JPS5856409Y2 - Ｃ形断面材固定用クリツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は金属板の表面にＣ形断面材、例えば自動車の
車体の表パネル表面゛に装飾用モールを取外可能に取付
けるクリップに関する。

従来、自動車の車体の表パネル表面にモールを取付ける
のに各種提案されているが、いずれも一旦取付けると外
すことが困難なものばかりであって、車体修理の際に非
常に手数がか・つた。

本考案は上記問題点を解消するために開発されたのであ
って、以下、図示の実施例を参照して説明する。

本考案のクリップは適度の弾性を有するプラスチックで
断面路々コ字形に成形され、連結壁１と、連結壁１の上
下縁に連接して後向きに延びる上下壁２，３を有し、上
下壁２，３は夫々後端から略々連結壁１にまで達する並
行な二条の切込み２’、 ２’及び３’、 ３’によっ
て幅方向に中央片２ａ及び３ａと、その両側の側片２ｂ
、２ｂ及び３ｂ、３ｂに分断され、中央片２ａ、３ａの
先端部にはＣ形断面材であるモール４の開溝部４′で隔
てられて対向する縁部４ａ、４ａを係止する爪５，５が
設けられ、各側片２ｂ、２ｂ及び３ｂ、３ｂには爪５゜
５よりも少し後に車体の表パネル６に開設された開口６
ａの縁と係合する係合手段７，７が設けられ、中央片２
ａ、３ａは好ましくは側片よりも後に長く突出する。

第１〜６図の実施例は表パネル６の裏側から連結壁１を
前に向けて開口６ａに通してクリップを先ず表パネル６
に対し取付け、次に開口６ａを通じ表パネル６の表面か
ら外に突出している爪５゜５に対しモールの縁部４ａ、
４ａを係止する場合のもので、開口６ａの縁６ｂと係合
する係合手段７は上下壁の各個片２ｂ、３ｂの後端から
上向きに起立した突出部７ａと、突出部の直前に位置し
て形成された溝形凹部７ｂで構成され、側片２ｂ。

３ｂは上下方向の間隔が後に向かって次第に広くなる様
に傾斜している。

尚、開口６ａの形状は連結壁１よりも僅かに大きい（第
３図参照） 前述の様に連結壁１を前にしてクリップを表パネルの裏
側から開口６ａに押込むと、開口６ａの上下の縁６ｂの
裏側に中央片２ａ、３ａの爪５が当接し、中央片は互い
の方向に撓んで爪５を通過させる。

次に各個片２ｂ、３ｂは同様に開口６ａの上下の縁６ｂ
で互いの方向に撓んで行き、溝形凹部７ｂが縁６ｂの位
置に達すると各側片２ｂ。

３ｂは元の状態に戻ろうとして溝形凹部７ｂで縁６ｂを
捕捉する。

この状態では溝形凹部７ｂの直後にある突出部７ａが表
パネルの裏側に受止められるので、これ以上はクリップ
を開口６ａに押込むことはできず、爪５は表パネルの表
面から所定距離突出する。

この操作の際、中央片２ａ、３ａの爪５，５を開口の縁
部６ｂに容易に通過させるため中央片２ａ、 ３ ａを
指で摘んで爪を引込めさせてもよいし、或は第７図に示
す様に開口６ａの上下縁部６ｂには爪５の通過位置にだ
け切欠き６′を形成して置いてもよい。

開口６ａはモール４を取付ける位置に沿い点々と開設し
であるから、その全部の開口６ａに夫々クリップを上記
の様にして取付け、それが終ったら次には開溝部４′を
表パネルの表面に向け、モールをクリップに対して押付
ける。

これによりモールの開溝部４′で隔てられた爪形断面の
縁部４ａ、４ａは中央片２ａ、３ａを互いの方向に撓め
ながら爪５，５の上を通過し、通過し終ると元の状態に
復元しようとする中央片２ａ、３ａの弾力のため爪５，
５で逆捩は不能に保持される。

冬瓜５が表パネルの表面から突出する距離は上記の様に
して爪５がモールの対向縁部４ａ、４ａを保持したとき
、モールの縁部４ａの前縁は表パネルの表面に受止めら
れる様に定めて置く。

こうして表パネルの表面に取付けたモールを車体修理な
どの必要によって外すには既に明らがな様に表パネルの
裏側で沖央片２ａ、３ａの自由端を工具などにより摘ん
で爪５，５を夫々モールの縁部４ａ、４ａを保持する位
置がら引込め、モールを表パネルの表面から引き離せば
よい。

