JPS5911437Y2 - 電界発光灯 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電界発光灯（以下単にＥＬ素子と称す）、特に
ＥＬ素子の電極端子構造の改良に関するものである。

一般にＥＬ素子は例えば第１図に示すように、透光性の
絶縁基板１上に透明導電膜からなる前面電極２、発光層
３、高誘電体層４及び背面電極５を逐次被着形或した後
に、電極２及び５に一対の電極端子リード６，７を半田
付けしてこれらの各層及び電極端子リード６，７の一部
を覆って樹脂製の外皮８で被膜して構或している。

ところで、このＥＬ素子の電極端子リード６，７を前面
電極２や背面電極５に半田付けする際にこれらの電極が
薄膜の導電膜であるためや、材質の面で半田付け作業が
難かしい。

又、この電極端子ノード６，７は一般に金属テープ又は
金属線が用いられるが、外皮との接着強度が弱く、リー
ド取れ不良が発生したり、ＥＬ素子の耐湿性が悪い等の
欠点を有していた。

このため、電極端子リード６，７に金属メッシュを用い
て接着強度を高めた構造のＥＬ素子が作られている。

即ち金属メッシュはメッシュ間に間隙があるため、この
間隙に外皮８の樹脂材を喰い込ませ電極端子リード６，
７と外皮８の接着強度を高めて上記欠点を解決するもの
である。

しかしながらこれらの金属メッシュは何分にも微細な金
属線を用いたものであり、その機械的な強度が弱く、曲
ったりして製造工程での取扱いが困難となり、且つ又完
戒後のＥＬ素子にリード曲りやリード折れ不良等が発生
する欠点を有していた。

又メッシュ構造であるため、外皮８の封着時、溶融した
樹脂材が電極端子リード６，７の封着外部のメッシュ空
隙にも喰い込むためこれを剥すのが困難となっていた。

本考案は以上に鑑み提案されたもので、電極端子リード
の前面電極や背面電極との接続部をメッシュ構造として
、前面電極や背面電極との電気的接続の確実化を図り、
同時に樹脂製外皮との良好な密着性を得ると共に封着外
部のリード部を金属テープ又は金属線として機械的強度
の改善された電極端子構造のＥＬ素子を提供する。

以下本考案の実施例を図面を参照しつつ詳述する。

第２図乃至第３図は本考案のＥＬ素子９で、図に於いて
、１０は透明樹脂フイルムの絶縁基板でその上面に酸化
錫の透明導電膜からなる前面電極１１が形威されている
。

この前面電極１１は第３図に示すように、後述の電極端
子リード１２が接続される部分１３を残してシアノエチ
ルセルロースの高分子誘電体に硫化亜鉛の蛍光体粒子を
分散した発光層１４がスクリーン印刷法により塗膜され
ている。

更にこの発光層１４上にシアノエチルセルロースの高分
子誘電体にチタン酸バリュームの高誘電体粒子を分散し
た高誘電体層１５及び銀ペーストからなる背面電極１６
がスクリーン印刷法により逐次被膜形威されている。

この背面電極１６は、前面電極１１の電極端子リード１
２に接続される部分１３の近傍の絶縁基板１０上に延び
て電極端子リード１７の接続される部分１８が形或され
ている。

尚ここでこの背面電極１６の電極端子リード１７の接続
される部分１８は前面電極１１の電極端子リード１２の
接続される部分１３に並置した構造としたが、必ずしも
その必要はなく絶縁基板１０の平板上に自由に設置する
ことができる。

次に、これらの端子リード１２及び１７の電極１１及び
１６への接続部附近及び内部の積層被膜された各層を覆
って耐湿性樹脂材からなる外皮１９が絶縁基板１０の周
辺で熱圧着されＥＬ素子９が構或されている。

電極端子リード１２及び１７は同一構造の部品からなり
、第３図に示すように、夫々前面電極１１及び背面電極
１６と接続する部分１３及び１８に配置され、外皮１９
で熱封着されるメッシュ構造を呈した封着部２０とこの
封着部２０に接続され外皮１９の封着外部に延びるテー
プ状又は線状のリード部２１から或っている。

