JP2794753B2 - ポリエステル成形材料 - Google Patents

ポリエステル成形材料

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、良好な成形性を有するポリエステル成形材
料に関するものである。
「従来技術」 ポリブチレンテヘフタレート(以下、PBTと略称す
る。)は、機械的特性、電気的特性、耐熱性などの諸特
性に優れたエンジニアリングプラッスチックであるの
で、電気、電子関連分野、自動車、輸送機器関連分野、
機械関連分野、家庭用品関連分野などに広く用いられて
いるポリエステル成形材料である。また、このPBTは優
れた成形性を有しており、中型ないし大型成形品に関し
ては問題無く形成されている。
「発明が解決しようとする課題」 ところが、このPBTの優れた成形性をもってしても、
小型精密機械部品の用途に対してはいまだ改良が必要と
されているのが現状である。通常、小型精密機械部品を
射出成形する際には、成形サイクルを向上させ生産性を
高めると同時に、成形品それぞれの寸法均一性、重量均
一性が射出成形ショット間およびショット内で達成され
ることが要求されるが、PBT単独ではかかる要求を十分
満足することができないという欠点を有する。
かかる欠点を改良する手段としては、従来より多くの
方法が開示されている。その代表例を以下に示す。
(1) ポリエステルにステアリン酸金属塩および/ま
たは無機固体粉末を溶融混合する方法。(特公昭47−10
532号公報、特公昭48−48894号公報) (2) ポリエステルチップに脂肪酸金属塩および/ま
たは無機固体粉末を均一にまぶす方法。(特公昭45−19
392号公報、特公昭47−32435号公報、特公昭48−4097号
公報) (3) ポリエステルチップに脂肪酸金属塩および/ま
たは無機固体粉末を均一にまぶす際に,流動パラフィン
などの液状展着剤を用いる方法。(特開昭50−78647号
公報) (4) 無機固体粉末を溶融混合によって含むポリエス
テルチップ、もしくは含まないポリエステルチップにモ
ンタン酸塩を被覆する方法。(特公昭47−13137号公
報) (5) 脂肪族カルボン酸金属塩と無機固定粉末を該脂
肪族カルボン酸金属塩の融点以上、ポリブチレンテレフ
タレートの融点以下で加熱混合する方法。(特公昭62−
941号公報) しかしながら、上記(1)の方法による成形品は、確
かに成形サイクルは速くなるが、成形品の均質性につい
てはチップ形状あるいは射出成形機のタイプによって大
きく影響を受け、上記要求を満足させるものではない。
また、上記(2)の方法によれば、静電気の発生その
他の理由により、均一にまぶした塩が再分離し、成形サ
イクルおよび成形品の品質の射出成形のショットごとに
変動するという欠点がある。
上記(3)の方法は、(2)の方法の欠点を改良する
ものであるが、反面、一般には展着剤が粘着性のある液
状物のため、チップ間の摩擦係数が変化し、チップの移
送が均一でなくなることにより、可塑化状態が不安定と
なり、安定な品質の成型品が得られ難いという欠点を有
し、さらには、ホッパの汚れ、ほこりの吸着等の発生と
いう欠点もある。
上記(4)の方法はポリエステルチップの表面が溶融
された塩で被覆されているため、全体に均一であるが、
チップ間のスベルが悪く、成形機ホッパ内でブリッジ化
するなどチップの供給が均一でなく、可塑化状態が不安
定となり、安定な品質の成型品が得られ難いという問題
を残している。
上記(5)の方法はポリエステルチップを高温に加熱
する必要があり、製造上コスト高につながる。また、脂
肪族カルボン酸金属塩は金属表面を変色させる欠点があ
る。
このように従来の方法にはそれぞれ問題があり、これ
をPBTに適用しても結晶化核剤である脂肪族カルボン酸
金属塩および/または無機固体粉末の添加により成形サ
イクルが短縮するという効果こそ得られるものの、それ
と同時に成形時の可塑化状態が不安定となり、成形品の
寸法、重量およびその他の諸特性の均一性において、十
分満足すべき結果を得ることができないという欠点を有
する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、成形安
定性が良く、かつ成形品の品質安定性が良好なポリエス
テル成形材料を提供することを目的とするものである。
