JPS584936B2 - ポリアセタ−ル樹脂組成物の表面処理方法 - Google Patents
ポリアセタ−ル樹脂組成物の表面処理方法Info
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- JPS584936B2 JPS584936B2 JP53130479A JP13047978A JPS584936B2 JP S584936 B2 JPS584936 B2 JP S584936B2 JP 53130479 A JP53130479 A JP 53130479A JP 13047978 A JP13047978 A JP 13047978A JP S584936 B2 JPS584936 B2 JP S584936B2
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- polyacetal resin
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- sulfuric acid
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、プラスチック、特にポリアセタール樹脂組成
物の表面処理方法に関する。
物の表面処理方法に関する。
プラスチックは一般に化学的には極めて安定であり、ま
た通常の射出成形等による成形品は表面が平滑であって
、このため印刷、塗装、蒸着などの表面加飾や、接着剤
による接着など表面の加工は施しにくい。
た通常の射出成形等による成形品は表面が平滑であって
、このため印刷、塗装、蒸着などの表面加飾や、接着剤
による接着など表面の加工は施しにくい。
特にポリアセタール樹脂は表面活性に乏しく、親和性の
ある適当な溶剤などもないため、このような表面加飾や
接着などが難しく、こうした加工が必要な用途にはほと
んど用いられていないのが現状である。
ある適当な溶剤などもないため、このような表面加飾や
接着などが難しく、こうした加工が必要な用途にはほと
んど用いられていないのが現状である。
逆の見方をすれば、ポリアセタール樹脂は機械的性能が
優れていることから、主として機械部品などに使用され
る例が多く、表面加飾などを要求されることは従来それ
ほどなかったともいえる。
優れていることから、主として機械部品などに使用され
る例が多く、表面加飾などを要求されることは従来それ
ほどなかったともいえる。
ところが、最近はプラスチックの応用が多様、かつ高度
化する傾向が強くなり、機能と外観、あるいは機能と接
着性といった従来必ずしも両立を求められなかった複数
の性能が同時に要求される場合がしばしば生じてきた。
化する傾向が強くなり、機能と外観、あるいは機能と接
着性といった従来必ずしも両立を求められなかった複数
の性能が同時に要求される場合がしばしば生じてきた。
このようにしてポリアセタール樹脂の用途においても、
良好な表面加工性が要求される例が多くなってきている
。
良好な表面加工性が要求される例が多くなってきている
。
ポリアセタール樹脂の表面加工性を向上させる方法につ
いての研究はこれまで盛んであったとはいい難いが、例
えば成形品表面を酸性液、または酸化性液で処理するこ
とによって表面加工性が幾分か向上することが知られて
おり、酸性液としてはP−トルエンスルホン酸、樟脳ス
ルホン酸、リン酸、酸性硫酸アンモンなどが、また酸化
性液としてクロム硫酸混液が提案されている。
いての研究はこれまで盛んであったとはいい難いが、例
えば成形品表面を酸性液、または酸化性液で処理するこ
とによって表面加工性が幾分か向上することが知られて
おり、酸性液としてはP−トルエンスルホン酸、樟脳ス
ルホン酸、リン酸、酸性硫酸アンモンなどが、また酸化
性液としてクロム硫酸混液が提案されている。
これらの液による処理の目的は、ポリアセタール樹脂成
形品表面を化学的にしん蝕させることによって粗面をつ
くり出すとともに、その酸化作用などによってポリアセ
タール分子の一部に活性な反応基を形成させることにあ
ると考えられるが、一般にこのような表面処理を行なお
うとした場合表面処理効果を十分に高めようとすると、
母材であるポリアセタール樹脂成形品の劣化が全体に起
こったり、亀裂が発生するなどの不都合が生じる一方、
母材の劣化を起こさないような処理条件では表面処理効
果が不十分となり良効な表面加工ができない。
形品表面を化学的にしん蝕させることによって粗面をつ
くり出すとともに、その酸化作用などによってポリアセ
タール分子の一部に活性な反応基を形成させることにあ
ると考えられるが、一般にこのような表面処理を行なお
うとした場合表面処理効果を十分に高めようとすると、
母材であるポリアセタール樹脂成形品の劣化が全体に起
こったり、亀裂が発生するなどの不都合が生じる一方、
