JPS5855642Y2

JPS5855642Y2 - コンデンサ

Info

Publication number: JPS5855642Y2
Application number: JP5915876U
Authority: JP
Inventors: 勝俊土田
Original assignee: 丸電プレス工業株式会社
Priority date: 1976-05-10
Filing date: 1976-05-10
Publication date: 1983-12-20
Also published as: JPS52149247U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は防爆構造を改良したコンデンサに関するもので
ある。

従来のコンデンサにおいては、防爆構造としてケース本
体の開放端部に蓋着したゴムまたはゴム貼付ベークライ
ト製端子板内面に非貫通穴を設けたり、ケース本体の周
側面適当部分を切削したりして薄皮部分を形成し、コン
デンサ素子の短絡その他の原因に基づくガスの発生によ
ってケース内圧が上昇したときに、この薄皮部分を破裂
させてケース全体の爆発を防止する構造をとっている。

ところが、コンデンサを各種電気機器に組込む場合、と
くに所謂ワンエンドタイプのコンデンサは、リード線導
出構造の関係上その端子板が機器のシャーシまたは相接
続される他の電気部品に接触または対面して取付けられ
ることが多いので、上記前者の従来構造のように端子板
に防爆穴による薄皮部分を形成した場合には、該薄皮部
分の破壊の影響がシャーシや他の電気部品、配線などを
直撃してこれらを損傷する虞れが多分にある。

また、後者のケース本体に切削加工を施す場合は、切削
深さや範囲、位置などのばらつきによりコンテ゛ンサに
よって防爆特性が一定せず、場合によっては防爆効果が
失なわれたり、不必要に破裂したりする危険性があった
。

さらに両者とも、防爆のための加工が面倒で製作性に劣
り、コストアップの原因となっていた。

本考案は上記の点に鑑み、薄皮部分の破裂によって機器
のシャーシや他の電気部品、配線などを損傷する虞れが
ないと共に、安定的な防爆特性が得られ、しかも防爆の
ための加工作業が簡単で生産能率を向上し得るコンテ゛
ンサを得んとするものであり、その特徴とする処は、ケ
ース本体の周側面適宜部分を凹陥せしめて平坦な表示部
を形成し、この表示部にコンデンサの規格等の表示と防
爆用とを兼ねる薄皮部分を刻印にて形成した点にある。

以下、本考案の実施例を図に依拠して説明する。

第１図は本考案を適用した所謂ワンエンドタイプの電解
コンテ゛ンサを示している。

同図において、１はケース本体で、通常、アルミニウム
等にて一端が開放し他端が閉塞した有底円筒状に形成し
、該本体１にコンデンサ素子２を内装すると共に、開放
端部にリード線導出孔３，４を有するゴム製またはゴム
貼付ベークライト製の端子板５を蓋着せしめてコンデン
サケースを構成している。

そしてコンデンサ素子２の陰、陽両極リード線６，７を
端子板５のリード線導出孔３，４に嵌装せしめた接続ス
ノーブ８，９を介してケース外に導出せしめている。

この電解コンテ゛ンサにおいて、次のような防爆構造を
施している。

すなわち、ケース本体１の周側面１ａにおける閉塞端面
１ｂ寄りの周方向対称二位置を凹陥１０，１０せしめ、
その底面にて平坦な表示部１１．１１を形成している。

そして、この表示部１１．１１に、当該コンデンサの規
格（たとえば３５０ｖ−１００μＦ）や製造年角田製造
者名等の所要事項Ａを刻印表示している。

こうすれば第３図に示すように該表示部１１．１１にお
いて、上記のように文字や形象等の表示事項Ａを刻印さ
れた部分が削刻されて非表示部分の肉厚Ｓ１よりも薄肉
となり、これにより防爆用薄皮部分１２・・・・・・を
形成している。

この防爆用薄皮部分１２の肉厚Ｓ２は、ケース本体１の
材質やその肉厚、大きさ等に応じ、防爆の目的を達成し
得る範囲において適宜選択すべきものであり、これは刻
印機等における月形状字体の打刻圧力の調節により所望
寸法に容易に設定し得る処である。

また、同薄皮部分１２を形成するための表示部１１．１
１の平面形状は特定されないが、通常、図示の如く軸方
向に沿った溝状に形成するのが望ましい。

何故ならば、ケース破裂時の実際上の特徴として、周側
面１ａ一部が軸方向に沿ったスリット状に破裂する場合
が最も多く、従って図示の如き表示部１１を形成して、
これに薄皮部分１２・・・・・・を形成しておけば、よ
り確実な防爆効果を期待できるからである。

なお、上記した周側面１ａの凹陥作業および表示事項Ａ
の刻印作業は、通常、ケース本体１内へのコンテ゛ンサ
素子２の装入前に行なう。

また、該両作業は順次連続して行なってもよいし、凹陥
工程時に同時に刻印する手段を採ってもよい。

而して、上記の構成としたコンデンサにおいては、使用
中、コンテ゛ンサ素子２の短絡その他の原因によりガス
が発生し、ケース内圧が防爆作用を発揮すべき大きさま
で上昇した場合、表示部１１．１１に形成した防爆用薄
皮部分１２・・・・・・が他の普通肉厚部分よりも強度
的に脆弱であることによって局部的に破裂し、これによ
り内圧が降下してケース全体の爆発が防止されることと
なる。

