JPS591081Y2 - 空冷式シリンダヘッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空冷式エンジンのシリンダヘッドの改善に関す
る。

現在、空冷４サイクルの汎用エンジンとしては側弁式が
多く、第１図にその上面図を示す。

汎用エンジンは多用途に使用されるため、搭載上、取扱
上、図のＡ−Ａ面、Ｂ−Ｂ面内にマフラ０１．気化器０
２、エアクリーナ０３を納めることが要求され、吸気ポ
ート、排気ポートはクランク軸０４軸方向に大体直角に
出す場合が多い。

なお、０５はクランク室、０６はシリンダヘッド、０７
はリコイルスタータ、０８はカウリングガ゛イドで゛あ
る。

この場合は頭上弁式に比し性能が悪い。

頭上弁式にすれば側弁式より性能向上を計ることができ
るのは公知の事実である。

頭上弁式のシリンダヘッドの１例として、第２図にその
上面図を、第３図に第２図のＰ矢視図を示す。

Ｘ−Ｘ線はクランク軸を示す。

上部にはロッカアーム、弁ばね等を納める室０１０があ
り、下部には燃焼室０１１を有し、そこには点火栓用わ
し穴０１２が設けである。

前記したように搭載上、取扱上よりマフラ、気化器、エ
アクリーナの配置を考慮し、吸、排気フランジ０１３．
０１４を設けである（排気は排気管により排気前走を直
角に曲げてマフラに結ぶ）。

一方、空冷エンジンでは燃焼室、弁穴部、点火栓部を重
点的に冷却するように冷却風を導く。

第２図の冷却風は点火栓部を冷却し、フィンＡに当て方
向を転じＢで示す穴を通過し弁穴部、燃焼室部を冷却す
る。

なお、０１５は吸気弁穴、０１６は排気弁穴、０１７は
ブツシュロッド穴である。

この場合は、吸気ポート、排気ポート等により冷却風が
邪魔されるので、冷却風通路面積を考えるとシリンダヘ
ッドの高さが高くなり、搭載上背高となる。

本考案の目的は上記の点に着目し、頭上弁式として性能
向上を計り、その欠点である背高の増大を極力押えるこ
とができ、しかも冷却性を確保できるシリンダヘッドを
提供することであり、その特徴とするところは、クラン
ク軸側から取入れた冷却風をシリンダ取付壁上面と吸気
ポート下壁との間を通すようにしたことである。

この場合は、冷却効率、吸気効率を向上させ、しかもシ
リンダヘッドの高さを低く押えることができる。

以下図面を参照して本考案による実施例につき説明する
。

第４図は本考案による１実施例のシリンダヘツドを示す
上面図、第５図は第４図の排気フランジ側を示す側面図
、第６図は第５図のＡ−Ａ矢視断面図、第７図は吸気ポ
ートの形状を示す第４図のに−に矢視断面図である。

なお、第４図のＸ−Ｘ線はクランク軸軸方向を示す。

図において、１は吸気フランジ、２は排気フランジ、３
は点火栓ねし穴、４はロッカ軸取付ねし穴、５はシリン
ダ取付穴、６はブツシュロッド穴、７は排気孔、８は排
気管取付ねし穴、９はシリンダヘッドカバー取付面、１
０はシリンダ取付壁、１１はカウリングガイド、１２は
弁穴、１３は燃焼室、１４はロッカアーム室の底壁、１
５は吸気ポート、１６はブツシュロッド穴の周壁、１７
はフィン、２０はロッカアーム室である。

上記構成の場合の作用について述べる。

気化器（図示せず）より吸気ポートを通り燃焼室へ入っ
た混合気は、燃焼後排気ポートを通り排気孔より出る。

さらに、排気ガスは排気管（図示せず）によりｘ−ｘ’
軸に大体直角方向に曲げられ、第１図で説明したように
、マフラ、気化器、エアクリーナ等は搭載に適する位置
に配置される。

シリンダヘッドカバー取付面９の内側はロッカアーム室
２０となっており、ロッカアーム、弁、ばね等（図示せ
ず）が納められている。

シリンダヘッドの下面には燃焼室１３が形成され、吸、
排気孔は燃焼室１３につながっている。

吸気ポート１５はロッカアーム室２０の底壁１４と周壁
２１との接続部に隣接して設けられ、極力上方へ位置せ
しめられる。

冷却風はｘ−ｘ’前方向流れ、一部は点火栓（図示せず
）を冷却しながら燃焼室１３を冷却する。

一部はフィン１７と排気フランジ２の間の冷却風穴Ｈを
通り燃焼室１３を冷却する。

フィン１７はブツシュロッド穴の周壁１６とつながって
おり、風のガイドとなる。

フィン１７の先端はカウリングガイド１１と接合し、同
カウリングガイド１１で導かれる風は第６図に示すよう
に、シリンダ取付壁１０の上面１０ ａと吸気ポートの
下壁１５ａとの間の冷却風穴Ｈを通り外へ出る。

ブツシュロッド穴の周壁１６は上記のように冷却風のガ
イドとなっているが、またロッカアーム室２０と燃焼室
１３側とを連結し、シリンダヘッドの剛性増大の役目を
する。

ロッカアーム室の底壁１４は、第６図に示すように、ロ
ッカアーム等の配置も考慮して段付Ｃとなっているので
、吸気ポート１５の位置が上がり、冷却風穴Ｈの通路断
面積が増加し、冷却効果を増大させている。

また、吸気ポート１５と燃焼室１３との高低差が大きく
とれ、第７図に示すように、ポート形状は無理をせず吸
気弁穴につなぎ得るため吸気効率が良い。

上述のように本考案による場合は、 （１） 汎用エンジンとして搭載性を失うことなく、
（２）シリンダヘッドの高温部を集中的に冷却して冷却
性を確保し、 （３）剛性が大であり、 （４）背高が低く、 （５）さらに吸気効率の良い（対応して出力、燃料消費
率の良い）、 シリンダヘッドの構造が実現される。

なお、吸気ポートと排気ポートとを逆に配置しても同じ
作用、効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の側弁式空冷４サイクル汎用エンジンを示
す上面図、第２図は従来の頭上弁式空冷４サイクル汎用
エンジンのシリンダヘッドを示す上面図、第３図は第２
図のＰ矢視図、第４図は本考案によるシリンダヘッドを
示す上面図、第５図は第４図の排気フランジ側を示す側
面図、第６図は第５図のＡ−Ａ矢視断面図、第７図は吸
気ポートの形状を示す第４図のに−に矢視断面図である
。 １・・・吸気フランジ、２・・・排気フランジ、６・・
・ブツシュロッド穴、７・・・排気孔、１０・・・シリ
ンダ取付壁、１０ ａ・・・シリンダ取付壁の上面、１
３・・・燃焼室、１４・・・ロッカアーム室の底壁、１
５・・・吸気ポート、１５ａ・・・吸気ポートの下端、
１６・・・ブツシュロッド穴の周壁、１７・・・フィン
、２０・・・ロッカアーム室、２１・・・ロッカアーム
室の周壁、Ｈ・・・冷却風穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気ポートをロッカアーム室の底壁と周壁との接続部に
   隣接して設けると共に、吸気ポートの下壁、シリンダ取
   付壁の上面及びブツシュロッド穴の周壁に囲繞されて形
   成されクランク軸の軸方向に流される冷却風を通す冷却
   風穴を設けたことを特徴とする空冷式シリンダヘッド。