そして、クリップをも外す必要があるときはパネル６の
表側から各側片２ｂ、３ｂを工具などで摘み、パネル６
の裏側に押戻す。

勿論、各側片２ｂ、３ｂには係合手段７の後に操作片を
後向きに延設し、中央片２ａ、３ａと同様に摘んでパネ
ルの裏側に引戻してもよい。

尚、この実施例では上下壁２，３の中央片２ａ。

３ａと両側片２ｂ、３ｂを分断する切込み２’、 ３’
の間隔中には連結壁１の背面がら後向きに延びるバッフ
ァ片８，８が設けである。

このバッファ片８゜８は必ずしも必要ではないが、これ
を設けて置くことにより中央片２ａ、３ａを摘んで爪５
，５を引込ませ、モールを外す際に、各側片２ｂ、３ｂ
までも一緒に撓むことが確実に阻止できる。

第８，９図に示した実施例は表パネル６の表側から間口
６ａに押込んでクリップを表パネルに取付ける様にした
もので、モール４の取付けはクリップを表パネルに取付
後、その表面から突出する爪５，５に対し行ってもよい
し、或いはモール４を予じめクリップの爪５，５に取付
け、それからモールごとにクリップを表パネルに取付け
てもよい。

この実施例の上下の側片２ｂと３ｂの対は縦方向の二つ
の壁９，９で夫々側部を連結され、筒形断面になってい
る。

そして、係合手段７は爪５よりも後方で上下の各側片２
ｂ、３ｂから突出した突出壁７Ｃと、突出壁７Ｃの直後
にコ形切込みで自由端が後に向き、その自由端部には爪
５と反対向きの逆止爪が隆設された舌片７ｄで構成され
、必要に応じ側部からは表パネルの表面に当接するスト
ッパ１０を突出させる。

前述した様に開口６ａに表パネルの表側から押込むと舌
片７ｄの自由端にある逆止爪は舌片を撓めて引込んで開
口６ａの上下縁を通過し、開口の裏側で再び突出して突
出部７Ｃとの間で開口の縁部６ｂ、６ｂを捕捉する。

勿論、このときストッパ１０も表パネルの表面に当接し
、それ以上クリップが押込まれるのを阻止する。

従って、モール４を前述の実施例と同様に表パネルの表
面に押付け、表パネルの表面から突出している爪５，５
に対し保持させればよい。

又、既に述べた様にモールの縁部４ａ、４ａを爪５，５
に保持させ、その状態でクリップを表パネルの表面から
後向きに開口６ａ中に押込んでもモールとクリップを一
体に表パネルに取付けることができる。

そしてモールを外すには表パネルの裏側で中央片２ａ、
３ａを工具などで摘み、爪５，５をモールの縁部保持位
置から引込めることによって行うことができる。

尚、本考案のクリップは自動車のモール以外にＣ形断面
材をパネルに取付ける場合のすべてに使用できることは
言う迄もない。

【図面の簡単な説明】

第１〜６図は本考案のクリップの一実施例を示し、第１
図は斜面図、第２図は平面図、第３図はパネルに取付前
の状態の斜視図、第４図はパネルに取付後、モールを取
付ける状態の斜視図、第５図はモール取付状態の断面図
、第６図はモールを外した状態の断面図、第７図は他の
実施例のパネルの斜視図、第８図は他の一実施例の斜視
図、第９図は同上による取付状態を説明する斜視図、図
中、１は連結壁、２，３は上下壁、２’、 ３’は切込
み、２ａ、３ａは上下の中央片、２ｂ、３ｂはその左右
の上下各側片、４はモール、４′はその開溝部、４ａ、
４ａは同じく縁部、５は爪、６はパネル、６ａはその開
口、６ｂ、６ｂは同じく縁部、７は保合手段を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連結壁と、その上下縁から後向きに延びる上下壁を有す
   る略コ字形にプラスチックで成形され、上下壁は後端か
   ら略々連結壁にまで達する並行な二条の切込みによって
   夫々中央片と、その両側の側片に分断され、上下の中央
   片の先端部にはＣ形断面材の開溝部で隔てられて対向す
   る縁部を係止する爪が設けられ、その両側の上下各側片
   にはパネルに開設された開口の縁部と係合する保合手段
   が上記爪よりも少し後に位置して設けられているＣ形断
   面材固定用クリップ。