JPS5852529B2 - 溶銑の脱燐方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は転炉装入前の溶銑を脱燐する方法に関する。

従来、溶銑の脱燐は、取鍋内の溶銑に各種の脱燐剤例え
ば鉄鉱石、石灰石、ホタル石等を添加して溶銑を撹拌し
て行うのが一般的であった。

しかるにこの方法では、Ｐの酸化の前にＰよりも酸素と
の親和力の大きいＳｉが酸化されてＳｉＯ２となってス
ラブ中に移行する。

したがって、脱燐を効果的に行うには、スラグの塩基度
を高める必要があり、そのため石灰石等の塩基成分が多
量に必要となった。

その結果脱燐コストの上昇をまねき、さらにはスラグ容
積の増大をきたして処理中にスラグが激しく噴出するお
それがあり、その対策として設備を大型化する必要があ
った。

それに従来使用されていた脱燐剤は、Ｆｅ２Ｏ３＋Ｃａ
Ｏ＋ホタル石といった混合物であったため滓化率が十分
でなく、滓化率を向上させるためには脱燐剤の原単位の
上昇をまねくことになった。

本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって
、上記諸問題をすべて解消できる溶銑の脱燐方法を提供
するものである。

すなわち、本発明は、溶銑を取鍋に取り、溶銑に酸素を
吹き込んで撹拌することにより脱珪処理し、生じたスラ
グを除去した後、溶銑に脱燐剤として粒径１０ｍｍ以下
の焼結鉱を添加して撹拌することにより脱燐処理し、除
滓することを要旨とする溶銑の脱燐方法である。

撹拌手段は、インペラー等による機械的手段、溶銑中に
ガスを吹き込むいわゆるバブリング、電磁誘導撹拌等い
ずれであってもよい。

本発明において、脱燐剤として焼結鉱を使用する理由は
、これが自溶性の物質でありかつ約１．６の塩基度を有
し、しかも他の物質を必要としないで単一物質で脱燐作
用を発揮できるからである。

次に本発明の実施例を示す。

実施例 インペラーを備えた７０トン取鍋に製鋼溶銑６０）ンを
取り、ランスパイプを上方から溶銑中に５００〜７００
ｍｍ突込む。

インペラーを約５０ｒｐｍで回転させて溶銑を撹拌しな
がら、ランスパイプから酸素を約１．ＯＮｍｌ’／分の
流量で吹き込み約２５分間脱珪処理する。

ついで生成したＳｉＯ２に富むスラグを除去した後、再
びインペラーを約１０ Ｏｒｐｍで回転させて溶銑を撹
拌し、約１０分間かけて溶銑に焼結鉱１０〜１５ｋｇ／
トンを添加して脱燐処理腰最後に除滓する。

ここで使用した焼結鉱は粒径１０ｍｍ以下の粒状のもの
であって、その組成はＴ−Ｆｅ−５６％、Ｃａ０＝９％
、５ｉＯ２−６％、Ａ１２０３−２％である。

こうし☆☆て得られた脱燐溶鉄は５８トンである（歩留
９８％）。

処理条件を変えてさらに試験を繰返し、結果を従来例と
比較の上、下表に示す。

以上の次第で、本発明によれば、脱燐剤の原単位を大巾
に低減することができて経済的であり、またスラグの噴
出を抑えることができて設備費の点でも極めて有利であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 溶銑を取鍋に取り、撹拌下に溶銑に酸素を吹ぎ込ん
   で脱珪処理し、生じたスラグを除去した後、溶銑に粒径
   １０ｍｍ以下の焼結鉱を添加し、撹拌することによって
   脱燐し、除滓することを特徴とする溶銑の脱燐方法。