JPH0641608B2 - 複合転炉を用いた2段向流精錬製鋼法 - Google Patents

複合転炉を用いた2段向流精錬製鋼法

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JPH0641608B2
JPH0641608B2 JP1260525A JP26052589A JPH0641608B2 JP H0641608 B2 JPH0641608 B2 JP H0641608B2 JP 1260525 A JP1260525 A JP 1260525A JP 26052589 A JP26052589 A JP 26052589A JP H0641608 B2 JPH0641608 B2 JP H0641608B2
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、全製鋼工程を通じた造滓剤使用量を極力抑
えつつ安定した高能率脱燐を行い、品質の良好な鋼をコ
スト安く溶製する方法に関するものである。
〈従来技術とその課題〉 近年、各種鋼材に対する高度な品質要求と低価格要求に
対応するため、例えば低燐鋼をより一層低いコストで安
定溶製する手段等の開発に多大な努力が払われている
が、このような状況下において、本出願人は先に、全製
鋼工程を通じて造滓剤(生石灰等)の使用量を極力抑え
つつ高能率脱燐が行えるところの、「溶銑の精錬に当っ
て、第2図に示した如く、上下両吹き機能を有した2基
の転炉形式の炉を使用し、かつその一方を脱燐炉1、他
方を脱炭炉2として、前記脱燐炉1内へ注入した溶銑3
に前記脱炭炉2で発生した転炉滓4を主成分とする精錬
剤4′(転炉滓は溶融状態又は固化状態の何れで用いて
も良い)を添加すると共に、攪拌ガス吹込みノズル5を
用いた底吹きガス攪拌を行いつつランス6にて酸素ガス
を上吹きすることで所要溶銑温度を保ちながら溶銑脱燐
を行い、次いで得られた脱燐溶銑を脱炭炉2にて脱炭並
びに仕上脱燐することから成る“脱燐スラグ−メタルの
2段階向流接触精錬を伴う製鋼方法”」を提案し(特開
昭62-290815号)、P含有量の低い高品質鋼を少ない造
滓剤使用量の下で安価に提供し得る道を開いた。
つまり、本出願人の提案になる上記製鋼方法は、「溶銑
の転炉脱炭精錬に先立って、脱炭炉とは別の“上下両吹
き機能を有する複合吹錬転炉”を精錬容器とした予備脱
燐処理、それも脱炭炉で発生した転炉スラグを脱燐剤と
した脱燐処理を実施すると、この脱燐処理では、 a)酸素ガスの吹込みを極めて容易かつ調節自在に実施す
ることができるので、処理温度の調整・維持が格別な配
慮を要することなく十分な余裕下で簡単・適切に行え
る, b)底吹きガス攪拌により、単なる溶銑処理鍋を使用した
炉外精錬ででは達成することの出来ない十分な被処理溶
銑の攪拌が行える, c)スラグフォーミングに十分対処できるだけの余裕のあ
るフリーボード(湯面から容器上端までの距離)が確保
できるので、反応性に富んだ転炉スラグの大胆な使用が
可能である, d)転炉では塩基性ライニングが施されているためスラグ
により耐火物の溶損を極力軽減でき、脱燐作業能率を上
げ得る大胆な操業が可能である, e)排滓を極めて容易かつ十分に行えるので脱燐能率が顕
著に向上する, f)構造的に十分な排ガス処理設備(集塵機)設置が裏付
けられているので、高品質鋼の作業性の良い大量処理が
可能である, 等の機能・作用が相乗され、“全製鋼工程を通じた造滓
剤使用量”を含めて少ない値に抑えつつ高い脱燐効率で
品質の優れた鋼を量産することが可能になる」との新知
見事実に基づいて確立されたものであり、次のような効
果を享受できるものであった。即ち、 i)脱炭・仕上げ脱燐吹錬で発生した転炉滓を溶銑脱燐フ
ラックスとして用いる“向流精錬”であるため、全製鋼
工程での生石灰使用量がそれまでのトーピードや溶銑鍋
