、ダイヤフラム
４およびこのダイヤフラム４に沿わせて設けられたピス
トンプレート１５が嵌合している。

１６はリターンスプリングであって、プレート１７を介
してピストンプレート１５およびダイヤフラム４に、図
における右方向の力を与えるものである。

バルブボディ１４のほぼ中間部には後述のポペットバル
ブ２１の保持を行なうポペットリテーナ１８が設けられ
ており、このポペットリテーナ１８と、インプットロッ
ド９に一体に設けられたフランジ１９との間にはスプリ
ング２０が介装されてインプットロッド９を突出する方
向（図における右方）に附勢している。

２１は底部であるシート面２１ａにインプットロッド９
を貫通するための孔２１ｂを有する有底筒体状をしたポ
ペットバルブであり、その底部とバルブボディ１４のポ
ペットリテーナ１８との間にはスプリング２２が介装さ
れて、ポペットバルブ２１は図における左方に附勢され
てプランジャ１０の弁座１０ｂに着座するようになって
いる。

そしてバルブボディ１４内のポペットバルブ２１より図
中右方は大気開放となっている。

次に従来におけるバルブボディ１４とプランジャ１０、
およびポペットバルブ２１の部分を第２図について説明
すると、ポペットバルブ２１のシート面２１ａは平面に
形成されており、均衡時においてはこの面がバルブボデ
ィ１４のシリンダ部１４ａの一端に形成される弁座１４
ｂと、プランジャ１０の一端に形成される弁座１０ｂと
に同時に着座するようＫなっている。

１４ｃ、１４ｄは通路である。

このように構成された真空倍力装置の作動を説明すると
、非作動時にあってはリターンスプリング１６によりバ
ルブボディ１４はリヤシェル３に対して右方に押戻され
ている。

一方エンジンの吸気系に発生する負圧はパイプγ、フロ
ント室５゜バルブボディ通路１４ｃ、バルブボディの弁
座１４ｂとポペットバルブ２１のシート面２１ａ間の間
隙２３、バルブボディ通路１４ｃ、そしてリヤ室６へと
通じていて、両室５，６は真空状態とされている。

次に運転者がブレーキ操作を行なう作動時を説明する。

インプットロッド９に加えた推力がスプリング２０を圧
縮し始めると、静止しているバルブボディ１４内をプラ
ンジャ１０．およびスプリング２２によって押されてい
るポペットバルブ２１のシート面２１ａ力ｉ人し、間隙
２３をせばめる。

間隙２３は次第にせばめらｔ、ついにはシート面２１ａ
がバルブボディ１４の弁座１４ ｂａａ接してフロント
室５とリヤ室６との間の連絡を断つ。

次いでプランジャ１０の弁座１０ｂがポペットバルブ２
１のシート面２１ａより離ｔ、同時にバルブボディ１４
内を通って大気よシの空気がその間隙より進入し、バル
ブボディの通路１４ｄを経て、リヤ室６に入り、ダイヤ
フラム４の両面に差圧が生じ、倍力作動が始まる。

差圧に伴なう助勢力はリターンスプリング１６を圧縮し
つつピストンプレー）１５、レバー１１、ファルクラム
プレート１２と伝わり、アウトプットロッド１３へ伝達
される。

次に均衡時について説明する。

インプットロッド９の推力を一定にするそれに対応して
倍力さねた出力が発生し、レバー１１両側の力がバラン
スする。

このときプランジャ１０の弁座１０ｂとバルブボディ１
４の弁座１４ｂはポペットバルブ２１のシート面２１ａ
にそねそれ押し付けられている。

このようにポペットバルブ２１のシート面２１ａはこの
弁座１０ｂ、１４ｂに共通に接するので、第２図につい
て示したようにシート面２１ａが平面に形成されたポペ
ットバルブ２１では、プランジャ１０が傾いたときプラ
ンジャ１０の弁座１０ｂが着座不良となり、真空洩れを
生ずることがある欠点があった。

