JPS587582B2 - 給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複写機、印刷機等に組込まれる給紙装置に係り
、特に本体内部に向けて一枚づつ給送される用紙の幅方
向の湾曲を抑え、本体内部での紙詰まりを防ぐ構造を備
えた給紙装置に係る。

複写機、印刷機等は、本体内部に複写用紙または印刷用
紙を一枚づつ給送するための給紙装置を備えている。

複写機、印刷機等に於ける給紙装置は、一般に、用紙を
積載される給紙台と、前記給紙台の給紙方向前縁に隣接
する位置より給紙方向へ延在する給送板と、前記給紙台
に載置された用紙の最上位の用紙の給紙方向前縁部に圧
接し自身の軸線の周りに回転して用紙を送り出す給紙ロ
ーラとを有しており、前記給紙ローラが間欠的に回転す
ることにより前記給紙台上に載置された用紙をその最上
部のものから一枚づつ前記給送板上を滑らせて本体内部
へ給送するように構成されている。

上述の如き給紙装置に於ては、一般に、給紙ローラは、
用紙の幅方向の一部にのみ、多くの場合、中央部にのみ
圧接しつつ回転してこれを給送するため、前記給紙ロー
ラが触れていない用紙の部分が上方に盛上がり、用紙が
その幅方向に全体として湾曲した形で給送される。

ところで、複写機または印刷機に於ては、レジストロー
ラ或いはタイミングローラと称されているローラ装置が
設けられており、このローラ装置は給紙ローラにより送
り出されて来る用紙の前縁をそのローラ噛合い部に突当
ててこれを一旦停止させ、所定の時期に回転を開始して
その用紙を本体内部へ、例えば感光体ドラム成いは版胴
へ向けて送り出し、感光体ドラムや版胴の回転位相に対
する用紙の給送時期を調整するようになっている。

前記ローラ装置のローラ噛合い部に突当たった用紙はそ
の後も引続き給紙ローラにより送り出されるため、該用
紙はローラ装置により給送を再開されるまでの間、前後
に撓んだ形で一旦待機する。

一般に、給送板の上方には上部案内板があり、給送板と
上部案内板とによって画定される空間により用紙を前記
ローラ装置へ向けて案内する案内路が構成されるが、用
紙に上述の如き撓みを許すためには、前記案内路は十分
に広い上下の間隔を有しながら前記ローラ装置のローラ
噛合い部に用紙を導くよう三角形状の縦断面を有してい
なければならない。

従って、前記案内路はここに給送されて来た用紙の幅方
向の湾曲を矯正することはできず、このため湾曲した用
紙の前縁が前記上部案内板に衝突して折れ曲がり、紙詰
まり事故を起こすおそれがある。

これに対し、従来技術の一つとして、給紙ローラ付近に
給紙口上板を有し、これと給送台上に積載された用紙ま
たは給送板との間に比較的狭い給送路を郭定し、これに
よって用紙の幅方向の湾曲を矯正しようとする装置があ
る。

しかしこのような装置に於ては、給送される用紙の紙面
の一部が前記給紙口上板に対し摺接しながら進むため、
用紙に制動力が加わり、給紙ローラによる給送力を減じ
るようになる。

また、用紙と給紙口上板との間の摩擦力にその用紙の幅
方向に関しばらつきがある場合には用紙が傾いて給送さ
れ、やはり紙話まり事故を起こすようになる。

また、従来技術の他の一つとして、給紙ローラの軸上に
紙受けローラや押えローラと称されているローラ要素を
設け、これによって用紙の幅方向の湾曲を矯正しようと
する装置がある。

しかし、この装置にあっては、給紙ローラとローラ要素
とが同一軸線上に配置されるため、ローラ要素と用紙と
の接触線は給紙ローラと用紙との接触線に対し給紙方向
に直角な同一軸線上に並ぶようにその位置を限定される
。

従って、ローラ要素はその取付け位置を給紙ローラとは
個別に用紙等の種類に応じて調整することができず、そ
の配置位置いかんによっては十分に有効に作用しないこ
とがある。

また、上述の如きローラ要素が設けられていても該ロー
ラ要素との接触線を経た用紙が更に給送板に沿って給送
される時、その用紙の幅方向の湾曲が再び成長し、紙詰
まりを起こす事故がしばしば見られる。

