JPS5855045Y2 - 合成樹脂製ホイルカバ−の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車用の合成樹脂ホイルカバーの取付構造
の改良に関する。

従来のこの種のホイルカバーの取付構造としては、例え
ば、係止用クリップなど複数の保合片をそれぞれ収容す
る複数の保持体を自動車用の合成樹脂製ホイルカバーの
裏面にそのほぼ同一円周上に通常は一体に設け、前記の
保合片をロードホイルに係着させるものが知られている
。

しかしながら、このような構成の取付構造には次に示す
ような問題点が残されている。

すなわち、係止用クリップなど複数の係合片は弾性的に
撓んだ状態でロードホイルのリム内面等に係着し、もっ
てホイルカバー全体が係合片及び保持体を介してロード
ホイルに保持されるものであるが、この状態において保
持体には常にロードホイルの軸線に向う力が作用するこ
とになり、また、このホイルカバーが高温にさらされる
と、合成樹脂材料特有のコールドフロー現象が生ずるの
で、保持体は軸芯方向に変形しあるいは変位することに
なる。

このような保持体の変形や変位が生ずると、保持体にお
ける係合片の収容部とロードホイルにおける保合片の係
着部との間隙が広がることになり、係止用クリップその
他の保合片の弾性による反撥力が弱まり、ひいてはホイ
ルカバーの保持力を低下させ、極端な場合には自動車の
走行中などにホイルカバーが脱落してしまうようなこと
がある。

高温時においても前記保持体の変形や変位を防止するに
は、ホイルカバーを形成する合成樹脂材料としてガラス
繊維入りの樹脂材料あるいは高級な耐熱樹脂材料を採用
する手もあるが、経済性の点で不利であり、また、ホイ
ルカバー全体の重量が増大してかえって外れやすくなる
こともあって、問題点は未だ完全には解決されていない
。

また、別の例としては、ホイルカバーの裏側にリム内周
面を押し着ける足とディスクの窓縁に引掛ける足とを備
えた取付構造を挙げることもできるが、この例によれば
、ロードホイルのディスクにおける窓の形状、数あるい
は位置が任意に定められているため、該取付構造、殊に
後者の足の設計が限定されることになる。

特に、ディスクにおけるデザインの多様化に伴なってそ
の窓をテ゛イスクの中央寄りに設けたものにあっては、
該取付構造は全く適用できないか、あるいはその採用を
著しく困難にしている。

この考案の合成樹脂型ホイルカバーの取付構造は、上記
の問題点を解決するために提案されたもので゛あって、
ホイルカバーのロードホイルに対する保持を一層確実に
し、かつ、一般グレードの合或附脂材料を用いたホイル
カバーにも適用できるようにすることを目的とする。

そして、この考案は、係止用クリップなど複数の係合片
をそれぞれ収容する複数の保持体を自動車用の合成樹脂
型ホイルカバーの裏面にそのほぼ同一円周上に設け、前
記の各保合片をロードホイルに係着して成る合成樹脂型
ホイルカバーの取付構造において、前記保持体の先端側
に支持部材を突設し、その支持部材の先端部を前記ロー
ドホイルにおけるリム部分とディスク部分との間に形成
された環状溝に係合させたことを特徴とするものである
。

以下図面に示した実施例に基いてこの考案を説明する。

第１図〜第３図において、１はそのほとんどの部分を合
成樹脂材料で皿形状に形成した自動車用のホイルカバー
で、その裏面のほぼ同一円周上には、係止用クリップな
どの係合片２を収容する複数の保持体１１が通常は一体
に設けられる。

この図示例においては、４個の保持体１１がホイルカバ
ー１の本体に対し一体に設けであるが、保持体を別体と
して設けるときは、例えば、その一部を合成樹脂型のホ
イルカバ一本体に埋設しあるいは接着することなどによ
って固定することができる。

図示例の各保持体１１は、ホイルカバ一本体１のリブの
一部をなす内側板１１ａ、両側板１１ ｂ、１１ ｂ、
外側板１１ Ｃ及び底板１１ ｄで囲まれた箱形をなし
、外側板１１ Ｃの底板１１ ｄ寄りに開口部１１ ｅ
を設けたものである。

なお、符号１２はホイルカバー１及び保持体１１に一体
に設けた補強リブである。

一方、図示例において、弾性金属材などで形成される係
止用クリップその他の保合片２は、基板２ａの一端をＵ
字形に折り曲げた折返し部２ｂを有し、折返し部２ｂの
一部には突出部２Ｃが形成され、また、基板２ａの他端
は、自由端が基板２ａから大きく離れるように折返した
張出し板部２ｄに形成され、その自由端近くには係合爪
２ｅ、２ｅを突設したものである。

そして、この係合片２は、折返し部２ｂを基板２ａ方向
に圧しながら箱形の保持体１１内に押し込み、突出部２
Ｃを保持体１１の開口部１１ ｅに係入させることによ
り、保持体１１に固定するもので゛ある。

