JPH0119284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車輛用灯具に係り、さらに詳しく述べ
ると、ハウジングの放物面の一部にバルブ取付部
を形成した車輛用灯具に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種の車輛用灯具は、第１図に示すよ
うに、ハウジングａの前面開口部にレンズｂを配
設すると共に、そのレンズｂの一部に前方からの
光を再帰反射させる再帰反射器ｃを設けている。
前記ハウジングａは、その内面が放物面をなして
いて、バルブｄからの放射光を光軸と平行光線と
して出射するようになつているが、バルブｄを取
付ける為、放物面部a′の一部を切欠いて後方に延
長した筒状バルブ取付部ｅを設けている。なお、
前記再帰反射器ｃの背面にはベースｆを固着して
再帰反射素子に塵埃などが付着しないようにして
いる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記に示す従来例は、ハウジングａ
の一部にバルブ取付部ｅを形成しているので、該
部には放物面部a′が欠落しており、このため、バ
ルブ取付部ｅに相当する面積分はバルブｄからの
光を前方に光軸と平行に反射させることができ
ず、光学設計上有効とする光線が得られない部位
が存在するという問題がある。なお、バルブｄか
らの直射光は前記の部位にも入射するが、レンズ
ｂには光軸と平行光を所望の配光特性になるよう
に制御するプリズム（図示を省略した）が形成さ
れているので、前記の直射光は配光特性上は非有
効光線である。

本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善
し、バルブ取付部のために光学設計上有効な光線
が得られなかつた部位に有効な光線を入射させ、
これにより配光性能を向上させることができる車
輛用灯具を提供せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、再帰反射器に固着されているベース
を利用し、該ベースにハウジングのバルブ取付部
と対向する位置まで張り出す延長板を一体に形成
すると共に、その延長板にバルブからの直線光を
光軸と平行に屈折させるプリズムを形成したこと
を特徴とする。

〔作用〕

本考案は、前記の如き構成よりなるので、バル
ブからの直線光が延長板のプリズムによつて光軸
と平行な光線となつてレンズに入射し、これによ
り灯具の配光性能を向上させることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の詳細を第２図乃至第５図につい
て説明する。第２図乃至第５図は本考案による車
輛用灯具をリヤーコンビネーシヨンランプに適用
した一実施例を示している。

この実施例の灯具は、ハウジング１と、該ハウ
ジング１の前面に配設したレンズ２と、前記ハウ
ジング１のバルブ取付部１１に取付け、かつ灯室
４内に配置したバルブ３と、前記レンズ２の一部
に形成した再帰反射器５と、該再帰反射器５の背
面に固着されたベース６とを備えている。

前記ハウジング１は、前面を開口させた箱形を
なしており、その内面に前記バルブ３からの光を
光軸Ｘと平行光線として前方に反射させる為の放
物面１２を形成すると共に、該放物面部１２の奥
部にバルブ取付部１１を形成している。またハウ
ジング１にはハウジング１′を一体に形成させ、
該ハウジング１′の内面に放物面部１２′及びバル
ブ取付部１１′を形成している。前記レンズ２は、
各々がハウジング１及び１′の前面開口部を塞ぐ
ため、その周囲に形成した脚部２１をハウジング
１及び１′の開口部周縁に形成した溝１３，１
３′に挿入して接着剤７によつて取付けている。
なお、２つのレンズ２，２が互いに隣接する脚部
はありぼそ嵌合していて、ハウジング１とハウジ
ング１′との間の灯室仕切溝１４に取付けられて
いる。

前記バルブ３はホルダー８を介してバルブ取付
部１１，１１′に取付けることにより、各ハウジ
ング１，１′と各レンズ２，２によつて画成され
た灯室４内に配設されている。前記再帰反射器５
は、前方からの光を再帰反射するものであつて、
レンズ２の一部にレンズ２と一体に形成されてい
る。前記ベース６は、透明な合成樹脂からなる板
体であつて、再帰反射器５の内面周囲に突設した
周縁部５１に対し超音波溶着等によつて固着さ
れ、これにより灯室４内に侵入した塵埃等が再帰
反射器５の反射素子に付着するのを防いで、再帰
反射機能が損われないようにしている。

本考案においては、前記ベース６と一体にハウ
ジング１のバルブ取付部１１と対向する位置まで
張り出す延長板６１を形成し、その延長板６１に
プリズム６２を形成する。すなわち、延長板６１
は、ベース６の一端に形成した立下げ部６３の先
端に、前記バルブ取付部１１及びバルブ３と対向
する位置まで、かつベース６と平行に延長して形
成され、その延長板６１の背面に、バルブ３から
の直射光を光軸Ｘと平行に屈折させるプリズム６
２を形成させている。

本考案の車輛用灯具は、前記の如く、再帰反射
器５のベース６にバルブ取付部１１と対向する位
置まで張り出す延長板６１を形成すると共に、そ
の延長板６１にバルブ３からの直射光を光軸Ｘと
平行にするプリズム６２を形成したので、バルブ
３からの直射光は、第５図に示す如く、光軸Ｘと
平行に屈折してから延長板６１を透過してレンズ
２に入射する。このため、バルブ取付部１１の前
方のレンズ面にも有効光線を入射させてそれだけ
配光特性を向上させることができる。また、本考
案においては、ベース６にバルブ取付部と対向す
る位置まで張り出す延長板６１を一体に形成した
ので、ベース６を再帰反射器５の背面に固着すれ
ば延長板６１が前記の如く機能し、かつ、延長板
取付けのための余分な工程や部品を必要としな
い。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、ハウジン
グの放物面部の一部にバルブ取付部を設けている
にもかゝわらず配光特性を向上させることができ
ると共に、そのために余分な工程や部品を必要と
しない利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車輛用灯具の一例を示す断面
図、第２図は本考案による車輛用灯具をリヤーコ
ンビネーシヨンランプに適用した一実施例を示す
正面図、第３図は第２図の矢視図、第４図は第
２図の−線断面図、第５図は要部を拡大した
説明図である。 １……ハウジング、１１……バルブ取付部、１
２……放物面部、２……レンズ、３……バルブ、
４……灯室、５……再帰反射器、６……再帰反射
器のベース、６１……延長板、６２……プリズ
ム、Ｘ……光軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内面に放物面部及びバルブ取付部を有するハウ
   ジングと、該ハウジングの前面開口部に配設した
   レンズと、前記バルブ取付部に取付けて灯室内に
   配置したバルブと、前記レンズの一部に形成した
   再帰反射器と該再帰反射器の背面に固着したベー
   スとを備えた車輛用灯具において、前記ベースの
   一端にバルブ取付部と対向する位置まで張り出す
   延長板を一体に形成すると共に、その延長板にバ
   ルブからの直射光を光軸と平行に屈折させるプリ
   ズムを形成してなることを特徴とする車輛用灯
   具。