「課題を解決するための手段」 本発明者らは、PBT粒状物表面にポリオレフィンワッ
クスを被覆してなるポリエステル成形材料、好ましくは
酸化ポリオレフィンワックスの乳化液を用いて被覆して
なるポリエステル成形材料を使用することにより、上記
目的が非常に効果的に達成できることを見出し本発明に
到達した。
以下、本発明のポリエステル成形材料について詳しく
説明する。
前述したように、本発明の特徴は、PBT粒状物表面
に、ポリオレフィンワックスからなる被覆層が形成され
たところにある。
上記被覆層を形成するポリオレフィンワックスとして
は、いかなるポリオレフィンワックスであってもよい
が、中でも酸化型ポリオレフィンワックスが好ましい。
この酸化型ポリオレフィンワックスとは、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、もしくはエ
チレン/プロピレン、エチレン/酢酸ビニル、エチレン
/アクリル酸エステル、エチレン/アクリル酸等のエチ
レンを主体とする共重合体等のオレフィンコポリマー類
を、酸化雰囲気で熱分解したもの、もしくは重合時にカ
ルボン酸等の極性基を導入したもの等である。
本発明においては、上記酸化型ポリオレフィンワック
スの内、ポリエチレンを酸化変性した変性ポリエチレン
ワックスが特に好適に用いられるが、これに限られるも
のではない。また、これらの酸化型ポリオレフィンワッ
クスは、1種又は2種以上混合して使用することができ
る。
上記、酸化型ポリオレフィンワックスの酸価は、5.0
〜40KOHmg/gの範囲が好ましく、特に好ましくは10〜30K
OHmg/gの範囲内である。また、分子量は、共存する他の
添加剤の表面への濡れ易さ、又は溶融混練の容易さ等の
点で、低分子量のものが好ましい。
また、上記以外のポリオレフィンワックスとしては、
カルボン酸等の極性基を有していない非酸化型ポリオレ
フィンワックスも用いられる。この非酸化型ポリオレフ
ィンワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプ
リプロピレンワックス等が好適であり、それ自体では成
形性に乏しい低分子量のものが好ましい。例えば、Hoec
hst−Wax PE−190、PE−520(ヘキスト ジャパン社
製)、ハイワックス 200P、320P、410P(三井石油化学
工業社製)、などである。
本発明に用いられるPBTとしては、1.4−ブタジオール
とテレフタール酸を縮合して得られる本来のPBTはもと
より、上記アルコール成分および酸成分の一部を、他の
共重合可能な成分に置き換えてなるPBTを主体とする共
重合体(以下PBT共重合体とする。)、または、PBTもし
くはPBT共重合体50重量%以上と他の有機分子物質50重
量%未満との混合物であってもよい。
上記PBT共重合体に用いられるアルコール成分として
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ルなどのジオール類等が好適であり、酸成分としては、
イソフタール酸、アジピン酸などを挙げることができ
る。
また、上記PBTに混合する有機高分子物質としては、
ポリエチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリアミド、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、
ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリ
ル樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ブチルゴムなどが挙げられる。
また、上記PBTには、耐炎剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、加水分解防止剤、離型剤、金属不活性剤、蛍光増
白剤、顔料、充填剤などの有機もしくは無機物質を添加
してもよく、さらには、ガラス繊維などの補強剤で強化
されたものでもよい。
本発明で用いられるPBTは、角板状、円筒状、球状そ
の他任意の形の小粒子の形で用いられる。小粒子は平均
粒径1〜10mmの範囲内が好ましい。特に好ましくは2〜
5mmの範囲である。