本発明は従来の給紙装置に於ける上述の如き欠点に鑑み
、給紙ローラにより送り出される用紙がその幅方向に湾
曲することを確実に矯正し、紙詰まりの発生を回避する
改良された給紙装置を提供することを目的としている。

かかる目的は、本発明によれば、用紙を積載される給紙
台と、前記給紙台の給紙方向前縁に隣接する位置より給
紙方向へ延在する給送板と、前記給紙台上に載置された
用紙の最上部の用紙の給紙方向前縁部に圧接し自身の軸
線の周りに回転して用紙を送り出す給紙ローラと、前記
給紙ローラと用紙との接触域に対しこれより給紙方向に
沿って調整可能な偏倚位置にて前記給送板上を前記給紙
ローラにより給送される用紙に上面より係合する押え要
素とを有していることを特徴とする給紙装置によって達
成される。

以下に添付の図を用いて本発明を実施例について詳細に
説明する。

第１図は本発明による給紙装置の一つの実施例を示す概
略立面図、第２図はそれの平面図、第３図はそれの正面
図、第４図は要部を拡大して示す立面図である。

これらの図に於いて、１は給紙台を示しており、この給
紙台１は、固定底板２と、固定底板２の前縁部に後縁部
を枢動連結され、実質的に水平な枢軸３の周りに回動可
能な可動底板４とを有しており、可動底板４はばね８に
よって図にて上方に向けて可撓的に付勢されている。

固定底板２上には後部立板５が、また可動底板４上には
二つの側部立板６，７が設けられている。

固定底板２と可動底板４は後部立板５と側部立板６，７
の内側に所定の大きさの用紙を積層載置される。

可動底板４の給紙方向前方には該給紙台の前縁に隣接す
る位置より給紙方向に沿ってドラム（版胴）１１の近く
にまで延在する給送板９が設けられている。

給送板９は前記給紙台の給紙方向前縁に隣接する部分に
実質的に垂直な衝壁１０を有し、該衝壁は前記給紙台の
実質的な前縁部を郭定している。

また、給紙台１の給紙方向前縁部上方には給紙口−ラ１
２が設けられている。

給紙ローラ１２は側板１３，１４（第２図参照）に回転
自在に支持された回転軸１５に担持され、自身の軸線の
周りに図にて反時計廻り方向に回転駆動されるようにな
っている。

給紙ローラ１２はゴム或いはゴム類似品等、比較的摩擦
係数が大きい材料によって構成されており、その外周面
の一部にて給紙台１上に載置された用紙Ｐの最上位の用
紙Ｐの給紙方向前縁部に圧接するようになっている。

即ち、前記給紙台１上の用紙Ｐは可動底板４がばね８の
ばね力によって図にて上方に付勢されることによりその
ばね力をもって給紙ローラ１２の外周面に圧接する。

給紙ローラ１２は、第２図に良く示されている如く、給
紙台１の幅方向の中央部に設けられている。

給送板９が給送ローラ１２に対向する部分は切欠かれて
おり、この切欠部１６には紙さばきパツド１７が設けら
れている。

紙さばきパツド１７はその上面にて前記給紙ローラ１２
の外周面に接触し、その接触線を通るローラ半径方向に
ガイドバ−１７′と固定部材１９に案内されて移動自在
であり、圧縮コイルばね１８によって前記給紙ローラ１
２の外周面に押付けられている。

給紙ローラ１２と紙さばきパツド１７との接触線は紙送
りローラ１２と用紙Ｐとの接触線より給紙方向へ幾分偏
倚している。

給送板９の上方には上部案内板２０が設けられている。

上部案内板２０は後述するレジストローラ装置２２によ
る用紙待機時、第４図に示されている如き用紙の撓みを
許し、且その用紙をレジストローラ装置２２に導くべく
給送板９との間に実質的に三角形状の縦断面を有する案
内路２１を郭定している。

レジストローラ装置２２は一対のローラ２３，２４を有
しており、これらローラはドラム１１の回転に同期し、
ドラム１１の所定の回転位相にあるとき回転を開始し、
用紙をドラム１１と押えローラ２５との間に送り込むよ
うになっている。

押えローラ２５は一端を枢軸２６によって枢支された揺
動レバー２７の他端に枢支されており、揺動レバー２７
は圧縮コイルばね２８によって前記押えローラ２５がド
ラム１１の外周面に押付けられる方向に付勢している。

