JPS5848887B2 - 後幕係止部材の係止位置復帰機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、後幕走行の開始を制御して露出を行ういわゆ
るフオーカルプレーンシャツタのカメラに於ける後幕係
止部材の係止位置復帰機構に関する。

後幕を係止する部材が電気的或は機械的に解放され、そ
の後に後幕が走行するが、一度解放された係止部材を、
後幕を係止する位置まで復帰させる方法として、従来次
回の巻上操作で行なう例、反射鏡及び自動絞り装置の復
帰動作で行なう例が見られるが、然し後幕係止部材を復
帰させるためには、其の為の付勢力が必要になり、巻上
操作が重くなったり、反射鏡及び自動絞りの復元力が強
くなったりする欠点があった。

本発明では、後幕バウンド・ブレーキ部材を、後幕が走
行終期に、たたく作動により行なうようにしたため上記
の欠点を除いたものである。

第１図は本発明の一実施例を図示したもので、１は先幕
用巻上ギャで、先幕ピニオン２、軸３、先幕の牽引体５
、及びそのボビン４、プーり６を介して、図示を省略し
た先幕に連なる。

７は後幕用奏上ギャで、やはり後幕ピニオン８、軸９、
ボビン１０を介して、後幕１１に連なる。

該後幕用巻上ギャ７には、係止部７ａが形成され、カメ
ラの奏上操作時には該先幕用奏上ギャ１に植設されたピ
ン１ａに係合し、連れられて、図の時計方向に回動され
、後幕係止部材１２の一端１２ｂが該係止部７ａに入り
こみ、セットされる。

該係止部材１２の他端１２ａにはアーマチュア１３が遊
動できるように取付き、上記奏上完了時には該アーマチ
ュアはマグネット１４に当接した位置にある。

セット部材１５は該係止部材１２で後幕を係止するよう
に一端１５ａ部に植設したピン１５ｃにかけ、他端を該
係止部材１２にかけたバネ１６を介して該係止部材１２
と結合されている。

そして巻上完了時は、フック部材１８の爪部１８ａがセ
ット部材１５の他端部１５ｂをフックした位置に保つ。

該フック部材１８の一端１８ｂに図の矢印方向にバネ１
８ｃに抗して抑圧を加えて、図の時計方向に回動させる
と、その爪部’ｆ８ａが該セット部材１５の１５ｂ部か
ら外れ、バネ１７により、該係止部材１２と該セット部
材１５は図の反時計方向に付勢されるので該マグネット
１４が消磁されると、反時計方向に回動するので、後幕
奏上ギヤの係止７ａ−１２ｂが解放され、当然すてに先
幕は走行し、該ピン１ａは退いていて後幕１１が走行す
る。

尚バネ１６はバネ１７より強く設定されている。

１９は先幕係止部材で一端１９ａが該先幕用巻上ギャ１
の係止部１ｃと連係し、巻上完了時には図示のように係
止状態にある。

他端１９ｂに矢印方向Ｂの押圧を、バネ２０に抗して加
えると（略図してあるが、反射鏡の上昇機構による。

）、該先幕係止部材１９は図の反時計方向に回動され、
先幕の係止を外すので先幕が走行する。

２１は後幕バウンド・ブレーキ部材で、適度に強いバネ
２２により、図の時計方向に付勢され、一端２１ｃがス
トツパ２３に当接している。

尚該ストツパ２３は偏心状に形成され、該バウンド・ブ
レーキ部材２１の位置を調整することにより、ブレーキ
力を調節できるようになっている。

後幕が解放され該後幕巻上ギャ７が回動するが、それに
植設されたピン７ｂが走行終期に、該バウンド・ブレー
キ部材２１のカム状部分２１ｂをたたき、該バネ２２の
付勢力に抗して、該ブレーキ部材２１を図の反時計方向
に回動することにより、後幕に蓄勢されたエネルギーを
吸収し、ブレーキをかける。