母材の劣化を起こさないような処理条件では表面処理効
果が不十分となり良効な表面加工ができない。
このため、実用に供し得る表面加工性を持ったポリアセ
タール樹脂成形物は、これまで知られていなかった。
タール樹脂成形物は、これまで知られていなかった。
本発明者らは、表面加工性の優れたポリアセクール樹脂
成形物を得るべく、ポリマー組成及び表面処理方法につ
いて鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂と微粉状炭
酸カルシウム及び不飽和ポリエステルとから成る組成物
を特定範囲の硫酸/水、あるいは硫酸/リン酸/水の混
合溶液でエッチングすることにより表面加工性の優れた
ポリアセタール樹脂成形物が得られることを見い出した
即ち、本発明は、(a)ポリアセタール樹脂100重量
部、(b)微粉状炭酸カルシウム3〜33重量部および
(c)不飽和ポリエステル0.1〜10重量部とからな
るポリアセタール樹脂組成物を、96重量%の硫酸含有
率が15重量%以上で、かつ、85重量%のリン酸含有
率が(− −ux + 45 )重量%以上(−−HX
+90)重量%以下である(但しXは96重量%硫酸の
含有率を表わす)硫酸水溶液又は硫酸・リン酸含有水溶
液でエッチングすることを特徴とするポリアセタール樹
脂組成物の表面処理法に関するものである。
成形物を得るべく、ポリマー組成及び表面処理方法につ
いて鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂と微粉状炭
酸カルシウム及び不飽和ポリエステルとから成る組成物
を特定範囲の硫酸/水、あるいは硫酸/リン酸/水の混
合溶液でエッチングすることにより表面加工性の優れた
ポリアセタール樹脂成形物が得られることを見い出した
即ち、本発明は、(a)ポリアセタール樹脂100重量
部、(b)微粉状炭酸カルシウム3〜33重量部および
(c)不飽和ポリエステル0.1〜10重量部とからな
るポリアセタール樹脂組成物を、96重量%の硫酸含有
率が15重量%以上で、かつ、85重量%のリン酸含有
率が(− −ux + 45 )重量%以上(−−HX
+90)重量%以下である(但しXは96重量%硫酸の
含有率を表わす)硫酸水溶液又は硫酸・リン酸含有水溶
液でエッチングすることを特徴とするポリアセタール樹
脂組成物の表面処理法に関するものである。
本発明において、ポリアセタール樹脂に炭酸カルシウム
を含有せしめる目的は、容易に表面粗化が可能で、従っ
て良好な表面加工性を有するポリアセタール樹脂成形品
を得るためである。
を含有せしめる目的は、容易に表面粗化が可能で、従っ
て良好な表面加工性を有するポリアセタール樹脂成形品
を得るためである。
つまりポリアセタール連続相中に、炭酸カルシウムを分
散点在せしめると、それらが後述の酸により容易に分解
除去され、その跡が粗化表面として残るのである。
散点在せしめると、それらが後述の酸により容易に分解
除去され、その跡が粗化表面として残るのである。
また、表面加工、例えば塗装やメッキにおいてはしばし
ば表面の鏡面性及び表面装飾層と樹脂間の密着力が基本
的に重要な特性となる。
ば表面の鏡面性及び表面装飾層と樹脂間の密着力が基本
的に重要な特性となる。
また成形時の熱安定性が良いことが厳しく要求されるこ
ともある。
ともある。
本発明者らは、これらの特性と炭酸カルシウムの平均粒
径との関係を検討した結果平均粒径約4.0ミクロンを
越える炭酸カルシウムは鏡面性及び密着力を悪化せしめ
、一方平均粒径約0.1ミクロン未満の炭酸カルシウム
は密着力及び熱安定性を低下せしめることがわかった。
径との関係を検討した結果平均粒径約4.0ミクロンを
越える炭酸カルシウムは鏡面性及び密着力を悪化せしめ
、一方平均粒径約0.1ミクロン未満の炭酸カルシウム
は密着力及び熱安定性を低下せしめることがわかった。
従つて鏡面性、密着力、熱安定性を考慮した場合、炭酸
カルシウムの平均粒径は0.1〜4.0ミクロン、特に
0.5〜2.0ミクロンの範囲にあることが好ましい。
カルシウムの平均粒径は0.1〜4.0ミクロン、特に
0.5〜2.0ミクロンの範囲にあることが好ましい。
また含有せしめる炭酸カルシウムの重量は、少量では表
面加工性改良の効果が現われず、多すぎるとポリアセタ
ール樹脂としての機械的特性が低下するのみならず、表
面加工性改良効果も逆に低下し、更に成形時の熱安定性
も悪くなるので、それらのバランスを考慮すると、ポリ
アセタール樹脂100重量部に対し約3〜約35重量部
であるのが好ましい。
面加工性改良の効果が現われず、多すぎるとポリアセタ
ール樹脂としての機械的特性が低下するのみならず、表
面加工性改良効果も逆に低下し、更に成形時の熱安定性
も悪くなるので、それらのバランスを考慮すると、ポリ
アセタール樹脂100重量部に対し約3〜約35重量部
であるのが好ましい。
