JPH0612562Y2 - 車両用灯具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、信号および標識灯などの車両用灯具に関す
る。

《従来の技術》 自動車の信号および標識用ランプ類には、車体前部に配
設されるフロントターンシグナルランプ，クリアランス
ランプ，パーキングランプ、車体後部に配設されるリヤ
ターンシグナルランプ，テールランプ，ストップラン
プ，バックアップランプ、車体側部に配設されるサイド
ターンシグナルランプなどがある。これらのランプは、
別々の機能を有しそれぞれの配光性能を満足させるため
に、車体に対し独立したまたは組み合わせた状態で配設
され、基本的には、ハウジングとレンズとで灯室を画成
し、灯室内に１つのランプバルブを配設して車体に装着
されている。リヤコンビネーションランプのように、同
じ赤色のテールランプとストップランプとを１つの灯室
内に構成し、これをターンシグナルランプ，バックアッ
プランプなどと一体に組み合わせて構成したものは、灯
具の軽量化並びにコストの低減化を図ることができる。

《考案が解決しようとする課題》 ところで、フロントターンシグナルランプとサイドター
ンシグナルランプにおいてもこれを一灯具構成にして灯
具の軽量化並びにコストの低減化を図ったものがある。
これは、ハウジングとレンズとで灯室を画成し、灯室内
にランプバルブを設け、車体の前側コーナー部に装着す
ることで、ランプバルブから発した光を前方および側方
並びに後側方に照射させるようにしたものである。しか
しながら、ランプバルブを１つ用いただけでは所定の異
なる３方向特に後側方への配光を十分に得ることが困難
で、一般的には、２つのランプバルブを用いるかまたは
それぞれ独立した灯具として配設されている。

そこで、本考案は、一灯室内に配設された１つの光源で
異なる機能の灯具、例えばフロントターンシグナルラン
プとサイドターンシグナルランプとをそれぞれの配光性
能を十分に満足させて一体構成にすることができる車両
用灯具を提供することを目的とする。

《課題を解決するための手段》 前述した問題点を解決するために、本考案による車両用
灯具は、車体のコーナー部に配設されるべく一側部に立
壁を有するとともに前面に幅広の開口を有するランプボ
デーと、前記ランプボデー内に配設されるランプバルブ
および前記ランプバルブを包囲する透明の着色キャップ
と、前記ランプボデーの開口部に接合されるレンズとを
備え、前記着色キャップの外側外周面の一部に前記ラン
プバルブから発した光を受けて後側方に向けるプリズム
を形成するとともに該プリズムに対向する内側外周面ま
たは内側内周面の一部に前記立壁に対向して前記ランプ
バルブからの光を前記プリズムに向けて反射させる反射
面を設けたことを特徴とする。

《作用》 ランプバルブから発した光は、透明の着色キャップを通
じて着色光に変わり、レンズを通じ前方および側方に向
けて拡散され、同時にランプバルブからの直接光および
着色キャップの内側外周面または内側内周面に設けた反
射膜による反射光を着色キャップの外側外周面に形成さ
れたプリズムで後側方向に向けて出射する。

《実施例》 第１図には、本考案による車両用灯具の一実施例が示さ
れている。

この車両用灯具１は、車体の前側コーナー部にその外形
ラインに沿って装着されるもので、前面に開口２を有す
るランプボデーであるハウジング３と、このハウジング
３内に配設されるランプバルブ４およびこれを包囲する
透明のアンバーキャップ５と、ハウジング３の前面に接
合されるレンズ６とを備えている。

ハウジング３は、合成樹脂で一体成形されて、前面の開
口２を車体のコーナー部に沿う、すなわち、車体の前部
から側部にかけて回り込むべく、一側部に立壁部３１を
有して幅広に形成され、またその開口２周縁部には溝部
７が形成されている。また、その後部には、前方に対向
する放物面状に形成された主反射鏡８を有し、その中央
部に凹部９が設けられてその中心部にソケット取付穴１
０が形成されている。さらにまた、凹部９の全周縁には
外側半部を低くしたアンバーキャップ５を嵌入配置する
ための凹段部１１が形成され、その上部にねじ穴１２が
凹状に形成されている。

ランプバルブ４は、ハウジング３の後部ソケット取り付
け穴１０に取り付けられるソケット１３に挿着されてハ
ウジング３内に保持されている。

アンバーキャップ５は、ハウジング３内に保持されたラ
ンプバルブ４全体を包囲する前面を塞いだ円筒形をな
し、後端部がハウジング３の凹段部１１に沿う段形状に
形成され、その一部にハウジング３のねじ穴１２に対応
するねじ挿通部１４が突設されている。また前面には、
裏面側にフレネルプリズム１５を形成し表面側に光軸に
対して横方向に円形状に配列したシリンドリカルレンズ
１６が形成され、外側外周面の一部には、受けた光を側
方に平行に屈折させる屈折系のフレネルプリズム１７が
四角形状に形成され、さらにこれに対向する内側外周面
の前側の一部には前記ハウジング３の立壁部３１に対向
する反射膜１８となる反射テープを貼着されている。そ
して、ランプバルブ４を覆った状態で後端部をハウジン
グ３の凹段部１１内の形状に合わせて嵌入配置され、ね
じ挿通部１４を挿通させたねじ１９をハウジング３のね
じ穴１２に螺着することにより取り付けられる。

