JP2840913B2 - 熱発泡性釉薬を用いた加飾製品及びその製造方法 - Google Patents

熱発泡性釉薬を用いた加飾製品及びその製造方法

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JP2840913B2 JP5338726A JP33872693A JP2840913B2 JP 2840913 B2 JP2840913 B2 JP 2840913B2 JP 5338726 A JP5338726 A JP 5338726A JP 33872693 A JP33872693 A JP 33872693A JP 2840913 B2 JP2840913 B2 JP 2840913B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてタイル等の窯
業製品に関し、詳しくは、表面に熱発泡性釉薬を用いて
厚みの有る加飾層を形成した製品及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】タイルの表面に釉薬や顔料などで色彩豊
かな加飾を施すことは通常行われていることであるが、
加えて、タイル表面に立体的な陰影を付与するため、従
来、次のような手段が採られている。一つは、溶融粘性
が高い絵具を用いる厚盛り印刷法であり、もう一つは、
タイル自体に凹凸を形成したレリーフ素地を用いる手法
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の厚盛り印刷法
は、高粘度の絵具でタイル表面に模様,図柄等を厚みの
大きい層に印刷することにより、凹凸の有る加飾層を形
成するというものである。しかしこの手法は、粘度の大
きい絵具を用いると言っても、形成可能な層厚みはたか
だか約2mm程度であり、この範囲内で凹凸を設けなく
てはならないから、得られる立体感には限度が有った。
また、絵具の盛上げ厚みを大きくし過ぎると、輪郭が不
鮮明になって、明瞭な立体感を得ることが難しくなると
いう欠点を有する。さらに、絵具の光沢がデザイン上の
妨げとなる場合もある。
【0004】後者のレリーフ素地を使用する方法は、こ
のレリーフ素地を製造するために、成形面に凹凸を有す
る特別な金型が必要であるため、設計変更が容易にでき
ないという欠点を持つ。また、異なる意匠ごとに専用の
金型を準備しなくてはならないから、製造コストが高く
つくという問題もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の問
題点に鑑み、特殊な金型を用いることなく、厚みが大き
く且つ凹凸模様の輪郭が鮮明な加飾層を有する製品及び
その製造方法を提供することを目的として創案されたも
のである。本発明に係る加飾製品の特徴とするところ
は、製品本体の表面に、熱発泡性釉薬よりなる加飾層
と、該加飾層を被覆する表面釉層とを形成したことであ
る。
【0006】あるいは、製品本体の表面に下釉層を形成
し、該下釉層の表面に熱発泡性釉薬よりなる加飾層を設
けてもよく、さらには、製品本体の表面に、下釉層と、
該下釉層の表面に形成した熱発泡性釉薬よりなる加飾層
と、該加飾層を被覆する表面釉層とを設ける構成として
もよい。
【0007】前述の如く構成される本発明加飾製品を製
造する方法は、製品素地の表面に熱発泡性釉薬を塗布
し、さらに施釉したのち、焼成することを特徴とする。
【0008】あるいは、製品素地の表面に下釉を施し、
その表面に熱発泡性釉薬を塗布し、さらにその上へ表面
釉を施したのち、焼成することとしてもよい。
【0009】さらには、予め施釉し焼成した製品本体の
表面に、熱発泡性釉薬を塗布したのち、再度焼成するこ
ととしてもよい。
【0010】
【作用】本発明に係る加飾製品の加飾層は、加熱するこ
とにより発泡して体積を膨張させる熱発泡性釉薬により
形成される。従って、これを製品素地の表面に塗布し、
その上に施釉したのち焼成すれば、体積膨張が生じて厚
みの大きい加飾層が形成され、その結果、製品表面に立
体感の優れた凹凸模様が施される。
【0011】熱発泡性釉薬は、加熱膨張前は通常の絵具
または釉薬と同じく、製品表面に塗布するときの層厚み
は小さくてよいから、通常の印刷方法により、図形,模
様,絵柄等の輪郭線を明瞭に描くことができる。それ
故、加熱による発泡後の加飾層により得られる凹凸模様
は、鮮明な輪郭線を有するものとなる。
【0012】なお、熱発泡性釉薬からなる加飾層を製品
表面に露出させた場合には、発泡により断熱性と艶消し
性とが付与されるので、見た目にも又直に触ったときに