を使用した炉外脱燐処理に比べて大幅に減少し、低燐鋼
を極めて少ない生石灰量で吹錬することを可能とする。
従って、処理能率や以下に示す効果等をも併せて考慮す
れば、脱燐容器として複合吹錬転炉を使用したとしても
上記従来法に比べて十分な経済的有利性を確保でき、更
に遊休の現有転炉を使用すればコストメリットは一段と
向上する。
ii)転炉滓中のFeOの有効利用がなされ、粒鉄や地金の回
収率が向上する。
iii)一般に、脱炭炉でマンガン鉱石や鉄マンガン鉱石を
使用した場合にはこれらの約半分はMnにまで還元されず
に酸化物としてスラグ中に残るが、この方法において
は、該スラグを溶銑脱燐フラックスとして再使用するの
で上記残留鉱石の有効利用がなされ、溶銑における
“[Mn]ロスの軽減”或いは“[Mn]上昇”に役立つ。
iv)使用する炉が転炉であるので、例えば脱燐炉の場合
でも、出鋼口から脱燐銑のみを鍋中に出銑してから炉内
のスラグを溶滓鍋に排出でき、他の脱燐法におけるより
も除滓が簡単でかつ高脱燐率を確保できる。
v)使用する炉が上下両吹き機能を有した転炉であるので
溶銑の強攪拌が出来て短時間処理が可能となるので抜熱
量が少なく、他の脱燐処理法に比して熱経済上極めて有
利である。特に溶融転炉滓を用いる場合にはその顕熱分
だけ更に熱経済的に有利となる。
vi)上記脱燐炉で発生するスラグは、P2O5含有量が4〜
10%にもなっているので肥料としての用途が開ける
上、遊離石灰が無いため路盤材としての有効利用も可能
である。
vii)使用する炉が2つであるので、炉体に付着するP2O5
に起因した脱燐不良の懸念がない。つまり、脱燐炉では
高P2O5のスラグが、そして脱炭炉では低P2O5スラグしか
付着しないので脱炭炉での脱燐不良が起こらない。しか
も、溶融転炉滓を使用する場合には、脱燐炉では溶銑を
装入した後に溶融転炉滓が入れられるので、急激な爆発
的反応が起きる心配がなく、或る程度激しい反応が起き
たとしても処理容器が転炉であるので格別な不都合を招
く恐れも少ない。
viii)底吹きガス攪拌を行いつつ脱燐を行うので、これ
までの溶銑脱燐法の場合のように脱燐剤を粉状近くにま
で細かく粉砕しておく必要がなく、その分のコスト低減
が可能となる。
ix)遊休転炉がある場合には、これを直ちに脱燐炉とし
て使うことが出来、格別な設備を準備する必要がない。
また、例えば転炉1/2基操業を行っている工場の場合
には一方の炉を脱燐炉とすることにより転炉2/2基操
業のような形態を採ることができ、新たな設備投資を必
要としない。そして、レンガ寿命のために何れか一方を
築炉する必要が生じた場合には、この間だけ転炉1基の
みで従来の転炉吹錬を行って遊休炉を出さない方策も講
じられ、非常に柔軟性に富んだ精錬が可能である。
ところが、本発明者等は、数多くの実際操業実績の仔細
な分析を通して「2基の複合吹錬転炉を用いた2段向流
精錬は従来のトーピードや溶銑鍋を使用した炉外精錬に
比べての利点が十分に認められはするものの、それでも
時々に応じて鉄分ロスにバラツキが見られる上、到達P
レベルにも多少の不安定性が現れがちである」との事実
を認識したのである。
そこで、上記鉄分ロスや到達Pレベルのバラツキを抑え
て“2基の複合吹錬転炉を用いた2段向流精錬”の操業
性をより一層安定化させるべく研究を続け、「鉄分ロス
のバラツキは脱燐炉での脱燐精錬時に主として生じるも
のであり、特にその時の精錬スラグ中CaF2割合が極めて
重要な役割を果たしていて、蛍石の投入により該精錬ス
ラグ中のCaF2割合を高めに調整すると鉄分ロスの抑制が
効果的になされる」との知見を得たことを基に“吹錬後
スラグ中のCaF2割合を高めた脱燐操業”を試みた。
しかしながら、上記“蛍石投入による高CaF2スラグ脱燐
吹錬”では滓化促進及びスラグ流動性改善効果によって
確かに鉄分ロスの低い安定した操業を維持することがで
きるが、溶銑[Si]濃度に応じて鉄分ロス少なく所望脱
