JPH0347202Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〓産業上の利用分野〓 本考案は、自動車など車両に設けられる前照灯
に係るものである。

〓従来の技術〓 従来のこの種の車両用前照灯２１を示すものが
第３図であり、主として回転放物面の反射鏡２２
の焦点距離Ｆ３の位置に電球２３のフイラメント
２３ａが略一致するように電球取付部２４を前記
反射鏡２２底部に設けたものである。この様に構
成したことで前記フイラメント２３ａから放射さ
れる光線は前記反射鏡２２の先端から前記電球取
付部２４までの有効角α２の範囲がこの車両用前
照灯２１の照射光として利用されるものとなり、
他の部分に放射される光線は全て無効とされ利用
されることはない。

尚、図示は省略するが前記反射鏡２２を覆う適
宜なレンズカツトが施された前面レンズが設けら
れ配光特性が調整されるものである。

〓考案が解決しようとする問題点〓 しかしながら、近来自動車の性能向上などに伴
ない車両用前照灯２１は益々明かるいものが要求
される一方で、搭載する機構の増加などにより小
形化、薄形化も要求されるという相反する状態に
あり、例えば前記焦点距離Ｆ３を延長して薄形化
を計るときには前記で説明した有効角α２が狭く
なり照射光も減少して暗くなり前記の要求を満た
すことが出来ず、この理由により要求される照射
灯が得られないと云う問題点を生ずるものとなつ
ていた。

〓問題点を解決するための手段〓 本考案は前記した従来の問題点を解決するため
の具体的手段として、反射鏡底部に設けられた電
球取付部と、この電球取付部に取付けられた電球
とで成る車両用前照灯において、前記電球の前方
には該電球からの光線を前記電球取付部に向けて
略平行光線として反射する補助反射鏡が設けら
れ、前記電球取付部にはこの電球取付部を覆い鉛
直線に沿う頂角を持つ山形に組合わされた平面鏡
が設けられていることを特徴とする車両用前照灯
を提供することで、前記した双方の要求を同時に
満たせるようにして、前記従来の問題点を解決す
るものである。

〓実施例〓 つぎに、本考案を図に示す一実施例に基づいて
詳細に説明する。

第１図、第２図に符号１で示すものは本考案に
よる車両用前照灯であり、この実施例では反射鏡
２の焦点距離Ｆ１を従来の反射鏡２２（第１図中
に鎖線で示す）の焦点距離Ｆ３に対し（Ｆ１＞Ｆ
３）とすることで厚さＳだけ薄形化した例で示し
てある。

この車両用前照灯１には従来例で説明したのと
同様に反射鏡２の底部には電球３を取付けるため
のソケツトなどの電球取付部４が設けられた構造
とされているが、本考案により前記電球３の前方
には該電球３の走行ビーム用フイラメント３ａを
焦点とする焦点距離Ｆ２の回転放物面の補助反射
鏡が後ろ向きに設けられ、略平行光線を前記電球
取付部４に向かい反射するものとされている。

更に前記電球取付部４にはこの電球取付部４を
覆うようにし、且つ頂角をこの車両用前照灯１の
鉛直線に沿うように山形に組合わせた二面の平面
反射鏡６ａ，６ｂが設けられている。

ここで、補助反射鏡５と平行反射鏡６ａ，６ｂ
について更に詳細に説明すると、前記補助反射鏡
５の設ける位置は前記走行ビーム用フイラメント
３ａ（正確には焦点）と反射鏡２の先端とを結ぶ
線Ｐよりも前方であり、且つこの線Ｐに出来るだ
け近接していることが好ましく、また直径Ｄは前
記反射鏡２を無効としている前記電球取付部４の
径と略一致させることが好ましく、このように形
成することで補助反射鏡５は前記反射鏡２からの
反射光、即ちこの車両用前照灯１の照射光を損う
ことのないものとすると同時に、前記走行ビーム
用フイラメント３ａからの直射光を遮蔽するフー
ドの用も成すものとなる。一方、平面鏡６ａ，６
ｂは山形に組合わされ第２図に示すように偏角θ
だけ左および右に傾斜され、少なくとも前記補助
反射鏡５からの反射光が再度この補助反射鏡５に
戻り当接することのないようにされるものであ
る。

このように車両用前照灯１を構成したことで、
本考案の車両用前照灯１は反射鏡２により有効な
照射光として反射される有効角α１の範囲の光線
に加えて、前記補助反射鏡５により反射する補助
有効角βの範囲の光線も有効な照射光として利用
できるものとなる。

尚、この実施例では説明が複雑なものとなるこ
とを避けるために前記走行ビーム用フイラメント
３ａのみと限定して説明したが、実際の車両用前
照灯１にはすれ違いビーム用フイラメント３ｂも
あり、前記補助反射鏡５を設けるにあたり焦点の
位置をいずれを選択しても本考案の要旨は損われ
るものでなく、要はいずれのフイラメント３ａ，
３ｂに、より高い本考案の効果を期待するかの設
計上の選択の自由の範囲のことである。

〓考案の効果〓 以上に説明したように、本考案により電球の前
方には電球からの光線を電球取付部に向けて略平
行光線として反射する補助反射鏡が設けられ、前
記電球取付部にはこの電球取付部を覆い鉛直線に
沿う頂角を持つ山形に組合わされた平面鏡が設け
られている車両用前照灯としたことで、本来の反
射鏡により生ずる照射光に加えて前記補助反射鏡
の反射光も照射光として使用できるようにして前
記電球からの光線の利用効率を向上させ、例えば
薄形化しても明かるい車両用前照灯の提供を可能
とし、以て近来要求される車両用前照灯を実現す
ると云う優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用前照灯の一実施例
を示す断面図、第２図は同じ実施例の要部を示す
斜視図、第３図は従来例を示す断面図である。 １……車両用前照灯、２……反射鏡、３……電
球、３ａ……走行ビーム用フイラメント、３ｂ…
…すれ違いビーム用フイラメント、４……電球取
付部、５……補助反射鏡、６ａ，６ｂ……平面
鏡、α１……有効角、β……補助有効角、θ……
偏角、Ｆ１，Ｆ２……焦点距離。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 反射鏡底部に設けられた電球取付部と、この電
   球取付部に取付けられた電球とで成る車両用前照
   灯において、前記電球の前方には該電球からの光
   線を前記電球取付部に向けて略平行光線として反
   射する補助反射鏡が設けられ、前記電球取付部に
   はこの電球取付部を覆い鉛直線に沿う頂角を持つ
   山形に組合わされた平面鏡が設けられていること
   を特徴とする車両用前照灯。