も、ぬくもりを感じさせることができる。
【0013】
【実施例】本発明をタイルへ応用した場合の実施例につ
いて図面を用いて説明する。 (第1実施例) 本発明に係る加飾タイルTを製造するには、まず、図1
の(A)に示す如く、タイル素地3aの表面4aへ、ス
クリーン印刷法など通常の手法により熱発泡性釉薬1a
を塗布して模様,図形,絵柄等所望の意匠を形成したの
ち、その上を被覆するように釉薬2aを施す。
【0014】熱発泡性釉薬1aとは、例えば、釉薬原料
にSiC等の発泡材を混合したものが挙げられ、その組
成の一例を示せば表1のようになる。勿論、この組成は
限定的なものではなく、必要に応じ材料を適宜変更し得
る。
【0015】
【表1】
【0016】タイル素地3aは、湿式,乾式いずれの成
形法によって製造してもよい。また、タイル素地3aに
は、通常、予め素焼きしたものを用いられるが、いわゆ
る一度焼きが可能な条件であれば、未焼成のものを用い
ることも可能である。
【0017】次いで、タイル素地3aを焼成すれば、熱
発泡性釉薬1aが発泡することにより膨張し、図(B)
に示すように、タイル本体3bの表面4bと表面釉層2
bとの間に厚みの大きい加飾層1bが形成された加飾タ
イルTが得られる。
【0018】表1に示す組成の熱発泡性釉薬の場合、焼
成温度は約1000〜1200°Cとする。また、この
熱発泡性釉薬は、焼成により約5倍に膨張する。図1に
例示するように、熱発泡性釉薬1aの塗布厚みを部分に
よって変えておけば、焼成後に異なる厚みの加飾層1b
が得られる。このことから、例えば、微細な凹凸をタイ
ル表面に形成しようとするときは、塗布厚みを150μ
m程度とすることにより、わずか0.5mmほどの厚み
の加飾層1bが得られ、逆に、明確な立体感を得ようと
するときには、塗布厚みを1mm程度とすれば焼成後の
厚みが約5mmの加飾層1bを得ることが可能である。
【0019】なお、表1に明示しなかったが、適当な顔
料を添加することにより、熱発泡性釉薬の色調を所望の
状態に調整することができる。さらに、各成分の組成比
率を変更することで、発泡倍率を適当に調節することも
可能である。
【0020】(第2実施例) 図2は、熱発泡性釉薬1aをタイル素地3aの表面4a
へ連続的に厚みを変化させて塗布することにより、複雑
な立体的形状を有する加飾層1bを形成した実施例を示
すものである。熱発泡性釉薬1aは焼成により膨張する
から、焼成することによって当初の塗布厚みの大小が拡
大する。つまり、図(A)の如く、熱発泡性釉薬1aの
塗布厚みにわずかな変化を持たせておくだけで、焼成後
に、図(B)の如き明瞭な立体感を持った加飾層1bを
得ることができるのである。このことは、本発明によれ
ば、熱発泡性釉薬1aをタイル素地3aへ通常の印刷方
法で塗布することが出来、しかも、従来の厚盛り印刷法
などと比べてはるかに凹凸の程度が大きい加飾層1bが
得られるということを意味している。
【0021】(第3実施例) 図3は、タイル本体3bの表面4bに下釉層5bを設
け、その上に加飾層1bを形成した加飾タイルTの実施
例を示すものである。この加飾タイルTを製造する手法
としては、次の二通りが考えられる。まず第一の手法
は、図(A)のように、タイル素地3aの表面4aに釉
薬5aを施したのち、続けてその上へ熱発泡性釉薬1a
を所望の意匠を描くように塗布したのち、これを焼成し
て、図(B)の如き加飾タイルTを得るというものであ
る。第二の手法は、図(A)において、出発材料を、予
め下釉層5bを施釉して焼成したタイル製品3bとし、
その表面に熱発泡性釉薬1aを塗布したのち、これをさ
らに焼成して、図(B)の如き加飾タイルTを得るとい
うものである。なお後者の場合、下釉層5bが再度の焼
成により溶融してしまわないよう、熱発泡性釉薬1aを
比較的低温で発泡するものとするか、または、下釉5a
を高温溶融性のものとすればよい。
【0022】本実施例の加飾タイルTは、熱発泡性釉薬
からなる加飾層1bが表面に露出することになる。この
加飾層1bは多孔質であるから、艶消し状の外観を呈す
ることになり、観察者に温かみを感じさせる。また加飾
層1bは断熱性も併せ持つので、これに触れたときに、
通常の滑らかな釉薬層と比べ、冷たい感じを与えない。
【0023】(第4実施例) 図4は、第3実施例の加飾タイルTの表面にさらに表面
釉層2bを設けた実施例を示すものである。すなわち、
この実施例の加飾タイルTは、タイル素地3aの表面4
aに、下釉5a,熱発泡性釉薬1a及び表面釉2aを順
に施し、これを焼成して、下釉層5b,加飾層1b,表
面釉層2bの三層構造を設けたものである。
