JPS634327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、車両用灯具の分野に利用できるも
のである。

（従来の技術） 従来、リフレツクスリフレクタを内蔵した車両
用灯具があり、第３図に示すように、アウターレ
ンズａの一部にリフレツクスリフレクタｂを一体
成形する構造のものと、別体に形成したリフレツ
クスリフレクタｃをアウターレンズａの内側に形
成したリブｄに取付ける構造のものとがある。

前者は、一体成形タイプと称されるが、前記の
２つのリフレツクスリフレクタｂ，ｃをアウター
レンズａと一体成形するための金型が複雑とな
り、特にサイド用のリフレツクスリフレクタｃの
部分がアンダーカツトとなるため、スライドコア
を必要とする等の製造上の難点がある。また、ア
ウターレンズａの端部が傾いていると、傾斜型の
リフレツクスリフレクタとなるので、リフレツク
スリフレクタの素子の向きを角度補正する必要が
あり、設計及び製造上きわめて複雑となる。

一方、後者のフイルタータイプの場合には、リ
フレツクスリフレクタｃをリブｄに超音波溶着す
る工程が面倒であり、リヤ用とサイド用の２つの
リフレツクスリフレクタを取付ける場合には、超
音波溶着工程が２回必要となる。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記従来の問題点を解決するために
なされ、１つのリフレツクスリフレクタによりリ
ヤ用とサイド用の２つのリフレツクスリフレクタ
の作用をなし、しかもその取付けが容易な車両用
灯具を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 従来の問題点を解決するために、本考案はラン
プハウジングに、リフレツクスリフレクタを、そ
の表面がランプの光軸と直角方向をなすようにし
て固定し、このリフレツクスリフレクタの前面側
に透過孔を多数形成した平面反射鏡を、前記光軸
に対し45゜の角度をなすようにして配置し、かつ
この平面反射鏡を包囲するランプのアウターレン
ズ部分をノーカツトとした手段を要旨とするもの
である。

（作用） 前記透過孔を多数形成した平面反射鏡により、
ランプの正面側から入射した外部光は、リフレツ
クスリフレクタで反射して再び正面側に反射さ
れ、ランプの側方から入射した外部光は、平面反
射鏡で反射すると共にリフレツクスリフレクタで
再反射し、その反射光が平面反射鏡で再度反射し
て側方に照射される。従つて、１つのリフレツク
スリフレクタで、リヤ用とサイド用の２つの反射
機能を発揮させることができる。

（実施例） 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
ると、第１図において１はリフレツクスリフレク
タであり、ランプハウジング２の取付部２ａに固
定され、その表面はランプの光軸Ｌと直角方向を
なすようにしてある。３は多数の透過孔３ａを形
成した平面反射鏡であり、その反射面３ｂが前記
リフレツクスリフレクタ１の方を向き、かつ前記
ランプの光軸Ｌと45゜の角度をなすようにして、
アウターレンズ４とランプハウジング２との間に
配置されている。そして、アウターレンズ４は、
バルブ５に面する側即ち正面部４ａのみ魚眼カツ
トが施され、前記平面反射鏡３を包囲する傾斜端
部４ｂ及び側部４ｃはノーカツトとなつている。
なお、２ｂはランプハウジング２に形成された仕
切壁であり、６はアウターレンズ４の正面部４ａ
の内側に設けられたインナーレンズである。

本考案に係る灯具は、上記のように構成されて
いるので、リヤ用とサイド用の２つのリフレツク
スリフレクタ機能を発揮することができる。即
ち、アウターレンズ４の傾斜端部４ｂ側から入射
した外部光Ｒは、前記平面反射鏡３の透過孔３ａ
を通過してリフレツクスリフレクタ１に至り、こ
こでの反射光が再び透過孔３ａ、傾斜端部４ｂを
通過して外部に放射される一方、アウターレンズ
４の側部４ｃから入射した外部光Ｓは、平面反射
鏡３の反射面３ｂで反射されると共にリフレツク
スリフレクタ１に至り、ここで反射された光線が
逆行して再びアウターレンズ４の側部４ｃから外
部に放射されるからである。

この場合、平面反射鏡３の透過孔３ａは、アウ
ターレンズ４の形状、リフレツクスリフレクタ１
の形状等により、その孔径や数、位置を適当に変
化させるが、通常は透過率が50％程度となるよう
に設定される。また、リフレツクスリフレクタ１
の可視範囲は、ランプの光軸Ｌに対して左右20゜、
ランプの光軸と直角方向の軸L′に対して左右20゜
あれば、各国の規格を満足させることができる。

第２図は、本考案の他の実施例を示すもので、
前記ランプハウジング２の仕切壁２ｂの代りに、
表面に魚眼カツト、内面にフレネルカツトがそれ
ぞれ設けられた第２のインナーレンズ７を配置
し、前記平面反射鏡３の両面を反射面３ｂ，３ｃ
に形成した点が先の実施例とは異なり、他の構成
部材は同じであるから先の実施例と同一の符号を
付してある。この実施例の場合には、ランプ点灯
時に、アウターレンズ４の傾斜端部４ｂ及び側部
４ｃをも発光面とすることができる。即ち、バル
ブ５が点灯すると、前記第２のインナーレンズ７
で集光された光線のうち、平面反射鏡３の反射面
３ｃで反射された光線Ｘは、ランプの光軸Ｌと平
行となつて傾斜端部４ｂから照射され、一方平面
反射鏡３の透過孔３ａを通過した光線Ｙは、その
まま直進して側部４ｃから照射されるからであ
る。そして、光線ＸとＹとの比率は、平面反射鏡
３の透過率を50％に設定しておけば１：１とな
る。

この実施例においても、リヤ用及びサイド用の
２つの反射器機能を有するのは、前記実施例と全
く同様である。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、ランプ
に内蔵した１個のリフレツクスリフレクタによ
り、リヤ用及びサイド用の２つの反射器作用をな
すことができ、従来のようにアウターレンズと一
体にリフレツクスリフレクタを成形することに起
因する複雑な金型の成形、及びリフレツクスリフ
レクタをアウターレンズの内側にリブを介して超
音波溶着する面倒な取付作業が不要となり、設計
及び製造上すぐれた効果を奏する。本考案の場合
は、ランプハウジングのフラツト面にリフレツク
スリフレクタを固定するのでその取付けがきわめ
て容易である。

さらに、ランプ部と反射器部との境に第２のイ
ンナーレンズを配置することにより、従来非発光
面であつた反射器部をも有効発光面とすることが
でき、視認性を著しく向上させる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例を示す要部の概略断
面図、第２図は、本考案の他の実施例を示す要部
の概略断面図、第３図は、従来例を示す説明図で
ある。 １……リフレツクスリフレクタ、２……ランプ
ハウジング、３……平面反射鏡、３ａ……透過
孔、４……アウターレンズ、５……バルブ、６…
…インナーレンズ、７……第２のインナーレン
ズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランプハウジングに、リフレツクスリフレクタ
   を、その表面がランプの光軸と直角方向をなすよ
   うにして固定し、このリフレツクスリフレクタの
   前面側に、透過孔を多数形成した平面反射鏡を、
   前記光軸に対し45゜の角度をなすようにして配置
   し、かつこの平面反射鏡を包囲するランプのアウ
   ターレンズ部分をノーカツトとしたことを特徴と
   する車両用灯具。