JPS591165B2 - セメント系製品の押出成型方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はセメント系製品の押出成型方法に関し、その目
的とするところは、押出成型工程において成型機中に堆
積する塊状物による生産効率の低下および成型品の不良
化を防止するにある。

各種セメント系製品、たとえばセメント／石綿、セメン
ト／ガラス繊維、セメント／シラスなどの押出成型によ
る製造において可塑剤として水溶性セルロースエーテル
が使用されることは公知である。

押出成型においては、通常まずセメント（普通ポルトラ
ンドセメントまたは白色セメント）と石綿などの骨材成
分に水溶性セルロースエーテルの粉末を混合機中でトラ
イブレンドし、これを水と混練してコンパウンドを作り
、さらに押出成型機にフィードしダイスを通して成型す
る工程が実施される。

押出成型機は成型品の表面平滑性を良好ならしめるため
真空式の土練機が一般的であり、押出されたコンパウン
ドは連続的に引取られ、切断・養生工程を経て製品化さ
れる。

この方法における水溶性セルロースエーテルは、特にセ
メントに対し保水性を与えると共に少量でコンパウンド
の可塑性を増大させるものでなげればならない。

また一方において成型性の別の要因である寸法安定性と
生産効率を上げるものであることが要求される。

この前提のもとに用いられている市販の水溶性セルロー
スエーテルトシテハ、メチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキ
シブチルメチルセルロース、ヒドロキシグロビルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロースナトカアル。

これらのセルロースエーテルは、水溶性を条件とするた
め、置換度（モル置換度を含む）が１．６〜２．５の範
囲に調整されているが、より水溶性が好まれるため１．
７〜２．３の範囲のものが一般的である。

従来の方法では前記のようなセルロースエーテルを用い
ると押出工程において時間の経過と共にセメント硬化物
が押出成型機のフィードロあるいは真空室にたい積し、
小さい塊状物となって付着するか、または脱落して成型
品中に混入する現象があられれ、これを放置すれば成型
品の歪の原因となり、さらには成型品の不良率な高める
結果となっていた。

しかも塊状物を除去するため装置を分解掃除しなければ
ならず、このための生産性低下が不可避であった。

本発明者らは、この点な解決すべく種々検討した結果、
かかる現象はセルロースエーテルの置換度が高いほど、
発生率が高くなり、操業時のふん囲気温度が高いほど増
大する傾向にあることを観察し、この結果から、可塑剤
としての水溶性セルロースエーテルはセメントの凝結速
度に重大す影響を与えると判断し、さらに検討した結果
、セルロースエーテルの置換度と凝結速度との間には密
接な相関関係があることを見出した。

第１図はＪＩＳ Ｒ５２０１によるセメントペーストの
凝結時間と置換度の異なるセルロースエーテル添加ペー
ストの凝結時間との差を示すもので、この図に示すよう
に置換度と凝結時間は反比例的である。

凝結時間はプレーンペーストとの始発における差である
。

本発明はかかる知見に基づいてなされたもので、これは
１セメントと骨材等の添加物、２置換度１．２〜１．５
のアルカリ可溶性もしくは水溶性のセルロースエーテル
、および３水からなるコンパウンドを押出成型すること
を特徴とするセメント系製品の押出型方法である。

本発明の方法は、１セメント（普通のポルトランドセメ
ントまたは白色セメント）と石綿、ガラス繊維、シラス
等の骨材およびまたは添加物と２置換度１．２〜１．５
のアルカリ可溶性もしくは水溶性のセルロースエーテル
と３水かラナルヘースト状コンパウンドを押出機にフィ
ードして押出成型し、常法により押出されたコンパウン
ドを連続的に引取り、切断・養生の各工程を経て製品化
する方法であって、各組成の配合割合は目的とする製品
の種類、用途に応じて任意変更できる。

なお、上記２成分の使用量は１成分における七メン）１
００重量部に対して０．１〜５重量部、好ましくは０．
３〜２重量部とされる。

本発明では可塑剤として用いるセルロースエーテルの置
換度を１．５以下のアルカリ可溶域まで拡げたことによ
り、凝結速度をいちじるしく延長させることができるた
め、従来のように押出機フィードロなどに塊状物の発生
が全く見られず、前記置換度の範囲で連続操業を円滑に
持続できる。

置換度が１．２以下になるとセメントに十分な増粘作用
が得られず、したがって成型性が悪くなる。

以下、実施例と比較例をあげて本発明をさらに説明する
。

実施例 １ セメント１００重量部、石綿２５重量部および置換度の
異なる各種のセルロースエーテル１重量部をニーダでト
ライブレンドしたものに、水３５重量部を加え混練して
コンパウンドを作った。

つぎにこれを真空式土練機（スクリュー回転数１８．５
回／分、スクリュー径７５ｍｍ、スクリュー全長７３５
聰、圧縮比２０、ダイス巾４０謳、ダイス高さ２０ｍｍ
、ダムクリアランス４ ｍｍ ）を用いて毎分１２Ｋｇ
のフィード速度で押出成型した。

５時間後にフィードロ等における直径２ｍｍ以上の塊状
物の発生個数を測定した結果は第２図のとおりであった
。

この図から明らかなように、塊状物の発生は、セルロー
スエーテルの置換度が１．５以下の場合には全く認めら
れないことがわかる。

実施例 ２ セメント１００重量部、石綿３０重量部、および表−１
に示すいずれかのヒドロキシプロピルメチルセルロース
（いずれも２％水水溶液塵１５．００００ｐｓのもので
ある）１重量部および水４０重量部を混合して５種類の
コンパウンドを作った。

つぎにこのコンパウンドＡ１〜５を実施例１と同じ真空
式土練機な用いて押出成型を行い、フィード開始５時間
後にフィドロその他における塊状物の発生個数を測定し
た結果は第３図のとおりであった。

この図からも明らかなように、セルロースエーテルは置
換度１．５を境界としてそれより低置換度のものは塊状
物が発生せず円滑に操業を継続し押出成型品を得ること
ができた。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレーンペーストの凝結時間と置換度の異なる
セルロースエーテルの添加ペーストの凝結時間との差を
示す曲線図、第２図、第３図は塊状物の発生個数を示す
曲線図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １１セメントと骨材等の添加物、２置換度１．２〜１．
   ５ノアルカリ可溶性もしくは水溶性のセルロースエーテ
   ル、および３水からなるコンパウンドを押出成型するこ
   とを特徴とするセメント系製品の押出成型方法。