【0024】この加飾タイルTの製造方法は、前記第3
実施例の加飾タイルTの製造方法に準ずる。すなわち、
タイル素地3aの表面4aに、下釉5a,熱発泡性釉薬
1a,表面釉2aを続けて塗布したのち焼成する方法で
もよく、あるいは、予め焼成して下釉層5bを設けたタ
イル製品3bの上に、熱発泡性釉薬1a及び表面釉2a
を塗布したのち再度焼成するという方法でもよい。
【0025】(その他の実施例) 熱発泡性釉薬の組成を適宜変更することにより、加飾層
の発泡温度や発泡倍率等を変更することが可能である。
また、本発明の実施対象はタイルに限定されるものでは
なく、それ以外の窯業製品、例えば洗面器,手洗器,便
器、施釉セメントパネル等の、表面に釉薬層を備えた製
品に対する加飾手段として利用することができる。その
他、細部の具体的な構成は、実施の態様に則して適宜変
更することを妨げない。
【0026】
【発明の効果】本発明は、焼成により発泡して体積が膨
張する熱発泡性釉薬で加飾層を形成するから、塗布厚み
を薄くしても分厚い加飾層を設けることができる。つま
り、熱発泡性釉薬のタイル表面への塗布は通常の印刷方
法によることができ、これを焼成するだけで、従来の厚
盛り印刷法では実現不可能なきわめて厚みの大きい加飾
層を形成することが可能である。それ故、輪郭が明瞭で
且つ非常に立体感の優れた凹凸模様を簡単に得ることが
できる。その結果、本発明に基づき製造される加飾タイ
ルは、深い立体的陰影を備えた斬新な外観を呈すること
になる。
【0027】また、熱発泡性釉薬の発泡倍率を適当に調
節することで、凹凸模様の性状の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る加飾タイルの製造方
法を示すものであって、(A)は焼成前の部分拡大断面
図、(B)は焼成後の部分拡大断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る加飾タイルの製造方
法を示すものであって、(A)は焼成前の部分拡大断面
図、(B)は焼成後の部分拡大断面図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る加飾タイルの製造方
法を示すものであって、(A)は焼成前の部分拡大断面
図、(B)は焼成後の部分拡大断面図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る加飾タイルの製造方
法を示すものであって、(A)は焼成前の部分拡大断面
図、(B)は焼成後の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
T 加飾タイル 1a 熱発泡性釉薬 1b 加飾層 2a 表面釉 2b 表面釉層 3a タイル素地 3b タイル本体 4a タイル素地表面 4b タイル本体表面 5a 下釉 5b 下釉層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 41/89

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品本体の表面に、熱発泡性釉薬よりな
    る加飾層と、該加飾層を被覆する表面釉層とが形成され
    ていることを特徴とする熱発泡性釉薬を用いた加飾製
    品。
  2. 【請求項2】 製品本体の表面に下釉層が形成され、該
    下釉層の表面に熱発泡性釉薬よりなる加飾層が設けられ
    ていることを特徴とする熱発泡性釉薬を用いた加飾製
    品。
  3. 【請求項3】 製品本体の表面に、下釉層と、該下釉層
    の表面に形成された熱発泡性釉薬よりなる加飾層と、該
    加飾層を被覆する表面釉層とが設けられていることを特
    徴とする熱発泡性釉薬を用いた加飾製品。
  4. 【請求項4】 製品素地の表面に熱発泡性釉薬を塗布
    し、さらに施釉したのち、焼成することを特徴とする加
    飾製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 製品素地の表面に下釉を施し、その表面
    に熱発泡性釉薬を塗布し、さらにその上へ表面釉を施し
    たのち、焼成することを特徴とする加飾製品の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 施釉し焼成した製品本体の表面に熱発泡
    釉薬を塗布したのち、さらに焼成することを特徴とす
    る加飾製品の製造方法。
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