本発明において、PBT粒状物に付着せしめるポリオレ
フィンの量は、PBT100重量部に対して0.005〜5.0重量
部、好ましくは0.01〜2.0重量部が適当である。酸化ポ
リオレフィンの付着量が0.005重量部未満では成形性の
向上効果を期待することができず、5.0重量部を越える
と成形性向上の効果が飽和し、かえってPBT自体の有す
る物性を低下させるため好ましくない。
本発明においては、PBT表面にポリオレフィンワック
スの被覆層を形成する方法として、均一な肉厚の被覆層
が得られ、コーティング処理が容易な点で、ポリオレフ
ィンワックスの乳化液を用いる方法が好適であるが、こ
れに限られるものでない。
上記乳化液を用いる方法としては、例えば、粒状PBT
とポリオレフィンワックス乳化液を逐次あるいは同時に
ヘンシェルミキサー、タンプラー等の所定の混合機へ供
給、混合し、ホッパードライヤー等で乾燥させる方法、
押出機を用いて造粒する際、押出機のダイスより吐出し
たストランド状の溶融樹脂を冷却固化させる冷却水槽の
冷却水として、酸化ポリオレフィンワックス乳化液を所
定の濃度で混合した水溶液を使用する方法、予熱された
粒状PBTと酸化ポリオレフィン乳化液を混合する方法な
どが挙げられるが、これに限られるものでない。本発明
においては、粒状のPBT表面にポリオレフィンワックス
乳化液を付着させ、粒状PBT表面にポリオレフィンワッ
クスの薄膜層を密着して形成させる方法であれば、いか
なる方法でも用いることができる。
なお、上記予熱された粒状のPBTとは、たとえば溶融
重合後吐出、粒状化された直後、固相重合中またはその
直後、押出機からの吐出、粒状化された直後および乾燥
直後のまだ冷却前の状態をも含むものである。
上記ポリオレフィンワックス乳化液とは、ポリオレフ
ィンワックスを、非イオン系界面活性剤、アニオン系界
面活性剤、カチオン系界面活性剤等の界面活性剤を用い
て、あるいはポリオレフィンワックス単独で、マヨネー
ズ法、自己乳化油法、擬縮法などの方法により水の中へ
均一に分散させた状態の水溶液である。
上記非イオン系界面活性剤としては、例えばポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類 ROC(C2H4O)nH) ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類 ポリオキシエチレンアルキルエステル類 RCOO(C2H4O)nH 等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としは、例えば 脂肪酸塩類 RCOONa 高級アルコール硫酸エステル塩類 ROSO3Na 液体脂肪酸油硫酸エステル類 R(OSO3Na)COOR′ 等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば 等が挙げられる。
以上、本発明に使用されるポリオレフィンワックス乳
化液等について説明したが、これは本発明におけるポリ
オレフィンワックスの種類、乳化方法について限定する
ものではない。
本発明のポリエステル成形材料は、PBT粒状物表面に
ポリオレフィンワックスの薄膜層を形成させることによ
り、好ましくは、酸化型ポリオレフィンワックス乳化液
を用いて薄膜層を形成させることにより、成形サイク
ル、特に射出成形時のペレットの計量時間が極めて短縮
されるとともに、成形材料の形状、成形機、成形条件に
ほとんど影響されることなく、安定した可塑化状態が得
られ、成形品ショット間変動、およびショット内変動が
著しく改善されたものであるので、とくに小型精密機械
部品などの射出成形用途に有用なものである。
「実施例」 以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明す
る。
(製造例1) 酸化型ポリオレフィンとして、三井ハイワックス4202
E(酸化ポリエチレン、三井石油化学工業(株)社製、
酸価18KOHmg/g、分子量2600)を用いてこれを乳化し、
エマルジョンAとした。処方を第1表に示す。
(実施例1〜3) メルトフローレイト(以下、MFRと略称する。)6.0g/
10分のPBTペレット(2.4g/100粒)100重量部に対し、上
記エマルジョンAを第2表に示す配合量を用い、ヘンシ