従って電極端子リード１２及び１７の封着部２０を電極
１１及び１６と接続する部分１３及び１８に載置して外
皮１９を重ね合せて一対の熱圧着ローラ間を通して熱圧
着封止するとき、電極端子リード１２及び１７の封着部
２０のメッシュ構造の導体部分が、前面電極１１及び背
面電極１６と接続する部分１３及び１８に喰い込んで、
確実な電気的接続が得られると共に、外皮１９の樹脂材
が、メッシュ構造の空隙に喰い込んで封着部２０と強固
な接着が得られる。

又、熱封着される外皮１９の外側はテープ状又は線状の
リード部２１で形威されていて、機械的強度が大きくで
き、リード曲りやリード折れ不良がなくなると共にその
取扱いが容易となる。

第４図は第３図の電極端子リード、１２又は１７が多数
連結されたリードフレーム２２が示されている。

このリードフレーム２２は、例えばＮｉ， Ｃｒ、Ｃｕ
等の金属薄板からフォトエッチング法等により得られる
もので、図示するように、先端部に多数の細孔２３がパ
ターン形威された封着部２４と後部にテープ状のリード
部２５が一体形威された電極端子リード２６が連結板２
７により多数接続されて構或されている。

又第５図は第４図の別の実施態様のリードフレーム２８
で、空隙２９を有する金属メッシュからなる封着部３０
にリード線３１を溶接して形威した電極端子リード３２
を連結線３３で多数接続して構或されている。

かかる構造のリードフレーム２２又は２８を用いてＥＬ
素子を製造すると電極端子リード１２と１７の間隔が一
定と、なると共にＥＬ素子９の製造が簡易化される。

即ち、第６図に示すように、透光性絶縁基板１０上に第
２図に示す構造のＥＬ素子９を一定ピッチで背面電極１
６まで多数パターン状に積層形或し、これらの電極パタ
ーンのピッチに適合させて形威したリードフレーム２２
又は２８を載置した後樹脂外皮１９を全面に被覆して熱
圧着させる。

そして封着されたＥＬ素子を各々の素子に切断分離する
ことにより同時に多数のＥＬ素子９が得られるものであ
る。

尚、上記実施例は樹脂製外皮１９を絶縁基板１０に熱圧
着封止する場合について説明したが、絶縁基板１０の下
に別の樹脂製外皮を配置して、この樹脂製外皮と上記樹
脂製外皮１９とを熱圧着封止するようにしてもよい。

本考案は以上のように電極端子リードをメッシュ状の接
続部とテープ状又は線状のリード部で形或し、素子電極
に接続され樹脂外皮で熱封着される部分をメッシュ状と
して、前面電極及び背面電極との確実な電気的接続を得
、かつ樹脂製外皮との強固な接着性を得ると共に、熱封
着される外皮の外側を板状又は線状に形威したから機械
的強度の高い電極端子構造のＥＬ素子が提供される。

又これらの電極端子リードにメッシュ状の封着部とテー
プ又は線状のリード部とを有するリードを複数個連結し
たリードフレームを用いることにより、ＥＬ素子のリー
ド間隔が規正でき、又作業性の良好なＥＬ素子が提供さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電界発光灯の断面図、第２図は本考案の
一実施例で電界発光灯の断面図、第３図は第２図のＩＩ
Ｉ−ＩＩＩ線から見た平面図、第４図は第３図に用いる
リードフレームの平面図、第５図は本考案の別の実施態
様で第４図に対応する図、第６図は第４図及び第５図の
リードフレームを用いた第２図の製造途上の電界発光灯
の平面図である。 １０・・・・・・絶縁基板、１１・・・・・・前面電極
、１２， １７， ２６，３２・・・・・・電極端子リ
ード、１４・・・・・・発光層、１５・・・・・・高誘
電体層、１６・・・・・・背面電極、２０， ２３，
３０・・・・・・封着部（メッシュ）、２１， ２５，
３１・・・・・・リード部（リード）、２２， ２８
・・・・・・リードフレーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 絶縁基板上に前面電極、発光層、高誘電体層、背面電極
   が逐次積層形威され、前記前面電極と背面電極に夫々電
   極端子リードを接続させ、この接続部分を樹脂製外皮で
   熱圧着封止したものに於いて、 前記電極端子リードの前面電極及び背面電極との接続部
   分をメッシュ導体で形威し、このメッシュ導体部分を樹
   脂製外皮で熱圧着封止したことを特徴とする電界発光灯
   。