本発明の目的は、均衡時にバルブボディ内でプランジャ
が傾いても、プランジャの弁座とポペットバルブのシー
ト面との間から真空洩れが生ずるのを防止するようにし
た真空倍力装置を提供することにある。

本発明の構成は、ポペットパルプのシート面をその軸方
向および半径方向に移動するようにしたポペット型真空
倍力装置において、ポペットバルブのパルプボディの弁
座に対するシート面を、その全周においてほぼ一定の傾
きをもって前記弁座に当接する凸形曲面に形成し、かつ
、ポペットバルブのプランジャの弁座に対するシート面
を凹形曲面に形成したことを特徴とするものである。

本発明の一実施例を第３図について説明すると、ポペッ
トバルブ２１“は、図示しないパルプボディの弁座（第
２図の符号１４ｂ）に当接するシート面２４′を、その
全周においてほぼ一定の傾きをもって前記弁座に当接す
るように、凸形曲面に形成し、かつ、図示しないプラン
ジャの弁座（第２図の符号１０ｂ）に当接するシート面
２５′を凹形曲面、より詳しくは、前記プランジャが上
記パルプボディ内で傾いたときにその先端が描く円弧と
縦断面形状が一致する凹形球曲面、もしくはこれに近似
する凹形円錐面に形成されている。

したがって、パルプボディの弁座にポペットバルブ２１
“−のシート面２４′が着座する前にその軸心がずれて
いても、シート面２４′はパルプボディの弁座に対して
偏心することなく着座できる。

そして、均衡時にパルプボディ内においてプランジャが
傾いた場合でも、ポペットバルブ２１“のシート面２５
′は、プランジャの描く円弧に対応できるように凹形曲
面に形成さねているので、ポペットバルブ２１“のシー
ト面２５′はプランジャの弁座に確実に密着して着座し
真空洩れが生ずる慮はない。

以上のように、本発明によれば、ポペットバルブのパル
プボディの弁座に対応するシート面が。

該パルプボディの弁座に便心することなく着座するのみ
ならず、ポペットバルブのプランジャの弁座に対するシ
ート面を凹形曲面に形成し、プランジャの傾きに対応で
きるようにしたので、プランジャがパルプボディ内で傾
いても、ポペットバルブの凹形シート面はプランジャの
弁座に確実に密着して着座し、従来のような着座不良に
よる真空洩れを確実に防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は真空倍力装置の一部縦断面図、第２図は従来型
のポペット型パルプの部分を示した拡大縦断面図、第３
図は本発明に使用あれるポペットバルブの一実施例の拡
大縦断面図である。 １・・・・・・シェル本体、４・・・・・・ダイヤフラ
ム、５・・・・・・フロント室、６・・・・・・リヤ室
、９・・・・・・インプットロッド、１０・・・・・・
プランジャ、１０ｂ・・・・・・プランジャの弁座、１
４・・・・・・パルプボディ、１４ａ・・・・・・シリ
ンダ部、１４ｂ・・・・・・パルプボディの弁座、１４
ｃ。 １４ｄ・・・・・・通路、２０，２２・・・・・・スプ
リング、２１“・・・・・・ポペットバルブ、２４’、
２５’・・−・・シート面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ バルブボディ内のシリンダ部にプランジャを摺動自
   在に嵌入し、バルブボディ内にポペットバルブの基端部
   を保持させ、そのシート面をプランジャの一端に向かっ
   て伸ばし、かつ、該シート面の軸線方向及び半径方向の
   移動を可能となし、前記プランジャの一端と前記バルブ
   ボディ内のシリンダ部の一端とに形成される環状の二つ
   の弁座に、前記ポペットバルブのシート面を自接離間し
   て、シェル本体内の７室の間及び少なくともこれらの一
   室と大気との間を連通遮断するようにした真空倍力装置
   において、 前記ポペットバルブの前記バルブボディの弁座に対する
   シート面を、その全周においてほぼ一定の傾きをもって
   前記弁座に当接する凸形曲面に形成し、かつ、前記ポペ
   ットバルブの前記プランジャの弁座に対するシート面を
   凹形曲面に形成したこ己を特徴とする真空倍力装置。