本発明において、ポリアセタール樹脂に不飽和ポリエス
テルを含有せしめる目的は、ポリアセクール樹脂に炭酸
カルシウムを含有せしめることによる成形時の熱安定性
低下を防ぐためである。
テルを含有せしめる目的は、ポリアセクール樹脂に炭酸
カルシウムを含有せしめることによる成形時の熱安定性
低下を防ぐためである。
つまり、炭酸カルシウムを加えることにより弱アルカリ
性になった系を弱酸性の不飽和ポリエステルの添加によ
り中和せしめるのである。
性になった系を弱酸性の不飽和ポリエステルの添加によ
り中和せしめるのである。
また不胞和ポリエステルは、ポリアセタール樹脂と炭酸
カルシウムを結合せしめ、機械的強度の十分な強化効果
ももたらす。
カルシウムを結合せしめ、機械的強度の十分な強化効果
ももたらす。
さらに、不飽和ポリエステルは、成形物をエッチングす
る場合、特に強い酸性液などでエッチングする場合、成
形物自体に亀裂が入ることを防ぐ効果がある。
る場合、特に強い酸性液などでエッチングする場合、成
形物自体に亀裂が入ることを防ぐ効果がある。
不飽和ポリエステルの添加量はポリアセタール樹脂10
0重量部に対して約0.1重量部未満では、上記効果が
得られず、約20重量部を超える場合には、不飽和ポリ
エステル重合体相の全体に対する量比が大きくなりすぎ
て全体としての強度その他の特性をかえって低下させる
。
0重量部に対して約0.1重量部未満では、上記効果が
得られず、約20重量部を超える場合には、不飽和ポリ
エステル重合体相の全体に対する量比が大きくなりすぎ
て全体としての強度その他の特性をかえって低下させる
。
従って不飽和ポリエステルの量は、ポリアセタール樹脂
100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.3
〜5重量部であることが好ましい。
100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.3
〜5重量部であることが好ましい。
不飽和ポリエステルとしては不飽和ジカルボン酸、また
はこれに飽和ジカルボン酸や飽和不飽和モノカルボン酸
を併用したものと、多価アルコールまたはこれと一価ア
ルコールとを併用したものとをエステル化反応させるこ
とによって得られる生成物が用いられる。
はこれに飽和ジカルボン酸や飽和不飽和モノカルボン酸
を併用したものと、多価アルコールまたはこれと一価ア
ルコールとを併用したものとをエステル化反応させるこ
とによって得られる生成物が用いられる。
不飽和ポリエステルの製造に用いられる酸類としては、
不飽和ジカルボン酸として、例えばマレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、エン
ドメチレンテトラヒドロフタル酸など、また飽和ジカル
ボン酸としてオルソフタル酸、無水フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、アジピン酸などが挙げられる。
不飽和ジカルボン酸として、例えばマレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、エン
ドメチレンテトラヒドロフタル酸など、また飽和ジカル
ボン酸としてオルソフタル酸、無水フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、アジピン酸などが挙げられる。
これらの2種またはそれ以上の混合物も使用可能である
。
。
モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酎酸、
安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられ、
この2種またはそれ以上の混合物もまた用いられる。
安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられ、
この2種またはそれ以上の混合物もまた用いられる。
以上のカルボン酸類はまたメチルエステル、ジメチルエ
ステルなどのアルキルエステルの形で提供されてもよい
。
ステルなどのアルキルエステルの形で提供されてもよい
。
多価アルコールとしては、エチレングリコールプロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール
、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパンなど、また一価アルコールとしてはメタノー
ル、エタノール、アリルアルコールなどが使用される。
ングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール
、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパンなど、また一価アルコールとしてはメタノー