此のとき一度解放された該後幕係止部材１２はそのまま
になっているので、次回のレリーズまでに復帰してやる
必要がある。

本発明はそれを該バウンド・ブレーキ部材２１の他端２
１ａが、該セット部材１５上のピン１５ｃを押しやり、
該セット部材１５を図の時計方向に回動し、該バネ１６
はバネ１７より強力なのでともなって該後幕係止部材１
２を、やはり時計方向に回動し復帰させ、該セット部材
１８の１８ａが該フック部材の爪部１８ａに入ることに
より、次回巻上を行ない該後幕巻上ギヤγ上のピン７ｂ
が、該ブレーキ部材２１のカム状面２ｌｂから退いても
保持される。

第２図は第１図の状態（レリーズ前）の主要部を平面的
に取り出した図である。

この状態図に於いて、該フック部材の端１８ｂに図の矢
印Ａ方向のレリーズカを加えると、該フック部材１８が
時計方向に回動され、他端１８ａの１５ｂ部へのフック
が外れる。

その後、設定時間後、マグネットが消磁されると、バネ
１７の付勢により、該後幕係止部材１２及びセット部材
１５が反時計方向に回動され、後幕係止が解除される。

これが第３図で、この時には該先幕巻上ギャ１上のピン
１ａは該後幕巻上ギヤ上の係止部から離れているので、
後幕の走行が開始する。

後幕走行が終期になると、その走行部材の慣性と走行バ
ネ（略図）により、後幕にはかなりの蓄積エネルギーが
生じ、（後幕の幕速度を速める傾向にある現在及び将来
においては一層大きくなる。

）そのエネルギーを吸収するブレーキを設置するが、そ
れは該後幕巻上ギャ７上のピン７ｂが該ブレーキ部材２
１のカム面２Ｉｂ部にたたき入ることによる。

この際該ブレーキ部材は反時計方向に回動され、他端２
１ａ部が、第３図の状態に放たれたままの該セット部材
１５ａ上のピン１５ｃをたたき、時計方向に回動させる
が、バネ１６はバネ１７より強力に設定されているので
、該後幕係止部材１２を伴なって第４図の位置に復帰す
る。

この状態で巻上げを行ない、該ピン７ｂが該ブレーキ部
材２１の２１ｂ部から離れ、他端２１ａが該ピン１５ｃ
から離れても、フック部材１８の爪１８ａにより、該セ
ット部材１５が係止されているので、後幕を係止できる
位置に保持される。

以上のように、本発明は、後幕の蓄勢エネルギーを利用
して、即ち、後幕が、走行終期に、後幕バウンドブレー
キ部材をたたく力を利用して後幕係止部材を係止位置へ
復帰させるので、後幕係止部材を復帰させるための特別
な付勢力が必要なくなり、巻上操作が重くなったり、反
射鏡及び自動絞りの復元力が強くなったりするという不
都合が解消されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成の一例を示す斜視図、第２図は同
じくそのシャツタレリーズ前の状態を示す主要平面図、
第３図は同じくそのシャツクレリーズ後の電磁石による
後幕が解放された状態を示す主要平面図、第４図は同じ
くそのシャツタレリーズ後の後幕が走行完了した時の状
態を示す主要平面図である。 １：先幕用巻上ギャ、７：後幕用巻上ギャ、１１：後幕
、１２：係止部材、１３：アーマチュア、１４：マグネ
ット、１５：セット部材、１８：フツク部材、２１：バ
ウンド・ブレーキ部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 後幕走行の開始を制御して露出を行なういわゆるフ
   オーカルプレーンシャツタのカメラにおいて、後幕用巻
   上ギャの方向に回動付勢を与えられた後幕バウンドブレ
   ーキ部材の衝突部分を、後幕用巻上ギャに設けられたピ
   ンの後幕走行終期における旋回域に臨設せしめ、更に、
   上記後幕バウンドブレーキ部材の一端を、後幕係止部材
   と同軸で且つバネ結合されたセットレバーに植設された
   ピンに臨ませ、上記後幕用巻上ギャのピンが、後幕走行
   終期に後幕バウンドブレーキ部材の衝突部分をたたくこ
   とによって、その一端で上記セットレバーを押し回し、
   該セットレバーをフック部材に係止させ、後幕係止部材
   が後幕係止位置に復帰した状態を保持せしめたことを特
   徴とする後幕係止部材の係止位置復帰機構。