また、２９は剥し爪であり、３０は排紙台である。

側板１３と１４との間には支柱３１が架け渡されている
。

支柱３１はその両端蔀に於では円形断面を有し、側板１
３，１４の各々に設けられた丸孔状の軸受孔にその軸線
の周りに回転可能に支持されている。

支柱３１は前記側板１３と１４の間に於で角柱になって
おり、この角柱部には、この実施例の場合、二つのＬ字
形をした支持レバー３２の一端が取付けられている。

支持レバー３２は給紙ローラ１２の軸線方向両側にあり
、各々支柱３１の軸線方向の任意の位置に固定され得る
ようになっている。

支持レバー３２の他端は給送板９の近くに位置しており
、この端部には枢軸３３によって押えローラ３４が各々
回転自在に取付けられている。

押えローラ３４は比較的小さい間隙を置いて給送板９の
上面に対向しており、前記給紙ローラと用紙との接触線
に対し前記給送板に沿う給紙方向へ偏倚された位置にて
前記給紙ローラにより給送される用紙に上面より係合す
るようになっている。

支柱３１には三角形状の固定用金具３５が取付けられて
おり、この固定用金具３５には支柱３１の軸線を中心と
する円弧状の長孔３６が設けられている。

長孔３６にはねじ３７が係合しており、このねじ３γは
側板１３に設けられたねじ孔３８に螺合し、固定用金具
３５、換言すれば支柱３１を任意の角度位置にて側板１
３に対し固定するようになっている。

このように支柱３１が任意の角度位置にて固定されるこ
とにより押えローラ３４の位置を給紙ローラ１２の位置
とは個別に調整でき、これと用紙との接触位置を用紙の
種類に応じて自由に修正することができる。

押えローラ３４は第３図に示されている如く用紙Ｐの盛
上り部の頂点を押さえるようその軸線方向位置が定めら
れている。

紙詰まりの防止のために用紙の盛上り、即ち用紙の幅方
向の湾曲を矯正するためには、給紙ローラと用紙との接
触線に対し給紙方向へ偏倚された位置にて押えローラが
用紙の上面に係合することが効果的である。

しかし、レジストローラ装置による用紙の待機時に於け
る用紙の撓みを考慮した場合、押えローラ３４は給紙ロ
ーラと用紙との接触線に対し給紙方向へあまり大きく偏
倚していることも好ましくなく、従って、押えローラ３
４は用紙の幅方向の湾曲の矯正と、用紙待機時のその用
紙の撓みを考慮してその位置が定められる必要がある。

尚、上述した実施例に於ては押えローラを用いたが、押
え要素は押えシューの如きものであっても良い。

以上に於いては、本発明を特定の実施例について詳細に
説明したが、本発明はこれに限られるものではなく本発
明の範囲内にて種々の実施例が可能であることは当業者
にとって明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による給紙装置の一つの実施例を示す概
略立面図、第２図はそれの平面図、第３図はそれの正面
図、第４図は要部を拡大して示す立面図である。 １…給紙台、２…固定底板、３…枢軸、４…可動底板、
５…後部立板、６，７…側部立板、８…ばね、９…給送
板、１０…衝壁、１１…ドラム、１２…給紙ローラ、１
３．１４…側板、１５…回転軸、１６…切欠部、１７…
紙さばきパッド、１８…圧縮コイルばね、１９…固定部
材、２０…上部案内板、２１…案内路、２２…レジスト
ローラ装置、２３，２４…ローラ、２５…押えローラ、
２６…枢軸、２７…揺動レバー、２８…圧縮コイルばね
、２９…剥し爪、３０…排紙台、３１…支柱、３２…支
持レバー、３３…枢軸、３４…押えローラ、３５…固定
用金具、３６…長孔、３７…ねじ、３８…ねじ孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 用紙を積載される給紙台と、前記給紙台の給紙方向
   前縁に隣接する位置より給紙方向へ延在する給送板と、
   前記給紙台上に載置された用紙の最上部の用紙の給紙方
   向前縁部に圧接し自身の軸線の周りに回転して用紙を送
   り出す給紙ローラと、前記給紙ローラと用紙との接触域
   に対しこれより給紙方向に沿って調整可能な偏倚位置に
   て前記給送板上を前記給紙ローラにより給送される用紙
   に上面より係合する押え要素とを有していることを特徴
   とする給紙装置。