ル、エタノール、アリルアルコールなどが使用される。
不飽和ポリエステルは、しばしば架橋剤としてビニル単
量体またはその不飽和残基を持つプレポリマーを混合し
た形で提供される。
量体またはその不飽和残基を持つプレポリマーを混合し
た形で提供される。
ビニル単量俳として多く用いられるものはスチレン、フ
タル酷ジアリル、メタクリル酸メチルなどであり、プレ
ポリマーとして多く用いられるものはフタル酸ジアリル
の低度重合体などである。
タル酷ジアリル、メタクリル酸メチルなどであり、プレ
ポリマーとして多く用いられるものはフタル酸ジアリル
の低度重合体などである。
本発明ではこのような架橋剤を含んだ不飽和ポリエステ
ル組成物もまた差し支えなく使用できるし、むしろその
方が好ましい。
ル組成物もまた差し支えなく使用できるし、むしろその
方が好ましい。
また上記に例示した以外のビニル単量体または不飽和残
基を持つ低度重合体を加えることも好ましい結果を与え
る。
基を持つ低度重合体を加えることも好ましい結果を与え
る。
これらは例えば、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アクリル酸ア
ルキルエステル、メククリル酸アルキルエステル、アク
リルアミド、メククリルアミド、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニルなどである。
ン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アクリル酸ア
ルキルエステル、メククリル酸アルキルエステル、アク
リルアミド、メククリルアミド、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニルなどである。
ビニル単量体または不飽和残基を持つその低度重合体の
量は、多すきる場合には組成物全体としての強度を低下
させるので、ポリアセタール樹脂100重量部に対して
20重量部以下の範囲で用いる必要がある。
量は、多すきる場合には組成物全体としての強度を低下
させるので、ポリアセタール樹脂100重量部に対して
20重量部以下の範囲で用いる必要がある。
好ましいのは0.5ないし5重量部である。
ビニル単量体を2種またはそれ以上併用する場合には、
その合計量として上記範囲が適用される。
その合計量として上記範囲が適用される。
さらに好ましい結果をもたらすための条件としては、不
飽和ポリエステル重量に対してビニル単量体または不飽
和残基を持つその低度重合体の重量が0.2倍ないし1
.0倍の範囲にあることが望ましい。
飽和ポリエステル重量に対してビニル単量体または不飽
和残基を持つその低度重合体の重量が0.2倍ないし1
.0倍の範囲にあることが望ましい。
本発明に使用されるポリアセタール樹脂は、ホモ重合体
、即ちホルムアルデヒドまたはトリオキサンを重合して
得られる重合物(末端を安定化処理したものを含む)で
あってもよく、またトリオキサンと環状エーテル、環状
アセタールのような共単量体を共重合させた、二元ある
いは三元以上の共重合物であってもよい。
、即ちホルムアルデヒドまたはトリオキサンを重合して
得られる重合物(末端を安定化処理したものを含む)で
あってもよく、またトリオキサンと環状エーテル、環状
アセタールのような共単量体を共重合させた、二元ある
いは三元以上の共重合物であってもよい。
本発明の組成物には、通常ポリアセタール樹脂lに添加
される各種添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、顔料などが加えられ
ても差し支えない。
される各種添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、顔料などが加えられ
ても差し支えない。
本発明の組成物を得るためには、ニーダー、ロールミル
、押出機などの、通常樹脂溶融体の混練に用いられる装
置を用いて構成各成分を混合することが好ましい。
、押出機などの、通常樹脂溶融体の混練に用いられる装
置を用いて構成各成分を混合することが好ましい。
酸素の遮断や作業環境の点などからは、押出機が最も好
ましい。
ましい。
混合の温度は、使用するポリアセタール樹脂の融点以上
である。
である。
これは、ポリアセタール樹脂の溶融状態で混合を均一に
行なう必要から決定される。
行なう必要から決定される。
温度の上限は一般に使用するポリアセタール樹脂の熱分
解に対する安定性によって制限され、通常250°C以
下、好ましくは230°C以下で混合が行なわれる。
解に対する安定性によって制限され、通常250°C以
下、好ましくは230°C以下で混合が行なわれる。
この際構成各成分をあらかじめ重合反応が起こらない程
度の温度で、タンブラーあるいはヘンシエルミキサーな