レンズ６は、車体の前側コーナー部の外形ラインに沿っ
て形成され、裏面には、縦方向に配列されたシリンドリ
カルレンズ２０が形成され、また、後側後端部に前述し
たアンバーキャップ５の屈折系フレネルプリズム１７に
より後側方に屈折された光を受けてこれをさらに後側方
に屈折させる屈折系プリズム２１が形成されている。そ
して、レンズ６の周縁全体に設けられた脚部２２をハウ
ジング３の開口２周縁の溝部７内に挿入され、ホットメ
ルトのようなシール剤２３（第２図参照）により接合さ
れている。

この車両用灯具１において、ランプバルブ４から発した
光は、アンバーキャップ５を通じて橙色光に変わり、第
２図に示すように、一部はアンバーキャップ５の前面の
フレネルプリズム１５で平行光化されてシリンドリカル
レンズ１６により上下方向に拡散され、他の一部はその
ままアンバーキャップ５を透過して、ハウジング３の主
反射鏡８に反射されて平行光化された橙色光とともに、
前面側レンズ６のシリンドリカルレンズ２０を通じて前
方および側方に向け左右方向に拡散されて出射する。同
時に、アンバーキャップ５の外側外周面の屈折系フレネ
ルプリズム１７に入射したランプバルブ４からの直射光
および反対側の反射膜１８からの反射光は、このプリズ
ム１７によって後側方に向けて平行に屈折され、これが
側面側レンズ６の屈折系プリズム２１によりさらに後側
方に屈折されて出射する。

このように、この灯具は、１つの光源でフロントターン
シグナルランプとしての配光とサイドターンシグナルラ
ンプとしての配光とを同時に満足させることができると
ともに、特に、ランプバルブ４から発した内側方向への
光を、アンバーキャップ５の内側外周面の反射膜１８に
より、その反対側の外側外周面の屈折系フレネルプリズ
ム１７に向けて反射し、ランプバルブ４の直接光ととも
に後側方に向けて出射するので、ハウジング３内側方へ
の無効光の有効化による光量の増大が図られ、サイドタ
ーンシグナルランプに要求される後側方への十分な配光
を得ることができる。

なお、この実施例では、反射膜１８に反射テープを用い
たが、これに代えてホットスタンプや蒸着により設ける
ことができる。また、反射膜１８をアンバーキャップ５
のフレネルプリズム１７に対向する内側内周面に設けて
もよく、同様の作用効果を得ることができる。

《考案の効果》 以上のように、本考案による車両用灯具によれば、車体
のコーナー部に配設されるべく一側部に立壁を有すると
ともに前面に幅広の開口を有するランプボデーと、前記
ランプボデー内に配設されるランプバルブおよび前記ラ
ンプバルブを包囲する透明の着色キャップと、前記ラン
プボデーの開口部に接合されるレンズとを備え、前記着
色キャップの外側外周面の一部に前記ランプバルブから
発した光を受けて後側方に向けるプリズムを形成すると
ともに該プリズムに対向する内側外周面または内側内周
面の一部に前記立壁に対向して前記ランプバルブからの
光を前記プリズムに向けて反射させる反射面を設けたの
で、１つの光源で、同時に異なる３方向、すなわち前方
および側方並びに後側方に配光することができ、例え
ば、フロントターンシグナルランプ機能としての配光と
サイドターンシグナルランプ機能としての配光とを同時
に満足させることができる。特に、ランプバルブから発
した光の着色キャップ内側外周面または内側内周面に設
けた反射膜による反射光が、着色キャップの外側外周面
のプリズムによりランプバルブの直接光とともに後側方
に向けて出射されるので、後側方への充分な光量を得る
ことができ、視認性を大幅に向上させることができる。
また、各機能を１つの灯具に構成することができ、灯具
の軽量化、コストの低減化を図ることができることは勿
論である。

また、ランプボデーの一側部に設けた立壁部は、ランプ
バルブより光が出射されても、所謂無効反射部となるの
であるが、着色キャップにおける立壁部に対向する位置
に反射面を設けたため、この反射面によって、ランプバ
ルブより立壁部に出射される光を反射光として有効に利
用し、着色キャップの外側外周面のプリズムに配光し、
ランプバルブの直接光とともに後側方に向けて出射され
るので、後側方への充分な光量を得ることができ、視認
性を大幅に向上させることができる。

また、反射面を着色キャップの内側外周面または内側内
周面の一部に設けたため、ハウジングの後方に設けた主
反射鏡面８の有効反射面を犠牲にすることなく、主反射
鏡面８の全面を有効利用できることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による車両用灯具の一実施例を示す分
解斜視図、第２図は、同灯具の作用を説明するための断
面図である。 ２……開口、３……ハウジング（ランプボデー）、４…
…ランプバルブ、５……着色キャップ、６……レンズ、
１７……屈折系フレネルプリズム、１８……反射膜（反
射面）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体のコーナー部に配設されるべく一側部
   に立壁を有するとともに前面に幅広の開口を有するラン
   プボデーと、前記ランプボデー内に配設されるランプバ
   ルブおよび前記ランプバルブを包囲する透明の着色キャ
   ップと、前記ランプボデーの開口部に接合されるレンズ
   とを備え、前記着色キャップの外側外周面の一部に前記
   ランプバルブから発した光を受けて後側方に向けるプリ
   ズムを形成するとともに該プリズムに対向する内側外周
   面または内側内周面の一部に前記立壁に対向して前記ラ
   ンプバルブからの光を前記プリズムに向けて反射させる
   反射面を設けたことを特徴とする車両用灯具。