燐を行うために必要な蛍石投入量を示した第3図からも
明らかなように、上記好ましい操業状態を維持するには
蛍石の多量投入を要することとなって、“2基の複合吹
錬転炉を用いた2段向流精錬”が特徴とする「操業コス
トの低減」に悪影響を及ぼすことが懸念された。
このようなことから、本発明が目的としたのは、“2基
の複合吹錬転炉を用いた2段向流精錬”を実施するに際
して、コスト高につながる蛍石の多量投入を行わなくて
もスラグへの鉄分ロスの少ない効果的な脱燐を行うこと
ができる手段を見出し、品質の優れた鋼をより安定した
操業性の下で安価に溶製し得る製鋼法を確立することで
あった。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者は、上記目的を達成すべく種々の観点から研究
を重ねたところ、更に「連続鋳造(CC)や造塊時の脱酸滓
たるスラグやAl精錬で発生するアルミドロス(アルミ
灰)には多量のAl2O3が含まれているが、このAl2O3には
蛍石の主成分であるCaF2と同様なCaO系フラックスの滓
化促進作用があり、前記“2基の複合吹錬転炉を用いた
2段向流精錬”における脱炭炉吹錬の際に該CC・造塊
滓又はアルミドロスを脱炭炉内に添加して精錬を行う
と、発生する転炉滓には相当量のAl2O3が含有されるこ
ととなって、これを用いる脱燐炉精錬時に蛍石の使用量
を少なくしても十分な滓化促進及びスラグ流動性改善効
果が確保されて鉄分ロスの低い安定した操業が維持され
るようになる」との新しい知見を得るに至った。
本発明は、上記知見事項等に基づいてなされたものであ
り、 「上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉のうちの
一方を脱燐炉、他方を脱炭炉とし、前記脱燐炉内へ注入
した溶銑に脱炭炉で発生した転炉滓を主成分とする精錬
剤を添加して脱燐スラグ−メタルの2段階向流接触精錬
を行う製鋼法において、第1図に示すように、前記転炉
滓として脱炭炉中にCC・造塊滓もしくはアルミドロス
添加を行って発生したものを使用すると共に、脱燐炉内
へ添加する前記転炉滓を主成分とした精錬剤中に蛍石を
含有させて生成スラグ中の〔CaF2+Al2O3〕割合を10〜
20重量%に調整し、かつ底吹きガス攪拌を行いつつ酸
素ガスを上吹きして溶銑温度を1400℃以下に保ちな
がら溶銑脱燐を行い、得られた脱燐溶銑を脱炭炉に注銑
して脱炭並びに仕上脱燐することにより、鉄分ロスや生
石灰の使用量少なく品質の良好な低燐鋼を安価に製造し
得るようにした点」 に特徴を有するものである。
〈作用〉 さて、精錬剤に配合される蛍石は、第4図に示されるよ
うに、その主成分たるCaF2の作用によってCaO系フラッ
クスの滓化促進及びスラグ流動性改善効果を発揮する
が、第5図に示される如くAl2O3も前記CaF2と同様にCaO
系フラックスの滓化を促進しスラグ流動性を改善する作
用を有している。また、連続鋳造や造塊時に発生するス
ラグやAl精錬で発生するアルミドロス(アルミ灰)には
主成分としてAl2O3が含まれているので、脱炭炉吹錬の
際に通常使用される媒溶剤と共に前記CC・造塊滓又は
アルミドロスをも添加して吹錬を行うと、Al2O3分に富
んだ転炉滓が発生する。従って、“2基の複合吹錬転炉
を用いた2段向流精錬”に際し、脱燐炉内へ添加する精
錬剤として前記Al2O3分に富んだ転炉滓を主成分とする
ものを用いれば、蛍石の配合量を低減したとしてもこの
分がCC・造塊滓等からのAl2O3によって補償され、ス
ラグへの鉄分ロスを抑える十分な効果がコスト安く確保
できるようになる。
ただ、この場合、脱燐炉にて生成されるスラグの〔CaF2
+Al2O3〕割合が10重量%未満では十分な滓化が確保で
きないために鉄分ロスの抑制が不安定となり、一方、ス
ラグ中〔CaF2+Al2O3〕の割合が20重量%を超えてもそ