どを用いて予備混合しておくことが均質な組成物を作る
上で好ましく、ポリアセタール樹脂を粉末状態で用いる
ことが押出機への安定供給上さらに好ましいが、これら
は必須条件ではない。
度の温度で、タンブラーあるいはヘンシエルミキサーな
どを用いて予備混合しておくことが均質な組成物を作る
上で好ましく、ポリアセタール樹脂を粉末状態で用いる
ことが押出機への安定供給上さらに好ましいが、これら
は必須条件ではない。
次に、本発明によるポリアセタール樹脂組成物をエッチ
ングするのに適当なエッチング液組成について第1図に
より説明する。
ングするのに適当なエッチング液組成について第1図に
より説明する。
本発明組成物から成る成形品を各種酸でエッチングした
ところ、塩酸、酢酸、蟻酸、ホウ酸、スルフアミン酸で
は単独あるいは硫酸との混合系でも好適なエッチングが
できず、硫酸あるいは硫酸とリン酸とからなる第1図に
示すような範囲の組成液が好適であることがわかった。
ところ、塩酸、酢酸、蟻酸、ホウ酸、スルフアミン酸で
は単独あるいは硫酸との混合系でも好適なエッチングが
できず、硫酸あるいは硫酸とリン酸とからなる第1図に
示すような範囲の組成液が好適であることがわかった。
第1図はエッチング用酸水溶液の硫酸及びリン酸濃度を
表わす線図であり、便宜上横軸は水に対する96%硫酸
の含有率(イ)、縦軸は水に対する85%リン酸の含有
率(イ)を示してある。
表わす線図であり、便宜上横軸は水に対する96%硫酸
の含有率(イ)、縦軸は水に対する85%リン酸の含有
率(イ)を示してある。
本発明において用いられるエッチング水溶液の濃度範囲
は、横軸上の96%硫酸100%、縦軸上の85%リン
酸100%の2点を結ぶ直線と各軸で囲まれる範囲内で
示され、この範囲内は次の各部分に区分される。
は、横軸上の96%硫酸100%、縦軸上の85%リン
酸100%の2点を結ぶ直線と各軸で囲まれる範囲内で
示され、この範囲内は次の各部分に区分される。
(1) 密着力、即ちエッチング後金属メッキした際
のメッキ層の剥離強度(kg/cm)が、1kg/cm
以下の弱い領域。
のメッキ層の剥離強度(kg/cm)が、1kg/cm
以下の弱い領域。
この領域は、第1図の96%H2S04が15重量%の
線aより左側の、硫酸濃度稀薄の領域である。
線aより左側の、硫酸濃度稀薄の領域である。
(2)最高の密着力を与える為のエッチング時間が長す
ぎて(40℃で150分以上を要する)生産性に欠ける
領域。
ぎて(40℃で150分以上を要する)生産性に欠ける
領域。
これは第1図で96%硫酸35重量%、85%リン酸4
5重量%の点を結ぶ直線bの左下側の領域である。
5重量%の点を結ぶ直線bの左下側の領域である。
(3)最高の密着力を与える為のエッチング時間が短か
すぎて(40℃で1分以下)安定性に欠ける領域。
すぎて(40℃で1分以下)安定性に欠ける領域。
これは第1図で96%硫酸の75重量%水溶液の点と8
5%リン酸の90重量%水溶液の点とを結ぶ直線cの右
上側の領域である。
5%リン酸の90重量%水溶液の点とを結ぶ直線cの右
上側の領域である。
上記(1)、(2)、(3)の領域は、いずれも工業的
には採用し得ない領域であり、上記の(1)、(2)、
(3)を除いた斜線部イの領域が工業的に採用し得る本
発明の採用預域である。
には採用し得ない領域であり、上記の(1)、(2)、
(3)を除いた斜線部イの領域が工業的に採用し得る本
発明の採用預域である。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1,2.3及び比較例1,2
ポリアセタールとして[テナツク[F]5010J(旭
化成工業株式会社製、アセタールホモ重合体、一般用グ
レード)90重量部、第1表に示す各種平均粒径の炭酸
カルシウム10重量部及び不飽和ポリエステル(イソフ
タル酸/無水マレイン酸/ジエチレンクリコール−1モ
ル/1モル/2モルから合成した平均重合度10の不飽
和ポリエステルで架橋剤としてスチレンを含有する)1
重量部の3種の成分をタンブラーで予備混合した後19
0℃に設定した押出機で混練してペレット化した。
化成工業株式会社製、アセタールホモ重合体、一般用グ
レード)90重量部、第1表に示す各種平均粒径の炭酸
カルシウム10重量部及び不飽和ポリエステル(イソフ
タル酸/無水マレイン酸/ジエチレンクリコール−1モ
ル/1モル/2モルから合成した平均重合度10の不飽
和ポリエステルで架橋剤としてスチレンを含有する)1
重量部の3種の成分をタンブラーで予備混合した後19
0℃に設定した押出機で混練してペレット化した。
このペレットを用いて射出成形による3闘厚平板を作成
し、供試材料とした。
し、供試材料とした。
この平板を1.1.1−1−リクロルエタンにより脱脂
し、96%硫酸/85%リン酸/水=40/25/35
