JPS584844B2 - スイシヨウシンドウシコウゾウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は接合部を単純化して、ケースおよび部品を平板
状に配置し、無駄なスペースをなくシタ薄形の水晶振動
子構造に関する。

水晶振動子はその発振周波数が高精度で安定性がある点
、基準振動源として適し、従来この振動子の製法、構造
が知られている。

時計技術においても水晶振動子を基準振動源として、回
路、変換器、表示器等とを共用して、水晶時計として構
成されている。

中でも腕時計として用いられる水晶振動子は超小型化、
耐衝撃性、気密性等他分野にない苛酷な条件を要求され
ている。

まず、従来の技術を図面と共にのべてみると、第１図に
その従来例の１つの構造の断面図を示し、図において、
所定の加工、調整工程の終った水晶振動片１を外部引出
し用リード７，８用の穴部を備え、該穴部に備えたリー
ド７，８及び穴部をコバールガラス３により気密封止し
たコバール基体４に固着し、水晶振動片１の基部に延長
して備えた励振用電極９，１０と、リード７，８を何ら
かの絶縁処理した基体４上で導電性接着剤１１，１２で
電気接続をとり、必要により更にこの状態で周波数調整
を行った後、ケース２と気密封止する構造である。

この場合、気密封止のために、基体４の外周部にスズ、
ハンダ等の軟金属６を予め被覆し、対応したケース２の
部品にも同様の処理を行い、真空中で両者を圧入して気
密一体化するものである。

又、第２図は他の従来例を示す構造図で、比較的軟かい
、例えば銅等の金属をプレス技術により外周部に鍔部３
２ｂを有する箱型に絞り出し、同時にフランジ３２ｃの
ついた穴部３２ｂを加工した下ケース３２ａを１つの部
材とし、前記穴部に第１図で説明したと同様のコバール
材よりなる外部リード３７，３８を気密固着するコバー
ルガラス３３等と一体となったコバール基体３４を軟金
属３６の助けをかりて、気密的に固着するか、又は銀、
金ロー等で固着する。

このコバール基体３４、又はケース３２ａの一部に支持
されたバネ材３０に前記水晶振動片３１の基部を固着し
、基部反対側に備えた励振用電極３９，４０と前記外部
リード３７，３８をワイヤリード４２，４３によりハン
ダ４１，４２，４４，４５等で各部の電気接続を行い、
しかる後下ケースの鍔部３２ｂと対応して備えた同様金
属で出来た上ケース３２ｅの鍔部３２ｆを真空中でコー
ルドウエルドし完成させる構造である。

この他各種構造が提示されているが似たようなものなの
で、上記２つで代表させるが、いずれの場合にも、水晶
振動片を固定支持し、外部へ気密的にリード線を引出し
手段に難があり、この影響を受けて、容量内に無駄な空
間、所謂デッドスペースや、気密結合部の体積の増大を
まねいていた。

本発明は上記の欠点を除き、且つ組立作業容易な水晶振
動子構造を提示することを目的とする。

第３図以下により本発明の実施例を説明すると、第３図
ａ，ｂはその一例を示す断面構造図と、その平面配置図
を示し、構成部品として、６つの部品のみであり、１つ
１つ説明すると、第１番目は下ケース５１であり、これ
は銅等の冷間圧接容易な金属材を用い、周辺部に鍔部５
ｌｂを備え、底部に位置出し用突起部５１ａと穴部５１
ｃを備え、プレス絞りにより作られた容器形状を成して
いる。

第２番目は上ケース５８であり、これは下ケース５１と
同じ金属材料を用い、同様に対応した鍔部５８ａを備え
たプレーンの容量形状をもっている。

第３番目は封止と支持を行う基板５２であり、これはア
ルミナ、ステアタイト等のセラミック材よりなり、２ケ
所の穴部５２ａ，５２ｂを有し、且つ、下面のほぼ全面
と、上面の穴部５２ａ，５２ｂを分離して配した一対の
厚膜印刷や蒸着技術等で設けた金属層５３，５７ａ，５
７ｂを有している。

第４番目は水晶振動片５６であり、図では音叉型水晶振
動片を示しており、所定の電極（図示せず）を備えてい
る。

第５番目と第６番目は外部引出用リード５４ａ，５４ｂ
であり、これはハンダ付容易な銅等の金属材を用い、水
晶振動片５６の電極と外部の発振回路（図示せず）と接
続を行うものである。