この考案にあっては、前記保持体１１の先端側にその保
持体１１と別体または一体の支持部材３を突設する。

第１図〜第３図に示す支持部材３は、保持体１１とは別
に設けたものであって、鋼板その他の弾性金属片よす戒
す、平板状基部３ａと平板状先端部３Ｃとの間を折曲げ
部３ｂとして屈曲し全体として階段状に形成されている
。

そしてその基部３ａを係合片２の基板２ａと保持体１１
の内側板１１ ａとの間に圧入して固定し、その先端部
３Ｃを保持体１１の先端側より突出させである。

このような別体の支持部材３は、保持体１１または保合
片２あるいはその両者にねじ、鋲、溶接あるいは接着な
どの手段で結合させることもできる。

第４図には、支持部材３の別の実施例を示す。

この例では、保持体１１は、その形状はやや異なるが、
第１図〜第３図に示す実施例と同じように、合成樹脂型
ホイルカバー１と一体に設けられている。

そして、支持部材３は、ホイルカバー１と保持体１１と
の間の補強リブを兼ね両者と一体に合成樹脂で形成され
、その先端部３Ｃは保持体１１の内側板１１ ａに近接
した部分で外方に突出される。

いずれにしても、各支持部材３は保持体部分に固定され
、その先端部３Ｃはホイルカバー１が装着される後述の
ロードホイル４に向は突出される。

なお、第４図において、第１図〜第３図の符号と同一の
符号で指し示す部材ないし部分は、それぞれ等効の作用
を呈する部材ないし部分を表わしているので、それらの
詳しい説明は省略する。

次に保合片２及び支持部材３を含む合成樹脂型ホイルカ
バー１のロードホイル４に対する装着について説明する
。

第３図あるいは第４図に示すように、ホイルカバー１は
矢印Ａ方向に押圧されてロードホイル４に装着される。

すなわち、各保合片２の張出し板部２ｄがその弾性を利
して押し曲げられロードホイル４のリム部分４ａの内面
に嵌り込み、また係合爪２ｅ、２ｅがリム部分４ａに保
合して、ホイルカバー１の全体がロードホイル４に対し
て係着される。

一方、前記保合片２のロードホイル４に対する係入と同
時に、支持部材３の先端部３Ｃはロードホイル４におけ
るリム部分４ａとディスク部分４ｂとの間に形成された
環状溝４Ｃに係合される。

以上に説明したこの考案の合成樹脂製ホイルカバーの取
付構造によれば、保合片２がそれを収容する保持体１１
に作用する力、すなわち、ホイルカバー１の軸線に向う
方向に作用する力を、支持部材３の存在により、ホイル
カバー側とロードホイル側とで両持的に支えるので、ホ
イルカバー１の材料として通常グレードの合成樹脂材料
を使用できるところとし、材料費の低減により製品のコ
ストダ、ウンが計れる利点がある。

また、支持部材３の先端部３Ｃはロードホイル４の全周
に互って設けられた環状溝４Ｃに係合されるものである
から、係合片２を収容する保持体１１と支持部材３の組
を、円周方向の位置あるいは数に制限を受けることなく
任意に設定することができ、もって、本考案取付構造は
全体として取付強度を重視した自由な設計を可能とする
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案における合成樹脂製ホイルカバーの部
分背面図、第２図はその要部の拡大斜視図、第３図は第
１図に示したホイルカバーをロードホイルに装着した状
態でその要部を中心線に沿って切断して示す拡大縦断側
面図、第４図はこの考案の別の実施例における要部の縦
断側面図である。 １−ホイルカバー、２＝係合片、３−支持部材、４０−
ドホイル、１１＝保持体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．係止用クリップなど複数の係合片２をそれぞれ収容
   する複数の保持体１１を自動車用の合成樹脂製ホイルカ
   バー１の裏面にそのほぼ同一円周上に設け、前記の各保
   合片２をロードホイル４に係着して戊る合成樹脂製ホイ
   ルカバーの取付構造において、前記保持体１１の先端側
   に支持部材３を突設し、その支持部材３の先端部３Ｃを
   前記ロードホイル４におけるリム部分４ａとディスク部
   分４ｂとの間に形成された環状溝４Ｃに係合させたこと
   を特徴とする合成樹脂製ホイルカバーの取付構造。 ２、実用新案登録請求の範囲第１項記載の支持部材３を
   保持体１１と別体に形成したことを特徴とする合成樹脂
   製ホイルカバーの取付構造。 ３、実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の
   支持部材３を弾性金属片で形成したことを特徴とする合
   成樹脂製ホイルカバーの取付構造。 ４、実用新案登録請求の範囲第１項記載の支持部材３を
   保持体１１と一体に形成したことを特徴とする合成樹脂
   製ホイルカバーの取付構造。