(重量比)からなる溶液に40°C, 8分間浸漬して
エッチングを行なった後、80℃の温湯中に10分間浸
漬しエッチング工程を終了した。
し、96%硫酸/85%リン酸/水=40/25/35
(重量比)からなる溶液に40°C, 8分間浸漬して
エッチングを行なった後、80℃の温湯中に10分間浸
漬しエッチング工程を終了した。
次に、上記エッチング処理をした平板を常法によりメッ
キした。
キした。
まずプラスチックメッキ用前処理液(奥野製薬株式会社
製、キャタリスト)及びアクセレーターに所定時間浸し
た後、化学メツキ液(奥野製薬株式会社製、MTP化学
ニッケルメッキ液)により所定の方法で化学メッキし、
速かに電気メッキに供した。
製、キャタリスト)及びアクセレーターに所定時間浸し
た後、化学メツキ液(奥野製薬株式会社製、MTP化学
ニッケルメッキ液)により所定の方法で化学メッキし、
速かに電気メッキに供した。
平均メツキ膜厚は銅40μ、ニッケル10μ、クローム
0.1μとした。
0.1μとした。
このようにしてメッキを施したメッキ物の性能は第1表
の通りであった。
の通りであった。
なお、メッキ性能の測定は次の方法で行なった。
(1)剥離強度二メッキ面に10mm幅の平行な切れ目
を入れ、切れ目の部分のメッキ層を平板面に直角方向に
引張り、それに要した応力を求めた。
を入れ、切れ目の部分のメッキ層を平板面に直角方向に
引張り、それに要した応力を求めた。
(2)外観:30.0ルックス以上の光源下で、試験面
から60cmの距離をへだてて目視により行なう。
から60cmの距離をへだてて目視により行なう。
実施例4,5.6及び比較例3
第1表で用いたエッチング平板と同じものを用い、エッ
チング後十分水洗、風乾し、アクリル系塗料(東京ペイ
ント株式会社製、アクリスター、青)を塗布し、150
゜Cで30分間焼付処理を行なった。
チング後十分水洗、風乾し、アクリル系塗料(東京ペイ
ント株式会社製、アクリスター、青)を塗布し、150
゜Cで30分間焼付処理を行なった。
塗膜に碁盤目状の切目を入れ、スコッチテープによる剥
離試験を行なった。
離試験を行なった。
結果を第2表に示す。
実施例7,8,9.10及び比較例4,5.6実施例2
と同じ炭酸カルシウム(平均粒径1.25ミクロン)を
用い実施例2と同じ方法でメッキを施した。
と同じ炭酸カルシウム(平均粒径1.25ミクロン)を
用い実施例2と同じ方法でメッキを施した。
但し炭酸カルシウムの量を第3表のとおり変え、不飽和
ポリエステル量は炭酸カルシウム重量部の10%相当量
を加えた。
ポリエステル量は炭酸カルシウム重量部の10%相当量
を加えた。
結果を第3表に示す。
実施例11.12及び比較例7,8
実施例8,10及び比較例4,6と同じ実験を、ポリア
セクール樹脂として「也ラコン[F]M90−02J(
ポリプラスチックス株式会社製、アセタール共重合体、
一般用グレード)を用いて実施した。
セクール樹脂として「也ラコン[F]M90−02J(
ポリプラスチックス株式会社製、アセタール共重合体、
一般用グレード)を用いて実施した。
結果を第4表に示す。
実施例13〜16及び比較例9〜13
実施例2と同じ実験をエッチング液組成を第5表に示す
とおり変えて実施した。
とおり変えて実施した。
結果を第5表に示す。
以上の実施例から判るように、本発明に基づく特定の組
成物を特定のエッチング液で処理することにより、ポリ
アセタール樹脂の優れた表面処理.成形品を得ることが
できる為、該樹脂の応用分野を一層拡大し、機械部品な
どの軽量化、コストダウンなどを促進する効果は極めて
大きい。
成物を特定のエッチング液で処理することにより、ポリ
アセタール樹脂の優れた表面処理.成形品を得ることが
できる為、該樹脂の応用分野を一層拡大し、機械部品な
どの軽量化、コストダウンなどを促進する効果は極めて
大きい。
第1図は、本発明で用いるエッチング液の組成範囲を表
わす為の、硫酸濃度一リン酸濃度線図を示す。
わす為の、硫酸濃度一リン酸濃度線図を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1(a)ポリアセタール樹脂100重量部、(b)微粉
状炭酸カルシウム3〜33重量部および(c)不飽和ポ
リエステル0.1〜10重量部とからなるポリアセター
ル樹脂組成物を、96重量%硫酸含有率が15重量%以
上で、かつ、85重量%リン酸含有率が(一郵X +
45 )重量%以上(一鴫X+90)重量%以下である
(ただしXは96重量%硫酸の含有率を表わす。 )硫酸水溶液又は硫酸・リン酸含有水溶液でエッチング
することを特徴とするポリアセタール樹脂組成物の表面
処理法。 2 炭酸カルシウム粉末の平均粒径が0.1〜4.0ミ
クロンの範囲にある特許請求の範囲第1項記載のポリア