れ以上の鉄分ロス改善効果が得られないばかりか、蛍石
消費量増大によるコストアップ並びに耐火物の溶損が著
しくなることから、脱燐炉で生成されるスラグ中の〔Ca
F2+Al2O3〕割合が10〜20重量%となるように脱炭炉
へ添加するアルミドロスや脱炭炉へ添加する蛍石の量を
調整することと定めた。
このように、脱燐炉で使用される精錬剤は“CC・造塊
滓又はアルミドロスを添加した脱炭吹錬炉で発生する転
炉滓”を主成分とし蛍石を基本の副成分として配合した
ものであるが、転炉滓を滓化性のより向上させて低融点
の脱燐スラグとしたり脱燐が進行し易いようにスラグの
酸化力を高めるためには、上記成分の他に酸化鉄の併用
も好ましい。更に、これらの成分以外に生石灰、ドロマ
イト或いは石灰石を付加的に配合しても良いし、溶銑
[Mn]向上のためにマンガン鉱石や鉄マンガン鉱石を配
合しても良い。また、媒溶剤として蛍石以外にCaCl2,N
a2O・SiO2,Na2CO3等を添加して良いことも勿論である。
脱燐炉で使用される精錬剤の主成分たる転炉滓として
は、脱炭炉で発生した溶融状態のものが熱経済的にも脱
燐フラックスの滓化性の面からも好ましいが(このよう
に溶融状態のものを用いる場合には耐火物を内張りした
鍋を介して脱燐炉に注滓される)、取り扱いの容易さ等
を考慮して脱炭炉で得られたものを一旦冷却凝固させ、
粒状又は塊状に破砕してから用いても良い。なお、使用
される転炉滓は、タイミングとして前回チャージのもの
が良いが、それ以前に脱炭炉から出たものや他の工場の
脱炭炉で発生したものでも良いことは言うまでもない。
脱燐炉での処理温度を1400℃以下に調整する理由
は、溶銑処理温度がこれより高くなると脱炭ばかりが進
行してスラグ中の全Fe量が低くなって脱燐率が悪化する
ことにある。一方、前記温度が余りに低温になると、今
度はスラグへの粒鉄ロスが増加するので好ましくない。
従って、脱燐炉での処理温度は1400℃以下と定めた
が、好ましくは1200〜1400℃、出来れば125
0〜1370℃に調整するのが良い。そして、このよう
な処理温度の維持は上吹きランスからの酸素ガス吹き込
み或いは炉底羽口からの酸素ガス吹き込み、更にはアル
ミ灰酸化時の燃焼熱の併用によって行われる。
従って、ここでの上吹き酸素ランスは通常の転炉ランス
でも良いが、脱燐用に新作した小流量ランスであっても
良い。そして、使用酸素ガス量は処理前の溶銑温度や珪
素含有量、転炉滓の温度,脱燐炉の温もり具合,目的と
する処理溶銑温等によって決定されるが、概ね20Nm3
/T以下で良く、通常は5〜10Nm3/Tが効果的である。
因に、このときの脱炭量は0.5%程度である。
炉底から吹き込む攪拌ガスとしてはAr,CO2,CO,N2,O
2,空気等の何れであっても良い。そして、脱燐炉の炉
底ガス攪拌の程度は通常の上下両吹き複合吹錬における
と同程度(0.03〜0.2Nm3/min・t)で良いが、脱燐速度の
向上を狙ってこれよりも更に多くして良いことは勿論で
ある。
脱炭炉での吹錬は、CC・造塊滓又はアルミドロスを添
加する他は基本的には通常の“炉外で脱燐された溶銑”
を吹錬する場合と同じであり、このとき終点での溶鋼の
Mn含有量向上を目的として生石灰やドロマイトを中心と
する造滓剤の他にマンガン鉱石や鉄マンガン鉱石を添加
することもできる。ところで、本発明に係る製鋼法を実
施する場合には、出来れば適用される溶銑の事前脱硫処
理を行うのが良い。なぜなら、該製鋼法では脱硫の進行
が極めて鈍いことが挙げられるが、この他、事前脱硫し
ていない溶銑を用いた場合には転炉スラグ中のS含有量
が上昇し、次のチャージにおける溶鋼S含有量を高める
ことも懸念されるからである。なお、前記事前脱硫は通
常行われている溶銑脱硫方法のいずれによっても良い。
更に、この方法に適用される原料溶銑のSi含有量も低い
程好ましい。
