JPS5852562Y2 - 車輛用灯具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は照明効果を低下させることなく、リムの成形時
、後処理時等における変形を防止し得るようにした車輛
用灯具に関するものである。

一般に、自動車等の車輛用灯具は、内面が放物面で平滑
な反射面を構成し、バルブを収納する灯具ボディと、こ
の灯具ボテ゛イの開口端に固定されたリムと、このリム
に水蜜性を保って固定され、前記灯具ボテ゛イの開口端
を塞ぐ前面レンズとから構成されている。

前記リムは通常ＡＢＳ等の合成樹脂によって灯具ボディ
の開口端形状と同形の枠形に形成されるため、２つのチ
ャンバーを備えた大型の灯具ボディにあっては、成形時
における樹脂の収縮あるいはメッキ等の後処理工程にお
ける熱により反ったり、ねじれたりして変形しやすく、
このため前面レンズを的確に固定できないという欠点が
あった。

また、前面レンズの中央部分をリムに固定しようとする
と、リム側に灯具ボディの開口を横断するブリッジを設
ける必要があるが、このようなブリッジはリム自体を補
強し変形を防止する上で有効であっても、照明時にバル
ブからの光を遮断するため、前面レンズに影の部分が生
じて該レンズを２つに分割し、１つのチャンバー２つの
チャンバーか区別がつかなくなるという不都合があった
。

このため、通常補強を兼ねたこの種のブリッジを形成す
ることはタブー視されている。

本考案はこのような通念を打ちゃぶつ上述した従来の不
都合を一挙に解決すべくなされたもので、リムに断面が
略逆Ｖ字状で表面が反射面を形成する補強兼反射用のリ
ブを一体に形成するという極めて簡単な構成により、配
光性、照明効果に何ら悪影響を及ぼすことなくリムの成
形時等における変形を防止し得るようにした車輛用灯具
を提供するものである。

以下、本考案を図面に示す実施例により詳細に説明する
。

第１図は本考案に係る車輛用灯具の一実施例を示す縦断
面図、第２図は一部破断分解斜視図である。

これらの図において、符号１で示すものはポリプロピレ
ン等の絶縁性に優れた合成樹脂によって一体に形成され
た灯具ボディで、この灯具ボディ１は横長枠状に形成さ
れた前面２と、背面が長手方向略中央部において互いに
接続する２つの凹状に彎曲した彎曲面３Ａ、３Ｂを形成
し、上下面が平坦面に形成された１つのチャンバー４と
から構Ｊｔされ、図示しない車体フレームに強固に固定
されている。

前記彎曲面３Ａ、３Ｂの内面に正確な放物面になるよう
に平滑に製造され、これに高純度のアルミニュームを真
空蒸着して反射面５，５をそれぞれ形成している。

前記彎曲面３Ａ、３Ｂの中央部にはバルブ挿入用の開口
部６，６が形成されると共にこの開口部６，６の周縁部
にバルブ固定用の立上り壁７，７が一体に突設されてい
る。

前記灯具ボディ１内に収納配置されるバルブ８，８はそ
れぞれチャンバー４の背面から前記立上り壁７，７に挿
入され、適宜な係止手段あるいは取付用金具（図示せず
）によって着脱可能に固定されている。

９はＡＢＳ等の合成樹脂によって枠状に形成されたリム
で、このリム９は前記前面２とほぼ同じ大きさに形成さ
れることにより該前面２に接着剤、止めねじ等により固
定され、このリム９を介してアクリル樹脂等の透光性を
有する合成樹脂によって形成された前面レンズ１０の周
壁部１０ａが図示しないシール部材、接着剤等により水
密性を保って固定されている。

このため、前記リム９の表面には前記周壁部１０ａの先
端が嵌合する溝１１が全周に亙って形成されている。

また、このリム９の相対向する１対の長辺１２ ａ 、
１２ ｂはその略中央部においてリブ１３により連結さ
れている。

前記リブ１３は断面形状が略逆Ｖ字状で、前記２つの彎
曲面３Ａ、３Ｂの接続部１４の上方に位置して設けられ
、その表面、す、なわち斜面１３ ａ 、１３ ｂは前
記反射面５．５を形成している放物線１５とほぼ合致す
る曲面に形成されかつメッキ、アルミニュームの蒸着等
により反射面を形成している。

なお、１６は後続車輛からの光を反射、散乱させるリフ
レクタである。

かくしてこのような構成による車輛用灯具によれば、横
長枠形に形成されたリム９は長辺１２ａ。

１２ｂの略中央部に設けられたリブ１３によって補強さ
れているので、成形時における収縮、その後の処理工程
における熱等による変形が少なく、寸法精度の高いもの
を得ることができる。

また、バルブ８．８による照明等にはリブ１３の斜面１
３ａ、１３ｂ、すなわち反射面で光１７を前面レンズ１
００面と直交する方向に反射させてこれを前記前面レン
ズ１０の該リブ１３と対応する部分に導くので、前面レ
ンズ１０にリブ１３による影の部分が生じることはなく
、シたがって灯具の配光性、照明効果に何ら悪影響を及
ぼすことはない。

さらに、このようなリブ１３を設ければ、前面レンズ１
０の固定にも有効である。

すなわち、第３図に示すように前面レンズ１０の内側に
固定用ボス１８を垂設し、これをリブ１３に熱かしめ、
止めねじ等により連結すると、より強固に前面レンズ１
０を固定できる。

なお、上記実施例は反射面５，５を同一の放物面に形成
した場合について説明したが、本考案はこれに限定され
るものではなく、放物面の焦点距離が異なるものに対し
ても有効である。

この場合、リブの断面形状は左右対称にならないが、リ
ムの補強機能を何ら損なうことはない。

以上説明したように本考案に係る車輌用灯具によれば、
灯具ボディの開口端に固定されて前面レンズを固定する
リブに前記灯具ボディの開口を横断する断面略逆Ｖ字状
のリブを一体に形成して補強したので、成形時における
収縮、反り、ねじれ、後処理工程における変形等を防止
し、品質を向上させることができる。

また、リブの表面を灯具ボディの反射面とほぼ一致する
放物面とし、かつメッキ等を施して反射面に形成してい
るので、該リブによる影が前面レンズに生じる虞れがな
く、配光性、照明効果の良好な灯具を得ることができ、
特に大型の反射面を有する灯具に実施して好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車輛用灯具の一実施例を示す縦断
面図、第２図はその分解斜視図、第３図は本考案の他の
実施例を示す要部断面図である。 １・・・・・・灯具ボテ゛イ、５・・・・・・反射面、
８・・・・・・バルブ、９・・・・・・リム、１０・・
・・・・前面レンズ、１３・・・・・・リブ、１３ａ。 １３ｂ・・・・・・傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 灯具ボディの開口端にリムを介して前面レンズを固定し
   た車輛用灯具において、前記リムに断面形状が略逆Ｖ字
   状で前記開口端を横断するリブを一体に連設し、このリ
   ブの表面を反射面に形成したことを特徴とする車輌用灯
   具。