JP3218629B2 - 溶銑の脱燐方法 - Google Patents
溶銑の脱燐方法Info
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Description
る鋼滓の利材化を図ることができる技術の一環である溶
銑の脱燐方法に関する。
応と一般鋼溶製のトータルコストミニマムとを目的とし
て、新精錬プロセス、例えばSRP (Simple Refining Pro
cess)が行われている。このSRP は、転炉滓系媒溶剤を
用いるメリットを最大限に活用した2段回分式向流精錬
法を具現化したものであり、反応容器として、例えば脱
燐炉、脱炭炉と呼ばれる2基の上吹き転炉を用いる製鋼
法である。このSRP の溶銑脱燐における脱燐剤として、
従来は、雑誌「鉄と鋼」 (第76年(1990)第11号の第1817
〜1822頁、同第1801〜1808頁) または特公昭55−30042
号公報に開示されているように、ソーダ灰系、生石灰系
または転炉滓系の脱燐剤が用いられていた。特に、本出
願人が先に提案した特公昭55−30042 号公報において開
示した技術では、転炉滓のP2O5含有量は1〜3重量%程
度である。
対するニーズは旺盛であり、このままでは供給不足にな
るおそれがあった。そこで、その代替として安価な低燐
スラグが強く求められるようになってきた。ここに、本
発明の目的は、低コストでかつ効率的に実施することが
できる溶銑の脱燐方法を提供することにある。さらに具
体的には、本発明の目的は、前記 SRPにおける、最適な
溶銑の脱燐方法を提供することにある。
を解消するため種々検討を重ねた。その結果、本発明者
らは、鋳込後の取鍋内に残存した連鋳滓や造塊滓が有効
に利用されていない事実に注目し、連鋳滓および造塊
滓、特に(P2O5)≦2.0 重量%の低燐連鋳滓・造塊滓を脱
燐剤に用い、溶銑の脱燐に活用することにより、安価で
かつ滓化が容易になることを知見した。かかる滓は転炉
滓の代替というより、むしろより優れた脱燐剤として機
能することが判明した。
として投棄してきた連鋳滓・造塊滓を有効に活用するこ
とができるため、環境保全の観点からも望ましい方法で
ある。なお、前述のように、転炉滓を用いて脱燐を行う
技術は従来から知られていたが、この技術を連鋳滓・造
塊滓に適用することは物流の変更が必要なこと、および
スラグとメタルの分離、ハンドリングを要することのた
めに技術的に困難であり、実施されることはなかった。
技術は進歩し、さらに溶銑、脱燐量の増大に伴い、物流
の変更も工業的に検討の価値が生じた。かかる状況変化
により連鋳滓の使用可能性があることに着目し、その実
用化の検討をつづけていたところ、連鋳滓、造塊滓は転
炉滓の代替としてではなく、それ自体すぐれた脱燐能を
有することを知り、本発明を完成した。ここに、本発明
の要旨とするところは、溶銑に、連鋳滓および/または
造塊滓と酸化鉄、さらに必要に応じて脱燐銑吹錬滓 (転
炉滓) とを含む脱燐剤を添加し、所要の酸化力を有する
溶滓を生成させ、該溶滓と溶銑とを攪拌することを特徴
とする溶銑の脱燐方法である。
2.0重量%以下であることが、十分な脱燐能を保証する
ためには望ましい。ここで、「連鋳滓」とは連続鋳造後
の取鍋内に残存する鋼滓を、「造塊滓」とは、造塊のた
めの鋳込後の取鍋内に残存する鋼滓をそれぞれ意味す
る。
1は、本発明にかかる溶銑の脱燐方法の工程例を示す略
式説明図である。本発明によれば、連鋳滓および/また
は造塊滓とともに媒溶剤 (鉄酸化物、蛍石、石灰石等)
、そして必要により脱燐銑吹錬滓 (図中、低P転炉滓
として示す) を有する脱燐剤を用いるが、かかる溶銑脱
燐は、図中脱P炉として示す反応容器である上下吹転炉
を用いることが最も望ましいが、特にこの態様に限定さ
れるものではなく、単に鍋やトーピードにより代用して
もよい。
鋼滓と地金とを分離し、鋼滓は溶銑脱燐用原料として、
地金は鉄源としてそれぞれ転炉等に装入し、吹錬に供
す。反応容器としての脱燐炉内に収容した溶銑に対し
て、本発明では、図1に示すように、そのトン当り20〜
30kg程度の連鋳滓および/または造塊滓を有する脱燐剤
と、2〜6kg酸素相当分の酸化鉄とを主成分とし、さら
に必要により脱C炉からの滓を配合した脱燐剤を脱P炉
において脱S溶銑に添加し、これによって生成した溶滓
と溶銑とを適宜の手段で十分に攪拌混合し、溶銑中の燐
含有量を低下させる方法である。脱P溶銑は脱C炉で吹
錬後、溶鋼として図示しないが連鋳、造塊工程に送られ
る。
10kg程度までの蛍石およびソーダ灰の1種以上を加えて
もよい。また、酸化鉄の一部に替えて酸化性ガスを使用
してもよい。本発明で用いる連鋳滓、造塊滓は、低P2O5
の CaO−Al2O3 −SiO2系鋼滓であり、溶銑脱燐能の高
い、スムーズな反応を期待できる一種のプリメルトスラ
グである。そして、脱燐に必要なCaO 源として主として
使用するものであり、生石灰よりも良好な滓化性を利用
するものである。例えば、CaO:50%−Al2O3:5%−Si
O2:10 %−P2O5:0.8%という組成を例示することができ
る。
る鋼滓のP2O5含有量は4〜6%であるため、十分な脱燐
能を保証するためには、P2O5含有量が2%以下であるこ
とが望ましい。通常の場合、連鋳滓あるいは造塊滓は、
多い場合には溶鋼トン当り20kg生成するが、本発明にお
いてこれをそのまま溶銑の脱燐処理に使用しても前記滓
の酸化力だけでは不充分である。この酸素源として酸化
鉄、さらに必要に応じて酸化性ガスを使用する。1250〜
1400℃という溶銑の処理温度で溶融する滓を形成するた
めには、滓の融点を低下させる酸化鉄が必要である。し
たがって、本発明においては、酸化性ガスの単独使用は
適切でない。
要な酸素源および溶滓中の酸化力を高めるために必要な
ものである。すなわち、溶銑の脱燐処理を行う場合、溶
銑中の燐は酸化物の形で溶滓中に吸収されると考えられ
るが、燐は溶銑中の珪素、マンガンより酸素との親和力