次に、この発明を実施例により具体的に説明する。
〈実施例〉 まず、KR(溶銑処理炉)で脱硫処理した第1表の上段
に示される成分組成の溶銑250トンを脱燐炉として使
用する上下両吹き複合吹錬転炉に注銑し、これに、“同
様形式の脱炭炉へ通常媒溶剤の他に出鋼から連続鋳造及
び造塊作業で生じたスラグ10Kg/Tを添加しての吹錬で
発生した転炉滓”25Kg/T,100mm以下の粒径の鉄鉱
石6Kg/T,生石灰6Kg/T並びに蛍石5Kg/Tを添加して1
0分間の脱燐処理を行った。なお、この時のスラグ中
〔CaF2+Al2O3〕割合は14重量%であった。
ところで、使用した脱燐炉並びに脱炭炉は、上述のよう
に何れも炉底よりガス吹き込み攪拌が可能な160トン
上下両吹き複合吹錬転炉であり、以下の何れの実施例に
おいても第2表に示すような操業条件が採用された。
このようにして得られた脱燐銑(成分組成は第1表の中
段に示す)を一旦鍋中に出銑してから脱炭炉に注銑し、
通常の転炉操業通りに生石灰7Kg/T,軽焼ドロマイト5
Kg/T並びに硅砂2Kg/Tとを造滓剤として主吹錬を実施し
た。なお、この際、 終点温度(吹錬終了温度)が1670℃となるように冷
却材としての鉄鉱石及びマンガン鉱石を適時添加した。
そして、このとき発生した転炉滓を鉄鉱石及び蛍石と共
に再び次のチャージの脱燐剤原料として脱燐炉に添加し
て脱燐を行うと言う一連の操作を繰り返した。
この結果、全製鋼工程での生石灰使用量と軽焼ドロマイ
ト使用量との和が18Kg/Tと言う少ない値で、第1表の
下段に示す如き鋼中P量が0.010重量%の溶鋼を安定し
た操業下で得ることができた。
〈効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、製鋼工程の全
体を通じた造滓剤使用量やスラグへの鉄分ロスを低く抑
えながら品質の良好な鋼を高い生産性の下で製造するこ
とが可能となり、高品質鋼の製造コストを低減しその利
用分野を一層拡大する道を開くなど、産業上極めて有用
な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る製鋼法の概要を示した概略説明
図である。 第2図は、“2基の上下両吹き複合吹錬転炉を使用した
脱燐スラグ−メタルの向流的2段階接触精錬を伴う製鋼
方法”の説明図である。 第3図は、溶銑[Si]濃度と鉄分ロス少なく所望脱燐を
行うために必要な蛍石投入量との関係を示したグラフで
ある。 第4図は、CaF2-2CaO・SiO2系フラックスの状態図であ
る。 第5図は、CaO-Al2O3系フラックスの状態図である。 図面において、 1…脱燐炉,2…脱炭炉, 3…溶銑,4…転炉滓, 4′…転炉滓を主成分とする脱燐スラグ, 5…攪拌ガス吹込みノズル,6…ランス。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の
    炉のうちの一方を脱燐炉、他方を脱炭炉とし、前記脱燐
    炉内へ注入した溶銑に脱炭炉で発生した転炉滓を主成分
    とする精錬剤を添加して脱燐スラグ−メタルの2段階向
    流接触精錬を行う製鋼法において、前記転炉滓として脱
    炭炉中にAl2O3含有連続鋳造・造塊滓又はアルミドロス
    添加を行って発生したものを使用すると共に、脱燐炉内
    へ添加する前記転炉滓を主成分とした精錬剤中に蛍石を
    含有させて生成スラグ中の〔CaF2+Al2O3〕割合を10〜
    20重量%に調整し、かつ底吹きガス攪拌を行いつつ酸
    素ガスを上吹きして溶銑温度を1400℃以下に保ちな
    がら溶銑脱燐を行い、得られた脱燐溶銑を脱炭炉に注銑
    して脱炭並びに仕上脱燐することを特徴とする、複合吹
    錬炉を用いた2段向流精錬製鋼法。
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