ェルミキサーにて混合した後、140℃で2時間乾燥さ
せ、実施例1〜3を得た。
(比較例1〜3) 比較例として、三井ハイワックス4202Eを単独で、第
2表に示す配合量を用いて、実施例1〜3と同じPBTペ
レットに均一にまぶしたもの、および無添加のペレット
を140℃で2時間乾燥し、比較例1〜3を得た。
上記実施例および比較例を用いて、8個取り小型歯車
(1個重量5.0〜5.1g)を射出成形した。成形条件を第
2表に示す。
第2表に示す成形条件により成形を行い、各ショット
毎の計量時間(sec)、最小クッション量(mm)、成形
品重量(8個分)を測定し、平均値、標準偏差を求め
た。結果を第3表に示す。なお、表中の重量部は、PBT1
00重量部に対しての値である。
第3表より明らかなように、実施例は比較例に比べ、
計量時間が短く、ペレットの計量性が良好である。ま
た、実施例は、各ショット毎の計量時間、最小クッショ
ン量、成形品重量のバラツキが少なく安定しており、成
形品の信頼性が良いことがわかる。
(製造例2) 酸化型ポリオレフィンワックスとしてヘキストワック
スPED522(酸化ポリエチレン、ヘキスト社製、融点121
℃、酸価24KOHmg/1g)を用いてこれを乳化し、エマルジ
ョンBとした。処方を第4表に示す。
(実施例4〜6) MFRが、5.5g/10分のPBTペレット(3φmm×3mm円柱
状)100重量部に対し、上記エマルジョンBを、第6表
に示す配合量を用い、ヘンシェルミキサーにて混合した
後、120℃、4時間乾燥させ実施例4〜6を得た。
(比較例4〜6) また、実施例4〜6と同じ材料を用い、エマルジョン
Bの無いもの、その配合量が、本発明の配合量の範囲外
のものを作製し、比較例4〜6とした。
上記実施例、比較例を用いて、ASTM4号ダンベルおよ
び1/2"衝撃試験片を射出成形した。成形条件を第5表に
示す。
第5表に示す成形条件により成形を行い、計量時間、
引張強度、引張伸び、アイゾット衝撃値を測定した。結
果を第6表に示す。なお表中の重量部は、PBT100重量部
に対しての値である。
第6表より明らかなように、実施例は比較例に比べ
て、計量時間が短く、ペレットの計量性が良好なため、
成形サイクルの短縮が可能である。また、ヘキストワッ
クスPED522(酸化ポリエチレン)の付着量が5.0%をこ
えると(比較例6)物性を著しく低下させ、反対に酸化
ポリエチレンを付着させない(比較例4)もの、または
付着量が少ないもの(比較例5)は、物性の低下はない
が、計量性が悪く、成形安定性に欠ける。
(実施例7) 相対粘度1.80のPBTチップを40mmφ、ベント付き押出
機でバレル温度240度で混練し、直径4.5mmφのダイスよ
り押出し、ストランド化した。このストランドを実施例
4〜6で作製したエマルジョンBの40wt%水溶液(酸化
ポリエチレン成分として8wt%)のはいた冷却水槽で冷
却した後、ペレタイザーでカッティングし、直径3φm
m、長さ3mmのペレットを得た。ペレット表面に付着した
酸価ポリエチレンの量は、0.05wt%であった。
(比較例7) 比較例として、冷却水を水道水とした以外は、実施例
7と同様の材料、同様に方法を用いて、カッティングし
たペレットを得た。
実施例7、比較例7のペレットを用い、4個取り、2
5.4mm×50.0mm×2.0mmのシートを射出成形した。成形条
件を第7表に示す。
第7表に示す成形条件において成形を行い、計量時
間、最小クッション量、成品重量の平均値、標準偏差を
測定した。結果を第8表に示す。
第8表より明らかなように、実施例は、計量時間が短
く、かつ計量時間、最小クッション量、成品重量のバラ
ツキが少なく、可塑化安定性に優れ、成形品の信頼性が
高いものである。
(実施例8) MFR6.0g/10分のPBTペレット(2.4g/100粒)100重量部
に対し、実施例1〜3で用いたエマルジョンAを第10表
に示す配合量で用い、これらをヘンシェルミキサーを用
いて混合した後、130℃で3時間乾燥させ、実施例8を
得た。
(比較例8) 比較例として、エマルジョンAの替わりに従来より成
形性改良のために使用されている脂肪酸金属塩(ステア
リン酸アルミニウム)を第10表に示す配合量で用いた以
外は、実施例と同様にして比較例8を得た。
上記実施例8と比較例8とを用いて、ASTM4号ダンベ