セタール樹脂組成物の表面処理法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP53130479A JPS584936B2 (ja) | 1978-10-25 | 1978-10-25 | ポリアセタ−ル樹脂組成物の表面処理方法 |
GB7936174A GB2035335B (en) | 1978-10-25 | 1979-10-18 | Polyacetal resin composition excellent in heat stability and surface processability and process for surface treating same |
IT50647/79A IT1164132B (it) | 1978-10-25 | 1979-10-23 | Composizione di resina poliacetalica e procedimento per trattare la superficie di un prodotto stampato da essa |
DE2953528A DE2953528C2 (de) | 1978-10-25 | 1979-10-23 | Verfahren zum Aufrauhen der Oberfläche von Formteilen aus einer Polyacetalharzmasse |
DE2942744A DE2942744C2 (de) | 1978-10-25 | 1979-10-23 | Polyacetalharzmasse mit ausgezeichneter Wärmebeständigkeit und Bearbeitbarkeit der Oberfläche |
FR7926404A FR2439803A1 (fr) | 1978-10-25 | 1979-10-24 | Composition de resine de polyacetal excellente par sa stabilite a la chaleur et sa facilite de traitement, procede pour rendre sa surface rugueuse et produit obtenu |
US06/251,936 US4464435A (en) | 1978-10-25 | 1981-04-07 | Polyacetal resin composition excellent in heat stability and surface processability and process for surface treating same |
US06/571,677 US4521488A (en) | 1978-10-25 | 1984-01-17 | Polyacetal resin composition excellent in heat stability and surface processability and process for surface treating same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP53130479A JPS584936B2 (ja) | 1978-10-25 | 1978-10-25 | ポリアセタ−ル樹脂組成物の表面処理方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15513579A Division JPS6059255B2 (ja) | 1979-11-30 | 1979-11-30 | ポリアセタ−ル樹脂成形品の表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5592741A JPS5592741A (en) | 1980-07-14 |
JPS584936B2 true JPS584936B2 (ja) | 1983-01-28 |
Family
ID=15035226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP53130479A Expired JPS584936B2 (ja) | 1978-10-25 | 1978-10-25 | ポリアセタ−ル樹脂組成物の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS584936B2 (ja) |
-
1978
- 1978-10-25 JP JP53130479A patent/JPS584936B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5592741A (en) | 1980-07-14 |
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