JPS5853383Y2 - 建築用板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は天井板あるいは壁板等の建築用板に関するもの
である。

従来、天井板あるいは壁板等の建築用板を施工面に施工
する方法として、ネジ、釘等の固定具により建築用板の
表面より施工面に建築用板を固着する方法、施工面に接
着剤を塗布し建築用板を固着する方法及び前記固定具と
接着剤とを併用して固着する方法等が周知である。

しかしながら、前記固定具を使用する方法及び固定具と
接着剤とを併用する方法にあっては施工後において固定
具の頭部が建築用板の表面に露出して意匠性を著しく損
なうといった欠点があり、また接着剤のみによる方法に
あっては接着剤が硬化するまでの間施工下地へ建築用板
を圧着状態で保持するべく仮止めの必要があり施工性が
劣るといった欠点に加えて、例えば建築用板が石綿けい
酸カルシウム板あるいは石綿セメント板等のようないわ
ゆる表面性状として粉つばさがあるものからなる場合、
建築用板の接着剤への付着が粉により阻害され充分な接
着効果が発揮されず、依って施工に際しては基板表面シ
ーラ一層を形成させて建築用板の表面性状を接着剤が付
着しやすい状態にしなければならないといった欠点があ
った。

これらの欠点を改良すべく、固定具の使用を排した合或
樹脂合浸基板上への両面感圧接着テープの貼着という構
成からなる天井材が実公昭５１１０５７７号において周
知である。

しかしこの天井材においては基板の樹脂含浸部と樹脂未
含浸部との境界部の強度が弱く、外から力が加わった場
合クラックが発生するといった危険性があった。

また、パネルの裏面に接着固定用の金具を接着し、該固
定具のスパイク部を壁面上に盛付けたモルタル等の接着
用塊に押圧して取付けるという構成からなるパネルが特
公昭５４−４５３１号において周知である。

しかしこのパネルもまた次のような欠点がある。

すなわち、パネルの壁面への取付けは壁面上に盛付けら
れた接着用塊に金具のスパイク部を挿入することによっ
て行なわれるため、パネルの接着力はあくまでも壁面と
接着用塊の接着力に全面的に頼らざるをえず、よって施
工後において衝撃が加えられた場合は、接着用塊が壁面
から剥離しひいてはパネルの剥離という結果につながる
危険性を有している。

また、施工に際しても、パネルの確実な取付けは接着用
塊が金具のスパイク部と合致する壁面上に正確に盛付け
られてはじめて達せられるわけであり、そのためには位
置決めの正確性が要求されるとともに作業も複雑となる
。

本考案は前記従来の建築用板の施工法上の欠点及び該施
工法を採る場合には避けられない構造物としての欠点を
排除しうる建築用板の提供を目的とするものであり、基
材裏面の周縁部位に爪を突出させた金属薄片を挿入固着
するとともに、該金属薄片の表面に離型シートを有する
両面粘着テープを貼着した構成を主たる特徴とするもの
である。

以下本考案をその実施の態様を示した図面に基づいて具
体的に説明する。

第１図乃至第３図において、建築用板の基材である石綿
けい酸カルシウム板１の裏面には金属片２の両面に突出
された爪２１’、２１’の一方の爪２１′の挿入により
金属薄片２が固着されている。

また、石綿けい酸カルシウム板１とは反対側の金属薄板
２の表面には、他方の爪２１′が突出される孔６を設け
た離形シート３を有する両面粘着テープ４が接着されて
おり、該両面粘着テープ４と爪２１′とを介して石綿け
い酸カルシウム板１が木造下地５に接着されている。

すなわち、本考案の建築用板によれば基材である石綿け
い酸カルシウム板１と両面粘着テープ４とは金属薄片２
を介して貼着されているから、石綿けい酸カルシウム板
１の粉っぽいといった表面性状は全く問題とならず、両
面粘着テープ４を金属薄片２ひいては石綿けい酸カルシ
ウム板１へ確実に接着することができ、石綿けい酸カル
シウム板１接着面からの剥離脱落といったこともなく、
まして基材表面へのシーラ一層の形成といった処理も不
要となる。

また、石綿けい酸カルシウム板１への金属薄片２の固着
は接着手段を採ることなく金属薄片２に突出させた数個
の爪２１を挿入固着するといった物理的方法を採ってい
るから、ここでもまた基材の粉つぽさといった表面性状
が問題となることもなく強固な固着が可能となり剥離す
ることがない。

また、木造下地５への取付けも、離型シート３を剥して
両面粘着テープ４が木造下地５に達するまで爪２１′を
押圧挿入して固定するものであるから、建築用板は両面
粘着テープ４の接着力と爪２１′の固着力の相剰作用に
よって強固に貼着されるのである。

さらに、本考案の建築用板によれば、施工に際してネジ
、釘等の固定具を用いないから固定具の頭部の露出によ
り意匠性を損じることもなく、かつ施工も離型シート３
を剥し両面粘着テープ４を介して木造下地５へ貼り合わ
せていくだけで良いから仮止めの必要もなく作業性に富
むことは言うまでもない。

要するに、本考案による建築用板は基材と接着剤との付
着力の問題を金属薄片の介在により解消し、併せて基材
と金属薄片との固着及び金属薄片と両面粘着テープとの
接着を強固とした構成からなるため、施工が容易で意匠
性に優れた天井及び壁を提供しうるのである。

前記実施例では建築用板の基材として石綿けい酸カルシ
ウム板のみを示したが、何等これに限定されるものでは
なく、金薄片の爪が挿入されうる材質のものであれば広
く使用できるが、石綿セメント板あるいは石綿パーライ
ト板等のように石綿けい酸カルシウム板と同じような表
面性状を有するものの場合において特に本願考案は有効
である。

また、金属薄片に突出させる爪の数及び該金属薄片の基
材への取付は数等は建築用板の大きさ、あるいは重量等
に応じ適宜変更しうるものである。

前述のように本考案に係る建築用板は従来の建築用板に
おいては避けられない施工法上の難点及び意匠性の問題
を同時に解消した構造からなるものであり、天井板ある
いは壁板等の建築用板としての実用的価値は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の建築用板の一実施例を示す斜視図、第
２図は第１図Ａ−Ａ’線拡大断面図、第３図は第１図及
び第２図に示した建築用板の施工例を示す一部縦断側面
図。 １・・・・・・石綿けい酸カルシウム板、２・・・・・
・金属薄片、２１′・・・・・・爪、３・・・・・・離
型シート、４・・・・・・両面粘着テープ、５・・・・
・・木造下地。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基材裏面の周縁部位に爪を両面に突出させた金属薄片を
   挿入固着するとともに、該金属薄片の表面に離型シート
   を有する両面粘着テープを貼着したことを特徴とする建
   築用板。