ル、および1/2"衝撃試験片を射出成形した。成形条件
を、第9表に示す。
第9表に示す成形条件により成形を行い、計量時間、
引張強度、引張伸び、アイゾット衝撃値を測定した。
又、それぞれの成形材料の溶融時の熱安定性をみる目的
で、成形機シリンダー内に10分間滞留させた後、ASTM4
号ダンベルと、1/2"衝撃試験片を成形した。結果を第10
表に示す。なお、表中の重量部は、PBT100重量部に対す
る値である。
第10表より明らかなように、実施例は計量時間につい
ては、比較例と同等であるが、衝撃値、引張伸びおよび
滞留後の物性が良好であり、さらに実施例は、10分間滞
留後の物性の低下が小さいことがわかる。
(実施例9) MFR6.1g/10分のPBTチップ(3mmφ×3mmの円柱状)を
タンブラで150℃、1時間乾燥した後、ポリエチレンワ
ックス(Hoechst−Wax PE−190、ヘキストジャパン製)
を0.1phrを添加、混合し、実施例9を得た。
(比較例9) ポリエチレンワックスを添加しないこと以外は、実施
例と同様にして比較例9を得た。
上記、実施例9と比較例9とを用いて、4個取りコネ
クター(重量15.70〜15.75g/1個)を射出成形した。成
形条件を第11表に示す。
第11表に示す成形条件において成形を行い、計量時
間、成形品の安定性(ショット間およびショット内の重
量)を測定した。評価結果を第12表に示す。
第12表より明らかなように、実施例は比較例と比べて
計量時間が短く、成形サイクルを短縮でき、かつ成形品
の重量のバラツキが小さく形成安定性が良好である。
以下、解析に用いた分析方法、分析装置について記
す。
酸価の値は、フェノールフタレインを指示薬として0.
1N水酸化カリウム標準液で滴定したとき、酸化型ポリオ
レフィンワックス1gあたりに要する水酸化カリウムのmg
数にて示されたものである。
メルトフローレイト(MFR)は、JIS K−7210記載のメ
ルトインデックス測定器を用いて、温度250℃、荷重325
g、予熱時間5分の条件で測定した、JIS K−7210記載の
メルトフローレートにて示されたものである。
相対粘度は、30℃、1wt%のフェノール/テトラクロ
ルエタン溶液中で測定した値にて示されたものである。
「発明の効果」 本発明は、PBT粒状物に、ポリオレフィンワックスか
らなる被覆層を形成してなることを特徴とするポリエス
テル成形材料、好ましくは酸化ポリオレフィンワックス
の乳化液を用いて被覆してなることを特徴とするポリエ
ステル成形材料であるので、成形サイクル、特に射出成
形時のペレットの計量時間が極めて短縮されるととも
に、成形材料の形状、成形機、成形条件にほとんど影響
されることなく、安定した可塑化状態が得られ、成形品
ショット間変動およびショット内変動を著しく改善させ
るものである。従って、本発明のポリエステル成形材料
は、小型精密機械部品などの射出成形用途に有用であ
り、さらには、中型、大型射出成形品を得る際にもすぐ
れた効果を期待することができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67:02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリブチレンテレフタレート粒状物に、ポ
    リオレフィンワックスからなる被覆層を形成してなるこ
    とを特徴とするポリエステル成形材料。
  2. 【請求項2】被覆層が、ポリオレフィンワックスの乳化
    液を用いて形成されたことを特徴とする請求項1記載の
    ポリエステル成形材料。
  3. 【請求項3】被覆層が、ポリブチレンテレフタレート粒
    状物100重量部に対して、ポリオレフィンワックス0.005
    〜5重量部からなることを特徴とする請求項1記載のポ
    リエステル成形材料。
  4. 【請求項4】ポリオレフィンワックスが、酸化型ポリエ
    チレンワックスであることを特徴とする請求項2記載の
    ポリエステル成形材料。
  5. 【請求項5】ポリオレフィンワックスが、カルボキシル
    基含有ポリエチレンワックスであることを特徴とする請
    求項2記載のポリエステル成形材料。
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