JPS5910100Y2 - 装飾陶磁器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は装飾陶磁器に関する。

本考案は、その上に金属単体又は金属化合物の薄膜（以
下単に金属薄膜という）の蒸着される施釉面の光沢状態
を場所的に変化させておくことにより、光沢部分と非光
沢部分の微妙にミックスされた幽玄な色彩模様が表面に
創り出される装飾陶磁器を提供することを目的とするも
のである。

なお、本願明細書において、「蒸着」とは、ＴｉＣｌ４
，ＳｎＣｌ４等の金属化合物のガスを、乾燥空気等を媒
体として、加熱された陶磁器等の被蒸着物表面に吹きつ
けることにより、該被蒸着物の表面に前述の如き金属化
合物の薄膜を付着させることをいつ。

以下に本考案にかかる装飾陶磁器（以下本案陶磁器とい
う）を、その実施例を示す図面に基いて説明する。

なお、図面において、マット釉１１．光沢釉２及び金属
薄膜４は、理解しやすくするため、大きく誇張して図示
されている。

本案陶磁器は、第１図に示す如く、施釉面５上を、マッ
ト状態５ａと光沢状態５ｂとに分けて模様を形或させた
タイル、皿等の陶磁器本体３の施釉面５上に、蒸着法に
よってＴｉＣ１４、塩化第２錫等からなる金属薄膜４を
蒸着した装飾陶磁器である。

ここに前記のマット状態５ａとは、結晶性又は不溶性の
釉薬を施した後焼或されて施釉面が艶消し状を呈するマ
ット釉１の状態をいい、又、前記の光沢状態５ｂとは、
通常の釉薬を施した後焼戊されて施釉面が平滑な好反射
状を呈する光沢釉２の状態をいう。

本案陶磁器の製造方法は、例えば、マット釉１及び光沢
釉２を陶磁器本体３に施釉する場合を例にとり述べると
、陶磁器本体３の表面に、マット釉１を一面に塗着し、
そのマット釉１の上に光沢釉２を、スクリーン印刷法、
ボタ掛け、斑点掛け等通常の施釉方法によって、適宜模
様状に塗着し、又は下に光沢釉２を一面に塗着し、上に
マット釉１を模様状に塗着し、あるいは光沢釉２又はマ
ット釉１を下に模様状に塗着し、上にマット釉１又は光
沢釉２を一面に薄く塗着し、更にはマット釉１と光沢釉
２とを陶磁器本体３の表面に、前記種々の施釉方法を用
いて適宜模様状に塗り分ける。

上述の如くして施釉された陶磁器本体３を、焼或炉にお
いて焼或した後、前記金属薄膜４を該施釉面５上に蒸着
する。

このように、本案陶磁器においては、マット状態５ａは
光沢を示さないので、マット状態５ａ上の金属薄膜４ａ
はあまり輝かず、光沢状態５ｂは光沢を示すので、光沢
状態５ｂ上の金属薄膜４ｂはよく輝き、その結果マット
状態５ａと光沢状態５ｂとの間の光沢差が増幅され、金
属薄膜４は美麗な光沢、虹彩模様を備えるものとなる。

以上に述べる如く本案陶磁器は、その上に金属薄膜の蒸
着される施釉面の光沢状態を場所的に変化させておくこ
とにより、光沢部分と非光沢部分の微妙にミックスされ
た幽玄な色彩、光沢、模様が表面に創りだされた装飾陶
磁器である。

また、本案陶磁器の金属薄膜は蒸着法によって形威され
るので、公知の金属溶液塗布法を用いて金属薄膜を形或
する場合に比べて、本案陶磁器は安価に製造できるとい
う長所を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は、本案陶磁器の断面図である。 １・・・マット釉、２・・・光沢釉、３・・・陶磁器本
体、４・・・金属薄膜、５・・・施釉面、５ａ・・・マ
ット状態、５ｂ・・・光沢状態。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陶磁器本体素地の表面に結晶性又は不溶性の釉薬を施し
   てなるマット状態部分と通常の釉薬を施してなる光沢状
   態部分とに分けられた模様が形或され、該模様が形或さ
   れた陶磁器本体の表面上に蒸着法によって金属薄膜が形
   威されていることを特徴とする装飾陶磁器。