が小さいために珪素、マンガン含有量が充分に低下する
まで顕著な脱燐は行われず、また珪素、マンガン含有量
の低下とともに脱炭反応が抑制される1250〜1400℃とい
う低い温度の溶銑の処理においても少量の炭素含有量の
低下が起こるので脱燐処理末期まで溶滓の酸化力を確保
しなければ充分な脱燐反応は得られない。
た酸化性ガスとしては、酸素ガスや空気を例示すること
ができる。また、本発明にかかる溶銑の脱燐方法におい
て攪拌も重要な要因である。この理由は、攪拌により脱
燐剤の滓化が促進される点と、生成した溶滓と溶銑との
接触、反応を促進し、溶滓をより有効に作用せしめ効果
的な溶銑の脱燐を行わせるためである。
等の不活性ガスによるバブリング等が考えられるが、攪
拌できるものなら何でもよい。本発明において使用する
脱燐剤としては、必要に応じその他生石灰、転炉滓、蛍
石等の副原料を適宜配合してもよい。なお、転炉滓は、
脱燐に必要な CaO源として主に使用するものであり、生
石灰よりも良好な滓化性を利用するものである。例えば
上吹純酸素転炉の場合、溶鋼トン当り約100kg の転炉滓
が生成されるものであるから、転炉滓も用いる場合の転
炉滓の添加量は溶銑トン当り約100kg を上限とすること
が作業性の観点からも有利である。
でかつ効率的に溶銑の脱燐を行うことができる。次に、
本発明を実施例を参照しながらさらに詳述するが、これ
はあくまでも本発明の例示であり、これにより本発明が
限定されるものでない。
連鋳滓、造塊滓と地金とを、鋼滓鍋もしくは型に流し込
んで比重差によりまたは一部磁選により、分離した。そ
して、上下吹転炉に収容された脱燐を行われる前の溶銑
に、表1に示すように、 (本発明例I) 連鋳滓および造塊滓:25kg/T、転炉滓:1
0kg/T、または (本発明例II) 連鋳滓および造塊滓:30kg/T、生石灰:
5kg/T と酸化鉄とを主成分とする脱燐剤を添加し、所要の酸化
力を有する溶滓を生成させ、該溶滓と溶銑とを攪拌し
た。なお、転炉滓とは、吹錬後の脱C炉より得られた鋼
滓を意味する。また、撹拌時間は10分間であった。
含有量 (%) 、上吹送酸速度(Nm3/min・t)、底吹き流量
(Nm3/min・t)、処理温度 (℃) を併せて示す。表1から
明らかなように、本発明により、転炉滓の使用に関係な
く、連鋳滓および造塊滓と酸化鉄とを主成分とする脱燐
剤を用いて、充分な脱燐を行うことができたことがわか
る。
来は産業廃棄物として廃棄処分していた連鋳滓および造
塊滓を、脱燐剤として使用することが可能となった。し
たがって、産業廃棄物の利材化を図ることができ、省
資源化、廃棄用地確保の不要化を図ることができた。
さらに本発明は、環境保全の観点からも、極めて望まし
い発明である。かかる効果を有する本発明の意義は著し
い。
に示す略式説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 溶銑に、連鋳滓および/または造塊滓と
酸化鉄とを含む脱燐剤を添加し、所要の酸化力を有する
溶滓を生成させ、該溶滓と溶銑とを攪拌することを特徴
とする溶銑の脱燐方法。 - 【請求項2】 前記脱燐剤が、さらに脱燐銑吹錬滓を含
む請求項1記載の溶銑の脱燐方法。 - 【請求項3】 脱燐剤のP2O5含有量が 2.0重量%以下で
ある請求項1または請求項2記載の溶銑の脱燐方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17414691A JP3218629B2 (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 溶銑の脱燐方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17414691A JP3218629B2 (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 溶銑の脱燐方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0525527A JPH0525527A (ja) | 1993-02-02 |
JP3218629B2 true JP3218629B2 (ja) | 2001-10-15 |
Family
ID=15973481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17414691A Expired - Lifetime JP3218629B2 (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 溶銑の脱燐方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3218629B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5868818A (en) * | 1996-08-08 | 1999-02-09 | Tosoh Corporation | Adsorbent for air separation, production method thereof, and air-separation method using it |
AR080191A1 (es) | 2010-02-25 | 2012-03-21 | Sumitomo Chemical Co | Compuestos de ester y su uso en el control de plagas |
-
1991
- 1991-07-15 JP JP17414691A patent/JP3218629B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0525527A (ja) | 1993-02-02 |
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