以上の部品により構成され、この組立て完成させる手順
の一例をのべてみると、まず、基板５２の下面金属層５
３と下ケース５１をハンダ付する。

この場合、下ケース５１の突起部５１ａは基板５２の位
置を定めるため備えてあるが、取りはずしてもさしつか
えない。

この作業により、穴部５１ｃ部が気密的に封止される。

このハンダ付作業はハンダ箔を用い、必要によりフラツ
クスの助けをかりて連続炉を通せば容易に実現出来る。

次に水晶振動片５６を基板５２に固着させる工程である
が、これは水晶振動片５６の基部に備え電極と支持を兼
ねた金属膜（共に図示せず）と基板５２の上面に備えた
一対の金属層５７ａ，５７ｂをハンダ付を行い、電気的
接続をとりつゝ支持する。

次にリード５４ａ，５４ｂを基体５２の穴部５２ａ，５
２ｂに差し込み、同様ハンダ付を行って電気接続を外部
にとりつゝ気密的に封止する。

ここで必要により振動周波数を再調整し、しかる後、真
空中で上ケースの鍔部５８ａと下ケースの鍔部５１ｂを
冷間圧接して気密封止して完成させるものである。

尚、必要に応じ各工程中に用いるハンダ材の溶融温度を
変化させると作業は行いやすくなる。

又、ハンダ付に変えて、ロー付等でも代替可能である。

尚、又上ケース５８、下ケース５１のどちらか一方は、
容器形状ではなく平板にしても実現出来る。

第４図は本考案の他の実施例であり、第３図に示した実
施例構造の変形例を示し、異なる点は、前記外部リード
５４ａ，５４ｂの少なくとも一方を無垢材に変えてパイ
プ材のリード５４ｃとしたことにある。

他の構造及び製造工程は同様であるので説明は省くが、
鍔部の真空中の冷間圧接に変えて空気中での冷間圧接が
可能となることにある。

即ち、圧接封止の終ったものをパイプ材から直接排気す
るか、又は真空中で排気してパイプ材を一寸つぶすのみ
で真空封止が可能となる点である。

このことは圧接治工具の単純化、作業の容易性に大きく
寄与出来る。

（尚第３図と同一番号は同一要素なので説明を省略する
） 第５図は本考案の更に他の実施例であり、封止後の発振
周波数調整が可能となるよう透明窓部６０を気密的に備
えたもので、構造その他はセラミック基体５２の処理に
準じるので説明は省略するが、ここからレーザ光等で周
波数調整を行うことが出来る構造を示す。

（第３図と同一番号の説明は略す） 以上の各構造に於ける外部リードは全て２本のリードで
説明したが、１本のみとし、他の１本はケースを介して
取り出すとより簡明な構造となる。

上述のように本発明によれば金属ケースと蓋とセラミッ
ク水晶片保持板とが水晶片に平行に平板状に配置されて
いるため、無駄なスペースが小さく、接合部が単純化さ
れているので、薄形で小型に製作でき、しかも極めて容
易に製造可能な構造を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は各々従来の水晶振動子の断面構造図、
第３図ａ、第４図、第５図は本発明による実施例の断面
図、第３図ｂは第３図ａに対する平面構成図である。 １，３１，５６・・・・・・水晶振動片、２，３２，５
１，５８・・・・・・金属ケース、５２・・・・・・セ
ラミック板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 支持を兼ねた励振用電極を基部に備えた水晶振動片
   と、一部にリード線引出し用貫通穴を有し、かつ下面に
   はほぼ全域に金属層を、上面には前記水晶振動片の基部
   を支持する支持部を備え、前記貫通穴の周囲からこの支
   持部にかけて金属層を被着して成る一枚の絶縁平板と、
   周辺部に相対した封止用接合部を有し、前記水晶振動片
   及び絶縁平板を収納する、上下２つの圧接金属封止ケー
   スと、前記貫通穴及びリード孔部に挿入し電極をケース
   外部に引き出すリード線とよりなり、前記下ケースに前
   記絶縁平板の貫通穴に対応したリード孔部を形成し、こ
   の下ケースと前記絶縁平板の下面の金属層とを貫通穴と
   リード孔部を合せて溶融金属にて固着し、又前記絶縁平
   板の上面の麦持部金属層と水晶振動片の基部を、及び貫
   通穴部周囲の金属層とリード線とを溶融金属にて固着し
   、且つ前記上ケースを下ケースに接合部を合せて接合し
   て一体化した水晶振動子構造。