このコンテ゛ンサの防爆構造の場合、防爆用薄皮部分１
２・・・・・・をケース本体１の周側面に形成したから
、該薄皮部分１２・・・・・・の破裂時に、機器シャー
シや他の電気部品等に与える影響が最も少なく、従って
、従来の如く端子板に防爆構造を施した場合のような、
薄皮部分の破裂によるシャーシ等の損傷を極力防止でき
る。

また、表示事項Ａ・・・・・・の刻印によって薄皮部分
１２・・・・・・を多数個所に容易に形成できるから、
防爆加工を簡略化し得る上に、ケースの内圧上昇時に必
ずいずれかの薄皮部分１２が破裂して確実に防爆作用を
果すことができる。

しかも、同薄皮部分１２・・・・・・を平坦な表示部１
１に形成したから、該薄皮部分１２・・・・・・の肉厚
寸法を所定の大きさに正確に設定でき、防爆の確実性が
一層高いものとなる。

そして、この表示部１１は、ケース本体周側面１ａへの
プレス加工等により簡単に形成でき、従来の、周側面一
部を切削加工する場合と比較して加工が格段に簡単とな
る。

また、このように平坦部分に刻印する構造によれば、周
側面１ａの曲面に直接刻印する場合と比較して、刻印作
業が遥かに容易となるのである。

さらに、この構造によれば、ケース本体周側面１ａの周
方向多数個所に凹陥形成した表示部１１゜１１によって
、ケース内のコンテ゛ンサ素子２の径方向の動きを規制
できる。

とくに、図示の如く同表示部１１．１１の内面対向間隔
寸法ｌをコンテ゛ンサ素子２の径寸法と略同等に設定す
れば、該同表示部１１゜１１にて素子２を挟持して、こ
れの径方向のガタつきを完全に防止できることとなる。

また、これによりとくに大型のコンデンサにおいてコン
デンサ素子固定のためにケース内に注入されるピッチの
量を大幅に低減することができる。

なお、斯るコンデンサ素子固定効果の点では、表示部１
１をできるだけ周方向多数個所に形成するのが望ましい
が、この表示部１１の形成数は、あくまで防爆効果を優
先して決定すべきであることはいうまでもなく、場合に
よっては一個所のみに形成することも考えられる。

また、−個所のみに形成した場合でも、素子２の径方向
の動きを規制できることに変わりはなく、さらにこの場
合、斯る一個所の凹陥部１０を深く形成することによっ
て、その底面の表示部１１と、これに対向する局側面部
分とでコンテ゛ンサ素子２を挾持せしめるようにするこ
とも可能である。

また、ケース本体周側面１ａにおける同表示部１１の形
成位置も防爆作用を支障なく達成し得る範囲において適
宜選択することができる。

さらに、本考案の場合、通常は上記実施例のように表示
事項すべての文字等の刻印によりその文字と同数の防爆
用薄皮部分を形成するが、場合によっては特定の文字等
のみを他よりも強く、つまり深く刻印することにより防
爆用薄皮部分を形成し、他の文字等は防爆に関係のない
単なる刻印表示にとどめておいてもよく、こうした場合
でも所期の目的は達成できる。

上記のように本考案によれば、ケース本体の周側面適宜
個所を凹陥せしめて形成した平坦な表示部に、コンテ゛
ンサの規格や製造日などの所要表示事項を刻印にて表示
することにより、防爆用薄皮部分を形成したから、従来
品と比較して防爆加工を遥かに簡単となり、かつ、表示
と防爆構造の付設を同時に行ない得ることにより、コン
テ゛ンサの製作能率を向上せしめ得て、大幅なコストダ
ウンを実現することができる。

また、■表示を防爆構造に兼用するから、防爆用薄皮部
分を多数、極く自然に分散して形成できること、■平坦
な表示部に刻印するから、薄皮部分の肉厚を所望寸法に
正確に設定できることの二点により、全製品を通じて一
定した確実な防爆作用を得ることができる。

さらに、防爆用薄皮部分をケース本体の周側面に形成し
たから、端子板の非貫通穴による薄皮部分を形成した従
来品のように、薄皮部分の破裂の影響が機器のシャーシ
や他の電気部品、配線などに及ぶことを極力防止でき、
この点で一層防爆効果が高いものとなる。

その上、本考案によれば、平坦な表示部を形成するため
にケース本体周側面に設けた凹陥部によってケース内の
コンテ゛ンサ素子の径方向の動きを規制でき、あるいは
該凹陥部の数もしくは深さの選択によっては同素子を径
方向に固定することも可能であるから、ケース内におけ
るコンテ゛ンサ素子のガタつきを極力防止することがで
きる。

また、これにより、とくに大型のコンテ゛ンサにおいて
素子固定用のピッチの量を節減できる等、種々の秀れた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は全体概略縦
断側面図、第２図はケース本体の斜視図、第３図は同ケ
ース本体の表示部の拡大縦断正面図である。１・・・・・・ケース本体、１ａ・・・・・・同本体の
周側面、２・・・・・・コンデンサ素子、１０・・・・
・・凹陥部、１１・・・・・・表示部、１２・・・・・
・防爆用薄皮部分、Ａ・・・・・・表示事項。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

円筒状をなすコンデンサケース本体の周側面適宜部分を
凹陥せしめて平坦な表示部を形成し、該表示部にコンテ
゛ンサの規格、製造年月日等の所要事項を刻印にて表示
し、この表示刻印により防爆用薄皮部分を形成してなる
ことを特徴とするコンテ゛ンサ。